棒高跳の踏切準備局面における                 動作の変容 指導教官 伊藤 信之 06A8002  泉水 朝宏.

Slides:



Advertisements
Similar presentations
バスケットボールフリース ロー技能遂行における心理的 要素について 特に注視点とフリースローの正確性との 関連に着目して 修士課程2年 猪俣 夏海.
Advertisements

模型を用いたジェットコターの 力学的原理の検討 06522 住友美香 06534 秦野夏希. 平成22年度 卒業研究発表 山田研究室 研究目的 ジェットコースターのコースは、どのような計算に 基づいて作られているのか、研究を通じて理解し、 計算を用いた模型製作を行う。
J班 高取千佳 大村朋之 斎藤いつみ 瀧口洋平 植村恵里
3次元nクイーン問題の 解に関する研究 論理工学研究室 伊藤精一
データ分析入門(12) 第12章 単回帰分析 廣野元久.
BODPODの使い方.
第6章 閉鎖経済における短期のマクロ経済理論
点対応の外れ値除去の最適化によるカメラの動的校正手法の精度向上
非正規雇用が心理的ストレス反応に及ぼす影響: 全国規模のコホート研究
フレームディアスの使い方 動作解析ソフトウエア
伝達事項 皆さんに数学と物理の全国統一テストを受けても らいましたが、この時の試験をまた受けていただ きます。
分散分析マスターへの道.
コリオリ力の復習資料 見延 庄士郎(海洋気候物理学研究室)
男性の育児が肥満に与える影響 富山大学 経済学部 経済学科 孫田 篤 専門ゼミ-報告会.
バイオメカニクスにおける コンピュータシミュレーション
マルチジャンプテスター の使い方.
年金・定年引き上げの是非 否定派 棚倉 彩香 林 和輝 西山 夏穂 水田 大介.
第11回エアロビックフラワーカップ千葉2016 エアロ道場 評価ポイント一覧表 千葉県エアロビック連盟 競技委員会 記号 コメント
演習(解答) 質量100 gの物体をバネに吊るした時、バネが 19.6 cm のびた。
水中で落下する球体の運動.
Korteweg-de Vries 方程式のソリトン解 に関する考察
山口市における ヒートアイランド現象の解析
天秤の釣り合い 棒と糸の重さは無視できるものとし,(ア)から(カ)に はたく重さを求めよ。.
工業力学 補足・復習スライド 第13回:偏心衝突,仕事 Industrial Mechanics.
修士二年 宮﨑一樹 鶴田佳宏,加藤貴裕,永峰健太,上津原正彦,眞庭知成
U 牛久高校 陸上競技部 牛久高校陸上競技部男子記録 陸上茨城創刊号まで判明分 No 記録 風 場所 試合名 期日 年度 1 100m 2
看護技術各論Ⅱ Positioning 体位変換.
SURF: Speeded Up Robust Features
磁歪式振動発電の 高出力化と発電床への応用
偏光で見る星雲の姿 銀河学校2014 C班 杉山純菜 田中舞 長谷部匡敏 寺村まどか 柳楽裕介 西村南海 吉田真琴 阿部峰也
現代学生の運動生活と スポーツ意識について
中距離走におけるバウンディング トレーニングの有効性について
スパッタの基礎知識.
賃金分析 -現行の賃金制度を客観的に分析する-
離婚が出生数に与える影響 -都道府県データを用いた計量分析
SAMPLE 1.人間の活動・運動の意義が理解できる. 2.随意運動の成り立ちが理解できる. 3.同一体位による身体への影響が理解できる.
過負荷時の分散ソフトウェアの 性能劣化を改善する スケジューリングの提案
Rコマンダーで分割プロットANOVA 「理学療法」Vol28(8)のデータ
弓射への力学的アプローチ(その7) 赤門支部 鈴木千輝
灌漑強度の違いに着目した 被覆灌漑の有効性の検討
Leica DISTO™ A8の間接測定? シングル・チルト測定
Rコマンダーで2元配置ANOVA 「理学療法」Vol28(8)のデータ
トライアスロンにおける ペダリング運動前後の ランニング動作の変化
YT2003 論文紹介 荻原弘尭.
住宅用調理レンジを対象とした 排気フードの廃気捕集率に関する研究
メンバー 梶川知宏 加藤直人 ロッケンバッハ怜 指導教員 藤田俊明
シラタマホシクサの地域文化の検証とフェノロジーの年変動
最小 6.1.The [SiO4] tetrahedron
CAVEを用いた仮想空間での ヒトの移動認知に関する研究 福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 石原研究室 4年 14A1003 石原義大
40歳未満にも メタボリックシンドローム基準の適用を
円板の転がり運動により発生する音と振動 鳥取大学 工学部 応用数理工学科 生体システム解析学研究室 目的 実験方法 (3次元解析)
見た目から受ける 印象について ~バドミントン競技において 強そうに見える条件はあるのか~
「アルゴリズムとプログラム」 結果を統計的に正しく判断 三学期 第7回 袖高の生徒ってどうよ調査(3)
アルゴリズムとデータ構造 --- 理論編 --- 山本 真基
クロス表とχ2検定.
コース確認 係の人は競技コースの 確認をしてください フラッシュ撮影禁止.
回帰分析(Regression Analysis)
自校の結果分析 小学校算数B TOP 設問 番号 設問の概要 自校 正答率 リンク 1(2) % 48.5% 問題 類型 指導 関連問題
停止ストリームの検知 情報工学部 情報工学科 06a2072 山下 雄
停止ストリームの検知(2).
宿題を提出し,宿題用解答用紙を 1人2枚まで必要に応じてとってください 配布物:ノート 2枚 (p.85~89), 小テスト用解答用紙 1枚
明示的文法知識が 正確な言語使用に結びつかないケース 浦野 研(北海学園大学)
有効座席(出席と認められる座席) 左 列 中列 右列.
運動部活動がソーシャルスキル獲得に及ぼす影響について
負荷時における立ち幅跳びの学習過程 ← 3m → 目的 撮影風景 ←2m→ 実験方法 実験結果 考察
サッカーにおける コーディネーショントレーニング 効果について
欅田 雄輝 S 北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科
スケールモデルサイトにおける 「風の道」の野外実験
2016年度設計課題 機械設計I 課題提出日程 5月13日 課題発表 5月27日 戦略計画書チェック 6月10日 ロボットデザインチェック
<PC48> エゾマツ・トドマツ稚樹群の動態に 環境条件が与える影響
Presentation transcript:

棒高跳の踏切準備局面における                 動作の変容 指導教官 伊藤 信之 06A8002  泉水 朝宏

陸上競技の跳躍競技の中で唯一、助走中からポールと呼ばれる道具を用いて跳躍することから、跳躍競技の中でも特殊な競技である。 <はじめに> 陸上競技の跳躍競技の中で唯一、助走中からポールと呼ばれる道具を用いて跳躍することから、跳躍競技の中でも特殊な競技である。 棒高跳以外の跳躍競技 助走速度を、踏切で鉛直速度に変換する 棒高跳 鉛直速度よりも、水平速度を獲得することで、ポールに弾性エネルギーを蓄える 跳躍運動自体が距離や高さを獲得する直接的手段 水平方向の運動エネルギーを、ポールを介することで位置エネルギーへ変換

踏切準備局面は、助走で獲得した水平速度を維持したまま踏切へ移行するために重要な局面 どの跳躍競技においても、助走速度の重要性が明らかにされている。 ポールの利用能力を高めるためには、高い助走速度が極めて重要な要因の一つであるとされる。 踏切準備局面は、助走で獲得した水平速度を維持したまま踏切へ移行するために重要な局面 踏切準備局面の研究は、走幅跳や三段跳などが多い。 棒高跳では助走速度、踏切時の動作、ポール自体のエネルギーに焦点を当てたものが多い。 踏切準備局面の動作の変容を明らかにする 効果的な踏切準備動作を検討する

方法 <VTR撮影および分析方法> <被験者> 棒高跳のトレーニングを専門的に行い、大学陸上競技部に所属している男子棒高跳競技者8名 助走路進行方向の右側方に設置したデジタルビデオカメラ2台を用いてパンニング撮影 得られた映像から踏切4~1歩前の区間において身体23点をデジタイズし、較正点4点を用いて実座標に算出した。 踏切4歩間の各歩における平均値の差の検定(対応あり) 上位群、下位群に群分けを行い平均値の差の検定(対応なし) 有意水準5%以下

踏切4~1歩間における各助走速度と正の相関関係があった(木次谷ら2001)。 <結果と考察> 踏切前4歩間の比較 踏切4~1歩間における各助走速度と正の相関関係があった(木次谷ら2001)。 r=0.734 r=0.764 r=0.809 r=0.737 テレツ(2004)は、踏切2歩前から突っ込み動作を開始するとしている ポールの操作と同調して、速度に変化が出たと考えられる

足関節を用いたキック動作により次の区間に余裕を持たせている 踏切4および3歩前 足関節を用いたキック動作により次の区間に余裕を持たせている 4歩前 3歩前 足関節平均角速度が大きい 踏切4歩前 踏切3歩前 背屈平均角速度(deg/s) -393.96 ± 85.76 -440.28 86.32 底屈平均角速度(deg/s) 842.82 89.38 861.18 116.04 身体重心高上昇変位が大きい 踏切4歩前 踏切3歩前 上昇変位(m) 0.027 ± 0.006 0.037 0.010 下降変位(m) -0.018 -0.020 0.008

走幅跳の踏切準備動作と似ている 踏切2歩前 ストライドの減少が始まる 足関節背屈および底屈変位が小さい 膝関節角変位が小さい 4歩前  3歩前  2歩前  1歩前 ストライドの減少が始まる 足関節背屈および底屈変位が小さい 膝関節角変位が小さい

脚全体角速度698.0±50.2m/s、離地時大腿角速度314.0±70.6m/sが大きい 踏切1歩前 脚全体角速度698.0±50.2m/s、離地時大腿角速度314.0±70.6m/sが大きい 身体重心高が最も低い  接地時 0.83±0.05m 最小時 0.81±0.05m  離地時 0.83±0.05m 足関節角度が小さい  接地時89.9±4.6deg 最小時72.1±2.8deg 離地時110.8±6.3deg 走幅跳に似た身体重心を下げ、脚全体でスイング動作を行うことで速度を維持し、素早く踏切に移行している

踏切2歩前から速度を維持しながら、身体重心高を低下させることで踏切角を水平に近づけようとしている可能性 走幅跳の踏切準備動作と同様の動作をすることで、効率の良い踏切に結び付けていると考えられる 効率的な走幅跳の踏切準備動作と似ている

ご清聴ありがとうございました。 詳しくはポスターセッションにてお待ちしております。