解析学 ー第9〜10回ー 2019/5/12.

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解析学 ー第9〜10回ー 2019/5/12

原始関数(primitive function) ある区間で定義されている関数 に対して,この区間のすべての において, が成り立つような関数    を    の原始関数という.    の原始関数を求めることを,   を積分する(integrate)という. 例:      のとき,       なので, 積分することは微分することの逆演算であるが,原始関数が存在しないような   もあるので注意が必要である 2019/5/12

原始関数の一般形 定理1: を の原始関数の1つとすると, ( は実数)も の原始関数である. を の原始関数の1つとすると,      ( は実数)も        の原始関数である. また,   の任意の原始関数は  ( は実数)の形に表わせる. この実数 を積分定数または任意定数という. 例: の原始関数は      ( は積分定数)  だけではないことに注意 2019/5/12

不定積分 の原始関数の一般形 を の不定積分(indefinite integral)といい, で表す.すなわち, しかし, は毎回書くのは面倒なので,混乱しないときには, と略して書く.また,              などを,         のように表わす 即ち,これは原始関数の 一般形を表す単なる記号 2019/5/12

主要な関数の不定積分 (1) (6) (2) (7) (3) (8) (4) (9) (5 ) (10) 2019/5/12

不定積分の線形性 定理2:関数 と定数 に対して,次式が成り立つ. (1) (2) (1)の証明: これより, は の不定積分である. 定理2:関数 と定数  に対して,次式が成り立つ. (1) (2) (1)の証明: これより,            は        の不定積分である. 2019/5/12

不定積分の計算例(1) 2019/5/12

不定積分の計算例(2) 2019/5/12

不定積分の計算例(3) 2019/5/12

主要関数の導関数の公式[復習] 多項式 三角関数 逆三角関数 指数関数と対数関数 双曲線関数 2019/5/12

主要な関数の不定積分[復習] (1) (6) (2) (7) (3) (8) (4) (9) (5 ) (10) 2019/5/12

置換積分法 定理1:       が微分可能ならば, 証明:             とすると,          である。 そこで      とおき,      を考えると、 となる.よって, 2019/5/12

置換積分法の利用の仕方 において,         と置く. 両辺微分して,         .従って, 従って, あとは,計算する 2019/5/12

置換積分法の利用例(1) 解:このままの形では,主要な関数の不定積分の公式のどれも使えない.そこで と置く. 解:このままの形では,主要な関数の不定積分の公式のどれも使えない.そこで        と置く. 両辺を  で微分して,          すなわち, これを用いて元の不定積分を書き直すと, よって, 2019/5/12

置換積分法の利用例(2) 一般に,以下が成り立つ これを利用すると,例えば, 2019/5/12

置換積分法の利用例(3) と置くと,     で, 2019/5/12

置換積分法の利用例(4) と置くと,      で, 2019/5/12

部分積分法 定理2:      が微分可能であるとき,次式が成り立つ. 証明: これより,                は       の不定積分となる. 2019/5/12

部分積分法の利用例(1) ここには,1が隠れていて, しかも,1は   であると思うところがポイント 2019/5/12

部分積分法の利用例(2)   は    であると思うところがポイント ここで,      と置くと, よって, 従って, 2019/5/12

部分積分法の利用例(3) 部分積分を使って, ここで,      と置くと,  従って,  2019/5/12