中央大学経済研究所 公開講演会 都市公共交通とLRT - クルマ社会からの脱却 -

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本牧LRTの 実現に向けて 平成 18 年 2 月 7 日. 1 交通に関する時代の状況 LRTへの期待感の向上 – クルマへの過度の依存への反省 – 環境・高齢社会への対応 – 都市再生、中心市街地の活性化 – コンパクトシティ、TOD 各人が個別交通システムを所有 → 共用交通システムを利用.
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(対象とする技術のイラストや図を必要に応じて挿入してください)
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中央大学経済研究所 公開講演会 都市公共交通とLRT - クルマ社会からの脱却 - 中央大学経済研究所 公開講演会 都市公共交通とLRT - クルマ社会からの脱却 - (株)ライトレール 代表取締役社長 阿 部   等 http://www.LRT.co.jp 平成19年11月17日

1.交通問題と解決の方向性

(1) はじめに 子供の頃からの思い Mission Possible クルマが世の中に多過ぎる 鉄道が本来の能力を発揮できていない 交通問題ヲ、解決セヨ 交通問題を人々の利便性や幸福度を犠牲にせずに解決したい

3

(2) 自動車交通の限界 問題は既に充分に顕在化 自動車へ過度に依存した交通体系 道路渋滞、エネルギー、環境、交通事故 高密度な交通ニーズには最適でない 自動車へ過度に依存した交通体系 さらなる道路建設や自動車性能向上では問題は解決し得ない 脱却の処方箋を描けねば人類は環境問題とエネルギー問題で滅亡 米、日欧に続き中国、インド、アフリカへモータリゼーションの波?

(3) 自動車への過度の依存の問題点 空間利用の非効率性 エネルギー利用の非効率性 環境負荷の大きさ 交通事故の頻発 車を運転できない人の移動制約 中心市街地の衰退

(4) 交通システムの「所有」から「利用」へ 「個別」交通と「共用」交通の区分 交通ニーズが低密度なら「個別」交通 高密度なら「共用」交通が効率的 「個別」交通システムを「所有」 → 「共用」交通システムを「利用」 人々の利便性や幸福度を犠牲にせず交通問題を解決 効率的な空間利用、効率的なエネルギー利用、 小さな環境負荷、高い安全性、 誰もが自由に移動、中心市街地の活性化

2.富山ライトレールから学ぶ

video(3.5MB) ユーザー名・パスワード:video

(1) 富山ライトレールの成功 地方鉄道再生・LRT普及の先進成功例 まちづくりとの関連 国も公共交通を大切にする 目標3,400人/日に対し前年秋2,266人/日 平均:1,917人/日 ⇒ 5,156人/日、2.7倍 初年度黒字決算 人口も増加傾向へ転換 まちづくりとの関連 富山市中心市街地活性化基本計画: 公共交通の活性化により車に頼らずに暮らせる中心市街地の形成

(2) 予想外の 大幅な利用増 となった要因 本数を3.4倍 ↓ 利用が2.7倍 高頻度運行が鍵

(3) 全国の状況 脱クルマが求められていながら、 地方鉄道再生・LRT普及の現実 本来のライトレールの意味 地方鉄道:次々と廃線が進む LRT:採算性を確保できず現実化せず 地方鉄道再生・LRT普及の現実 利便性が低い、高コスト構造 低質で高価なものが選択されないのは当然 本来のライトレールの意味 LRT ≠ 超低床の路面電車、車を排除 コストが低い、手軽に乗れる 等

(4) これからの交通ビジネスのあり方 今までの交通事業者の思考パターン 富山ライトレールで証明された 今後の取組み 利用者数は、沿線人口等で確定 経費節減のため運行本数は必要最低限 富山ライトレールで証明された 利用者数は、サービスレベルによる 今後の取組み サービス向上を基軸とした鉄道経営 高コスト構造の打破も重要 ビジネスとしての視点を!

3.交通問題解決に向けた取組み

(1) 「共用」交通が選択されるために 速達性 高頻度運行 ドアツードア性 低コスト化 いずれも技術革新と規制改革がポイント 交通システムの命 高頻度運行 自動車がなかった時代とは違う ドアツードア性 軌道交通の最大の弱点 低コスト化 スケールメリットがあるはず いずれも技術革新と規制改革がポイント

(2) LRTとバスのコスト比較 コスト LRT バス LRT (本来) (将来) (現状) 輸送量 常にLRTが割高 初期投資大 車両高い 人件費高い 初期投資大 車両がより安い 人件費がより安い (本来) LRT 車両費と人件費 の引下げ (将来) LRTとバスの選択の分かれ目 N人/時間 LRTの普及には、現状の 高コスト構造の打破が不可欠 初期投資小 車両安い 人件費安い 技術革新と規制改革により可能 輸送量

video(4.1MB) ユーザー名・パスワード:video

(3) 救世主となるDMV DMV(Dual Mode Vehicle)の特徴 DMVの使い方 JR北海道が開発の線路・道路兼用車 在来車と比べて低価格かつ高性能 JR北海道が4月から試験的に営業運転 全国の鉄道関係者が大きな期待 DMVの使い方 線路外の学校・団地・病院等へ直通 線路上は運転士1名で連結運転 将来は乗務員免許の簡易化

DMV活用パターン(往路) 病院 学校 ターミナル A駅 B駅 C駅 D駅 住宅団地 観光地 18 18

DMV活用パターン(復路) 学校 病院 ターミナル A駅 B駅 C駅 D駅 住宅団地 観光地 19 19

(4) (株)ライトレールの取組み 当座の取組み 近未来の目標 公共交通活性化の助成金を活用する等し、 地方鉄道再生の成功モデル実現 鉄道の利便性向上に必要な技術開発 地方鉄道再生の調査受託 DMV活用方策の提案 近未来の目標 地方鉄道再生の成功モデル実現 鉄道経営への進出 コンサル・経営の立場でLRT普及へ貢献

4.LRT安全運行システム の研究開発

(1) 研究開発の目的 エネルギー使用合理化技術戦略的開発 最終目標 技術開発の目的 NEDO技術開発機構がテーマを公募 採択され平成18年11月~19年6月に取組み 最終目標 自動車から軌道交通へのモーダルシフトによる運輸部門の省エネルギー 技術開発の目的 LRTの高速・高頻度運行を安全・低コストに可能とする安全運行システムを開発 待たずに乗れる、早く着ける!

(2) 実施内容と体制 FS2 システム評価 に関するFS 機能性・安全性・安定性・ 経済性の観点から評価 FS1 システム仕様 に関するFS 汎用の技術・インフラ・機 器により経済的システムに 川崎重工業(株) FS2 システム評価 に関するFS 機能性・安全性・安定性・ 経済性の観点から評価 (独)交通安全環境研究所 | 大同信号(株) FS3 システム有効性 に関するFS LRT構想・既存地方鉄道 を調査し省エネ効果を試算 (株)ライトレール

(3) システムの内容 ライトな軌道交通へ適用 (1)列車位置検出 (3)運転指示 (2)データ通信 駅 列車 踏切 災害箇所 GPS センター 地上汎用回線 携帯電話回線 (1)列車位置検出 GPS・各種センサー及びマップマッチング等により列車の位置・速度を検出 (3)運転指示 他列車の位置・速度及び現地の状況に応じ、各列車の運転席モニタへ運転指示を表示 速度超過等の恐れある時はブレーキ指令 (2)データ通信 列車⇔センター、現地⇔センター、 直近の列車⇔列車間にてデータ通信

(4) LRTと地方鉄道の調査 LRT実現構想の調査 既存地方鉄道の調査 低速・低頻度運行のため利用少なく赤字 税金投入の社会的合意もまとまらず 首長は積極的でも、なかなか現実化せず 既存地方鉄道の調査 大多数は低速・低頻度⇒利用減⇒経営悪化 富山ライトレール 19往復、2,266人/日 ⇒ 64往復、5,172人/日 高速・高頻度運行と利用増の関係 平方根の法則 2倍→1.4倍、3倍→1.7倍

(5) 研究開発の結論 LRT普及(地方鉄道LRT化含む)には 本システムで低コストに高速・高頻度化 今後の取組み 究極の高速・高頻度化の普及が肝要 本システムで低コストに高速・高頻度化 地方鉄道の利用増 → 経営好転 → 活性化 LRTの利用増 → 経営好転 → 実現 今後の取組み システム試作、走行試験による評価 高速・高頻度運行と利用増・鉄道経営好転・モーダルシフトの関係をより明確化

5.おわりに

(1) なぜ起業した? この人生においてやりたいこと 既存業界の発想 起業に迷いはなかったか? 交通問題を解決したい ビジネスチャンスとしても大きい 既存業界の発想 交通問題はビジネスでなく政治問題 交通は安全・安定輸送が唯一最大の使命 集客力を活かし周辺ビジネスで収益追求 起業に迷いはなかったか? 死の床に伏した時、後悔は残さないか?

(2) 時代の風 自動車への過度の依存への疑問符、反省 官の財政制約を受けた民間活力への期待 満員電車のなくなる日(仮題) 中央官庁や自治体の交通関係部署の合言葉 官の財政制約を受けた民間活力への期待 欧米の税金投入モデルは理想解でない 地域公共交通の活性化及び再生に関する法律 地域公共交通総合連携計画の作成及び実施 新地域旅客運送事業の円滑化 満員電車のなくなる日(仮題) 1月に、角川SSC新書として出版予定

(3) 国交省の公共交通活性化の報告書 地域による地域のための公共交通の活性化・再生を目指して 地域によっては、必要な情報・データやノウハウの蓄積、人材が不十分 地域公共交通の活性化・再生に関する計画の策定には専門的な知識・技術が必要 コンサルタント等の専門家や専門機関による知識、情報やノウハウの活用が有効

(4) ビジネスチャンスの広がり 交通に関する社会の現実 交通問題 = ビジネスチャンス! 自動車に代る便利な交通システムを買いたい人が世界中に溢れ、しかも、それを売れる人が非常に少ない。 自動車に代る便利な交通システムを作る方法を知りたい人が世界中に溢れ、しかも、それを教えられる人が非常に少ない。 交通問題 = ビジネスチャンス! ビジネスとして展開できてこそ社会に普及

(5) 配布資料 (株)ライトレールの取組み 新聞記事 その他 ライトレールの目指すもの 他 起業家成功途中物語 湊線再生に関する調査の概要 平成19年9月5日付け東京新聞 平成19年10月1日付け日経産業新聞 その他 世界初の新技術 次世代の乗り物DMV 池袋の路面電車とまちづくりの会 会報