第9回 GISで空間分布を捉える デジタル地理情報の構造 GISでみる地理分布 地理分布の計測 地理分布の理解
地形図の画像データ(1/25000)
地形図の画像データ(1/10000)
さまざまなデジタルデータ 授業中に,生のデータをデモする
デモから理解していただくこと さまざまな地理情報が書かれている地形図はレイヤに分けられ,デジタルデータに変換されている. このデジタル地理データセットには,ベクター形式のもの(道路など)と,ラスター形式のもの(地形,衛星画像)がある. 地理データは形状データ(.shp)と属性データから構成されている. 形状データには, .shpのシェープファイル形式とフォルダ形式のArcGISカバレジ形式のものがある. 建物データはポリゴンカバレジとなっている.中には3種類のフィーチャー(ポイント,ライン,ポリゴン)が含まれている.
地図を越えるGIS 幾何解析 統計解析 空間解析 ネットワーク解析 地形解析 時系列解析 表示:拡大・縮小・表示・非表示の自由 表現:色・記号・パターン・投影が自由 検索:空間検索・属性検索・複合検索 統合:写真・音声・統計等との統合が可能 解析:紙地図上で困難又はできない処理が容易 幾何解析 統計解析 空間解析 ネットワーク解析 地形解析 時系列解析
GISで空間分布を捉える方法 空間分布:Spatial Distribution 分布の測度 分布の表現 空間事象(たとえば,人口)が空間領域における位置関係と各部分領域同士の相対関係を示すもの 分布の測度 地域別割合(集中度) 重心 集中指数 ジニ指数 密度 最近隣測度 分布の表現 色塗り法 ドット法 円積法 段彩法 等値線法
重心 出典)大友篤,地域分析入門,1987,p.42
集中の度合を測る指数:集中指数 集中指数(C)
ローレンツ曲線 ローレンツ曲線 分布事象の統計量と対応する部分地域の面積との関係を見る方法. 人口密度を高低順に部分地域を並べ替え,任意に区分された階級ごとに,分布事象の統計量(人口)の累積百分比を横軸に,対応する地積の累積百分比を縦軸にして,プロットした曲線. 対角線から下へ離れるほど,狭い地域に多数の人口が集中していること表す.
ジニ集中係数 面積比 ↓ ジニ係数 均等分布曲線 ローレンツ曲線
密度 密度 接近度 単位面積あたりの人口 単位人口当たりの面積
最近隣測度 ここで, rは各地点からの最近隣地点までの距離,Nは地点または部分地域の数,Pは分布領域の単位面積あたりの地点または部分地域の数である. 今週の演習課題は,この式を使って,最近隣測度の計算を説明したものです.
空間分布を読む
人口密度と接近度
密度指標の活用:エコロジカルフットプリント
世界各国のエコロジカルフットプリント 出典) WWF, Living Planet Report 2002.
GISによる最近隣測度の計算 授業中に,データの準備と計算手順を実演します.
自主課題 エコロジカルフットプリントを勉強する. スライド18の最近隣測度を算出する演習を行う. WWFの報告書のダウンロード先: http://www.wwf.or.jp/activity/lpr2002/efp.htm 参考書: 「エコロジカル・フットプリント―地球環境持続のための実践プランニング・ツール」 ワケナゲル,マティース〈Wackernagel,Mathis〉・リース,ウィリアム【著】〈Rees,William E.〉・和田 喜彦【監訳】・池田 真里【訳】,ISBN:4772603239,合同出版 2004-09 スライド18の最近隣測度を算出する演習を行う. データとマニュアルのダウンロード先: http://ecogis.sfc.keio.ac.jp/gis/2004/study1/index.htm 以上の課題は提出物はないが,自主的に勉強と演習を行い,密度と分布の意味と指標の使い方,結果の読み方を理解してほしい.最終課題の内容と関係あります.