カラムスイッチングとコールドトラップを利用した

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血液中のダイオキシン類・ PCB 分析と異性体組 成 増崎優子・松村徹 (国土環境株式会社 環境創造研究所 環境リスク研究センター) 静岡県志太郡大井川町利右衛門1334-5 Phone : Facsimile :
生体試料における PCB 分析 生体試料における PCB 分析 ○ 上瀧 智巳 1 ) 、 森 千里 2 ) 、 中野 武 3 ) 1 ) ㈱エスアールエル、 2 ) 千葉大学大学院医学研究 院、 3 ) 兵庫県立健康環境科学研究センター.
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カラムスイッチングとコールドトラップを利用した 大量注入による超高感度GC-MS測定   松村徹・増崎優子 新日本気象海洋株式会社 環境創造研究所 環境リスク研究センター 江崎達哉 エス・ジー・イー ジャパン株式会社

Time ( min ) GC Oven の温度,Injection部 及び Mid Point部の圧力プログラム Pressure or Temperature ( psi or ℃ ) Time ( min )

Conc. = 1 fg /μL Conc. = 20 fg /μL 10μL Injection 時における注入回数とGC-MSレスポンスの直線性 Conc. = 1 fg /μL Conc. = 20 fg /μL 10μL x 10 Injection = 100μL Injection

A. Solvent Cut BPX5 BPX5 MSD 目的成分 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス A. Solvent Cut Heart Cut Valve MID Point BPX5 0.15mm ID x 25m x 0.25 μm BPX5 0.25mm ID x 4m x 0.25 μm 目的成分 MSD 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス A. Solvent Cut

B. Cold Trap BPX5 BPX5 MSD 目的成分 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス B. Cold Trap Heart Cut Valve MID Point BPX5 0.15mm ID x 25m x 0.25 μm BPX5 0.25mm ID x 4m x 0.25 μm 目的成分 MSD 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス B. Cold Trap

C. Analysis BPX5 BPX5 MSD 目的成分 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス Heart Cut Valve MID Point BPX5 0.15mm ID x 25m x 0.25 μm BPX5 0.25mm ID x 4m x 0.25 μm 目的成分 MSD 溶媒・不要成分 メイクアップ ガス

Large Volume / Multiple Injection の結果 Injection Volume vs. Peak Area /2,3,7,8-TeCDD 2,3,7,8-TeCDD 5fg/mL 1-injection Number of Injection vs. Peak Area /2,3,7,8-TeCDD 2,3,7,8-TeCDD 5fg/mL 12.5mL/injection 新日本気象海洋の増崎です。 『地球環境中におけるchlorinated biphenylの脱塩素化過程の解明( Ⅰ)』というタイトルで話をさせて頂きます。 15mLの注入が可能 2回注入による濃縮が可能

結 語(1) (A) 溶媒及び分析成分の溶出時間帯以外の溶出成分は,Analytical Column,MSイオン源に入らない為Analytical ColumnやMSが汚染されにくい.(溶媒ガスによるMS真空落ちも起こらない). (B) Cryogenic Trap内容積はGC Injection Port の内容積の1/104~103であるので,Analytical Columnに導入される分析成分のバンド幅が狭く,よってシャープなピークが得られる.注入量以上の感度が得られる. (C) 圧力バランスの関係から,またカラムへの汚染負荷も小さいので,Analytical Columnに内径の細いカラムを使用可能であり,測定成分の分離や感度が向上する.

結 語(2) (D) 圧力バランスの点からInjection Port圧力を高く設定可能であり,ライナー内容積から単純計算される溶媒量の数倍の試料を注入可能である.特殊なInjection部構造も不要である. (Large Volume Injection) (E) Cryogenic Trap で目的成分を保持可能な時間幅であれば,何度でもInjectionを繰り返し,注入量を増やすことが可能である.(Multiple Injection) (F) Pre-Columnの主な役割は,目的成分とそれ以外の成分の分離のみであるので,Pre-Columnは短くても良く,1-Injectionに付き,測定時間は通常より10~15分長くなるだけである.

クロマトグラムの例 2,3,7,8-TeCDD 10mL injection 1fg 100fg 10fg 1000fg

2,3,7,8-CDD 1fg/mL-10mL injection HpCDD Dioxins TeCDD HxCDD PeCDD OCDD

2,3,7,8-CDF 1fg/mL-10mL injection HpCDF Furans TeCDF HxCDF OCDF PeCDF

使用機器構成 GC : 6890 series GC (HP, USA) Column Switching System : SGE Japan (Japan) MS : Autospec-Ultima (Micromass, UK) JMS-700D (日本電子, Japan) GC Controller : Chemstation (HP, Japan)

1 1 2 MSへ キャリアガス メイクアップ ガス Analytical-Column Analytical-Column Heart Cut Valve Analytical-Column 1 注入口 MSへ Pre-Column 1 MID Point Analytical-Column 2 キャリアガス メイクアップ ガス