水(?)はプレート間カップリングを 変化させるか? ー 茨城・福島沖の場合 ー 名古屋大学 山中 佳子 昨年度のシンポジウムで ー 茨城・福島沖の場合 ー 名古屋大学 山中 佳子 昨年度のシンポジウムで 「プレートのお育ち説」 →沈み込みに伴って深部に持ち込まれる水の量 は,沈み込むまでにプレートがどういう状態 にあったかによって決まるという仮説 を低周波現象から考えた.
couplingが弱い領域 東北地方の場合 巨大地震は起き100% Couplingの領域 ・巨大地震が起こらない ・すべり量が小さいが断層 面積が大きい 1896 巨大地震は起きるが100% couplingではない領域 1896年は津波地震
1992年ニカラグア地震 津波地震として 有名 (301,12,85) Mw=7.5 Dmax=0.7m 破壊継続時間 約80秒 南東 北西 津波地震として 有名 ★ (301,12,85) -80 120km Mw=7.5 Dmax=0.7m 破壊継続時間 約80秒 最大破壊伝播 速度3.0km/s を仮定
規模が同じプレート境界地震との比較 津波地震の特徴 ★各地点でのモーメント解放量は小さいがす べった面積が大きいため規模が大きくなる. 2003/01/22 MEXICO (Mw=7.5) と ニカラグア (Mw=7.5) 津波地震の特徴 ★各地点でのモーメント解放量は小さいがす べった面積が大きいため規模が大きくなる. ★津波から推定されるすべり量が大きいこと から浅部での剛性率の違いがありそう ★破壊伝播速度は遅くない 震源時間関数 -30 50km MEXICO NICARAGUA
海底構造探査でみえた強い反射面 非常に薄くて遅い層が存在 測線直下の構造と観測された反射波強度 太線はより強い反射波が観測されたところ 海底構造探査でみえた強い反射面 測線直下の構造と観測された反射波強度 (藤江他、2000) 太線はより強い反射波が観測されたところ 非常に薄くて遅い層が存在
反射法地震探査による 三陸沖プレート境界の構造 東北地方のS2では horst, grabenが沈み込んでいっている (鶴 他, 2000)
津波地震は含水率が関係か?水?が影響する場所は限られているようにみえる. 68,94 68 52,03 73 69,94 63,95 63,91 63 ★ 75 58?,78 52? 1896 これまでの解析からの仮説 アスペリティの場所は決まっている. 1896 津波地震は含水率が関係か?水?が影響する場所は限られているようにみえる. ★ 津波地震
福島以南はどうだろう? 福島沖:1938年塩谷沖以外に大きな地震は発生していない. 茨城沖:20年に一度M7クラスが起こる 2008年5月茨城沖地震のすべり分布
1982年茨城沖地震 M7.0 ★断層面積が広い ★すべり量が小さい Mo=5.0 x 10**19 Nm ( Mw = 7.1 ) 1982年茨城沖地震 M7.0 Mo=5.0 x 10**19 Nm ( Mw = 7.1 ) Depth = 13km Dmax = 0.7m ★断層面積が広い ★すべり量が小さい 鹿島海山 -40 40km
海底地震観測 (東大地震研) Mochizuki et al, 2008
沈み込んだ海山 Mochizuki et al, 2008
海山の沈み込みモデル 沈み込み始め 沈み込み始めると 上盤側に盛り上がり 茨城沖では 巨大地震なし 海山はバリアで カップリングは強い が Mochizuki et al, 2008 沈み込み始め 沈み込み始めると 上盤側に盛り上がり 茨城沖では 巨大地震なし 海山はバリアで カップリングは強い が 海山前面では放線応力増大 → 水が集まる → 上盤側の間隙水圧があがる → すべりやすくなる 海山はカップリングが弱い ところに変化?! ずりっ
1982年と2008年のすべり分布 + 過去のM6.8以上の地震の震央 破壊開始点はほぼ一緒だがすべり様式は全く異なる
★茨城沖には小さいアスペリティがばらばらと存在 気象庁による波形の比較 2008 ★茨城沖には小さいアスペリティがばらばらと存在 ★アスペリティの位置が決まっていてもたとえば水が絡むと振る舞いが変わってくる? ★水を持ち込む?原因 海山,海底の凸凹,古傷? 1961 1965 1982
やっぱり「プレートのお育ち」がその後の活動を左右 Couplingが強い領域: ・大きなアスペリティが存在 ・その位置は決まっている Couplingが弱い領域: ・弱い原因はいろいろだが 場所は限られる ・小さなアスペリティは存在 ・常に水?があるところは 同様の現象を繰り返す ・海山によりプレート境界の 含水率が変化するため毎回 同じ振る舞いはしない. 茨城から福島にかけての活動(M6.7以上) 2003(6.8) 2008/7/19 Mj6.6 Mw6.9 1996(6.8) 1961(6.8) 2008 1982(7.0) 1961(6.1-6.8) 142 ★1938 M6.9-7.5 ★1987 M6.1-6.7
ほぼ20年毎に活動しているように見える Mochizuki et al, 2008
1年ごとの地震活動
5. 1年ごとの地震活動 5.1 5.4 6.0
1982年茨城沖地震の震源過程 ★断層面積が広い ★すべり量が小さい Mo=5.0 x 10**19 Nm ( Mw = 7.1 ) Dmax = 0.7m 菊地&須藤, 1984 ★断層面積が広い ★すべり量が小さい
観測波形(上)と理論波形(下)の比較
砂場実験 Dominguez et al., 1998
南海・東南海で見ると... アスペリティの深部では 低周波現象は起きていないように見える アスペリティの深部では 低周波現象は起きていないように見える 1944東南海(山中,2006) 1946南海(室谷,2007) 1968日向(山中)
1992年ニカラグア地震 これまでの解析では ★破壊伝播速度が遅い ★継続時間が長い ★地震データから求められる すべり量は小さい 津波データ 1992年ニカラグア地震 これまでの解析では 1992年ニカラグア地震 菊地による解析結果 Satake, 1995 ★破壊伝播速度が遅い ★継続時間が長い ★地震データから求められる すべり量は小さい ★津波データでは浅いところ で大きなすべり 地震波データ Mo=μDS
海山とすべり分布との関係
津波地震とは... 体に感じる揺れの程度とは不相応に大きな津波を 伴う特殊な地震のこと 1896/06/15 三陸(M7.2), 1946/04/01 Aluetian (M7.4), 1960/11/20 Peru (M6.9), 1963/10/20 Kurile (M7.2), 1975/06/10 Kurile (M7.0), 1992/09/02 Nicaragua (M7.2), 1994/06/02 Java (M7.2), 1996/02/21 Peru (M7.5), 2004/12/26 Sumatra (M9.0) 1992/09/02 Nicaragua (M7.2),