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原子物理学 光・量子エレクトロニクス研究室 安藤弘明 ando@konan-u.ac.jp
原子物理学 本日の講義の内容 1. はじめに 2. 古典物理学の復習 (気体分子運動論) 3. ボルツマン因子 4. まとめと演習問題
原子物理学 (1) 熱放射、物質の比熱等の現象をミクロな 視点から議論し、ニュートンの力学、 マックスウェルの電磁気学が物理現象を 記述するのに不十分であることを理解する。 (2) ミクロな世界を支配する自然法則について 学び、量子力学への発展の過程を理解する。
量子論 前期量子論 物理学の発展 古典論の破綻(3つの不思議) 統計力学 相対論 熱力学 電磁気学 力学
古典論で説明できない3不思議 1.固体の比熱 低温でデュロン・プチ(Dulong・Petit) の法則からずれる。 2.黒体輻射 高温での発光スペクトルが説明 できない。 3.原子の発光スペクトル シャープな発光スペクトルが説明 できない。
固体の比熱 デュロン・プチの法則 1 V=一定 ? 熱:δQ CV/3R 0.5 δT↑ Cv =δQ/δT T Θ(デバイ温度)
黒体輻射 1 0.5 λ(μm) ? エネルギー密度 2 3 4 5 6 T=1646K
水素の発光スペクトル 1 エネルギー密度 ? 0.5 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 λ(μm)
気体分子運動論 ボイルの法則 気体 シャルルの法則 体積:V 圧力:P 温度:T モル数: ボイルシャルルの法則 気体定数
アボガドロの仮説 (1) すべての気体は、原子あるいは分子から 成り立っている。 (2) 等しい容積の気体はその種類に関係なく 同温同圧のときは同数の分子を含んでいる。 アボガドロ数 1モル(物質量)の物質に含まれる分子の数 L = 6.024x1023
N = aL = nV pV = aRT = NkT k = R/L k:ボルツマン定数 ボルツマン定数 n : 単位体積中の分子の数 a :容積V中の気体のモル数 N = aL = nV pV = aRT = NkT k = R/L k:ボルツマン定数
気体分子運動論 仮定 (1) 気体は、分子(または原子)と呼ばれる多数の 小さな粒子からできている。 (1) 気体は、分子(または原子)と呼ばれる多数の 小さな粒子からできている。 (2) これらの気体分子の運動エネルギーが気体の 熱エネルギーである。 (3) 閉じた空間の中で、気体分子はどこにでも同じ確率 で存在し、速度もあらゆる方向に均等に取り得る。
z y x x方向の速度の平均 vz v vy vx
気体分子運動論 仮定 (1) 一辺がLの立方体の中の気体分子を考える。 (2)x軸に垂直な壁に向かう分子の数は、平均して 全体の1/3で、速度はv x z 分子がLの距離を 往復する時間: 気体分子がΔtの時間 に壁に衝突する回数: L 一回の衝突当たりの運動量変化:
気体分子運動論 運動量の変化 = 力積 であるから x z L 比較 L
運動量の変化 = 力積
エネルギー等分配の法則 温度Tにおいて1自由度当たり平均で kT/2の熱エネルギーが分配される。
気体の熱力学 熱力学第1法則(エネルギー保存則) 等積比熱:CV 熱エネルギー:δQ δT↑ Heの気体1モル当たりの内部エネルギー:U 気体が膨張することにより外部にする仕事:W 熱力学第1法則(エネルギー保存則) 等積比熱:CV
気体の等積比熱 V=一定 熱:δQ δT↑ Heの気体1モル当たりの内部エネルギー:U 等積比熱:CV
ボルツマンの分布則 気柱 温度:一定
ボルツマンの分布則 高さ:x 気柱 温度:一定 密度:n
ボルツマンの分布則 高い 位置のエネルギー 高さ:x 気柱 温度:一定 低い 密度:n
気中 圧力
N = aL = nV pV = aRT = NkT k = R/L k:ボルツマン定数 ボルツマン定数 n : 単位体積中の分子の数 a :容積V中の気体のモル数 N = aL = nV pV = aRT = NkT k = R/L k:ボルツマン定数
気体の状態方程式 温度T は一定 は位置のエネルギー
ボルツマンの分布則 密度 位置のエネルギー: