二次元NMRを用いた構造解析(2) COLOC HMQC HMBC

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二次元NMRを用いた構造解析(2) COLOC HMQC HMBC

今回取り扱う13Cと1Hの二次元NMR 直接結合した 炭素と水素を見つける 2〜3個以内に離れている 炭素と水素を見つける 通常測定 炭素と水素を見つける  2〜3個以内に離れている  炭素と水素を見つける   通常測定 (高解像度)  C-H COSY (26) COLOC (55) インバース測定 (高感度)  HMQC (7) HMBC (31) ロングレンジの結合  直接の結合  カッコ内の数字は標準的な測定時間(分)  C−H COSY C-H COrrelation SpectroscopY COLOC COrrelation spectroscopy via LOng-range Coupling spectrum HMQC 1H-detected Multiple Quantum Coherence spectrum HMBC 1H-detected Multi-Bond heteronuclear multiple quantum Coherence spectrum  

n-butyl methacrylateの1Hおよび13C-NMRスペクトル 3 2 2 3     2    1  1    CDCl3  TMS 同じ積分比のピークが存在  非常に近いピークが存在 

C-H COSY 

HMQC HMQC C-H COSY HMQCとC-H COSYでは縦横が逆になる(観測核側が横軸) 1H-NMR 13C-NMR

HMQCとC-H COSYの違い 長所: 高感度 (短時間・やや低濃度でも測定可能) HMQC 1H-NMR  13C-NMR  長所: 高感度 (短時間・やや低濃度でも測定可能) 短所: 13C側の解像度が低いので近いピークの判別が難しい  HMQC  

COLOC COLOCは出にくい (この場合Bu基は わかりにくい) 積算回数は多めに まずは後述のHMBC がおすすめ 赤の炭素と がおすすめ  赤の炭素と 青の水素に  相関ピーク 

HMBC COLOCに対応する インバース測定 赤の炭素と 青の水素に 相関ピーク 高感度なので Bu基にも相関が見られる ただし、 インバース測定  赤の炭素と 青の水素に  相関ピーク  高感度なので Bu基にも相関が見られる  ただし、 直接結合した原子の クロスピークは サイドバンドとの 相関が出やすい (緑色)

COLOCとHMBCの比較 COLOC HMBC(軸は反転してある) ロングレンジのカップリングを見るときは、