2017 現代文明論 第5回 1492年 世界システムの始まり
世界地図を描いてみよう
なぜ過去の歴史を語るのか 私たちの社会の将来がどうなるのかわからない。 しかしヒントは過去の歴史のなかにある。
近代世界の歴史観を変えた二人 (ブローデルとウォーラーステイン) 経済=世界(ブローデル)→世界経済(ウォーラーステイン) 世界システム論(ウォーラーステイン)
大航海時代地図と世界観 ヨーロッパの拡大(参考ページ) 大航海時代地図と世界観 ヨーロッパの拡大(参考ページ) 大航海時代地図と世界観
新世界「発見」の要因 1453年のトルコによるコンスタンティノープル征服で陸路(シルクロード)が使用不能に ヴェネツィアとジェノヴァに頼らない貿易網の開発(スペインとポルトガル)ーヨーロッパにないもの(金や香辛料)の蒐集 航海技術の発達(軽量、喫水線が高いカラベル船、3本マストで帆が5枚ー遠洋航海が可能に) コロンブスが乗った船 地理学の発展(羅針盤の改良、地図作成) キリスト教の伝道(十字軍精神)
ヨーロッパ中心主義 コロンブス アメリカ大陸到達(1492年10月)→旧世界と新世界がネットワークで結ばれる(キリスト教の布教とヨーロッパからの移民) 交易、衝突、文化の交換 トルデシリャス条約(1494年、世界を2分割)、サラゴサ条約(1529年、アジアの配分) (参考:アフリカの国境線) 参考文献:ジャック・アタリ「1492」、ちくま学芸文庫、2009 フェリペ・フェルナンデス・アルメスト「1492 コロンブス」、青土社、2010
スペイン、ポルトガルが植民地 開発可能になった理由 銃 馬 (16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできた) ジャレド・ダイアモンド「銃、病原菌、鉄」(草思社文庫)
欧米にもたらされた植物(食料) ジャガイモ、トウモロコシ、カカオ、トウガラシ、ゴム、タバコの六種 トマト 参考文献 酒井伸雄「文明を変えた植物たち」(NHKブックス)
1492年 世界システムの始まり スペインのレコンキスタ完了:グラナダ王国(最後のイスラム国家)を滅ぼす(1492年1月6日)→ユダヤ人の追放(1492年3月31日)(知識・技術が世界に拡がる)
セプールベダによる インディアス征服正当化 「第2のデモクラテス。インディオに対する戦争の正当原因をめぐる対話」1544 1 インディオはアリステレスの言う「先天的奴隷」 2 偶像崇拝、人身犠牲は自然に反する罪 3 圧政的支配からインディオを救う 4 キリスト教化のための軍事力はやむをえない
ラス・カサスによるスペイン批判 「インディアスの破壊についての簡潔な報告」(1552、染田秀藤訳、岩波文庫) 司教、ドミニコ会士 征服戦争の全面的禁止とエンコミエンダ制撤廃を訴える(フェリペ王子あて) ヨーロッパ中心主義の独善性批判