コンタクトプレーを 正しく見極める ~ハードプレーとラフプレーの整理から~
コンタクトプレーを正しく 見極めるために 「ハードプレーとラフプレーの見極め」 ハンドボールの競技特性 ⇒ 激しいコンタクト ⇒ 激しいコンタクト スピーディーなゲーム展開 <2019、2020、そしてその先・・・> われわれレフェリーが、理解し、整理し、 解決していかなければならない課題
コンタクトプレーを正しく 見極めるために 「ハードプレーとラフプレーの見極め」 競技規則第8条「相手に対する動作」 ⇒ 攻撃側、防御側の双方にあてはまる <身体接触の際> ◆ 両者の位置関係 ◆ 違反を受けたプレーヤーへの影響
競技規則 8:1(a)~(c) 次の行為は許される (a)他のプレーヤーの手からボールを取るために、 開いた片手を使うこと (b)相手の身体に接触し、そのまま相手の動きに合 わせてついていくために、曲げた腕を使うこと (c)位置取りをめぐり、相手をブロックするために 胴体を使うこと
ハードプレーとラフプレーの見極め (防御プレーヤーの位置と防御行為) 防御行為の ハードプレー とは・・・ ◆ 攻撃プレーヤーの正面 ◆ 競技規則8:1の状況 ◆ 相手の安全面を守る 接触の度合いが強かったとしても ハードプレーとして認める。
ハードプレーとラフプレーの見極め (レフェリングの際のポイント) 【 大切な判断基準(事実判定の根拠) 】 ① ボディコントロールは? ・・・シュートを打ち切ったかどうか ② プレーヤーの影響は? ・・・動けない(すぐに帰陣できない)ほどの影響があるのか ③ ボールに対するプレー? DFと接触していても 我々レフェリーにとって ハードプレーとラフプレーの見極めを行う際の 大切な判断基準となるのは 以下の示すものとなります。 ①シュートを打つプレーヤーの ボディーコントロールは失われているのかどうか ⇒シュートを打ち切ったかどうか ②シュートの後に、動けないほどの影響があるか否か ⇒DFと接触していても、ボディーコントロールを失わずに シュートを打ったならば、競技は中断しない。 「違反があったから」ではなく、違反はあったが それは「影響があったかどうか」という事実判定が 根拠となる ③そのコンタクトは、ボールに対するプレーなのか シュートを外しても
ハードプレーとラフプレーの見極め (レフェリングの際のポイント) もしも、ボディーコントロールを 失わずにプレーできているならば・・・ ◆ スピーディーなゲーム展開を重視 ◆ 安易に競技を中断しない ハンドボールの面白さを表現する 7m スローの判定や 罰則の適用 などにより
どの罰則を適用するかについての判断基準 (8:3) a) 違反行為をしたプレーヤーの 位置 ・・相手に対して、正面?側面?後方? b) 違反行為が対象とした 身体の部位 ・・胴体?シュートしている腕?脚?頭部?喉?首? c) 違反行為の 激しさの程度 ・・接触の強度は?相手の動きの速さは? d) 違反行為の 影響
ハードプレーとラフプレーの見極め (防御プレーヤーの位置と防御行為) ◆ ボールを対象としていない ◆ 不利な位置から接触を試みた ⇒ ラフプレー として判定 (競技規則8:2、8:3) 横から 後ろから もし、横や後ろから ボールを対象とせず 不利な位置から接触を試みたならば 競技規則8:2、8:3の判断基準を基に ラフプレーとして判定しなければならない
コンタクトプレーを正しく 見極めるために 「ハードプレーとラフプレーの見極め」 戦いの競技 コンタクトの発生は必然的 ハンドボール競技 ⇒ ハンドボール競技 ⇒ <2019、2020、そしてその先・・・> コンタクトプレーの中で、世界と 戦っていくために“指導”“強化” していくことが重要である 戦いの競技 コンタクトの発生は必然的
◆競技規則8:3 ⇒ 判断基準 ・・・ 機械的に判定 ◆プレーを正確に観察できる良い位置 これからのレフェリーの役割 ◆世界の流れ ⇒ スピーディーなゲーム展開 ◆競技規則8:3 ⇒ 判断基準 ・・・ 機械的に判定 ◆プレーを正確に観察できる良い位置 指導側、強化側のこのような流れの中で 我々レフェリーのこれからの役割として 世界の流れである「スピーディーな展開」を目指し 決して独りよがりの笛ではなく またゲームを作るのではなく「協力する側」として 競技規則を適用していくこと 罰則を適用するかの判断基準として ①位置②部位③程度④影響を示している 競技規則8:3で、特に「影響」を見極めて 機械的に判定をすること そして、これは、不必要な笛を減らしていくことにもつながり 「スピーディーなゲーム展開」へとつなげていくことができる そしてこれらを行うためには プレーを「正確に観察できる」良い位置を探し しっかりと動くことが求められる 「動く」ことを怠り、位置取りが悪くなってしまうと 段階罰、アドバンテージの判定など レフェリーの課題の多くに起因する原因に繋がってしまうため レフェリーは、動くための運動量が求められる。 しかし、「動く」だけをもとめるのではなく 最終場面までの「過程を見ること」 シュートモーションに入った時などは「止まって観察」することも 我々レフェリーには必要となる
これからのレフェリーの役割 ~前半のうちに基準(許容範囲)を示す~ インフォメーション ボディーランゲージ 段階的罰則 ⇒ 後半に罰則を適用する必要がないようにする (もちろん罰則を適用する「準備」は必要) 基準(許容範囲)を 伝えていく また、前半のうちに 「インフォメーション」 「ボディーランゲージ」 「段階的罰則」といった様々な手段で 基準(許容範囲)をプレーヤーやチームにうまく伝えていくことが ただ単に罰則を与えて示すよりも、はるかに有効的である その意味は、後半に罰則を適用する必要がない・・・つまり 「いかに6対6でハンドボールをさせるか」ということにつながる しかし、そこには、もちろん「罰則を適用する準備」は必要である (出さなければいけない場面も、可能性として充分にあり得る) ※8の5の【注】に記載されているような 「身体的衝撃の小さな違反」とは 意味合いが違うので、混同しないよう注意する
これからのレフェリーの役割 ~一試合を通して~ 60分の中で 起きた現象 プレーの質 違反を受けたプレーヤーへの影響を見極め 罰則を適用するかどうかの判断をする 良いプレーを保証し 悪いプレーを排除する これを踏まえ、レフェリーは、60分のゲームの中で 「起きた現象」だけでなく、「プレーの質」を見て判定することで 「良いプレーを保証し、悪いプレーを排除」していかなければならない 今日、ここで挙げてきた映像でも、少なからず感じたと思うが ●プレーの継続●フリースロー●7mT●ターンオーバー●罰則の適用など ハードプレーにもラフプレーにもなりうるプレーの中で レフェリーは、常に「全ての可能性」について準備をしつつも 違反を受けたプレーヤーへの影響を見極めて 罰則を適用するかどうかの判断をしていかなければならない
レフェリーの使命 トレーニングの成果を存分に発揮させる チーム・プレーヤーは日々、トレーニングしてい る。レフェリーの使命は チーム・プレーヤーは日々、トレーニングしてい る。レフェリーの使命は トレーニングの成果を存分に発揮させる ことである。この使命を果たすために、身体的、 精神的、競技規則の理解、映像分析、 etc. 大会や ゲームに臨むため、そして、大会期間中、ゲーム 直前…日々「準備」しなければならない。
ハンドボールの発展のために 皆でトレーニングを積む Team JAPAN として2019年、2020年、 そしてその先と… レフェリー × 指導 × 強化 = 「スピードハンドボール」 「パワーハンドボール」 の追求と発展を共に求めていかなければならない。