反応性流体力学特論2009 第1講 (4/15) -燃焼工学入門- 工学における燃焼流れ 燃焼流れシミュレーションの戦略
工学における燃焼流れ 燃焼装置 (制御された燃焼) 制御されない燃焼 燃焼と流れ 燃焼器/火炉/バーナ 燃費 騒音 燃焼装置 (制御された燃焼) 燃焼器/火炉/バーナ 燃費 騒音 内燃エンジン(ガソリン・ディーゼル) 排ガス etc. 制御されない燃焼 火災・爆発 発火 消火 燃焼と流れ 物質(燃料・酸化剤)の輸送 温度の輸送 高温 燃焼 燃料 酸化剤 平成30年12月7日
工学における燃焼流れ 固体燃料 液体燃料 気体燃料 石炭 ~ 一般燃料、ボイラー用 (23~35 MJ/kg) 2次燃料(コークスなど)~製鉄 / ゴミ処理 液体燃料 ナフサ・ガソリン ~ジェット燃料、ガソリンエンジン (46 MJ/kg) 灯油・軽油 ~家庭用、ディーゼルエンジン (41 MJ/kg) 重油 ~ディーゼルエンジン、発電用 (37~41 MJ/kg) アルコール類 (バイオ燃料) 気体燃料 天然ガス(LNG) ~メタンガス 発電用 液化石油ガス(LPG) ~プロパンガス 都市ガス、タクシー 2次燃料(石炭・石油転換ガス、副生燃料ガスなど) 平成30年12月7日
工学における燃焼流れ 燃焼に必要な酸素量と空気量 混合比と混合気濃度 量論(理論)酸素量、空気量 : 質量分率[kg/kg] 燃空比=1/空燃比 : 量論燃空費(空燃比)=(F/A)st 当量比 φ= (F/A)/(F/A)st φ<1 希薄燃焼、 φ>1 過濃燃焼 元素 原子量 完全燃焼反応 酸素量 空気量 生成量 C 12.01 C+O2= CO2 2.66 11.48 3.66 H 1.01 H+1/4O2= 1/2H2O 7.94 34.21 8.94 S 32.06 S+O2= SO2 1.00 4.30 2.00 空気の成分 O2 N2 CO2 Ar H2 質量分率% 23.20 75.47 0.046 1.28 0.001 体積分率% 20.90 78.03 0.030 0.933 0.01 (標準乾き空気の組成) 平成30年12月7日
工学における燃焼流れ 発熱量と燃焼温度 熱効率 Tbt= Hl /(Gw・cpm)+T0 cpm :平均定圧比熱 高発熱量Hh(水蒸気の潜熱含む)⇔低発熱量Hl(含まない) 理論断熱燃焼温度 Gw:湿り燃焼ガス質量比 Tbt= Hl /(Gw・cpm)+T0 cpm :平均定圧比熱 予熱のある場合、 cpu :未燃混合気の平均定圧比熱 Tbt=[Hl+(Gw・cpu)( Tu -T0 ) ]/(Gw・cpm)+T0 熱損失Qのある場合、 Tbt=(Hl-Q) )/(Gw・cpm)+T0 熱効率 燃焼効率 ηt=Qc/Hl ⊿H=Qc-Hl :不完全燃焼損失 熱効率 ηt=Qe/ΣQi ~ Qe/Hl ⊿H=Qe- ΣQi :熱損失 Qc :発生熱量、Qe :有効熱量、Qi :入力熱量 平成30年12月7日
ガスタービン全体シミュレーション 圧縮機 燃焼器 タービン翼列 次世代ガスタービンへの設計指針 希薄予混合燃焼 環境問題への対応 要素技術として 噴霧液滴の取り扱い Flamelet-LES乱流燃焼モデル 熱伝達計算との接合 材料計算との接合 詳細化学反応モデル 消炎モデル 輻射モデル 燃焼器 乱流燃焼解析 燃焼振動解析 非定常現象の予測 ・吹き消え ・逆火 噴霧燃焼 ・蒸発予測 輻射 発熱,熱損失予測 タービン翼列 次世代ガスタービンへの設計指針 希薄予混合燃焼 環境問題への対応 非定常乱流解析 熱伝達解析 冷却システム 耐熱材料の選定指針 出力予測 平成30年12月7日
燃焼流れシミュレーションの戦略 ex. combustion flow modeling 103 1 /RANS /LES Turbulent mixing Flame dynamics Chemical reaction Structural design Structural analysis ・Stress / vibration ・Thermal striping Sound analysis ・Noise / instability Turbulence model ・Swirl / Recirculation ・Heat / Mass flux Flame propagation ・Premix / Diffusion flame ・Emission / Blow out Reaction model ・Rarefied combustion ・Alternative fuels PDF approach /RANS 103 1 Flamelet approach /LES Detail of chemical element reaction Element reaction/DNS NO OH CO : 平成30年12月7日
解析条件(火炎近似モデル) 解析対象 三次元バーナ 総節点数 675,400 バーナ内径; 1D=9.4[mm] 流入条件 解析対象 三次元バーナ 総節点数 675,400 バーナ内径; 1D=9.4[mm] 流入条件 ・inlet1 C3H8 20.0 [m/s] ・inlet2 Air 66.0 [m/s] ・inlet3 Air 10.0 [m/s] 時間刻み 1.0×10-5 [sec/step] Time step 40,000[step] 空間離散化 ; 二次中心差分 (混合分率輸送方程式は一次風上差分) 時間積分 ; Crank-Nicolson法 計算時間; 8hour/10,000step (HITACHI SR11000/K1 1node 16CPU) 初期条件;領域全体に主流方向速度1.0[m/s] 電気化学工業株式会社 提供 平成30年12月7日
解析条件 (詳細反応解析) 時間刻み ;1.0×10-7 [sec/step] Time step ; 15,000 [step] 計算時間 ; 23hour/10,000step (30反応式) 反応モデル ;拡大Zeldovich 機構を含む C3H8の30,113反応式 flamelet approach ・時間刻み ;1.0×10-5 [sec/step] ・Time step;40,000 [step] ・計算時間 ; 8hour/10,000step 拡大Zeldovich 機構 N2+O⇔NO+N O2+N⇔NO+O N+OH⇔NO+H ・生成速度は温度上昇により増加、燃焼反応に比べ遅い 平成30年12月7日
解析結果の比較 (温度分布) X=11D flamelet approach X=58D 30 equations 平成30年12月7日
実機燃焼器内の複合火炎の解析 解析対象燃焼器 解析条件 Reynolds数:17700 Outlet 解析格子:非構造6面体格子 Inlet 解析セル数:226万セル 標準Smagorinskyモデル (Cs=0.1) Outlet 600mm Inlet Combustion chamber Swirl nozzle 解析結果 主流方向 平均速度 (x/D=3/8) 瞬時主流速度分布 主流方向 速度変動 (x/D=3/8) 平成30年12月7日
実機燃焼器内の複合火炎の解析 瞬時火炎面分布(G=G0) 瞬時温度分布 瞬時燃料濃度分布 x=118mm 平成30年12月7日