第8回 身心変容技法研究会+こころ観・ワザ学研究会 合同研究会 わざの学習・学習のわざ - Taktを手がかりに

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第8回 身心変容技法研究会+こころ観・ワザ学研究会 合同研究会 わざの学習・学習のわざ - Taktを手がかりに 鈴木 晶子 (京都大学)

触覚としてのタクト 右手が左手に触れているの?  それとも?

触覚としてのTakt タクト 触覚としてのタクト -ラテン語のtactus 同時に起きている二つのこと 主観・客観 能動・受動   主観・客観   能動・受動   刺激・反応   作用・反作用   感覚・認知  etc.

 触れる知   (感覚であり感情)  身体のバランス   触れるように見る・触れるように聞く   触感、食感 ー 統合的な感じ取りの知

 リズム・拍節としてのタクト        - 内外のリズムを読む  リズム感覚  鼓動、身体のリズム  身体の歴史を読む  調子をとる  共鳴、同調

18c コミュニケーション革命とタクト community ー communicationの変容 神との関係という垂直軸のコミュニケーションから     水平軸のコミュニケーションへ - 初対面でのエチケット  - 自分を売り込むわざ  - 振る舞い、察知  - 表情を読む  - 空気を読む  - 感情の機微を読む

もう一つの知としてのタクト 実践知・顧慮 phronesis / metis (古代ギリシア) sensus communis – 共通感覚   黄金なる中             Zhi 知・智 (古代中国) 中庸 (zhong yong)

リズム、響きを読む智恵 流れを読む智恵 駆け引きの智恵 バランスの智恵 配慮の智恵   智恵であり、わざであるもの

2-2 タクトに注目した思想家 “Kritik der reinen Vernunft”, 1781; 2-2 タクトに注目した思想家 カント Kant, Immanuel (1724-1804) der logische Takt: 論理的タクト  綱渡りの曲芸     常に動きの中で少し先を見極める動きのなか       の判断や決断 “Kritik der reinen Vernunft”, 1781; “Kritik der Urteilskraft”, 1790

ヘルバルト Herbart, Johann Friedrich (1776-1841) 教育的タクト 臨機応変の対応を可能にする教師の判断力                   (1776-1841)   教育的タクト   臨機応変の対応を可能にする教師の判断力   教師の教育における判断や決断を可能にする       「わざのわざ」   教育術の最高の宝石 “Die erste Vorlesungen über Pädagogik (The first lessons on        pedagogy)”, 1802; “Die allgemeine Pädagogik, aus dem Zweck der Erziehung       abgeleitet.(The universal pedagogy, which from the aim of       education deduced)”, 1806)

経験から学ぶ 量から質への経験変換のメカニズム 経験の要素への噛み砕きと再結合 意味の読み取りと要諦の抽出 要諦と個別の経験の照らし合わせ 修練をばねにして発出するタクト    -その働きの精度を上げるプログラム

「感覚のわざ:タクト」を磨くわざ わざとしてのタクト -用いることによって磨かれる -経験によって成功確率を高める 様式になるまで磨く  様式になるまで磨く  トポロジー的結合法を活かした養成法