移動現象論II(担当 金原) 一般目標: 諸現象の定式化 定式化した結果の活用法 実装置、実現象への適用 個別目標: 物質移動現象の理解

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移動現象論II(担当 金原) 一般目標: 諸現象の定式化 定式化した結果の活用法 実装置、実現象への適用 個別目標: 物質移動現象の理解 一般目標: 諸現象の定式化         定式化した結果の活用法         実装置、実現象への適用 個別目標: 物質移動現象の理解         物質移動現象の定式化         解析法の取得

オフィース・アワー: 随時     物質工学1号館218室 (不在も多い) Webページ: http://cheme.eng.shizuoka.ac.jp/ ~kimbaralab/index.html

大学院入試科目:移動現象論 範囲:流動、伝熱、物質移動

日程(休講無し) 1. 10月 3日 24章 2. 10月 17日 24章 3. 10月 24日 24章 4. 10月 31日 24章 1. 10月 3日  24章  2. 10月 17日  24章 3. 10月 24日  24章  4. 10月 31日  24章 5. 11月 7日  25章  6. 11月 14日  25章 7. 11月 21日  25章 8. 11月 28日  中間試験 9. 12月 5日  25章 12月 12日  26章 12月 19日  26章 1月 16日  27章 1月 23日  27章 1月 30日  28章 2月 6日  28章  試験期間中 期末試験  

レポートの書き方 ホチキス (ノリ付け不可) レポート(宿題): 鉛筆不可 演習、ミニテスト: 鉛筆可 左右上下に 25mmの マージン A4縦 25mm 左右上下に 25mmの マージン 科目名 課題名 氏名、学籍番号 提出日 綺麗な字で丁寧に レポート(宿題):       鉛筆不可 演習、ミニテスト:        鉛筆可

授業に関する諸注意ー1 ◆毎回A4のレポート用紙、ホチキス等持参 (ミニテスト、演習実施) ◆時間外提出物も受け取るが 授業は欠席、遅刻扱い       授業に関する諸注意ー1 ◆毎回A4のレポート用紙、ホチキス等持参   (ミニテスト、演習実施) ◆時間外提出物も受け取るが               授業は欠席、遅刻扱い   (正当な理由がある場合は正規の手続き) ◆遅刻者は授業中指します ◆答案、レポート等の提出物はJABEEの審査   資料のため返却しない(コピーを取ること)

idougen2 授業に関する諸注意ー2 ◆講義範囲:chap.24~28: p.398~550 ◆予習、復習必須       授業に関する諸注意ー2 ◆講義範囲:chap.24~28: p.398~550 ◆予習、復習必須      (教科書は予習、復習等独習のため) ◆授業資料:webに掲載 idougen2 ◆出席点:無し

H20 JABEE 卒業生アンケートの結果

Today’s KEYWORDS Molecular diffusion Convective mass transfer Fick’s first law Diffusion coefficient

Today’s KEYWORDS Molecular diffusion 分子拡散 Convective mass transfer 対流物質移動 Fick’s first law フィックの第1法則 Diffusion coefficient 拡散係数

Chapter 24 Fundamentals of Mass Transfer 前章まで(流動、熱移動):1成分系 以降:2成分(あるいはそれ以上)系 A成分(砂糖) B成分(水) しきいを取ったら?

系内の濃度差を最小にするように成分が移動 物質移動(Mass Transfer) コーヒーに角砂糖を入れる ・早く溶かすには?

物質移動(Mass Transfer) 系内の濃度差を最小にするように成分が移動 コーヒーに角砂糖を入れる ・早く溶かすには?

スプーンでかき混ぜない場合 #遅いが砂糖は溶ける 時間さえかければ全部溶ける (Molecular Mass Transfer) スプーンでかき混ぜる場合  #早く砂糖は溶ける 物質移動の促進 (Convective Mass Transfer)

スプーンでかき混ぜない場合 #遅いが砂糖は溶ける 時間さえかければ全部溶ける 分子拡散 (Molecular Mass Transfer) スプーンでかき混ぜる場合  #早く砂糖は溶ける 物質移動の促進 対流物質移動 (Convective Mass Transfer)

p.34 移動量の大きさを示すものは? Fluxの定義は?

Flux、フラックス、流束 (フラックス)=(比例定数)×(物理量の勾配) フィックの第1法則 移動が生じている方向に垂直な面の 単位断面積あたり、単位時間に通過する物理量 (フラックス)=(比例定数)×(物理量の勾配) フィックの第1法則

分子拡散のみ

Mass Transferの原因:濃度差 濃度差が無くなった時点で Mass Transferはstop 濃度、速度、fluxの表現法       (質量基準 or モル基準) Tables 24.1 & 24.2 本日のPOINT

濃度の表現法 質量基準 モル基準 定義量 ρA, ρB:密度(質量濃度) cA, cB:濃度(モル濃度) ωA= ρA /ρ :質量分率 xA= cA /c :モル分率 (x→y for gas) ρ= ρA + ρB c= cA+ cB 関係式 ρA= cAMA (MA:分子量)           xAMA        xAMA + xBMB          ωA/MA       ωA/MA + ωB/MB ωA + ωB = 1 xA + xB = 1 ωA = xA =

モル濃度Ciと質量濃度ρi モル濃度 CA= (nA/N) / V [mol/m3] CB= (nB/N) / V [mol/m3] 簡単にするため成分A, Bからなる2成分溶液を考える 体積V 成分A: 分子量 MA [kg/mol]、個数 nA 成分B: 分子量 MB [kg/mol]、個数 nB モル数  成分A: nA/N [mol]  成分B: nB/N [mol]   ただしN [mol-1]はアボガドロ数 成分A 成分B モル濃度 CA= (nA/N) / V [mol/m3] CB= (nB/N) / V [mol/m3] 質量濃度 ρA= MA(nA/N) / V [kg/m3] ρB= MB(nB/N) / V [kg/m3]

モル分率xi 成分iのモル分率xiを次式で定義する xi = ci / ct [-] 成分A, Bのモル分率はそれぞれ xA= cA / ct [-] xB= cB / ct [-] 一方、各成分のモル濃度の和は全濃度 ct = cA+ cB したがって、全成分のモル分率の和は1である xA + xB = 1

質量分率ωi 成分iの質量分率ωiを次式で定義する ωi= ρi /ρt [-] 分A, Bの質量分率はそれぞれ ωA= ρA /ρt [-] ωB= ρB /ρt [-] 一方、各成分の質量濃度の和は全濃度 ρt= ρA + ρB したがって、全成分の質量分率の和は1である ωA + ωB = 1

質量分率とモル分率の変換 成分iの質量濃度ρiとモル濃度ciとの関係は 成分A:ρA= cAMA 成分B: ρB= cBMB (単位) したがって、質量分率ωiをモル分率xiで表現すれば ωA = ρA / (ρA + ρB) = cAMA / (cAMA + cBMB) = xAMA / (xAMA + xBMB) 逆にモル分率xiは xA =(ωA /MA) / (ωA/MA + ωB/MB) [kg/m3]

次回(10月17日) 今日の復習をしておくこと p. 399からp. 404の式(24-16)まで読んでくること