NPO教育の現状と課題 2004.11.25 山内直人
Ⅰ. NPOにおける人材育成の必要性 NPO: 量的拡大から競争・淘汰の時代へ 人材こそ競争力の源泉 OJTの限界 大学院レベルのプロフェッショナル・トレーニング パブリック・マネジメントの一環として 労働市場流動化のなかで、あえて学歴も重要
Ⅱ. NPO教育の現状(海外) アメリカ: ・The Nonprofit Academic Center Council (NACC)加盟のNPO研究教育拠点:38 ・全米NPO大学院コースの数:約100 ・アメリカでも急増したのは90年代 Harvard, Yale, Indiana, Case Western Reserve など
アジア: 韓国キョンヒ大学校 韓国延世大学校 中国清華大学 中国北京大学
Ⅲ. NPOの大学の現状(日本) ボランティア・NPO関連講義の増加 1999年度 34講義 → 2000年度 60講義 1999年度 34講義 → 2000年度 60講義 2001年度以降も増加 ただし、ごく最近まで単発の講義が中心で、ある程度体系化されたコースはほとんどなかった
NPO関連大学院コースの開設 1994年度~ 大阪大学国際公共政策研究科(OSIPP) 2002年度~ 立教大学21世紀社会デザイン研究科 2002年度~ 立教大学21世紀社会デザイン研究科 2003年度~ 龍谷大学NPO・地方行政研究コース 2003年度~ 早稲田大学公共経営研究科 2004年度以降 東大公共政策大学院などでも
阪大OSIPPの場合 1994年の創設時からNPO研究教育開始 修士だけでなく博士課程を持ち、積極的に学位を出す方針 プロジェクトベースの演習を重視 『NPOデータブック』『NPO白書を刊行 NPO研究情報センター開設(2002年4月)
博士論文・修士論文のテーマ例 民間非営利セクターのインターメディアリ機能に関する研究(博士) Essays on The Public and Nonprofit Economy(博士) 女性はなぜボランティアをするのか?: マイクロデータを用いた実証研究(修士) NPO労働市場における就業形態と賃金(修士) 民間非営利セクターにおける財団の役割(修士) 非営利労働市場の経済分析(修士)
Ⅳ. NPO教育の問題点 理論的・体系的な教育プログラムの不足 教員の不足、教員養成の遅れ 大学院修了者受け入れる労働市場の狭さ 需要と供給のミスマッチ 大学とNPOの連携、ネットワークの弱さ
Ⅴ. 課題克服のために トレーナーズ・トレーニングの必要性 奨学金制度の開設、拡充 NPO・行政と大学の双方向の連携強化 教育プログラムの評価、アクレディテーションの必要性
参考文献 日本NPO学会NPO教育研究会編 『NPO教育と人材育成』 2001 山内直人編 『日本のNPO労働市場』 2002 『NPOジャーナル』 2003 Vol.2 特集:変わる日本の大学院 『NPOジャーナル』 2004 Vol.7 特集:大学院におけるNPO教育