2a グラフの用法
2章 補論 グラフの用法 一般生活においてもグラフは重要だが、経済学においてもグラフはとても重要。 2章 補論 グラフの用法 一般生活においてもグラフは重要だが、経済学においてもグラフはとても重要。 理由1: 数式や言葉では十分に説明できないアイデアを視覚的に表現し、理解を助ける。 理由2: 経済データの分析において、現実世界において諸変数がどのように関連しているかを発見する手段になる。 では、グラフはどのように使うのか?グラフの用法に落とし穴はないか?
単一変数のグラフ これから単一変数のグラフを三つ見せる。 変数とはvariableの訳である。
円グラフ
棒グラフ
時系列グラフ
単一変数のグラフ 円グラフは「納税者数の割合」を示している。 棒グラフは「いくつかの国の一人当たりGDP」を示している。 これらのグラフは、「」で囲まれた一つの変数がどのように変わっていくかを示すには有益である。
単一変数のグラフ しかし、単一変数のグラフは、まさに単一変数に関する情報しか教えてくれないから、情報は限られている。 経済学者は諸変数間の関係に興味がある。相互関係に興味がある。(例: 価格が上昇したら財はより売れるのか、売れないのか?) そこで、2変数のグラフが必要になる。
2変数のグラフの例 太郎君の「勉強時間」と「アルバイト時間」の関係をグラフで示すことにしよう。 仮定: 仮定: ①太郎君は、睡眠・食事・勉強・アルバイトの四つの活動しかしないものとする。 ②太郎君は、1日の睡眠時間に8時間、食事時間に3時間をかけるものとする。
2変数のグラフの例: 散布図
散布図 水平方向をx座標、垂直方向をy座標と呼び、x座標もy座標も0の点を原点と呼ぶ。 このように、二つの変数の組み合わせを点としてグラフにしたものを散布図と呼ぶ。 点を結んで曲線のグラフを書いてみよう。
2変数のグラフの例
曲線上の動き 太郎君は、この曲線(直線も曲線の一つ)上のどの点も選ぶことができる。 (勉強時間=13時間、アルバイト時間=0時間)の組み合わせを選ぶこともできる。 (勉強時間=0時間、アルバイト時間=13時間)の組み合わせを選ぶこともできる。 (勉強時間=8時間、アルバイト時間=5時間)の組み合わせを選ぶこともできる。
曲線のシフト 仮定を変えて、もし睡眠時間=5時間、食事時間=3時間に変えたら、グラフはどうなる?
曲線のシフト
曲線状の動きと曲線のシフト 曲線状の動きと曲線のシフトを区別することは重要である。 どちらの軸にも表されていない変数(睡眠時間)が変化した場合には、曲線はシフトする。 傾き、弾力性、因果関係については、今回は解説しない。
要約 経済学ではグラフが大事である。 単一変数のグラフには、円グラフ、棒グラフ、時系列グラフなどがある。 2変数のグラフは、変数間の関係を表すのに便利である。 代表的な2変数のグラフには散布図がある。 2変数のグラフにおいては、曲線状の動きと曲線自体のシフトを区別することが大事である。