ディジタル信号処理 Digital Signal Processing

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ディジタル信号処理 Digital Signal Processing 第13講 sampling theorem 標本化(サンプリング)定理

連続時間信号の標本化

4.1 標本化定理(sampling Theorem) サンプルホールド回路 サンプラ 標本化周波数 帯域制限  などについて学び 標本化定理  を理解する

関連情報1 ディジタル通信における標本化,量子化,符号化 標本化:一定の時間間隔で入力のアナログ信号の振幅を取り出すことをいい、標本化回路の出力は、パルス振幅変調(PAM)波である。 量子化:標本化回路の出力の振幅を所定の幅ごとに区切ってそれぞれの領域を1個の代表値で表し、アナログ信号の振幅をその代表値で近似することを量子化とう。量子化ステップの数が多いほど量子化雑音は小さくなる 符号化:符号化とはディジタル量に符号を設定することをいう。量子化された信号の各区間に,00・・・000から11・・・111を割り当てる。

関連情報2 音声信号処理における標本化,量子化,符号化

標本化

量子化:標本の値を区分けする (電圧値を整数値にする)

量子化誤差 細かく区切れば誤差は少なくなる 量子化誤差 細かく区切れば誤差は少なくなる

8つの区分に量子化した例

符号化の例:各区分を3ビットで表現

A/D変換 アナログ信号を,時間的にも振幅的にも離散なディジタル信号に変換したい A/D変換器(D/A変換器)が用いられる 時間方向に離散化・・・標本化 振幅方向に離散化・・・量子化 実際のA/D変換器は,量子化も行っている 標本化の部分は,サンプルホールド回路が受け持っている

A/D変換器とサンプルホールド回路 サンプリング=標本化 連続的なアナログ信号を,一定時間間隔で①取り込み(sampling),②保持し(hold),③振幅を量子化(quantization :2進数値に直す) ①~②をサンプル&ホールド回路で,③を狭義のA/Dコンバータが受け持つ ①において,一瞬だけ回路を閉じて,アナログ値を取り入れるスイッチをサンプラという。 スイッチを閉じる間隔をωs(またはfs)で表し,サンプリング角周波数(サンプリング周波数)という。 ④符号化:二進数値にする ④まで受け持っている

A/D変換器に用いられる サンプルホールド回路の動作原理 手動スイッチ? スイッチSがONの状態では、出力電圧Vaは入力電圧Vinに等しい。スイッチSがOFFの状態では、入出力間が遮断されるが、コンデンサCにはスイッチSがOFFになる直前までの入力電圧が保持されたままになっているので、Cの電圧が出力電圧Vaとなる。 入力の電圧のサンプリングは、SがONの状態のときに行われる。 コンデンサへの充放電時間は、入力電圧が変化する時間よりも十分短いことが必要である。

FETスイッチを用いたサンプルホールド回路

離散時間信号の表現 x*(t)=x(t)δT(t) δT(t)はすべての時刻で1となる関数     →サンプラ関数

フーリエ変換してスペクトラムを求めると

         1 ∞    X*(ω)= -Σ X(ω-nωs)          T n=-∞ この式から,離散時間信号のスペクトラムX*(ω)は,もとのアナログ信号のスペクトラムX(ω)をωsの整数n倍ずらして,それらを重ね合わせたものであるといえる。 n=0以外のスペクトラム成分をエイリアス(alias)という。 エイリアスが発生することをエイリアシング(aliasing)という。

ωs/2≧σなら,スペクトラムは重ならない ω≧σ に帯域制限されている ω≧σ に帯域制限されている ωs/2<σ の場合は,スペクトラムが重なり合う エイリアシング歪み(aliasing distortion)

離散時間信号のない部分を補って連続信号をつくる

関連情報 alias:エイリアス (英)偽名、別名、通称 アナログ信号をディジタルデータに変換するとき,サンプリング周波数の1/2以上の周波数の成分が混じっていると,周期的なノイズが生じる。これをエイリアスという。テレビの画面に細かい規則正しい模様を表示した時に本来存在しない縞状の模様(モアレ)が見える現象などがこれにあたる。

折り返し雑音 折り返し雑音(英: Folding noise)またはエイリアシング(英: Aliasing)とは、統計学や信号処理やコンピュータグラフィックスなどの分野において、異なる連続信号が標本化によって区別できなくなることをいう。エイリアス(aliases)は、この文脈では「偽信号」と訳される。信号が標本化され再生されたとき、元の信号のエイリアスとなって生じる歪みのこともエイリアシングまたは折り返し雑音、折り返し歪みという。 デジタル写真を見たとき、ディスプレイやプリンタ機器、あるいは我々の眼や脳で再生(補間)が行われている。再生された画像が本来の画像と違っている場合、そこには折り返し歪みが生じている。空間折り返し歪み(spatial aliasing)の例として、レンガの壁をピクセル数の少ない画像にしたときに生じるモアレがある。このようなピクセル化に際しての問題を防ぐ技法をアンチエイリアスと呼ぶ

ナイキストレート:標本化周波数の下限 ωs=2σ ナイキスト周波数:ωsで標本化したときの信号帯域の上限 σ= ωs/2 まとめると ナイキストレート,ナイキスト周波数 ナイキストレート:標本化周波数の下限 ωs=2σ ナイキスト周波数:ωsで標本化したときの信号帯域の上限 σ= ωs/2

帯域制限フィルタ (アンチエイリアシングフィルタ,LPF) サンプラの前段に入れる

内挿フィルタ(低域通過フィルタ) 離散時間信号から連続信号をつくる 内挿フィルタ(低域通過フィルタ)   離散時間信号から連続信号をつくる x*(t)を帯域制限フィルタに入力したとき,x*(t)が得られる このx*(t)を理想低域通過フィルタに入力したときの出力をy(t)とする  y(t)をフーリエ変換するとY(ω)になるとすれば,   Y(ω)=H(ω)X*(ω)   Y(ω)=X(ω)  となる・・・・・元のアナログ信号のスペクトラムが再現できる

○ 標本化定理:アナログ信号を完全に再現できる離散時間信号     を作るには,原信号の持つ周波数成分をサンプリング周波数     の1/2以下に制限しなければならない。 ○ 帯域制限信号:原信号の周波数をサンプリング周波数の1/2以    下になるように高域遮断フィルタを入れて作った信号をいう。

標本化定理(サンプリング定理)のポイント サンプリングされる元のアナログ信号に含まれる最高の周波数はサンプリング周波数の2分の1以下でなければならない 原信号に含まれる最高の周波数がサンプリング周波数の1/2を超えている場合に生じるスペクトラムの重なり現象をaliasingという aliasingを生じないようにするためには,フィルタを用いて原信号の高調波成分を遮断すればよい これを anti-aliasing filterという

サンプリング定理について調べよう 人名・・・ナイキスト,シャノン,染谷 時代・・・この定理が重要だったのか 定理を簡単にいうと

aliasing 現象について調べよう どんな現象・・・音声では        ・・・画像では

質問はありませんか?

ここまで ごきげんよう