くすりが できるまで J 小学用 くすりの適正使用協議会 1 テーマJ「くすりができるまで」の概略 できるまで テーマJ「くすりができるまで」の概略 薬は出来るまでに、長い年月とお金が掛るのです。開発から皆さんの手元に届くまでを説明します。 ♪ナレーション これから「薬ができるまで」について勉強しましょう。 さて皆さん、新しい薬が出来るのに、大体何年くらいかかると思いますか? 2~3年? 5年? 10年? 20年?(手を上げさせる) 正解はなんと、10~20年なんだ! じゃあ、比較として、新しいチョコレートはどうだと思う? 正解は、2年! では、どうしてそんなに違うのか、見てみよう! ****************************************************************************** ★解説 【指導ポイント】薬の製造と流通 薬の開発には長い年月と多額の費用が必要です。また、製造や販売も厳格な基準によって規制を受けています。そして、患者さんの治療に不都合が生じることのないように医療機関に届けられる流通体制が確立されているのです。 薬の開発には、ヒトに用いたときに安全で確かな効き目があることを製薬会社と国が確認するので時間とお金がかかるのです。この点が食品と違う点です。 【強調ポイント】 開発には長い年月、多額の開発費が投入され国の厳しい審査をパスして、初めて患者さんに使われることを理解させます。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料(書籍、URLなど) 】 J 小学用 くすりの適正使用協議会 1
くすりができるまで ~チョコレートと比較してみよう~ くすりができるまで ~チョコレートと比較してみよう~ 基そ研究 市場調査 2年~3年 1年 非りんしょう(動物)試験 3年~5年 新製品のきかく・開発 りんしょう(ヒト)試験(治験) 1年 3年~7年 ♪ナレーション 薬ができるまでには普通は10年~20年弱くらいの年月がかかります。 右側のチョコレートだと、どんなお菓子が売れるのかの調査から、企画・開発そして生産まで全体で2年くらいです。 でも、薬は、病気に効く薬の元となる物質をさがし出すのに2年から3年、 ねずみなど動物を使って行われる非臨床試験に3年から5年、ヒトに使っても大丈夫そうなら健康なヒトや患者さんを使って効き目と安全性を確かめる臨床試験に3年から7年ぐらいかかります。これを治験(ちけん)と言います。 そして、効き目、安全性が確認されたら、国に試験結果を知らせ、その薬を作って販売していいかの審査を受けます。審査が決まるまでには、1年から2年程度かかります。 ****************************************************************************** ★解説 【指導ポイント】 生命に直接かかわる薬の研究・開発には、製薬会社と国がその有効性、安全性の確認を慎重に行うこと、そのために時間がかかることを教えます。 【強調ポイント】 必ず非臨床(動物)試験でヒトへの安全性が予測されてから、健康人や、患者さんの同意を得て投与され、その有効性と安全性を充分に調査し確認しています。 【辞書】 【豆知識】 ◆微生物ハンターって? ひとすくいの土には世界の人口ほどの微生物がいると言われていますが、その微生物から新しい薬が発見される場合が多いのです。 微生物ハンターは地球の様々な場所、例えば、深さ3千メートルの海底や、高熱の火山、極寒のツンドラなどで、新しい薬になる微生物を探します。 今日どこかで見つかった微生物が、将来私達の使う薬になるかもしれませんね! 【参考資料(書籍、URLなど) 】 せいさん 承にん申せいとしん査 1年~2年 くすりが開発されるまで、長い年月と、たくさんの費用(約500億円)がかかるよ。 (出典:福島県立医大附属病院 斎藤百枝美先生、編集:くすりの適正使用協議会) くすりの適正使用協議会 2
工場でくすりができるまで じょうざい の場合 細かいつぶにして かんそうさせる 原料を運びこみ 一たん保管する 原料を混ぜて 練り合わせる 原料を正確に量る いじょうが無いか検査する コーティング (さとうなどをじょうざいにかぶせる) じょうざいを作る ♪ナレーション 実際に皆さんが手にする薬は、工場でどのようにして作られているのでしょうか。錠剤の場合で見てみましょう。 ①薬の原料は工場に運びこまれ、いったん保管されます。製造が必要になったとき、②必要な量の原料が正確に計られ、③これを混ぜて練り合わせ、④粒状にして乾燥させた後、⑤錠剤にします。さらに飲みやすくするために⑥コーティングと呼ばれる砂糖などを錠剤にかぶせます。出来上がった錠剤に⑦異常が無いか検査し、異常の無いものを⑧シートやパッケージで包装し、箱につめて出来上がりです。 **************************************************************************************** ★解説 【指導ポイント】 規格どおりに製造されていることを理解してもらいます。 【強調ポイント】 原料を正確に計ることが最初のポイント、 清浄度の高い製造室で製造されることが第2のポイント、 そして、規格通りか、異常が無いかの検査が最後のポイントです。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料(書籍、URLなど) 】 包そうする 箱につめる くすりの適正使用協議会 3
くすりが工場からかん者さんの所に とどくまでを見てみよう 製薬会社工場 卸売販売業者 ・病院 ・薬局 ・診療所 製薬会社の物流センター 4 ♪ナレーション 今度は出来上がった薬が患者さんの手元に届くまでを見てみましょう。 出来上がった薬は工場から製薬会社の物流センターの倉庫に保管されます。 次に卸売り販売業者さんのところへ運ばれます。 病院や薬局からの注文に応じて病院、薬局に運ばれます。 そして患者さんに渡されるのです。 ****************************************************************************** ★解説 【指導ポイント】 製造された後いったん物流センターで保管され、卸売販売業者を通じて病院、薬局に渡るのが通常の流通ルートです。 【強調ポイント】 必要なときに必要な量が患者さんに届くように、医薬品流通の確実なことも医薬品業界の使命です。皆さんが安心できるようになっていることを理解させて下さい。 【辞書】 【豆知識】 【参考資料(書籍、URLなど) 】 卸売販売業者 ・病院 ・薬局 ・診療所 製薬会社の物流センター 4