地質工学及び演習 海外の岩盤分類.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
●モールの応力円 (土質力学編) (圧縮正) γz ・土中応力=土かぶり圧(γz)+ 荷重qによる伝達応力
Advertisements

土木基礎力学2・土質 圧密現象と圧密試験.
鉄筋コンクリート構造、:2011版 旧:鉄筋コンクリート(1)
藤井大地(リーダー) 榛葉 亮(設計担当) 原田卓哉(設計担当) 大年政弘(作成担当) 吉冨健志(作成担当)
第2章 機械の強度と材料 機械の必要条件 ★壊れない ★安全である ★正しく機能する そのためには・・・ ★適切な材料を使う
No.2 実用部材の疲労強度           に関する研究 鹿島 巌 酒井 徹.
円形管における3次元骨組解析への適用事例 平成16年9月17日 (株)アイエスシイ 犬飼隆義.
土木学会 舗装工学委員会 舗装材料小委員会 アスファルト分科会 報告書目次 【担当】 1. バインダの種類と性状
地すべり解析における 有限要素法の利用 群馬大学建設工学科 教授 鵜飼恵三.
4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
道路斜面防災の新しい展開を模索する ー新技術の開発と実際への適用ー GISを活用したハザード評価技術
B.WピプキンとD.D.トレント著佐藤・千木良監修:環境と地質
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
建築構造演習 座屈実験(第1回) 鋼構造研究室.
セラミックス 第9回 6月18日(水) セラミックスの物性.
回数 月日 内 容 4/14 【休講】 16 6/10 弾性体はりのせん断に対する検討 1 4/15
Nagaoka University of Technology Graduate Student, Yoshio TATSUMI
水の官能試験による おいしさの相関について
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
コンクリートと鉄筋の性質 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
コンクリートの強度 (構造材料学の復習も兼ねて)
耐熱改良オレフィン系シール材 CP-3SHR(開発品)ご紹介
有限要素解析 Carl R. Schultheis.
都市環境デザイン学演習 予定 >>レポート1 1週目 2週目 3週目 4週目 5週目 6週目 6/15 6/29 7/6 6/22 7/13
使用限界状態 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
塑性加工の有限要素シミュレーション 豊橋技術科学大学  森 謙一郎 有限要素法の基礎 鍛造,押出し,深絞り加工への応用.
コンクリートの強度 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
第9回 GISで空間分布を捉える デジタル地理情報の構造 GISでみる地理分布 地理分布の計測 地理分布の理解.
硬化コンクリートの性質 弾性係数,収縮・クリープ
圧力発展格子ボルツマン法による大規模気液二相流GPUコードの開発 ならびに多孔体浸潤液滴シミュレーション
ひび割れ面の摩擦接触を考慮した損傷モデル
100万トン水チェレンコフ検出器の開発研究 東京大学宇宙線研究所 金行健治 要求額:査定額:0円.
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
第3章 統計的推定 (その1) 統計学 2006年度.
応力-ひずみ関係 断面積A,長さLの物体に,(軸)力Pが作用した際,ΔLだけ伸びた(あるいは縮んだ).
4章:曲げモーメントを受ける部材 キーワード:非線形挙動、断面解析、終局耐力、 等価応力ブロックによる塑性解析、
コードクローン検出ツールを用いた ソースコード分析システムの試作と プログラミング演習への適用
第6章 歯車機構の設計 歯車機構 ★動力伝達の手段として多くの機械に使われている。 ★動力を効率よく,しかも正確に伝えることができる。
化学的侵食 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
材料強度学の目的 機械とは… 材料強度学 外部から力を加えて、人に有益な仕事をするシステム 環境 力 材料 材料の破壊までを考える。
(社) 建設コンサルタンツ協会 技術委員会/照査に関する特別WG
X軸方向にa間隔、Y軸方向にb間隔で並んだ格子点 (単位格子:a×bの長方形) ミラー指数(2次元の例) a
プレストレストコンクリートに関するまとめ
応力(stress, s, t ) 自由物体図(free-body diagram)において、外力として負荷荷重P が作用したとき、任意の切断面で力の釣り合いを考慮すると、面における単位面積あたりの内力が存在する、それを応力といい、単位は、Pa(N/m2) で表す。面に垂直に働く垂直応力、s と平行に働くせん断応力、
FEM勉強会 (第3回).
Bruciteの(001)面における真の接触面での摩擦特性
基礎環境工学II 岩盤の水理.
プレストレストコンクリートに関する復習 プレストレストコンクリート(prestressed concrete:PC)構造とは?
第1回、平成22年6月30日 ー FEM解析のための連続体力学入門 - 応力とひずみ 解説者:園田 恵一郎.
4章:曲げモーメントを受ける部材 キーワード:非線形挙動、断面解析、終局耐力、 等価応力ブロックによる塑性解析、
疲労 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
回数 月日 内 容 1 4/10 ガイダンス,鉄筋コンクリート(RC)とは? 18 6/12 中間試験1及び解説 (曲げ) 2 4/16
円管の口絞り加工におけるカーリング現象の 有限要素シミュレーション
コンクリートの応力-ひずみ関係のモデル化
潮流によって形成される海底境界層の不安定とその混合効果
落下水膜の振動特性に関する実験的研究 3m 理工学研究科   中村 亮.
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 (状態III)
対象:せん断補強筋があるRCはり(約75万要素)
フレッシュコンクリートの性質 コンクリート工学研究室 岩城 一郎.
建築構造演習 座屈実験(第1回) 鋼構造研究室.
シェールガス資源量評価を目的としたケロジェンナノ孔隙内のメタン吸着挙動に関する分子動力学シミュレーション
跡津川断層トレース近傍に おけるVLF-MT探査 :雁行状断層破砕帯の可能性
建築構造演習 座屈実験(第3回) 鋼構造研究室.
回数 月日 内 容 1 4/10 ガイダンス,鉄筋コンクリート(RC)とは? 16 6/6 中間試験1及び解説 (曲げ) 2 4/11
回数 月日 内 容 1 4/10 ガイダンス,鉄筋コンクリート(RC)とは? 18 6/12 中間試験1及び解説 (曲げ) 2 4/16
鉄筋コンクリートはりの 曲げ耐力の算出 コンクリート工学研究室 岩城一郎.
Al液滴の凝固後の表面性状 材料研究室 金子 優美.
問題14(11.曲げモーメントを受ける部材):  次の図は,曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート断面(単鉄筋長方形断面)の仮定を示したものである.この図の記述について,間違っているものを解答群から一つ選べ. a. 図中のうち,Ⅰ:弾性解析(全断面有効)では,ひび割れ前の純弾性状態に対して,用いられる断面仮定であり, 
RCはりをU字型補強した連続繊維シートによる
Presentation transcript:

地質工学及び演習 海外の岩盤分類

岩盤分類 (Rock Classification) Mito, Kyoto U. 土 D CL CM CH B A

岩盤の分類例(露頭) Mito, Kyoto U. D CM B CL CH 優 劣

岩盤の分類例(ボーリングコア) Mito, Kyoto U. D 優 劣 CL CM CH B

岩盤分類の定義 岩盤分類 D C B A 岩盤区分 + 等級付け = 岩盤の工学的特性 影響 岩石の性質 不連続面の性質 観察・計測 Mito, Kyoto U. 岩盤の工学的特性 強度・変形性・透水性 D C B A 影響 岩石の性質 風化・変質等 不連続面の性質 分布密度・状態等 観察・計測 岩盤区分 + 等級付け = 岩盤分類

岩盤分類結果を直接設計・施工に適用する。 岩盤分類の目的 (1) Mito, Kyoto U. 岩盤分類結果を直接設計・施工に適用する。 D C B

岩盤分類と既往の岩盤試験結果との対応関係を用いて概略設計を行う。 岩盤分類の目的 (2) Mito, Kyoto U. 岩盤分類と既往の岩盤試験結果との対応関係を用いて概略設計を行う。 CH CM CM :粘着力=10kgf/cm2, 摩擦角=30° CH :粘着力=20kgf/cm2, 摩擦角=40° 計画初期段階~計画中間段階

岩盤分類の目的 (3) Mito, Kyoto U. 各岩盤等級の代表的箇所で原位置岩盤試験を行って、物性値との対応関係を把握し、詳細設計に適用する。 CH CM CM :粘着力=16kgf/cm2, 摩擦角=33° CH :粘着力=23kgf/cm2, 摩擦角=43° 岩盤試験 計画最終段階

日本で用いられる代表的岩盤分類 Mito, Kyoto U.

海外の岩盤分類 Mito, Kyoto U. 岩盤分類の創生期 岩盤分類の要素 評点方式岩盤分類 4. 岩盤分類の比較

海外の岩盤分類 Mito, Kyoto U. 岩盤分類の創生期 岩盤分類の要素 評点方式岩盤分類 4. 岩盤分類の比較

Terzaghiの岩盤分類 [1946] トンネル荷重の推定を目的とした世界最初の岩盤分類 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. トンネル荷重の推定を目的とした世界最初の岩盤分類 工学的には、岩石の種類よりも不連続面の形状・分布を把握することが重要である。

Rabcewiczの岩盤分類 [1957] トンネル支保工設計を目的とした岩盤分類 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. トンネル支保工設計を目的とした岩盤分類

トンネルの自立時間の推定を目的とした岩盤分類 Laufferの岩盤分類 [1958] 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 図中のA・B・C・・・・はTerzaghiの区分1・2・3・・・・とほぼ一致する。 トンネルの自立時間の推定を目的とした岩盤分類 自立時間(h) 無支保区間長(m)

割れ目の状態と岩質の風化度の要素組み合わせ式岩盤分類 Müllerの岩盤分類 [1958] 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 割れ目の状態と岩質の風化度の要素組み合わせ式岩盤分類

Müllerの岩盤分類の発展 [1970] Müller & Hofmann 岩盤強度 不安定性 A B C D Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. Müller & Hofmann 割れ目の間隔 割れ目の連続性 岩質の風化度 岩盤強度 不安定性 A B D C Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

海外の岩盤分類 Mito, Kyoto U. 岩盤分類の創生期 岩盤分類の要素 評点方式岩盤分類 4. 岩盤分類の比較

岩盤分類要素 1. 岩石の強度 2. 割れ目の間隔 3. 割れ目の性状 4. 弾性波速度 5. 岩石劣化特性 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 1. 岩石の強度 2. 割れ目の間隔 3. 割れ目の性状 4. 弾性波速度 5. 岩石劣化特性

岩石の強度(一軸圧縮強度の分類) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

岩石の強度(点載荷強度) 点載荷強度 Bieniawski[1975] 一軸圧縮強度 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. Bieniawski[1975] 一軸圧縮強度 点載荷強度

壁面強度(シュミット硬度) 一軸圧縮強度 Müller [1965] シュミット硬度 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. シュミット硬度 一軸圧縮強度 Müller [1965]

割れ目の間隔 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. ISRM

RQD (Rock Quality Designation) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. ボーリングコアの単位長あたりの10cm以上の部分の比 (Deere[1966]) 30 62 18 15 10 30 62 18 4 8 15 5 10 7 RQD=80 RQD=65 100~90 90~75 75~50 50~25 25~0 RQD 評価 極めて良い 良い 大体良い 悪い 非常に悪い

割れ目の間隔とRQD RQD Priest & Hudson[1976] 不連続面の数(個/m) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. Priest & Hudson[1976] 不連続面の数(個/m) RQD

RQDと岩盤特性 RQD Bieniawski [1978] 岩石と岩盤の変形性比 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 岩石と岩盤の変形性比 RQD Bieniawski [1978]

JRC (Joint Roughness Coefficient) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. Nick Barton et al. [1977]

海外の岩盤分類 Mito, Kyoto U. 岩盤分類の創生期 岩盤分類の要素 評点方式岩盤分類 4. 岩盤分類の比較

評点方式岩盤分類 目的:トンネルの適切な支保の選定 方法:分類要素評価点の合計で分類 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 目的:トンネルの適切な支保の選定 方法:分類要素評価点の合計で分類 1. RSR (Rock Structure Rating) Wickham et al. [1972] 2. RMR (Rock Mechanics Rating)  Bieniawski [1973] 3. Q value  Barton et al. [1974]

RSR (Rock Structure Rating) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 岩種と地質構造 割れ目とトンネル軸 地下水の影響 補正係数

RMR (Rock Mechanics Rating) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 評点の算出 → 評点の補正 → 岩盤等級 → 支保パターン

RMRと岩盤の変形係数 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

Q value (rock mass Quality) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

Q value の算出方法 Q = × × RQD Jn Jr Ja Jw SRF 岩盤の良好度 RQD 節理群の数 Jn 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 岩盤の良好度 RQD 節理群の数 Jn 節理面の粗さ係数 Jr 節理面の変質係数 Ja 浸透水による低減係数 Jw 応力低減係数 SRF Q = ×  × RQD Jn Jr Ja Jw SRF

Q value と支保形式 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

Q value と支保構造の分類 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

海外の岩盤分類 Mito, Kyoto U. 岩盤分類の創生期 岩盤分類の要素 評点方式岩盤分類 4. 岩盤分類の比較

RMRとQの相関性 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

RMRとQの相関性(岩種別) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

Lauffer分類におけるRMRとQ 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

コア計測と露頭計測の差異(RMR,Q) RMR Q コア計測 コア計測 露頭計測 露頭計測 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. コア計測 コア計測 露頭計測 露頭計測 RMR Q

コア計測と露頭計測の差異(RQD) 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. コア計測 露頭計測

コア計測と露頭計測の差異(割れ目) 割れ目密度 割れ目の状態 コア計測 コア計測 露頭計測 露頭計測 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. コア計測 コア計測 露頭計測 露頭計測 割れ目密度 割れ目の状態

コア計測と露頭計測の差異(Qの要素) Jn Jr コア計測 露頭計測 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U. 露頭計測 コア計測 Jn Jr

各分類における分類要素の重み 創 生 期 分類要素 評点方式 分類の比較 Mito, Kyoto U.

地質工学及び演習 トンネルの岩盤分類

トンネルの岩盤分類 D C B 岩盤分類結果は直接設計・施工に適用される。 トンネルの設計=トンネル支保パターンの選定 Mito, Kyoto U.

qu = g h + 地山強度比 一軸圧縮強度 鉛直土被り圧 地圧現象の分類 地質状態 一次地圧 T分類海外 T分類日本 T分類要素 切取斜面分類 Mito, Kyoto U. qu g h 一軸圧縮強度 鉛直土被り圧 = 地圧現象の分類 + 地質状態 一次地圧

トンネル地山分類(日本道路公団) T分類海外 T分類日本 T分類要素 切取斜面分類 Mito, Kyoto U.

トンネル地山分類基準(国鉄) T分類海外 T分類日本 T分類要素 切取斜面分類 Mito, Kyoto U. トンネル縦断面図

褶曲地域のトンネル縦断面図 Mito, Kyoto U. 走向傾斜 地層境界 地層面の法線方向をプロット