経済学部教授 鈴木 亘 今年度は教室の定員を超える履修登録者数となる場合には、自動的に抽選となるので注意。 2018年度 社会保障論 経済学部教授 鈴木 亘 今年度は教室の定員を超える履修登録者数となる場合には、自動的に抽選となるので注意。
社会保障論とは 社会保障とは、年金、医療、介護、生活保護、失業対策、少子化対策、保育といった生活のリスク・失敗に備えるためのセーフティーネットの仕組み。 本講義では、このうち、年金、医療、介護、生活保護、保育を中心に学ぶ。社会保障財政やマクロ経済の影響も解説する。
授業の目的 日本が現在抱える様々な社会保障問題に関する知識を身につけ、問題解決のためにどうすれば良いのかを経済学的な視点から考察する。 経済学を現実問題に応用して問題を解決する好例。 毎回、この問題に対する基礎知識とともに、現在政策の現場で議論されている事柄、これに対する経済学的な考察などを紹介する。 企業、公務員、資格取得にも一部有用。
テーマ1:年金改革 少子高齢化が急速に進む中で、賦課方式の年金制度は維持困難。改革不可欠。 支給開始年齢引き上げの是非。 高所得者の年金カットの是非と方法。 最低保障年金の是非。基礎年金の消費税財源化の是非。 運用は、安全資産か危険資産のどちらで。 情報公開のあり方、運営組織の改革。 積立方式移行の是非。
テーマ2:医療保険改革 少子高齢化が急速に進む中で、「賦課方式」の医療保険制度は維持困難。改革不可欠。 出来高払いから包括払い方式へ。 老人の自己負担率引き上げ、軽医療全額負担の是非。 老人用の診療報酬の是非。 オプシーボの様な高額薬剤の是非。 地域医療計画(機能別病床)の是非。 情報公開のあり方、中医協の改革。 積立方式移行の是非。
テーマ3:介護保険改革 少子高齢化が急速に進む中で、「賦課方式」の介護保険制度は維持困難。改革不可欠。 自己負担率引き上げの是非。 軽要介護度外しの是非。 保険料対象の引き下げ(20歳)の是非。 保険者機能強化、民営化の是非。 高齢者の地方移住の是非。 施設介護の自由化の是非。 積立方式移行の是非。
テーマ4:生活保護改革 生活保護の対象として、働く能力のある人(稼働能力要件)を入れるべきか。 高齢者を生活保護で救うべきか。 現金給付ではなく、現物給付あるべきか。 医療扶助、介護扶助の自己負担ゼロの是非。 ジェネリック医薬品使用の是非。 生活保護の有限期間化の是非。 最低保障金額のあり方。
テーマ5:保育改革 保育料を引き上げるべきか、下げるべきか。 株式会社の参入を制限すべきか。 認可保育と無認可保育の差はこのままで良いのか。 保育バウチャー導入の是非。 保育士賃金をどこまで引き上げるか。 基礎自治体が担うべきかどうか。 市場化(価格自由化、参入自由化、直接契約、直接補助、イコールフッティング)の是非。
授業に求められる要件 社会保障、社会福祉に興味があること。 経済学については、基礎的なものしか用いないので、ミクロ経済学の初歩が分かっていれば良い。 数学は、ほとんどいらない。 他学部、他学科の場合には、同時に履修するか、何か一冊初歩的な本を読めば十分で有る。参考に勧められる本。
八田達夫「ミクロ経済学 Expressway」東洋経済新報社、ISBN-13: 978-4492813027
教科書 鈴木 亘「社会保障亡国論」講談社新書、2014年、ISBN-13: 9784062882538 (成文堂に入荷、Amazonでも送料無料、大きな書店有り) 鈴木亘「年金問題は解決できる! 積立方式移行による抜本改革」日経新聞出版、2012年、ISBN-13: 978-4532355180 (成文堂に入荷、Amazonでも送料無料、大きな書店有り) 講師のHPからレジュメがダウンロードできる。HPは、(http://www.geocities.jp/kqsmr859/)予め印刷して持ってくること。
成績評価 前期末レポートと、後期の試験期間中に試験。 教科書、参考書、レジュメ、ノート持ち込み可の試験とする。 後期試験は、マークシート方式の問題。授業中に話した内容の全てが試験範囲。 授業では、授業終了間際に、質問の時間を15分ほど設ける。その発言は、1回2点の加算をする。質問は授業に関することでも、その時々のトピックスでも何でも良い。 評価の割合は、レポート3割、試験7割、質問をプラス。不定期に出席を取る可能性がある。
前期レポート 7月31日午後5時までに、G-port上にて提出(1分でも過ぎると提出できないので注意。提出できない場合は、遅延者用の覧へ(1週間のみ))。 1枚目はタイトルと学籍番号、名前。 A4用紙3枚、ワードで書く(タイトルを入れて4枚) 内容は、社会保障に関係することであれば何でもよい。 そのトピックスに関する問題点を解説した上で、自分なりの解決策について述べること。そのオリジナリティーを評価する。