デザインの認知科学 片桐恭弘 ATRメディア情報科学研究所 日本認知科学会第22回大会ワークショップ 認知工学:設計のための認知科学

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デザインの認知科学 片桐恭弘 ATRメディア情報科学研究所 日本認知科学会第22回大会ワークショップ 認知工学:設計のための認知科学 京都大学   2005.7.31 デザインの認知科学 片桐恭弘 ATRメディア情報科学研究所

デザイン 認知科学

デザインの対象 Artifact Interface Space System 人間の活動を支援 新しい活動を実現 Tea pot Browser Interface GUI, PUI,… Space 建築 System CSCW 教育環境 人間の活動を支援 新しい活動を実現 活動ごとにデザインの 要件は異なる

暗黙の想定 Userの認知過程 規定 よいDesign対象とは?

Speech act, planning, grounding 認知科学は有効だったか? 会話型インタフェース DB操作によるサービス Yes! 認知科学 言語理論 意味表現 合理的エージェント理論 対話の計算モデル Speech act, planning, grounding

しかし

擬人化エージェントはマンガの方が自然 Design ≠ Attribution “Synthesized faces are faces of corpses.” (Harashima, 1996) Design ≠ Attribution

擬人化エージェントは人の弱みに付け込む Seductive technology 世間話 Self-disclosure

アバターを使った身体的コミュニケーション 人間は勝手に意味づけを作り出す アバターを使った身体的コミュニケーション キャラクタ エージェント エディタ アニメーション 選択リスト コミュニティ画面

感情表現・言語行為の利用に着目した情報要約 アバター表現による社会的要約システム 発言3 発言者C 発言者A 発言1 発言4 説明する 誇らしい気持ち 発言2 発言者B 納得する 賛同する 親しい態度 意見を言う 批判する 感想を言う 嬉しい 気持ち Webページ 反対する 厳しい態度 不可解な気持ち 感情表現・言語行為の利用に着目した情報要約 残念の表現 「ぞろ目」

コミュニケーションモデルの変容 情報共有化 目標自体の協調模索 協調問題解決 外的資源の利用 物理的資源: 紙・物体 社会的資源:  紙・物体 社会的資源:  慣習・規約・  規則 情報 情報 情報共有化 協調問題解決 目標自体の協調模索 外的資源の利用

デザイン対話 建築家と顧客の対話 描画や模型を利用 共同でデザインゴールを探る 発散+収束 花壇の形状 噴水 水を使った憩い

発想の連鎖 庭の構成に関する慣習 花壇形状の可能性提示 庭に求めるもの提示 噴水に求められるものの他の実現方法模索 レイアウト 花壇の形状 噴水 水を使った憩い 表層の行為 参照される外的資源 庭の構成に関する慣習 花壇形状の可能性提示 庭に求めるもの提示 噴水に求められるものの他の実現方法模索 レイアウト アメニティ設備 実現可能性 紙に描かれた図面

デザインの認知科学 Designの多くはCollaborative design Collaborative designは発散+収束的 Communicationを通じてgoal/criteriaが見えてくる Communication modelの変容の好例 メッセージ情報の共有から外的資源への言及・操作 図・模型 社会的規約 共同体固有の行動パターン Etc. 認知科学の対象としてのデザイン

もうひとつの想定 Designの認知過程 よいDesign過程支援とは? よいDesign対象とは?

デザインの認知科学 片桐恭弘 ATRメディア情報科学研究所 日本認知科学会第22回大会ワークショップ 認知工学:設計のための認知科学 京都大学   2005.7.31 デザインの認知科学 片桐恭弘 ATRメディア情報科学研究所