実習アウトライン Matlabを用いた生化学反応シミュレーション

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第 7 週目: 周波数伝達関数とボード線図 周波数伝達関数 ボード線図 TUT, System & Control laboratory 1/16.
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22 ・ 3 積分形速度式 ◎ 速度式: 微分方程式 ⇒ 濃度を時間の関数として得るためには積分が必要 # 複雑な速度式 数値積分 (コンピューターシミュ レーション) # 単純な場合 解析的な解(積分形速度式) (a)1 次反応 1次の速度式 の積分形 [A] 0 は A の初濃度 (t = 0 の濃度.
実習の前に … 黒田研の実習では、ファイルをダウンロードしても らうことが多くあります。 まずは、下記のホームページを開いてください。 tokyo.ac.jp/class/Summer/2013 → 直打ち または ① Google で「東京大学黒田研究室」検索.
◎ 本章  化学ポテンシャルという概念の導入   ・部分モル量という種類の性質の一つ   ・混合物の物性を記述するために,化学ポテンシャルがどのように使われるか   基本原理        平衡では,ある化学種の化学ポテンシャルはどの相でも同じ ◎ 化学  互いに反応できるものも含めて,混合物を扱う.
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ブロック線図によるシミュレーション ブロック線図の作成と編集 ブロック線図の保存と読込み ブロック線図の印刷 グラフの印刷
○ 化学反応の速度     ・ 反応のある時点(たいていは反応開始時、ξ=0)について数値      として示すことが可能
中性シイステインプロテアーゼブレオマイシン水解酵素は、脱イミノ化されたフィラグリンをアミノ酸へと分解するのに不可欠である
(b) 定常状態の近似 ◎ 反応機構が2ステップを越える ⇒ 数学的な複雑さが相当程度 ◎ 多数のステップを含む反応機構
22・5 反応速度の温度依存性 ◎ たいていの反応 温度が上がると速度が増加 # 多くの溶液内反応
Group meeting 2016/5/13 Katsuhiro Umeda.
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生物機能工学基礎実験 2.ナイロン66の合成・糖の性質 から 木村 悟隆
速度式と速度定数 ◎ 反応速度 しばしば反応原系の濃度のべき乗に比例 # 速度が2種の原系物質 A と B のモル濃度に比例 ⇐ 速度式
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ERKの時間波形が異なるだけで異なる現象を制御
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22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
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信号データの変数代入と変数参照 フィードバック制御系の定常特性 フィードバック制御系の感度特性
外部条件に対する平衡の応答 ◎ 平衡 圧力、温度、反応物と生成物の濃度に応じて変化する
北大MMCセミナー 第100回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2019年7月11日(木) 16:30~18:00
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実習アウトライン Matlabを用いた生化学反応シミュレーション 2018/11/20 実習アウトライン Matlabを用いた生化学反応シミュレーション  現象の特性  微分回路、積分回路、プローブ特性、  アナログデジタル変換、メモリ、振動現象 これらはシンプルな分子ネットワークの 組み合わせで生まれる!  前向き制御(フィードフォワード)  後向き制御(ポジティブ、ネガティブ        フィードバック) シグナル伝達経路とは?分子と分子の相互作用 制御工学的視点computer simulationの欠如 細分化することには慣れているが、 全体を同時に扱うことには不慣れ。

実習アウトライン プローブの問題 微分回路、積分回路 分子で作るメモリ アナログデジタル変換 リズムと周波数応答 Temporal rate 2018/11/20 実習アウトライン  Temporal rate Ras 微分回路、積分回路 プローブの問題 分子で作るメモリ アナログデジタル変換 リズムと周波数応答 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

その時その時でいつも同じ。履歴を引きずらない 2. Circuit Engineering Genetic Circuits 2018/11/20 準備体操 生化学反応の基本的なふるまい 1次反応; 例;タンパク質などの分解,放射性同位元素の崩壊 x 分解 t ただし、t = 0のとき、x=A0 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。 x(t) ポイント Memoryless property その時その時でいつも同じ。履歴を引きずらない t

逐次1次反応;leaky integrator(漏れ積分器) 2. Circuit Engineering Genetic Circuits 2018/11/20 準備体操 生化学反応の基本的なふるまい 逐次1次反応;leaky integrator(漏れ積分器) 1次反応に外部入力(ステップ刺激)を加える Integrator (積分器) Leak (漏れ) t x 分解 t I x(t) Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。 I ただし、t = 0のとき、x = 0 空気抵抗を考えた場合の自由落下の式と同じ。 穴のあいたバケツに水を一定速度で入れるのとも同じ。 t t

生化学反応は漏れ積分で近似できる time A AB t 7

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象  Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

2008 ノーベル化学賞 緑色蛍光蛋白質の発見と開発 細胞 組織 個体 生体を生きたまま非侵襲に染色、可視化できる 望みの部位だけ可視化できる 蛋白質の発現等を定量できる

プローブと信号 1.時定数 時間おくれ、波形がなまる 2.感受性と定量性 3.拮抗阻害 プローブは外乱 何かを壊さないと中身は見れない t 2018/11/20 time A AB t 1.時定数   時間おくれ、波形がなまる 2.感受性と定量性 3.拮抗阻害  プローブは外乱  何かを壊さないと中身は見れない Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

グルコース刺激した膵臓ランゲルハンス島のカルシウム応答 Ca2+イメージングの問題  グルコース刺激した膵臓ランゲルハンス島のカルシウム応答 すべてのカルシウム応答が見えている? 生体内のカルシウム応答(<100nM,数十 マイクロ秒)

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

ERKの時間波形が異なるだけで異なる現象を制御 2018/11/20 細胞運命決定機構:増殖と分化のスイッチ 現象を分子に帰着せさることができない! ERKの時間波形が異なるだけで異なる現象を制御 EGF   一過性 ERK 活性化   増殖 Time EGF or NGF エンコード デコード NGF   持続性 ERK 活性化    分化 具体的に取り上げる現象はPC12細胞における細胞運命決定機構です。 PC12cellにEGF刺激を加えますと一過性ERK, 細胞増殖 NGF,持続性ERK、細胞分化 このようにERKの波形が異なるだけで細胞が増殖したり、分化できたりします。 この問題は、二つに分割できて、EGFとNGFのどういう情報をそれぞれ一過性と一過性および持続性の波形にエンコードするか、もう一つはそれぞれの波形をどうデコードすれば細胞の増殖と分化を誘導できるかです。 私たちはすでにこのエンコードの仕組みについて明らかにしております。 PC12 cells (precursor of neuron)

RasとRap1によるERK活性の制御 EGF NGF Transient ERK activation Sustained ERK activation We analyzed sig This is a block diagram of ERK signaling network we have stated. It is reported that transient ERK activation is mediated by this Ras pathway, and sustained activation of ERK is mediated by this Rap1 pathway. Therefore, ERK activation can be seen as a sum of these two pathways activities. ERKのエンコードのメカニズムですが、 EGF刺激の場合でもNGF刺激の場合でも、一過性のERK活性化は主にRas経路が一過性に活性化することによって作られ、持続性のERK活性化は主にRap1経路が持続的に活性化することで作られます。右は最終的なモデルですが、このモデルにいたるまでに何度が計測とモデルの修正を繰り返しました。 まずこのRas経路に注目します。 NGF

不活性化機構が違いを生み出す ! Ras 微分回路 Rap1 積分回路 SOS GAPi pR GEFi GEF Ras Rasi GAP 2018/11/20 不活性化機構が違いを生み出す ! Ras 微分回路 SOS GAPi pR GEFi GEF Ras Rasi GAP TrkA Ras pR dependent RasGAP Rap1 積分回路 C3G GEFi GEF To understand the mechanism of the sustained ERK activation, we developed the simple model of Rap1. The difference between the Ras and Rap1 models is the mode of activation of GAP. In the simple Ras model, GAP activation is activitiy-dependent. However, in the Rap1 model, GAP is always constant and activity-independent. Using the models, we examined the characteristics of the Ras and Rap1 activation at steady state. TrkA pR Rap1i Rap1 Rap1 GAP pR independent (constant) Rap1GAP 15

実験結果からモデルのパラメータを決める t y k=a k=b t y k=a k=b + < +

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

RasとRap1経路の特性の違い 刺激の強さに応答:積分回路 刺激の速さに応答:微分回路 Encoders Growth factors t 2018/11/20 RasとRap1経路の特性の違い Ras Receptor GEF GAP ERK Rap1 Receptor GEF GAP ERK Growth factors t 速い活性化と遅い不活性化 不活性化が一定 Ras Encoders Rap1 持続性のERK活性化についてまとめると、 アダプタータンパクFRS2に対する親和性の違いから、EGF刺激では主にRas経路が使われ、NGF経路では主にRap1経路が使われる。 さらに、Ras経路の定常状態は刺激の濃度に対して感受性が低く、あまり活性化しないが、Rap1経路はほぼ刺激の濃度に比例した活性化を示す。 結果として、EGF刺激では刺激濃度に関わらず持続性の活性化を示さないが、NGF刺激では刺激濃度に依存した持続性の活性化を示す。 t t 刺激の速さに応答:微分回路 刺激の強さに応答:積分回路 Sasagawa, S. et al, Nat. Cell Biol. 2005, 7 (4), 365-373 18

Ras のシンプルモデル 刺激の時間変化に応答 EGF 刺激 Ras Receptor GEF GAP ERK 速い活性化と遅い不活性化 incoherent FeedFowared Loop (iFFL) To cut the long story short, we experimentally found that the transient Ras activation depends on the fast SOS activation and slow RasGAP activation, but not on the receptor internalization nor the negative feedback loop. To understand the mechanism of the transient Ras activation further, we developed the simple model of the Ras systems in the next slide. →時間変化を捉える!

時間変化がないと例え刺激があっても応答しなくなる。適応(なれ) Ras のシンプルモデル 時間変化がないと例え刺激があっても応答しなくなる。適応(なれ) Ras Receptor GEF GAP ERK 速い活性化と遅い不活性化 incoherent FeedFowared Loop (iFFL) To cut the long story short, we experimentally found that the transient Ras activation depends on the fast SOS activation and slow RasGAP activation, but not on the receptor internalization nor the negative feedback loop. To understand the mechanism of the transient Ras activation further, we developed the simple model of the Ras systems in the next slide. →時間変化を捉える!

Inactivation is constant 2018/11/20 持続性ERKの活性化 EGF ? NGF ERKの Inactivation is constant

NGFの最終濃度(強度) → 持続性ERKの活性化 2018/11/20 NGF刺激の速度を変えてみると NGF stimulation EGF,NGFの両方について、幾つかの濃度を用いてstep刺激、ramp刺激を行いました。実線がstep刺激、点線がramp刺激を示しています。 In silicoモデルでは、EGF,NGF刺激共に、step刺激で見られたinitial phaseのピークが、ramp刺激の場合には減少またはほとんど見られなくなりました。一方、NGF刺激で見られるsustained phaseについては、step刺激、ramp刺激ともに刺激濃度に応じてほぼ同様に誘導されました。 これらの予測について、In vivo実験で検証しました。その結果、予測どおり、step刺激で見られたinitial phaseのピークはramp刺激では減少することが確認され、また、sustained phaseについても、刺激濃度に応じて、step rampともに同程度に誘導されることが確認できました。 この結果から、initial phase はGFの濃度上昇のスピードを認識し、sustained phaseはGFの最終濃度を認識していると考えられます。 NGFの最終濃度(強度) → 持続性ERKの活性化

Rap1とRasのシンプルモデル Ras:さっきと同じ Rap1 違いはたった一つ SOS GAPi pR GEFi GEF Ras 2018/11/20 Rap1とRasのシンプルモデル 違いはたった一つ Ras:さっきと同じ SOS GAPi pR GEFi GEF Ras Rasi GAP TrkA Ras 刺激依存 RasGAP Rap1 C3G GEFi GEF このモデルは、in silico modelからいったん離れて、ブロックダイアグラムから速いアクティベーションと遅いインヒビションを なるべく簡単に記述したモデルです。 名前が多少変わっているが、 ReceptorがGEFやGAPを活性化する反応は1次反応で近似した。 また、GEFやGAPの酵素反応も1次反応で近似した。 これらの式を元に、無次元化した結果、次の式を得る。 TrkA pR Rap1i Rap1 Rap1 GAP 刺激非依存 (constant) Rap1GAP

2018/11/20 RasとRap1の定常状態 Ras Rap1 We measured the sustained ERK activation at 60 min in response to constant and increasing NGF stimulation in silico. Increasing stimulation is represented as the concentration at 60 min. The constant and increasing NGF stimulation led to the similar sustained ERK activation. 両対数でDose response curveを書いた場合、直線の傾きは反応の次数を表す。 GEFとGAPがどちらも刺激依存的なRasモデルの場合、刺激強度に反応しづらい。特に、刺激が弱い時、刺激強度に関わらず一定値を取る。 GEFのみが刺激依存的なRap1モデルの場合、刺激が弱い時には刺激依存的な応答を示す。

RasとRap1経路の特性の違い 刺激の時間パターンに情報が入っていた! ステップ パルス ランプ 刺激 Ras-like system 2018/11/20 RasとRap1経路の特性の違い ステップ t パルス 速い時間成分 t ランプ 遅い時間成分 t 刺激 速い、遅い時間成分 Ras-like system (微分回路) t Rap1-like system (積分回路) t 刺激の時間パターンに情報が入っていた! 25

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

大腸菌lacオペロンの双安定性 大腸菌は糖の濃度を記憶する ポジティブ・フィードバックで記憶する 協調作用 Ozbudak et al. (2004) Nature

記憶(Hysteresis)のある(ない) スイッチ応答 記憶なしスイッチ (ポジティブフィードバックなし) 記憶ありスイッチ (ポジティブフィードバックなし) y (LacY-GFP) y (LacY-GFP) ヒステリシスなし ヒステリシスあり time time

シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 2018/11/20 シミュレーション演習 狙い 初日 イントロ 2日目 プローブと信号 3日目 実験結果からの数理モデル作成 4日目 時間パターンに対する選択的応答 5日目 スイッチ応答とメモリ 6日目 振動現象 Hill equation, bistability, hysteresis, Optimal stimulus, step response (low path filter), oscillation/wave, 夏はそれぞれの振る舞いをsimulationと実験それぞれを交えて話をする。

Michael B. Elowitz & Stanislas Leibler ,2000,Nature ネガティブフィードバックのみ Repressilator 入力 Repressilator Michael B. Elowitz & Stanislas Leibler ,2000,Nature 30

Action potential (活動電位) FitzHugh-Nagumo model ポジティブ+ネガティブフィードバック Action potential (活動電位) Hodgkin Huxley model ↓ FitzHugh-Nagumo model Recd. elec Stim. elec 31