配分食という、概念 糖尿病専門医の処方の Tips である。そして、 それは最新のTipsにも なりつつある。

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血糖値の調節 膵臓 肝臓 筋肉 血 糖 脳 インスリン ↑ 200 g/ 日 120g/ 日 乳 酸 乳 酸 グリコーゲン グリコーゲン グリコーゲン グリコーゲン ( 食事 ) 脂肪組織 Plasma Glucose Blood Glucose 尿糖 血糖値は制御された値 であり制御機構が正常 なら全く血糖は上昇し.
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配分食という、概念 糖尿病専門医の処方の Tips である。そして、 それは最新のTipsにも なりつつある。

まず、食品交換表とは、糖尿病の食事の教科書で、ここに示したような書籍です。ここには、摂取する食物エネルギーを、6つの食品群に分類しております。さらに、食品の単位を、1単位を80キロカロリーと定義して、1単位をあみくみあわせることによって、例えば、1日のエネルギーを、1600キロカロリーとか、そうした適切な総エネルギー量にあわせていく手法を提案しています。この食品交換表が作成されたのは、昭和40年頃でした。その頃は、スーパーにいっても、この食材の糖質は何グラムなどといった表示はありませんでした。ですから、まず、食材を覚えて、そこから、バランスを考えるしかありませんでした。その時に、生まれた考え方が、このスライドに示したような、表1から表6まで、食品を、6つの群に分類するという方法でした。表1は、糖質を含め炭水化物などです。表2は、果物。表3は、タンパク質を含む食品。肉、魚、卵、チーズなどです。表4は、牛乳や乳製品です。表5は、脂肪を含む食品です。表6は、主に野菜ですが、ビタミンやミネラルを含む食品とされています。

糖尿病の食事療法の中の、「間食」のポジショニング さて、食品交換表は、こうして分類した食材を、巧く組み合わせて、朝食、昼食、夕食に、わけて、食べるようにします。それを実行するには、栄養士から指導をうけ、指示票といった配分の方法を指示されて、食事をとるようにします。低血糖の時には、補食をとります。これは、1日の指示エネルギーには含まれず、低血糖に対する、あくまで、補う食事という意味で、補食と呼びます。一般に呼ぶ、間食は、こうした指示エネルギー以外で食べる食事を、間食をしてしまう、ということが多いのですが、食品交換票の中では、間食を、もう少し、明確に分類しています。つまり、一般的な食事の中に、3食とはわけて、食べる食事を間食と読んでいるわけです。私は、あえて、間食というと、わかりにくいので、配分食と呼ぶようにしているのも、こうした用語の混乱があるためなのです。

と「表4」(牛乳など)が、含まれていない。 10万部発売されたヒット書籍 外食をする時には、「表2」(果物など) と「表4」(牛乳など)が、含まれていない。 私が、配分食、という概念に、最初に着目したのは、20年前に、出版した、「外食コントロールブック」という書籍の時に、気がついたことに、戻ります。この時、外食をどうやったら、上手に残せるのか、ということをテーマに本を作りましたが、気がついたことがありました。外食には、表2、つまり、果物、と、表4、牛乳、などが、含まれていないということなんです。ですから、もし、外食を中心として、考えるのであれば、表2と、表4を、間食、つまり、配分食にするしか、ないということがわかるわけです。当時は、インスリンとオイグルコンしか、治療薬としてはない状況ですから、インスリンで低血糖を起こしやすいタイミングでは、表2か、表4を、低血糖を起こさないようにと、普通の外来で、指導しておりました。つまり、低血糖の予防となれるはずなのです。 つまり、「表2」と「表4」は、1日の中で、どのタイミングで、摂取しても かまわない食事である、のである。 であるならば、低血糖の予防対策としての応用ができるはず。

食品交換表には間食はとるべきものと記載されている。 多くの糖尿病やGPは、糖尿病患者の食事療法では、 間食は、とってはいけないものとの認識がある。 しかし、実際の食品交換表には、以下のような記載がある。 これは、私が、かってに考えだしたものではありません。ここに示したように、食品交換表の中にも、しっかりと、間食、は、とるべきものと記載されています。この部分をみてみてください。一般的には、間食は、するべきものではない、と理解している医師が多いのですが、しっかり、テキストである食品交換表には、以下のような記載があるのです。ですから、混乱しないように、あえて、間食、といっても、間違ってはおりません。ですが、一般の人は、間食は、単なる余分な、あいだぐい、だと思い違いしやすいのです。そのため、私は、間食とよばず、配分食と、あえて呼ぶようにし、それは、ほぼ、表2か、表4です、と、患者に指導しております。

1日5回、GLP1作用を応用するという発想 インスリンを5回、分泌し、グルカゴンを5回、抑制することができれば、より、きめ細かな血糖コントロールが可能になる。 低血糖を予防する、最も簡便な方法である。 以前から、モノタードインスリン、Novolin Uなどの時代には応用されていた手法であり、完全に新しい手法ではない。むしろクラシック。 さて、1日、2回、主食の間に、配分食をいれるとするとなると、3つの食事、つまり、朝と昼の間に、1回、そして、昼と夕方の間に1回の、配分食をいれることができます。主食は3回なので、それに2回をたすと、1日5回の食事をするということになります。1日5回、食事をすれば、それだけ、食物が胃を通過し、小腸へとおちていきます。すると、小腸下部に達して、そこから、GLP-1が分泌されます。すると、インスリンを分泌し、グルカゴンを抑制してくれます。つまり、1日、5回、血糖コントロールの微調節をしてくれるわけです。これは、モノタードインスリンや、Novolin Uなどの時代には、応用されていた手法でした。なので、これは、完全に新しい手法ではなく、むしろ、クラッシクなテクニックではあったわけです。ですが、こうした治療法をしていても、もし、1日5回、血糖コントロールの微調節ができれば、低血糖には、なりにくいはずです。

この図は、上段が1日3回の食事をした時の、GLP-1の上昇を示した形です。ですが、このように、GLP-1の濃度は、短時間で、低下してしまいます。よって、主食の3回の食事と食事との間では、低血糖には、なりやすいのです。ここに、血糖値をあげてしまう機能が、何も作用しないのです。 これが、表2、と、表4、を補食すると、下図のように、GLP-1の濃度があがります。そうすると、低血糖になりにくい様子が、おわかりになると思います。配分食によって、血糖値があがるだけでなく、かつ、その時に、GLP-1があがってくれることで、インスリンを分泌するだけでなく、グルカゴンを抑制し、低血糖を予防しながら、グルカゴンを抑制することで、高血糖をも抑制する、というで、低血糖にも高血糖にもなりにくい、つまり、安定した血糖コントロールが得られるようになると考えたわけです。なを、配分食を加えても、1日の総エネルギー量は同じなので、1日3回の食事よりは、より多いエネルギーになることはないわけですから、体重が増えるということは、さほど、ないはずなのです。

日本最高レベルまでHbA1cを落とせた成績は 配分食の、おかげ、であった。低血糖は、ほぼゼロ。 こうしたことをコンセプトにして、当院の外来に、DPP4阻害薬である、シタグリプチンを投与した患者データを、2012年に、Endocrine Researchという雑誌に、発表させていただきました。その結果が、このスライドに示した内容です。左は、64名全体の、HbA1cの平均値を表したものです。患者さんは、来院前は、HbA1cは、7.9%前後だったのですが、インクレチン治療が始まる前までは、せいぜい、6.8%程度だったのですが、それが、シタグリプチンを追加することで、6ヶ月後には、6.48%までさがってくれることができました。約0.3%しか、さがってしかいないようですが、しかし、糖尿病の基準は、6.5%ですから、それ以下になったということは、画期的なことだと言えます。また、DPP4阻害薬を開始する前に、HbA1cが、6.5%以下だった患者だけを選んだ場合には、HbA1cは、6%前後にまで、低下していたのです。この当時は、DPP4阻害薬に、αグルコシダーゼ阻害剤を併用できませんでした。ですから、もし、αグルコシダーゼ阻害剤を併用できれば、6%未満にすることができたという患者は、ほぼ半数以上になったのではないか、と考えます。この時、実は、学会からの、SU剤を減らすようなレコメンデーションが、発表する前でした。ですから、アマリールを減らすことはなく、低血糖にならないようにするためには、配分食をとることで対応しました。その結果、重篤な低血糖を起こすことはなく、HbA1cは、きわめて有効に低下し、体重は、せいぜい、800グラムくらいしか増えませんでした。この体重の増加は、血糖コントロールによる体重増加とも考えられます。ですから、低血糖を起こすことはなくして、きわめて良好な血糖コントロールが得られたわけなのです。

我々は、DPP4阻害薬で、配分食治療は成功した。 リキスミアでも同じ理屈で配分食理論は成立するはず。 特にランタス+リキスミア+SU剤との併用例には有効のはず。 配分食が、低血糖を予防できることは、アマリールを内服している患者さんでは、こうやって証明できました。ですが、これを応用して、ランタスを利用したBOTでも応用できると考えます。特に、BOTをし、リキシセナチドを追加したり、アマリールを内服すると、左のようなインスリン分泌濃度の形ができます。やはり、どこかで、低血糖になりやすい時間帯ができてしまいます。ですが、同じような考え方で、配分食を応用すれば、夕食前などに、低血糖を起こしやすくなりますが、その時に、夕食前や、昼食前に、配分食をとれば、低血糖にはなりにくいはずです。右には、血糖曲線を示しますが、全体的には、夕食前に低血糖になりやすいですから、午後3時には、なにか、配分食をとれば、低血糖にはなりにくいはずです。

処方のタイミングの工夫 患者のQOLにあわせて、アマリールの服薬タイミング や量を調整することが大事。 リキスミアは、SUとインスリンと併用できる。 (例) 朝、アマリールを服用すると、 昼から夕食の時間に低血糖になりやすい 患者がいる。 (例) さっぱりした食事を 好むようになる。 昼食前、夕食前の アマリールに 切り替える。配分食を指導。 リキシセナチドを処方する時、アマリールと、インスリンとの併用ができることは、大きな工夫が必要です。朝のアマリールの処方をどうするか、就寝前のランタスを何単位にするか、など、様々な用量調節が必要です。そうした時に、薬剤の調節だけで、血糖コントロールをするのは、危険を伴います。そうした時、朝、リキシセナチドを注射し、GLP-1が体内を流れていれば、1日5回のGLP-1の作用が作用するとすれば、血糖コントロールにも役立つし、患者のQOLにあわせて、アマリールの服薬タイミングや量を調節することが大事です。 低血糖が起こりやすい時間帯 などの果物などの補食が有効。 患者のQOLにあわせて、アマリールの服薬タイミング や量を調整することが大事。

EASD 2013 配分食に対する研究が発表 Consuming Snacks at mid-afternoon reduced the inremental area Under the glucose-curve after dinner in patients with type 2 diabetes. S. Imai, M Fukui, N Ozasa, S Kajiyama Graduate School of Comprehensive Rehabilitation, Osaka Prefecture (s346) Conclusion: Consuming snacks at mid-afternoon leads to a reduction by 40% the IACU (increment area under the curve for blood glucose) after dinner in patients with type 2 diabetes, possibly because of second-meal like effect. 2013年の欧州糖尿病学会では、ポスターセッションで、このような、午後3時に食事を食べるほうが、血糖曲線の改善が認められやすいという報告がありました。こうした報告は、最初に、私が提案した2010年頃には、なかった報告だったので、とても、うれしく感じたものです。低血糖のことを言及するような内容ではありませんでしたが、今後、GLP1受容体作動薬や、SGLT2阻害剤など、低血糖がおこらない治療法が普及していく時代の流れの中で、低血糖を起こし得る、インスリンと、アマリールというSU剤の弊害を、どうやったら除去し、長所をいかし、欠点を減らしていくには、この配分食という考え方は、とても重要な食事治療のコンセプトであると、考えています。