租 税 教 室 ●●●● ●●学校 ●●税務署 ●● ●● タイトルは、学校名、講師名等を適宜変更してください。 【★マークでクリックする】 タイトルは、学校名、講師名等を適宜変更してください。 【★マークでクリックする】 皆さん、こんにちは。 私は、●●の●●●●といいます。 (簡単な自己紹介をしておきます。) 【主な自己紹介の内容】 ・ 所属する組織(団体)名、仕事(活動)内容 ・ その他(自分の出身校・学校時代の話など) 今日は租税教室ということで、皆さんと一緒に税金の役割や使い道について考えていきた いと思います。 どうぞ、よろしくお願いします。 ★ ●●税務署 ●● ●●
なぜ、これらの税金が必要なのでしょうか? なぜ「税」が必要なのでしょうか? 店で買い物をすると 皆が「消費税」を 負担しています。 贈与税 たばこ税 相続税 法人税 酒税 消費税 所得税 働くようになると 所得に応じて「所得税」 を納めるようになります。 なぜ、これらの税金が必要なのでしょうか? 【税金の必要性】 「税金」といったらどんなイメージですか?★ 難しいとか、複雑とか、そんな感じでしょうか?★ 皆さんもコンビニで買い物をした時には「消費税」を負担しています。★ つまり税金を負担しているのです。 また、働くようになると、所得に応じて「所得税」を納めるようになります。★ それでは、なぜこのような税金が必要なのでしょうか?★ 私たちは、暮らしの中で義務教育などいろいろな公共サービスを受けています。★ 国や地方公共団体では、これらの公共施設や公共サービスを提供するために、たくさんのお 金が必要となります。 それを「税金」という形で集めているのです。★ 国民が豊かで安全に暮らすためには、いろいろな公共施設や公共サービスが必要です。 そのためには、国や地方公共団体に多くのお金が必要となります。
安心、豊かな生活のために 税金のあるくらし 税金がなかったら ▲消防士が消火活動を 行います。 ▲定期的にゴミが回収 されます。 行います。 ▲定期的にゴミが回収 されます。 ▲道路が整備され安全に 走れます。 【税金がなかったら】 わたしたちが安心して豊かな生活をおくるために、様々な公共サービスや公共施設がありま す。 ★税金のあるくらしでは、消防活動やゴミの回収など、皆さんが普段生活していて当たり前と思っていることが、公共サービスで行われています。 もし税金がなかったらどうなるか想像してみてください。 ★税金がなかったら、下の絵のように大変暮らしにくい状況になるでしょう。 したがって、これらの公共サービスは、私たちの生活に必要不可欠であり、それを賄うための税金は、非常に重要なものであると言えます。★ 税金がなかったら ▲どうやって火事を消すの でしょうか? ▲どうやって多くゴミを 処理するのでしょうか? ▲どうやって道路の整備を するのでしょうか?
公共サービスに使われている税金 1年間に国民一人当たりに使われている税金 (国と地方公共団体の負担額合計) 総額 5兆2,462億円 総額 5兆2,462億円 国民一人当たり 年間 約41,300円 (平成28年度) 警察・消防費 市町村の ゴミ処理費用 総額 2兆3,258億円 国民一人当たり 年間 約18,300円 (平成28年度) 【公共サービスの負担額】 では、税金はどのくらい公共サービスに使われているのでしょうか。・・・・・・【時間があれば、 生徒にあてて回答させる】 主なものでいうと、 ★犯罪、事故防止及び消火活動等のためには、一人当たり年間約4万1,300円 ★ゴミの処理などのためには、一人当たり年間約1万8,300円 ★病気などの治療のためには、一人当たり年間約12万9,600円の税金が使われています。 ★ 国民医療費の 公的負担額 総額 16兆4,715億円 国民一人当たり 年間 約129,600円 (平成27年度)
約 11,448,000円 教育に使われている税金 公立学校の児童・生徒一人当たりに使われる 国や県・市町村の年間教育費の負担額 (平成27年度) (小 学 生) (中 学 生) (高 校 生) 【教育費の負担額】 ここで、教育にはどのくらいの税金が使われているか見てみましょう。・・・・【時間があれば、 生徒に当てて回答させる】 公立学校の児童・生徒一人当たりに使われる教育費への年間負担額でいうと、 ★小学校では、一人当たり約894,000円で、月にすると約7万4,500円の税金が使われていま す。 ★中学校では、一人当たり約1,022,000円で、月にすると約8万5,200円の税金が使われてい ます。 ★高等学校では、一人当たり約1,006,000円で、月にすると約8万3,800円の税金が使われて います。 つまり、公立学校の小学校、中学校、高等学校の合計12年間で、皆さん一人当たりの教育 費として、約1,144万8,000円の税金が使われていることになります。★ 皆さんが勉強するのに、これだけの税金が使われているわけですから、一生懸命勉強してく ださいね。★ 約 894,000円 約 1,022,000円 約 1,006,000円 公立学校12年間の負担額の合計額 約 11,448,000円
国の一般会計歳出額 内訳 (平成30年度予算) 【歳出について】 日本の国全体ではいくらのお金が使われるのでしょうか。 日本の国全体ではいくらのお金が使われるのでしょうか。 財政の事務は、4月から翌年3月までの「会計年度」で行われます。 この1年間の収入を「歳入」、支出を「歳出」といいます。 国の予算には一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算などがありますが、その中 で最も基本的なものが「一般会計予算」です。 平成30年度の予算案では、一般会計の歳出総額は、97兆7,128億円とされています。★ 歳出の内訳を見ると、年金や医療費に使われる社会保障関係費が33.7%を占めています。 ★ また、国の借金返済・利息支払に23.8%、つまり約4分の1相当が過去からの借金返済に使 われているということです。★ 国の借金残高は毎年増えています。借金が増えるということは、将来の世代に大きな負担を 残してしまいます。★
国の一般会計歳入額 内訳 (平成30年度予算) 【国の財政について】 では、税金は1年間でどのくらい納められているのでしょうか。 では、税金は1年間でどのくらい納められているのでしょうか。 平成30年度予算では、一般会計歳入総額は、97兆7,128億円とされています。★ その、一般会計歳入の34.5%が公債金、つまり国の借金です。★ 一方、租税及び印紙収入、つまり税金による収入は、一般会計歳入の60.5%です。★ このように我国の財政は、約3割を公債金すなわち借金に依存している厳しい状況にありま す。★
歳出・歳入の推移と公債発行額 差が拡大 【歳出・歳入の推移と公債発行額】 【歳出・歳入の推移と公債発行額】 これまで我が国の財政は歳出が歳入(税収及びその他収入)を上回る状況、つまり財政赤 字が続いています。 上の折れ線グラフの歳出は一貫して伸び続けています。一方、1990年度(平成2年度)以降、 景気悪化に伴う税収の減少等により、下の青色の折れ線グラフ歳入 (税収及びその他収入)は、伸び悩んできました。 歳出・歳入の推移のグラフを見ていただくとわかるとおり、ワニのくちのように歳出と歳入の 差額は、★拡大しています。 このまま財政赤字が増えていった場合、財政の硬直化や金利の上昇、世代間の不公平拡 大など様々な要因により、活力ある経済・社会の実現に大きな足かせとなります。 このため、政府は、この差をなくし、黒字化にすることなどを財政健全化目標としています。 ★
公債残高の推移 一般会計税収の約15年分に相当 国民一人当たり 約700万円 約883兆円 平成30年度末 地方債の債務残高(見込み) (平成30年度一般会計税収予算額:約59兆円) 国民一人当たり 約700万円 平成30年度末 地方債の債務残高(見込み) 約192兆円 【国の財政の現状】 国の歳入について、約3割が公債金収入であると説明しましたが、これは国の公債残高の 推移を表したグラフです。 毎年の公債発行により日本の公債残高は年々増加の一途をたどっています。 平成30年度末の国債残高は約883兆円に上ると見込まれています。★ これは、税収の約15年分に相当するものです。★ あまりにも金額が大きすぎてピンとこないかもしれませんが、国民一人当たりにすると約700 万円という金額になります。★ また、地方公共団体の借入である地方債の債務残高は、平成30年度末で約192兆円になる と見込まれています。★ 将来の世代の負担となる、このような公債金をどうしていくのか、財政の大きな課題です。★ ≪参考≫ 1兆円でスカイツリーを15棟建設することができるので、883兆円の残高では、スカイツリーを 13,245棟建設することができる。 1万円札を1兆円分積み上げると、その高さは約10㎞。883兆円では、8,830㎞になります。北 海道~沖縄は約2,200㎞ですから、 日本を2往復できる距離ということになります。
日本の財政を家計に例えたら 30万円 約883兆円 公債残高 約98兆円 約34兆円 約64兆円 約47万円 ローン残高 平成30年度 一般会計 約98兆円 約34兆円 約64兆円 約59兆 約16兆 公債残高 約883兆円 約23兆 【日本の財政を家計に例えたら】 仮に、日本の財政を月収30万円の家計に例えると、1か月当たり★約17万円の借金をして、毎月の家計を成り立たせることになり、★約5,000万円のローンを抱えていることになります。 このように家計に例えた場合、どれだけ厳しい状況にあるのかわかると思います。 国の借金残高は毎年増えています。これを子や孫の世代に先送りしてよいのか、大きな課題と言えるでしょう。★ 約47万円 30万円 約17万円 約28万 約 8万 ローン残高 約11万 約4,967万円
税金の種類と分類 直接税 間接税 国 税 地方税 合計 約50種類 (25種類) (約16種類) (約13種類) 国 税 所得税、復興特別所得税、消費税、酒税、 法人税、復興特別法人税、たばこ税、揮発油税、 相続税、贈与税等 印紙税等 (25種類) 地方税 県 税 県民税、事業税、 地方消費税、 自動車税、鉱区税等 県たばこ税等 【税金の種類と分類】 税金は、どこに納めるか、誰が納めるか、などの視点から分類することができます。 どこに納めるかによる分類でいうと、★国に納める税金である「国税」と、★県や市や町村に 納める税金である「地方税」とに分かれます。 誰が納めるかによる分類でいうと、★「直接税」と★「間接税」とに分かれます。 表の左側ピンクの部分の税金は、所得税など、税金を負担する人が直接納める税金であり 、直接税といいます。★ 右側ブルーの部分の税金は、消費税など、税金を負担する人が直接納めるのではなく、別 の人を経て納める税金であり、間接税といいます。★ 現在、日本には何種類の税金があると思いますか? なんと約50種類の税金があるんです。★ 国の税金である「国税」が25種類★、県の税金「県税」が約16種類★、市町村の税金「市町 村税」が約13種類★の合計約50種類あります。 これは、国や地方公共団体がそれぞれに税金を集めていたり、特定の人だけが税金の重み を感じたりすることがないようにするためです。 国の税金は全国どこへ行っても同じですが、県や市町村の税金は住んでいる地域によって 変わってきます。★ (約16種類) 市町村税 市町村民税、固定資産税、市町村たばこ税、 軽自動車税等 入湯税等 (約13種類) 合計 約50種類
申告と納税の仕組み 申告納税制度 賦課課税制度 納税者自ら計算・申告をして納付する制度 昭和22年に、税制を民主化するために申告納税制度が採用され、その後も多くの国税に適用され現在に至る。 【申告と納税の仕組み】 「所得税」と「消費税」を説明する前に、申告と納税の仕組みについて説明します。 納める税金の金額を確定させる方法には、申告納税制度と賦課課税制度の二つがあります。★ ★申告納税制度とは、納税者自らが所得金額や税額を計算し、それに基づいて申告し、納税するという制度です。 昭和22年 (1947年)度の税制改正で、所得税、法人税及び相続税に導入され、現在では、全ての国税に採用されています。 ★賦課課税制度とは、行政機関によって税額が決定される制度で、地方税の多くの税目に採用されています。 皆さんが近い将来社会人になって納める所得税は申告納税制度に該当しますので、皆さんに正しく税金について理解していただき、自ら計算して申告・納付していただく必要があるのです。★ 賦課課税制度 ふ か か ぜ い 行政機関により税額を確定する方法 地方税はこの方法が一般的 (自動車税・固定資産税など)
所得税の仕組み 給与所得者 会 社 商売している人 確定申告 源泉徴収制度 申告納税制度 【所得税の仕組み】 会 社 源泉徴収制度 商売している人 確定申告 【所得税の仕組み】 それでは、これから皆さんと関わりが深くなる「所得税」について説明していきます。 「所得税」は、★給料をもらっている人や個人で商売をしている人などが働いて得た収入に対して納める税金です。 所得税は、★各個人が自ら計算して税務署に申告・納税することが原則で、これを申告納税制度といいます。 ただし、★給料をもらっている人は、源泉徴収といって、勤務先の会社が従業員の給料から事前に所得税を差し引き、その従業員から預かった所得税を会社が国に納めるという制度になっています。 ★個人で商売をしている人は、1年間の儲けと税金を自分で計算して、確定申告を行い自分で国に税金を納めます。 ちなみに、働いてお金を得た人は年齢に関係なく、所得税を納めることになります。 例えば、AKB48のメンバーにも高校生の方がいますが、テレビの出演料などの所得があれば、それに応じた所得税を納めることになります。★ 申告納税制度
所得税等の計算方法 × × = = 収 入 金 額 必要経費 ① 所得金額 ① 所得金額 所得控除 ② 課税所得 ② 課税所得 税 率 収 入 金 額 必要経費 ①所得金額の計算 ②課税所得金額の計算 ③所得税額の計算 ④復興特別所得税 (平成25年分から平成49年分まで) ① 所得金額 ① 所得金額 所得控除 ② 課税所得 【所得税の計算方法】 所得税の税額はどのように計算されるのでしょうか。 事業をされている方の場合で説明させてもらいます。 ★所得税は、1月1日から12月31日の1年間で計算するようになるのですが、まず、その期間の収入金額を計算します。 収入金額はもらったお金のことをいいます。 ★所得税は収入金額に直接かかる訳ではなく、ここから必要経費とか、いろいろな控除を差し引きした後の金額に対してかかります。 ★事業所得の場合、まず、収入金額からかかった必要経費を差し引いて利益を計算します。 ★収入金額から必要経費などを引いた利益のことを所得金額といいます。 ★所得税の税額を計算するときに、収入から差し引く金額は必要経費だけではありません。 例えば世の中には、病気がちな人、面倒をみなくてはいけない家族がいる人など、いろいろな事情を抱えている人がいます。 所得税法では、そのそれぞれの事情を考慮し、定められた要件に当てはまる場合には、所得金額から差し引くことができます。 ★これを、「所得控除」といいます。 ★所得金額から所得控除を差し引いたものを課税所得といいます。 ★この課税所得に税率を乗じて所得税額が計算されます。 ★平成25年分からは、東日本大震災からの復興ため、所得税額に2.1%の税率を乗じた復興特別所得税を納めることとなっています。★ = ② 課税所得 × 税 率 ③ 所得税額 = ③ 所得税額 × 2.1% ④復興特別所得税額 (平25年~平49年)
~消費税及び地方消費税の負担と納付の流れ~ 消費税の仕組み ~消費税及び地方消費税の負担と納付の流れ~ 【消費税の仕組み】 次に消費税の仕組みについて説明します。 消費税は、事業者に負担を求めるものではありません。税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費し又はサービスの提供を受ける消費者が負担することとなります。 消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して、広く公平に課税されますが、生産、流通などの各取引段階で二重三重に税がかかることのないよう、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除し、税が累積しない仕組みが採られています。 参考ですが、消費税は、国内の消費者に最終的な負担を求める税です。このため、輸出取引については、輸出国側では免税とし、輸入取引については、輸入国側が輸入の際に課税する仕組みとなっています。★
所得税と消費税との違い 所 得 税 消 費 税 税 目 課税の対象 所得を対象 納 め 方 特 徴 商品の販売や 物品・サービスの提供の 税 目 所 得 税 消 費 税 課税の対象 所得を対象 商品の販売や 物品・サービスの提供の 取引を対象 納 め 方 税金を納める義務がある人と、 その税金を負担する人が同じで ある税金 その税金を負担する人が異なる 税金 特 徴 高所得者ほど税率が高くなっている。 税率は一律8%で、広く国民に 公平な税である。 メ リ ッ ト 経済的な負担能力に対し、細かい配慮ができる。 所得再分配の効果(貧富の差を小さくする)がある。 景気に左右されず、安定した税収を確保できる。 デメリット 税の負担感が大きくなり、勤労意欲を損なう。 景気に左右される。 低所得者ほど所得に対する負担が大きくなる傾向がある。 直接税 間接税 【所得税と消費税の違い】 「所得税」と「消費税」について、比較をして見てみましょう。 まず、課税の対象ですが、所得税が所得を対象としているのに対し、消費税は原則として国内における全ての商品の販売やサービスの提供に対して課税されます。 次に、納め方の違いですが、所得税は税金を納める義務がある人と負担する人が同じ★直接税ですが、消費税は税金を納める義務がある人と、その税金を負担する人が異なる★間接税です。 所得税は、★高所得者ほど税率が高くなっていくという特徴(累進課税)があり、税金を負担する人の経済的な負担能力に応じて税額を変えています。 ★これを垂直的公平といいます。 これに対し、消費税は所得の大小に関わらず、税率は8%で広く国民に公平な税であるといえます。 ★これを水平的公平といいます。 消費税は、高齢化社会の福祉を充実させるための安定的な財源としての役割を担っています。★ 垂直的公平 水平的公平 累進課税
消費税(付加価値税)率の国際比較 (2018年(平成30年)1月時点の税率) 【消費税率の国際比較】 それではここで、世界の消費税を見てみましょう。 2018年(平成30年)1月時点での各国の消費税(付加価値税)の税率を比較したものです。 ★日本の消費税は、平成26年4月から5%から8%に上がり、世界の主要国の中で税率が 一番低い国ではなくなりましたが、他の主要国と比較しても税率が高いわけではありません。 ★平成30年1月現在、消費税率が一番高い国はハンガリーで27%。次いでスウェーデン・ノ ルウェー・アイスランドと続き、これらの国の消費税率は24%以上で日本の3倍以上となってい ます。(それらの国の中には消費税率が高い理由の一つとして、医療費や年金、教育などをす べて税金で負担し、お金がかからないようにしている国が多いです。) また、フランスの消費税率は、20%となっていますが、★宿泊や外食サービスは10%、本や 食料品は5.5%、新聞や医薬品は2.1%と複数の税率が設けられています。本や医薬品だけで 比べると日本の税率よりも低くなっていますね。 このように条件に応じて標準の税率よりも低い税率を適用することを軽減税率といいます。 他にもドイツや、イギリス、スウェーデン等でも軽減税率が設けられています。 みなさんも、今後の消費税のあり方について、どのような方法がよいと思うか考えてみてくだ さい。 また、今回は、財源確保の例として消費税率の引上げを説明しましたが、財源確保には、い ろいろな方法があります。 これからの社会で活躍する皆さんが、自ら考え、若い世代の意思をしっかりと政治に反映さ せて欲しいと思います。★
高齢化の国際比較 39% 2050年 【国民負担の国際比較】 それでは、人口に占める65歳以上の高齢人口の推移を見てみましょう。 39% 【国民負担の国際比較】 それでは、人口に占める65歳以上の高齢人口の推移を見てみましょう。 このグラフは、高齢化の国際比率を表したものです。 グラフを見てわかるとおり、日本では他国に類をみない速度で高齢化が進んでいます。 2017年現在総人口に占める65歳以上の割合は、28%ですが、★2050年には、39%になると見込まれています。★
社会保障給付費の増大 【社会保障給付費の増大】 2050年というとみなさんは、何歳になっていますか?(生徒の回答を聞く) 2050年というとみなさんは、何歳になっていますか?(生徒の回答を聞く) では、皆さんが●歳になった時の状況を別の表で見てみましょう。 2018年には、20~64歳で65歳以上の人口に対する比率は、1.9人に1人となっていますが、こ のまま高齢化が進むと、2050年には、1.3人に1人となることが見込まれています。皆さんが、 ●歳になった頃には、働く世代の1.3人で高齢者1人を支えなければいけない状況になるかも しれないということです。 高齢化が進行し、お年寄りが増えると、医療費等の社会保障費は増加しますので、社会保 障費はどんどん増え続けています。 この増え続ける社会保障費の財源はどう確保するのか?ということが、現在日本が抱えて いる大きな課題となっています。 みなさんは、どのような方法がよいと思いますか?★
国民負担の国際比較 主な国の国民負担率 47 44 40 34 31 27 (%) 【国民負担の国際比較】 高齢化が急速に進む中で、国民の負担はどうなっていくのでしょうか。 ★主な国の国民負担率を見てみましょう。 「国民負担率」とは、所得に対する租税(国税と地方税の合計)の負担割合 (租税負担率)と社会保険料などの社会保障の負担分を合わせた割合です。 ★日本の国民負担率は、諸外国に比べて低いのが現状です。 日本の税制や社会保障の仕組みを持続させていくためには、高齢化に伴う社会 保障費の増加と国民の負担との関係について国民全体で議論していく必要があり ます。★ 34 31 27 (%)
年齢別でみる公共サービスの 「受け取る分」と「支払う分」のイメージ 働けない時や病気になりやすい時は助けてもらって、元気な時は助けてあげる ●歳 ▲歳 高齢化で もっとお金が 必要に 公共事業+防衛+その他 保険料等 【年齢別でみる公共サービスの「受け取る分」と「支払う分」のイメージ】 この表は左から右に時間軸が流れていて、どの年代層で、公共サービスの恩恵をどのくらい受けたり、負担をしているのかを表示したものです。 特徴として、子どもやお年寄りの様に働けない時期や病気になりやすい時期に手厚いサービスが受けられるということがあげられます。★ スクリーンに赤い縦線が出ましたが、今●歳のみなさんは今までたくさんサービスを受け取っていて、▲歳になる私は、たくさん税金や保険料を支払っている形になります。★ ★右の方、年金をもらっているお年寄りも、現役時代は多くの負担をしていました。 産まれてこれまで、保育園・幼稚園や学校での勉強を通じてサービスを受けてきた皆さんは、これから社会にでると支える側になり、さらに年齢を重ねると、再びサービスを多く受ける・・・ということがお分かりいただけると思います。★ 働けない時や病気になりやすい時は助けてもらって、元気な時は助けてあげる 受け取る額>支払う額になっていて、アンバランス ポイント
私たちのくらしと税金のつながり 税金の集め方・使い道(予算) を決定する 国会 【私たちのくらしと税金のつながり】 ここまでお話してきたように、私たちの暮らしと税金には、密接なつながりがあります。 皆さんも数年後(18歳から)には選挙で国会議員や地方の議員を選ぶことになりますが、国会や地方の議会では、税金の集め方やその使い道を決定しています。★ 税金をどのように集め、どのようなことに使おうとしているのかなども、よく見極めて選んでほしいと思います。 公共サービスの充実には、それに伴う財源が必要であり、その財源について述べていない場合、その財源はどうするのか、常に公共サービスとその財源はセットになるということを忘れず、それを基本にテレビのニュースや新聞を見るという考え方の癖をつけておけば、皆さんが就職したときにも必ず役に立つと思います。★
税務署はどんな仕事をしているか 会社や商売をしている人が正しく申告をしているかを調べる 税金を滞納している人に対しての滞納処分 納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するために 会社や商売をしている人が正しく申告をしているかを調べる 税金を滞納している人に対しての滞納処分 【税務署の仕事】 税務署は税金に関する法律に基づき、正しく申告・納税してもらうための仕事をしています。 本来納めなければならない税金を、正しく申告しない、又は納めないことを 「脱税」「滞納」 といい、税務署はそういった 脱税や滞納を許さず、正しく申告・納税している人が、不公平感を持つことのないよう調査・徴収を行っています。★ 具体的には、個人で商売をしている人や、会社などに税務職員が訪れ、帳簿などを調べ、適正な申告が行われているかどうかの調査を行っています。 また、税金を滞納している個人や会社などに対して、督促や差押えなどの滞納整理を行っています。 もし、申告漏れがあったり脱税をした場合、本来納めるべき「本税」に加え、「加算税」と「延滞税」が加算され、特に大口・悪質な脱税をした者に対しては、懲役・罰金という刑罰が科せられ、社会的な名誉や信用を失うことになります。★ 滞納
税務行政の運営の考え方 「正直者には尊敬の的 悪徳者に畏怖の的」 ~国税庁開庁時のGHQハロルド・モス氏の演説~ そんけい 「正直者には尊敬の的 い ふ 悪徳者に畏怖の的」 (”Respect among the honest; Fear among the dishonest”) 適正に申告している納税者からは、国税庁に対する信頼を獲得 反対に、悪質な納税者に対しては、適正な調査を実施 【税務行政の運営の考え方】 国税庁は、内国税の賦課・徴収を担当する行政機関であり、昭和24年に大蔵省(現財務省)の外局として設置されました。その国税庁開庁式の中で、発足に重要な役割を果たしたハロルド・モス氏は、国税庁に一つのスローガンを贈りました。 ★「正直者には尊敬の的、悪徳者に畏怖の的」 ★適正に申告している納税者からは、国税庁は任務を全うしていると認められるように、反対に悪質な納税者からは、的確な調査を行う等で恐れられるようにといった、国税庁のあるべき姿が示されています。 ★国税庁は、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図るために、各種広報活動や納税者が納税義務を理解し実行することを支援する租税教育活動、納税義務が適正に果たされていないと認められる納税者に対し、的確な指導や調査の実施により誤りを確実に是正する活動を行っています。そういった活動には、納税者である国民の皆様の理解と信頼を得ることが何より必要なのです。★ 内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図るために 広報活動や租税教育などの支援活動を実施 善良な納税者が課税の不公平感を持つことがないよう、納税義務が適正に果たされていないと認められる納税者に対し、的確な指導や調査を実施
Web-TAX-TV「国税査察官の仕事」 カリスマホストに 脱税の疑い 張り込みをする査察官 着手前日の打ち合わせ 【Web-TAX-TV「国税査察官の仕事」】 この悪質な脱税者を摘発する査察という仕事について、国税庁のインターネット番組「Web-TAX-TV」では、「国税査察官の仕事」という番組を配信し、分かりやすい動画で仕事内容の紹介をしています。 この番組の他にも、税に関する手続や別の仕事について紹介した番組も配信していますので、便利で分かりやすいWeb-TAX-TVを是非見てみてください。 ★ 強制調査に着手 隠し財産を発見 「これは脱税という 犯罪です」
国税庁ホームページ 新着情報 税に関する質問 分野別メニュー アクセス件数の多いページ バナーコーナー グローバルナビゲーション 府省共通の情報分類カテゴリ を基に、各種情報を5つに分類 し、その入口となる案内表示 各項目にマウスポインタを合 わせると階層メニューが表示 月間アクセスランキング 閲覧者の関心の高いページを ランキング形式で掲載 新着情報 税務署を検索 郵便番号又は住所から、 管轄の税務署が調べられる 機能 税に関する質問 タックスアンサー 【ホームページの紹介】 インターネット上の国税庁のホームページでは、税に関する様々な情報を提供しています。 この国税庁のホームページには、★「税の学習コーナー」というページがあり、税金につい て更に詳しく勉強できるようになっています。 また、★動画で税の情報・税の仕事を紹介するページがありますし、★税に関するよくある 質問に回答したタックスアンサーのページがあります。 ★このように税に関する情報が満載ですので、是非一度ご覧になってみてください。★ SNS等 国税庁が行う情報発信 ツールを集約したコーナー 税の学習コーナーは ここから 分野別メニュー アクセス件数の多いページ に直接アクセスできるよう、 分野ごとに掲載 動画で見る 税の情報・税の仕事 この下部には サイトマップ バナーコーナー
おわりに 豊かで安心して暮らせる未来のためには、 公平な租税負担と給付の関係について、 私たち一人ひとりが考えることが大切です。 【おわりに】 最後に、私たちが豊かで安心して生活するためには、税はなくてはならないものであり、そのために国や地方公共団体は、日本の将来を考え、長期的な展望に立って政策を実行しています。 税金に対して正しい知識と理解を持ち、その使い道についても十分に関心を持ってください。 また、税務職員採用試験の案内も、国税庁ホームページに掲載していますので、今日の租税教室を受講して税務署の仕事に興味を持ってくれた人は、是非チャレンジしてほしいと思います。★