元高の原因を追求 九州産業大学 金崎ゼミ 張 雷 徐 雲飛
為替レートとは 為替レートは原則として、他国の通貨で測った、ある国の通貨の相対的な価値である。ほかの商品と同じ、為替レートもそれぞれの通貨に対する需要と供給の関係によって決まられるものだ。ある国の通貨需用量は市場に決まられるが、供給量はその国の中央銀行に決まられる。 需要増加→為替レート上昇 例えば、ドル建ての資産を持ちたいと思う人が多ければ、ドルに対する需要が多くなるため、ドルの価値が上がる。反対に、元建ての資産を持ちたいと思う人が増えると、元に対する需要が高まるため、元の価値が上がる。
為替レートの決定要因 為替レートは需要と供給で決まるといっても、さまざまな要因がある。人々はさまざまな理由である通貨を買ったり、売ったりする。為替レートに影響を及ぼすのは景気の動向、金利、物価、国際収支の状況などだ。 ①景気 ②金利 ③物価 ④国際収支
①景気の面から見ていく。 基本的には景気が良い国の通貨の価値が上がる。一つ国の景気だけ見ずに、二つ国間の景気の差を見なければならない。 景気 基本的には景気が良い国の通貨の価値が上がる。一つ国の景気だけ見ずに、二つ国間の景気の差を見なければならない。 景気 今年の前半期GDP増加率を比較すると、中国の増加率は11.1%、アメリカより大幅に上回っている。2008年の金融危機以来、更に多くの投資資金はアメリカなどの先進国から中国などの景気が良い新興途上国に進出している。基本的に国際投資資金はどの国に流れると、その国の通貨の為替レートは上昇する可能性が高くなる 景気が悪い国 景気が良い国 投資資金
中国に進出したホットマネー金額 外貨準備の増加額から対内直接投資と貿易黒字を差し引いた金額 中国月報第45 号情報
②金利差の面から見ていく 金利の高い国の資産を持っていると、高い利子を得られるのだから、その国の通貨の価値は上がる。投資家は低い金利の国の通貨を売り、金利の高い国の通貨を買う。そのため、金利の低い国の通貨は、価値がどんどん低くなる。 金利↑ 海外からの投資↑、 為替レート↑ 貨幣の供給量↓ 2008年の金融危機以来、アメリカのFRBは金融緩和の政策を続いてきた。金利は5.25%から現在の0.25%に下がってきた。中国の金利も4.14%から2.25%に下がったが、アメリカより高い。今年の十月二十日、中国の金利はさらに2.5%まで上昇した。現在、多くの投資家に中国の金利上昇が続いていくと判断されている。金利差を比較すると、中国の金利は高いから、国際投資家のドルを売り、元を買う欲望が強い。
③物価の面から見ていく 中国人民銀行は通貨を発行するとともに、物価を安定させるために、通貨供給量の調整の役割をもっている。そのためにするのが、金利の誘導をする。 貸出金利と預金金利が上がるため、市場に出回るお金の量は減る。これを金融引き締めという。 貸出金利と預金金利が下がるため、市場に出回るお金の量は増える。これを金融緩和という。 金融引き締め→ 貨幣供給量↓ → 物価↓為替レート↑ 金融緩和 → 貨幣供給量↑ → 物価↑為替レート↓
④国際貿易収支の面から見ていく 経常黒字の国は通貨が高くなり、経常赤字の国は通貨が安くなる。 貿易黒字 ↑ → 自国貨幣需要量↑ → 為替レート↑
中国に対する元高の影響 ①銀行のドル資産が減少する ②輸出企業の収益が下がる 元高 ③輸入企業のコストが下がる ④インフレが抑制される