産業組織論 10 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2016年1月14日

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産業組織論 10 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2016年1月14日 2016/1/14 産業組織論 (10) 続独占的競争 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2016年1月14日

固定費用 固定費用は生産量に関わらず一定の費用 固定投入物に関する費用 固定費用を英語で fixed cost という 産業組織論 10 2016/1/14 固定費用 固定費用は生産量に関わらず一定の費用 固定投入物に関する費用 固定費用を英語で fixed cost という 固定費用を記号で FC で表す 苺農家との契約でイチゴを安定供給 契約も固定的投入 いちごのブランド:あまおう,とよのか 固定費用は60円 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

固定費用 苺大福(個) 固定費用 1 2 3 4 5 6 固定費用は60 生産量に対応する各固定費用を求めて下さい 2016/1/14 産業組織論 10 2016/1/14 固定費用 苺大福(個) 固定費用 1 2 3 4 5 6 固定費用は60 生産量に対応する各固定費用を求めて下さい 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

可変費用 可変費用は生産量の変化に従って変化する費用 可変費用を英語で variable cost という 可変費用を記号で VC とする 産業組織論 10 2016/1/14 可変費用 可変費用は生産量の変化に従って変化する費用 可変費用を英語で variable cost という 可変費用を記号で VC とする 可変投入物に関する費用 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

可変費用 苺大福(個) 可変費用 1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 6 330 労働や追加的な材料費が可変費用 産業組織論 10 2016/1/14 可変費用 苺大福(個) 可変費用 1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 6 330 労働や追加的な材料費が可変費用 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

総費用 総費用または費用は固定費用と可変費用の和 総費用を total cost という 費用 =固定費用+可変費用 費用を記号 C,総費用を TC で表す 費用 =固定費用+可変費用 2016/1/14 産業組織論 10

総費用 総費用を求めなさい 苺大福(個) 固定費用 可変費用 総費用 60 1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 6 330 産業組織論 10 2016/1/14 総費用 総費用を求めなさい 苺大福(個) 固定費用 可変費用 総費用 60 1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 6 330 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

平均費用 生産物1単位あたりの費用(総費用)を平均費用という 割り算は分母の数の一単位あたりの分子の量 平均費用を英語で average cost という 平均費用を記号で AC で表す 費用 平均費用 = 生産量 2016/1/14 産業組織論 10

平均費用 平均費用を求めなさい 苺大福(個) 総費用 平均費用 60 なし 1 90 2 110 3 135 4 180 5 260 6 産業組織論 10 2016/1/14 平均費用 平均費用を求めなさい 苺大福(個) 総費用 平均費用 60 なし  1 90 2 110 3 135 4 180 5 260 6 390 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

平均可変費用 生産物1単位あたりの可変費用を平均可変費用という 可変費用 平均可変費用 = 平均可変費用を英語で average variable cost という 平均可変費用を記号で AVC で表す 可変費用 平均可変費用 = 生産量 2016/1/14 産業組織論 10

平均可変費用 平均可変費用を求めて下さい 苺大福(個) 可変費用 平均可変費用 なし 1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 産業組織論 10 2016/1/14 平均可変費用 平均可変費用を求めて下さい 苺大福(個) 可変費用 平均可変費用 なし  1 30 2 50 3 75 4 120 5 200 6 330 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

限界費用 生産物を1単位増加したときの費用の増加を限界費用という 費用の増加 限界費用 = 限界費用を英語で marginal cost という 限界費用を記号で MC で表す 生産量の増加が1単位であれば 費用の増加 限界費用 = 生産量の増加 限界費用 =費用の増加 2016/1/14 産業組織論 10

限界費用 限界費用を求めて下さい 苺大福(個) 可変費用 費用 限界費用 60 なし 1 30 90 2 50 110 3 75 135 4 産業組織論 10 2016/1/14 限界費用 限界費用を求めて下さい 苺大福(個) 可変費用 費用 限界費用 60 なし  1 30 90 2 50 110 3 75 135 4 120 180 5 200 260 6 330 390 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

平均費用と限界費用の関係 平均可変費用と平均費用が最小の時にそれらは限界費用と等しくなる 苺大福(個) 限界費用 平均可変費用 平均費用 1 産業組織論 10 2016/1/14 平均費用と限界費用の関係 平均可変費用と平均費用が最小の時にそれらは限界費用と等しくなる 苺大福(個) 限界費用 平均可変費用 平均費用 1 30 90 2 20 25 55 3 45 4 5 80 40 52 6 130 65 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

産業組織論 10 2016/1/14 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

平均費用曲線と限界費用曲線の関係 生産量Q SRのときの利潤 限界費用曲線 平均費用曲線 Q PSR R 需要曲線 P 限界収入曲線 MR 産業組織論 10 平均費用曲線と限界費用曲線の関係 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 AC R MC P 2016/1/14 産業組織論 10

平均費用曲線と限界費用曲線の関係1 平均費用曲線 Q 平均費用が限界費用を上回っているとき,平均費用曲線は右下がり PSR R 需要曲線 P 産業組織論 10 平均費用曲線と限界費用曲線の関係1 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 平均費用曲線 平均費用が限界費用を上回っているとき,平均費用曲線は右下がり AC R MC P 限界費用曲線 2016/1/14 産業組織論 10

平均費用曲線と限界費用曲線の関係2 限界費用曲線 R Q PSR P 平均費用が限界費用を下回っているとき,平均費用曲線は右上がり 需要曲線 産業組織論 10 平均費用曲線と限界費用曲線の関係2 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 R MC P AC 平均費用が限界費用を下回っているとき,平均費用曲線は右上がり 平均費用曲線 2016/1/14 産業組織論 10

平均費用曲線と限界費用曲線の関係3 限界費用曲線 R Q 平均費用曲線 PSR 平均費用と限界費用が等しいとき,平均費用曲線は水平 需要曲線 産業組織論 10 平均費用曲線と限界費用曲線の関係3 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 R 平均費用曲線 MC=AC 平均費用と限界費用が等しいとき,平均費用曲線は水平 2016/1/14 産業組織論 10

各平均費用曲線の特徴 平均費用曲線と平均可変費用曲線はU字型 その最下点を限界費用曲線が通っている 産業組織論 10 2016/1/14 各平均費用曲線の特徴 平均費用曲線と平均可変費用曲線はU字型 その最下点を限界費用曲線が通っている 限界費用曲線は平均費用曲線と平均可変費用曲線を左下から右上へ突き抜ける 平均費用曲線との交点は平均可変費用曲線との交点よりも右に位置している 2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

平均費用曲線と限界費用曲線の関係 平均費用曲線 生産量Q SRのときの利潤 需要曲線 PSR Q SR Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 産業組織論 10 平均費用曲線と限界費用曲線の関係 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 R AC MC P 2016/1/14 産業組織論 10

独占価格と限界原理 M PM N 限界費用曲線 需要曲線 限界収入曲線 Q M 独占企業の限界費用は一定(点線) とする 産業組織論 10 独占価格と限界原理 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 PM Q M 独占企業は価格をつり上げる M 限界収入曲線 N MC 限界費用曲線 2016/1/14 産業組織論 10

右上がりの限界費用曲線と価格 限界費用曲線 MC Q PSR 需要曲線 D P 限界収入曲線 MR Q SR 産業組織論 10 右上がりの限界費用曲線と価格 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 需要曲線 D PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 MC MC P 2016/1/14 産業組織論 10

企業が直面する需要 製品差別化された企業の需要 各企業に個別の需要がある しかし,その需要はある企業の価格とその他の企業の価格に依存して決まる 真央の需要は,真央の付ける価格のみならず明子の付ける価格にも依存する 不完全競争市場におけるある企業向けの需要をその企業が直面する需要という 2016/1/14 産業組織論 10

平均費用曲線と費用 費用=平均費用× 生産量 M 平均費用曲線 ACSR N 限界費用曲線 生産量Q SRのときの費用 限界収入曲線 MR 産業組織論 10 平均費用曲線と費用 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 独占企業は価格をつり上げる 費用=平均費用× 生産量 M ACSR N MC 限界費用曲線 限界収入曲線 MR 数量 Q SR 2016/1/14 産業組織論 10

需要曲線と収入 収入=価格× 生産量 M N PSR 企業が直面する需要曲線 限界費用曲線 生産量Q SRのときの収入 限界収入曲線 MR 産業組織論 10 需要曲線と収入 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 独占企業は価格をつり上げる 収入=価格× 生産量 M N PSR 企業が直面する需要曲線 MC 限界費用曲線 生産量Q SRのときの収入 限界収入曲線 MR 数量 Q SR 2016/1/14 産業組織論 10

産業組織論 10 2016/1/14 利潤と平均費用   2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

独占的競争の短期的な利潤 生産量Q SRのときの利潤 限界費用曲線 平均費用曲線 Q 企業が直面する需要曲線 D R P 限界収入曲線 MR 産業組織論 10 独占的競争の短期的な利潤 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 企業が直面する需要曲線 D PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 MR 限界費用曲線 AC R MC P 2016/1/14 産業組織論 10

産業組織論 10 2016/1/14 短期均衡の特徴   2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

産業組織論 10 2016/1/14 長期均衡の特徴   2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

右上がりの限界費用曲線と価格 限界費用曲線 限界収入曲線 参入後の限界収入曲線 Q PSR PLR 参入後の企業が直面する需要曲線 P 産業組織論 10 右上がりの限界費用曲線と価格 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 価格 数量 PSR Q SR 独占企業は価格をつり上げる Q 限界収入曲線 限界費用曲線 参入後の限界収入曲線 企業が直面する需要曲線 PLR 参入後の企業が直面する需要曲線 P MC Q LR 2016/1/14 産業組織論 10

産業組織論 10 2016/1/14 長期均衡の特徴   2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋

独占的競争の長期的な利潤 生産量Q LRのときの 利潤=0 限界費用曲線 平均費用曲線 Q 企業が直面する需要曲線 P 限界収 入曲線 産業組織論 10 独占的競争の長期的な利潤 独占企業の限界費用は一定(点線) とする MR=MCを満たすQ Mを選択 需要曲線からQ Mに対応する独占価格PM求まる 独占企業は価格をつり上げる 生産量Q LRのときの 利潤=0 価格 限界費用曲線 平均費用曲線 Q PLR=AC PLR=AC 企業が直面する需要曲線 P MC 限界収 入曲線 数量 Q LR 2016/1/14 産業組織論 10

産業組織論 10 2016/1/14 長期均衡の特徴   2016/1/14 産業組織論 10 丹野忠晋