母分散の検定 母分散の比の検定 カイ2乗分布の応用
母分散の検定 母分散検定の背景 ある製造工場から製造される製品 10 個の重量を測定したとき,標本不偏分散が 3.5であった。正常な場合には分散(母分散)は 2.1 であることがわかっている。現在の製造ラインは正常であるといえるだろうか。有意水準 5% で検定を行う。 母分散 がある値に等しいかどうか,ある値より大きいか(小さいか)を問題にする状況では,母分散に関する検定を行う.
母分散 に関する仮説の設定 両側検定 右片側検定 左片側検定
検定統計量を求める 検定統計量 となる。有意水準αを与え、検定統計量 のとき、帰無仮説を棄却する(両側検定)。 となる。有意水準αを与え、検定統計量 のとき、帰無仮説を棄却する(両側検定)。 ここで、a, b は自由度m=n-1の 分布の臨界値
分布の臨界値と棄却域 臨界値 臨界値 a b 採択域 棄却域 棄却域
片側検定 右片側検定 となったとき、 を棄却する となったとき、 を棄却しない 左片側検定 となれば、 を棄却する となれば、 を棄却しない
練習問題1 ある生産レインで新しいソフトを導入した。それを使って無作為に選ばれた10個の同じ製品について検査時間を調べたら次のようになった。新しいソフトによる検査時間の分散はこれまでの時間の分散1.2と同じとみなせるかを有意水準α=0.05で検定せよ。 68.1 67.2 67.1 66.8 67.3 67.3 67.8 68.6 65.4 68.8
母分散の比の検定(等分散の検定) 両側検定: 右片側検定 左片側検定
等分散の検定統計量 F 分布 のもとでのフィシャーの分散 とすると、Fは自由度(n1-1,n2-1)のF分布に従う のもとでのフィシャーの分散 とすると、Fは自由度(n1-1,n2-1)のF分布に従う (P.126, 6.8節を参照)。 F 分布
F分布の臨界値と検定 F を検定統計量として、有意水準αが与えられると、 両側検定: 帰無仮説を棄却せず、 帰無仮説を棄却する。 ただし
両側検定 (a)の場合、対立仮説: 臨界値 臨界値 棄却域 棄却域
F分布の臨界値と検定 右片側検定 ならば を棄却する ならば を棄却しない 左片側検定 ならば、 を棄却する ならば、 を棄却しない
左片側検定 (b)の場合、対立仮説: 臨界値
練習問題2 教科書P175の例題7
分布の応用 ピアソンの 検定 K.ピアソンの適合度基準 教科書p176例題8 ピアソンの 検定 K.ピアソンの適合度基準 この適合度のχ2統計量χ2はnが大きいとき、自由度k-1のχ2分布χ2(k-1)に従う。 教科書p176例題8