~運転に関して悩まれている方へ~ 自動車運転に関する ご案内 移動支援勉強会・研究会
~はじめに~ 本パンフレットは、 脳卒中発症後の 自動車運転再開の関連情報 について説明をするものとなります。 自動車運転再開の関連情報 について説明をするものとなります。 本パンフレットを通じて、対象者様と 御家族様が自動車運転について 考える機会となることを願っています。
~目次~ ◯基本的事項 【1】 :道路交通法について 【2】 :脳卒中について 【3】 :運転再開までの流れ 【4】 :各関係機関の役割 【5】 :車輌の改造 ◯応用的事項 【6】 :免許の有効期限 【7】 :免許再取得の免除について 【8】 :過去の判例事例 【9】:運転を諦める場合
基本的事項 この項目については、 運転を再開するに際して 必ず抑えておくべき事項になります。
【1】道路交通法について 主治医や運転免許センターの許可が おりていない状況で、万が一事故を 平成14年6月に道路交通法が改正され、 安全運転に必要な認知・予測・判断・操作に 問題が生じた場合、免許取り消し・停止となる 場合があります。 主治医の診断を経て、運転免許センターで 可否判定が必要となる場合があります。 ※道路交通法に該当しない方は適応しません。 主治医や運転免許センターの許可が おりていない状況で、万が一事故を 起こした場合、保険が満額支給されない場合が考えられます。
質問票への正確な回答が必要となります。質問表の「はい」の項目に該当がある場合には主治医の診断書を求められる ~虚偽申告に関して~ 運転免許取得や運転免許更新時、 質問票への正確な回答が必要となります。質問表の「はい」の項目に該当がある場合には主治医の診断書を求められる ことがあります。 虚偽申告をした場合 1年以下の懲役又は 30万円以下の罰金が科されます。
~質問表~ □身体に麻痺がある“あった” □意識障害があった □主治医の意向“運転再開に否定的” (□高次脳機能障害がある“あった”) *上記項目に該当がありませんか?
【2】脳卒中について 診断書では、脳卒中の再発リスクについて 回答が必要となります。
~確認すべき事項~ 脳卒中の再発リスクが高い状態や 道路交通法に該当する事由がある場合には、運転再開を考えることはできません。 脳卒中の再発リスクが高い状態や 道路交通法に該当する事由がある場合には、運転再開を考えることはできません。 *以下に該当する項目はありませんか? □高血圧が続いている □脳の血管が強度に狭くなっている □脳動脈瘤がある □ペースメーカがある □てんかんがある □無自覚性の低血糖がある □認知症と診断されている □薬を飲み忘れることがある 上記に該当する項目がある場合には、主治医に必ず相談をしてください。
運転に必要な認知・予測・判断・操作に関する機能は、脳卒中の発症後 ~脳卒中の症状について~ 認知 予測 操作 判断 運転に必要な認知・予測・判断・操作に関する機能は、脳卒中の発症後 低下を及ぼす可能性があります。
~身体機能の低下~ ○視力と視野 ○色彩識別能力 ○聴力 ○運動能力 □ 両目で0.7以上、かつ片目が0.3以上ある。 □ 両目で0.7以上、かつ片目が0.3以上ある。 □ 片目が0.3に満たない場合、見える方の片目 が0.7以上で、視野が左右150度以上ある。 ○色彩識別能力 □ 赤・青・黄色が識別できる。 ○聴力 □ 10mで90デシベルの警音器音が聞こえる。 *上記条件を満たさない場合は、ワイドミラー・ 補助ミラーを設置すること及び、聴覚障害者 標識を表示すれば運転は可能です。 ○運動能力 □ 運転に支障を及ぼすおそれのある四肢・体幹 の障がいがないこと、または障がいがあるが、 身体の状態に応じた補助手段を講ずることに より、運転に支障を及ぼす恐れがない。 ⇒詳しくは次のページを参照
~身体機能の低下~ 脳卒中の後遺症により、手足などに 麻痺や感覚障害を生じることがあります。 麻痺・感覚障害の影響により、 麻痺・感覚障害の影響により、 手足に動かしさがある場合には 車の改造をお勧めします。 *詳しくはP24,25ページを参照下さい。 * 「この程度であれば大丈夫」と個人で判断をしないようにして下さい。車両改造の必要性についての判断は運転免許センターにて行われます。運転を再開する前に、運転免許センターに相談をして下さい。
~高次脳機能の低下~ 高次脳機能≒認知・予測・判断 <片側の空間無視> <注意力の低下> <失語症> <性格の変化> <自覚の低下> こうじのうきのう ~高次脳機能の低下~ 高次脳機能≒認知・予測・判断 <片側の空間無視> 視力・視野は保たれているのに片側の空間を見落とす、 ぶつかる <注意力の低下> ぼんやりしている 気が散りやすい 同時に複数のことができない 集中できない <失語症> 言葉が出ない、 分からない <性格の変化> 怒りっぽい、せっかち <自覚の低下> 症状があっても自分は何も問題ないないと思っている <記憶力の低下> 道や場所が覚えられない
~高次脳機能の低下~ ご自身の状況を認識される事です <高次脳機能障害の特徴> ⇒大切なことは、 こうじのうきのう ~高次脳機能の低下~ <高次脳機能障害の特徴> ①「目に見えない」ため、自覚がしにくい場合があります。また、健常者と見分けがつきにくく、周囲の人から理解されにくいことも特徴です。 ➁入院生活は問題ない場合もありますが、自動車運転など退院後の生活では影響が出ることも少なくありません。 ⇒大切なことは、 ご自身の状況を認識される事です
例:注意障害 「△のみ印をつけて下さい」 見落としが多くなる(赤丸が見落とし) 例えばこんな可能性が考えられます 対向車に気をとられ・・ 会話に夢中になって・・ 同時に複数のことに注意が向かず、渡ろうとしている人に気が付かない その他・・ 車線変更や交差点右左折で人や障害物、車に気付かない 運転中に疲れやすい ・・・など
その他・・バック駐車の時に左側を壁にこする など 例:片側の空間無視 「全ての線に印をつけてください」 左側の見落としあり!! 例えばこんな可能性が考えられます その他・・バック駐車の時に左側を壁にこする など 左空間の認識ができないため、左折をするときに、左側から来た人に気づかない
【3】運転再開までの流れ ①病院の検査で問題がなかった場合 ②病院の検査で低下がみられた場合 ② 医療機関 教習所 運転免許センター ①
【4】各関係機関の役割 運転に関する可否判定機関 運転免許センター 医療機関 自動車教習所 検査を行い、関係機関と 現在の運転能力を確認 連携し診断書を記載 医療機関 現在の運転能力を確認 自動車教習所 ※ 運転の可否判定機関 ではありません ※ 運転の可否判定機関 ではありません
前提:道路交通法に規定されている項目に該当しない方 ~医療機関~ 前提:道路交通法に規定されている項目に該当しない方 運転の意向確認 脳機能の検査 (注意力検査など) ご本人・ご家族の意向を確認させていただきます。その後、 主治医と相談を行います。 必要に応じて注意力など様々な評価を行います。 評価から運転の問題点を具体的に予測します。 結果説明 今後の方針相談 主治医の意向を含め今後の方針についての話し合いや アドバイスを行います。 院外評価へ (教習所) (運転免許センター) 運転の目的等の確認 運転の目的や環境などの確認をさせていただきます。 * どの段階までの関わりでも可能です
~教習所~ 目 的: 内 容: 所持品 : 実際の運転場面で、病気の影響を探り現状の運転能力を確認すること。 構内・路上講習を実施します。 目 的: 実際の運転場面で、病気の影響を探り現状の運転能力を確認すること。 内 容: 構内・路上講習を実施します。 *利用時間に合わせて、教習所の空き 状況を確認する必要があります。 *改造車が必要な場合には、準備に 時間を要することがあります。 所持品 : ① 1時間5000~7000円程度となります。 ② 免許証(有効期限を確認) ③ 眼鏡等(条件に合わせ)
~教習所~ ※ 注意事項 ① 病気の症状に合わせた講習を行うため、 個人情報を提供する場合があります。 ② 運転の可否判定はできません。 個人情報を提供する場合があります。 ② 運転の可否判定はできません。 ③ 医療機関では、 事故の責任は一切取ることはできません。 ④ 主治医の許可がない場合、利用できません。 ⑤ 岡山県下で対応可能な教習所には限りがあ りますので、スタッフにお尋ね下さい。
~教習所~ ① 日程調整 ② 情報提供 ③ 実車講習 ④ フィードバック ⑤ 主治医と面談 ⑥ 運転免許センターに 相談 ① 日程調整 ② 情報提供 ③ 実車講習 連携 ④ フィードバック ⑤ 主治医と面談 ⑥ 運転免許センターに 相談 実車講習の結果が良好な場合においても、 すぐに運転を再開することはできません。 主治医との面談後、運転免許センターに 問い合わせが必要となります。
~運転免許センター~ 電話:086-724-2200 電話にて、病気の発症から現在における経過や現在の症状について 正確に自主申告をしてください。 岡山県運転免許センター代表 電話:086-724-2200 運転免許センターに来るように指示があった場合には、日程の調整を行い、 必要物品を確認し、指示に従ってください。 必要物品の例 ◯診断書 ◯免許証
車両の改造の際には、身体障害者手帳を持っていると各市町村の助成金制度を受けることができます(各市町村HP参照)。 【5】車輛の改造 車両の改造の際には、身体障害者手帳を持っていると各市町村の助成金制度を受けることができます(各市町村HP参照)。 *身体障害者手帳は、病気や事故後半年 経過した後に申請が可能となります。 ◯岡山市・・・改造費用の3/5(上限10万円) ◯倉敷市・・・改造費用の上限10万円 左アクセルペダル ¥95,000〜¥130,000程度 旋回装置 ¥15,000前後
車両の改造後は、新しい装置に慣れることが必要です。十分な練習を安全な環境で練習できることをお勧めしています。 ~改造についてのご相談~ 車両の改造の際の疑問・お悩み事は 自動車部品改造業者にご相談下さい。 車両の改造後は、新しい装置に慣れることが必要です。十分な練習を安全な環境で練習できることをお勧めしています。 有限会社 フジオート 担当:川原 電話:0791-22-5566 FAX:0791-22-5005 平日9:00~19:00 土日祝日は電話対応のみ 改造業者の例
この項目は、対象者の状況によって、抑えるべき情報を記載しています。 応用的事項 この項目は、対象者の状況によって、抑えるべき情報を記載しています。
学科試験と技能試験は免除されます。ただし、再取得後の免許証は 【6】免許の有効期限が 切れている場合 ◯ 有効期限が切れて6か月以内 ◯ 有効期限が切れて6か月~3年以内 * やむ負えない理由(入院、海外旅行等) があった場合のみ該当あり。 また、やむ負えない理由がなくなった日 から、1か月以内に手続きが必要。 学科試験と技能試験は免除されます。ただし、再取得後の免許証は 新規取得扱いとなります。
【7】免許が取り消し となった場合 一定の病気に該当すること等を理由に 免許を取り消された場合 取り消された日から3年以内であれば 取り返された事由が改善された場合のみ 運転免許の再取得が可能です。 *学科試験及び技能試験は免除されます 直近において提出した質問票について 虚偽の記載をした場合 対象外 となります
【8】事故をした場合 (救護義務) □負傷者の救護をする □道路上の危険防止の措置をとる □警察に事故・負傷者の状況を報告する (救護義務) □負傷者の救護をする □道路上の危険防止の措置をとる □警察に事故・負傷者の状況を報告する □警察に事故後の措置・周辺交通の 状況を報告する □警察官が到着するまで現場に留まり 命令に従う 上記について行うことはできますか? 上記ができない場合には、 10年以下の懲役または 100万円以下の 罰金が科せられます。
詳しくは岡山県警察ホームページを御参照下さい 【9】運転を諦める場合 岡山県では、免許証を自主返納することにより、おかやま愛カードをもらい、協賛店による多種多様なサービスを受けることができます。 対象 ・県内居住で65歳以上の方が対象 ・自主返納される方、すでにされている方 ・病気により取り消しとなった方 ・有効期限が切れている方 サービス内容 ・商品の割引 ( 食品、衣類、家電、文具、眼鏡、など ) ・レジャー関係( バスツアー値引き ) ・公共交通機関運賃割引 ( 県内全域バス半額、タクシー割引 など ) 詳しくは岡山県警察ホームページを御参照下さい *岡山県下では様々な地域で乗り合いタクシー 等があります。地域の社会福祉協議会に お問い合わせをしてみて下さい。
【終わりに】 「自動車運転」は、現代社会において必要とされる移動手段です。その一方、自他共に危険が隣り合わせである事はご承知の通りです。 「自動車運転」は、現代社会において必要とされる移動手段です。その一方、自他共に危険が隣り合わせである事はご承知の通りです。 運転免許センターで許可が下りたあと、今後如何に運転を行っていくか判断をするのは対象者様と御家族様です。 気になる点、不安な点が少しでもある場合には、主治医に相談し、安全に最大限配慮をした後、運転の再開をお勧めしています。 ご質問があれば下記までメールをいただきますと返信をさせていただきます。連絡先 idou2014@yahoo.co.jp ご質問は医療従事者に限らせていただきます。 移動支援勉強会・研究会 事務局 酒井英顕
以下を提示する形で、記載をお願いします。 本パンフレットを「参考」「転載」し、 パンフレットを作成される場合のお願い。 以下を提示する形で、記載をお願いします。 「自動車運転に関するご案内」 移動支援勉強会・研究会 http://移動支援.com/