第5回(通算21回) 社会福祉と メンタルヘルス
メンタルヘルスについて、 下記の資料を参考・引用しています。 医療・介護に携わる人たちのためのメンタルヘルス(17年7月20日ppt) 宝塚市立病院 副院長・緩和ケア内科主任部長 松田良信 姫路市在宅医療・介護連携支援センター長 成定啓子
ストレスとは? 外界から生体に加えられた 刺激は、生体の内部環境を 変化させる方向に働くが、 生体がそれに対して恒常性 (ホメオスタシス)を維持 するように反応している状 態のこと ストレッサー https://ameblo.jp/positivementalhealth/entry-12191438397.html
汎適応症候群(Selye,H) https://ameblo.jp/positivementalhealth/entry-12191438397.html
ストレス反応 http://mentalmanage.itrk.jp/index/2/
Holmes&Rahe(1967) 良い事も 悪い事も ストレスになる
職場のストレスを高めるリスク要因 仕事で要求される度合いが多い 自由裁量の度合いが小さい 社会的支援(ソーシャルサポート)が得 られない 対人援助の仕事に当てはまることが多い
対人援助に従事する人の悩み ・長い間寄り添い、親しみをもって 頑張ったけどどんどん悪くなっていく ・気持ちの整理をするヒマもなく次の 頑張ったけどどんどん悪くなっていく ・気持ちの整理をするヒマもなく次の 患者のケアが待っている ・自分なりに一生懸命ケアをしたのに、 患者も家族も良い評価をしてくれない ・他職種はもちろん同僚も 自分の仕事を認めてくれない
患者・利用者との関わり方を悩む ・患者と親しくなりたいと思うが うまくかみ合わない ・患者と親しくなりたいと思うが うまくかみ合わない ・患者の気持ちや希望にどう応えたか 患者に踏み込めない自分があり、 逃げ出したくなる自分がある ・医療・福祉専門職自身の人生観が問われ、 心身の疲労につながっていく ・このままどうなっていくのだろう
感情労働 Hochschild,Aが提唱 職務上、感情のコントロールが不可欠な職業 対人援助職は、働き手にも顧客にも感情はつ きものであり、働き手は自身の感情をうまく コントロールしなければならない
表層演技と深層演技 表層演技 深層演技 本音と建前が一致するか否か? 自身の内面の感情にかかわらず、表面の感情を 表出するもの。 自身が経験する感情そのものを状況に適したも のに変化させる事により、自然とそれに伴う表 出が生まれることを志向するもの。 本音と建前が一致するか否か?
共感疲労 研究により結果が異なる 表層演技 深層演技 明確に分けているからこそ、心理的なスト レスは少ない 一方、明確に分けているからこそ、その不 一致に苦しむ 深層演技 「本当の顔」と「仕事の顔」の感情との間 に不一致な違和感を持たずいられれば、そ の方が心理的なストレスは少ない
燃え尽き症候群(バーンアウト) 情緒的消耗感 個人的達成感の低下 Freudenbergerが提唱 Malachの研究グループが操作的定義 脱人格化 バーンアウト
燃え尽き症候群(バーンアウト) 情緒的消耗感 脱人格化 個人的達成感の低下 重苦しい気持ちにとらわれて、何事に対し てもやる気や意欲が起きなくなる 脱人格化 相手との感情的なやり取りを避け、感情の 伴わないパターン化された関わりをする 個人的達成感の低下 それまで持っていた目標を見失い、目標に つながる行動に達成感や充実感を抱けなく なる
ストレス対処(coping) 問題焦点型コーピング 情動焦点型コーピング ストレスの原因に対して、自分の 努力や周囲の協力を得て解決しよ うと試みる 情動焦点型コーピング 怒りや不満、悲しみなどの感情を 表出させたり、心の中に抑圧した りする
ストレス解消の方法は? ☆ストレス解消としてのアルコール 一瞬の効果はあるものの、 残るのは二日酔い 問題の解決にはならない ストレス解消の方法は? ☆ストレス解消としてのアルコール 一瞬の効果はあるものの、 残るのは二日酔い 問題の解決にはならない ☆たばこが増える? 何の解決にもならない、体調を悪くするだけ ニコチン切れというストレスが一瞬解消 されるだけ
「つらいな」と感じ始めたときの 10の対処法 早く効果が得られる 苦痛が少ない 努力しなくてよい お金もかからない
1.しゃべること 話をしているうちに問題が整理されてしまうこ とがある。 人間はしゃべる動物である。 しゃべらないと生きていけない。 話をするだけで気持ちが楽になる。 話をしているうちに問題が整理されてしまうこ とがある。 人間はしゃべる動物である。 しゃべらないと生きていけない。 飲み会では、飲むよりしゃべる 話題で一番多いのは?
よい相談相手を得る よい相談相手になる ほどよい関係を築く。 自分にとって安全な人間であ り、一緒にいるだけで少し安 心させてくれる。自分の話を 聞いて もらって、うなずいて もらえるだけで、一時的にせ よ気持ちが少し楽になる。 話をすることで、自分自身の 問題や課題に気づいて整理さ れる。 かかわりを通して、少し元気 が出てくる。 2.よい相談相手
よい話し相手とは? 日頃から、いろいろな話をしている仲でな いと話しかけにくい。 最初に話した人は、どの程度まで話してい いか、迷いませんでしたか? 日頃から、いろいろな話をしている仲でな いと話しかけにくい。 2番目に話した人は、最初に聞いた内容 か ら考えて、同じ程度の深さまでしか話しま せんでしたか? 自分のことをある程度深く話していないと、 同じ程度には話してくれない。 (自己開示の返報性)
3.一人になる、ずぼらになる 困難なとき、適切な援助がないときは、 周囲の刺激を避けてそっと一人だけで こもり、助けてくれそうな人が現れるまで じっと一人で待てることも大切である。 一人でゆっくりすることも、たまには大事。
生真面目さや几帳面さを捨て、 性格的にチャランポランになる。 ゆっくりと回復を待つ。 あせらない。 まとまった休みを取る。
4.医療者・介護者自身の性格 自分だけが悪いと思わない 何か問題が起きたときに、 相手にその原因があったと しても、自分自身の 側に 責任を感じてしまう傾向。 自分を責めることで強い罪 悪感を持ってしまうと、抑 うつ的、自閉的となり、人 とのかかわりを失ってしま う。
今の自分をそのまま認め、 対立する二つの性格を演じること 「自責的」性格と「他罰的」性格。 外交的と内向的。 大胆と慎重。 几帳面とずぼら。 自分がどれに当てはまるかを分析し、 両方を適当に演じること。 時には反省したり、 時には人のせいにして知らん顔をするなど。
5.施設に来る患者もさまざま 自分がしたいことしかしない施設利用者 サークルやレクリエーションの輪に入ってこない お勧めしていることをしない 自分がしたいことしかしない施設利用者 サークルやレクリエーションの輪に入ってこない 利用者の行動をよく観察し、どうしてそうしないのか、ど うしてそうするのかを理解できるように努める ケアに努めていると、自然に受容できる場合も多い。 無理な使命感を捨てる。 利用者のために何かをしよう、 こうしようというのではなく、 利用者・家族の価値観に合わせられる 包容力が必要
自己理解と価値観の確立を目指す 変えることができないもの 今現実にある事実 過去に起こったこと 他人の存在 変えることができるもの 変えることができないものをどう評価 するかは自由 自分自身は死ぬまで成長し変化する ものである
6.言語コミュニケーション能力を磨きましょう 医療・介護の世界だけでなく あらゆる職場でカンファレンス(会議)が行わ れています 言いたいことが言えないと、くよくよ悩むこと になります また、上司や同僚との会話も 大事です うまく伝えることを 勉強しましょう
7.スタッフにとってよい リーダーを育てる リーダーを育てる。 アサーションを行う。 リーダーからなんの相談もなく、一方的に、 しかもしばしば不適切な指示を忠実に こな さなければいけない精神的ストレス。 指示の理由を納得いくまで、リーダーに聞 く。 リーダーの言うことをうのみにしない。 リーダーを変えるのではなく、 リーダーを育てる。 アサーションを行う。
リーダーにとってよい スタッフを育てる トラブルになりそうな利用者の指示を出した のになかなかすぐに実施してくれない精神的 ストレス。 指示するごとに「確認です」といつも言って くるスタッフ。 信頼してくれてない感が強いのでリーダーと してのプライドが傷つく スタッフを変えるのではなく、 スタッフの信頼を得る。 信頼を得るようなよいケアを行う。
8.心の揺らぎ いつでもやめていいんだ と思うこと。 毎日楽しくていいこと ばかりではない。 たまにいいことがあるから、やっていける。 いつでもやめていいんだ と思うこと。 毎日楽しくていいこと ばかりではない。 たまにいいことがあるから、やっていける。 やめたつもりになって休んで、あらためて同じ職 場に戻ったときに、 どういうやり方なら長続きできるかを 考えて みること。
9.ワーク・ライフ・バランス というよりは、仕事は生活の一部に過ぎないことを お互いに認め合うことが大事 仕事は生活していくための糧である 仕事と生活の調和 というよりは、仕事は生活の一部に過ぎないことを お互いに認め合うことが大事 仕事は生活していくための糧である 仕事は生きがいである 大切にしていることは、人によって異なる お互いの文化を大事にする
きちんとご飯を食べる 仕事しすぎて、生活をみだす→不健康 →仕事ができなくなる 超過勤務を減らす、明日に仕事を残す もえつきやうつなどの症状を早期に発見するために 自分や同僚をよく観察する 仕事しすぎて、生活をみだす→不健康 →仕事ができなくなる 超過勤務を減らす、明日に仕事を残す スポーツ、趣味などを大事にする ユーモアを保つこと
燃え尽き症候群にならない 燃え尽き症候群にならない ためには、燃えすぎない。 自分自身の限界を知り、それを 超えない 燃えずに、やる気を維持する 淡々と仕事をする。 ストレスのサインをセルフ モニターし、認識する。 スタッフ同士で感情を分かち 合う。 過度に献身的にならない。 自分自身の家族の悲嘆の未解決の部分を 自己処理しておく。
10.何が一番大事か? 自分自身の身体的、精神的健康が 一番大事である 患者、同僚、他職種、家族、夫、妻と かかわり、その健康を保つには、 患者、同僚、他職種、家族、夫、妻と かかわり、その健康を保つには、 自分が健康で あることが先決 自分自身が健康であってはじめて、 周りに健康な対応ができる
悩める人は助けを待っている 同僚も忙しい、 「心」の問題に対する偏見があり、 精神疾患とウワサされたくないので 相談できない 上司も疲れているので、 声かけができていない? 相談すると上司からの評価が下がる?
同じ職場で働く 同僚・先輩として よく観察すること よく話をすること なんでも言ってこれるようにすること どう指導するかも大事だが、 もっと大事なのは、 セルフケアの方法を教え、 身につけさせるように指導する