テキスト第7章 スライドを中心として講義する 田宮治雄 原価計算とは テキスト第7章 スライドを中心として講義する 田宮治雄 1
工業簿記と原価計算 原価計算 工業簿記 授業内容では,工業簿記と原価計算はかなり重複が見られる 工場内部の製造活動を跡付け、適切な製造原価(製品を製造するために要した原価)を計算する計算制度 工業簿記 原価計算の結果を勘定(帳簿)に記録する簿記のプロセス 授業内容では,工業簿記と原価計算はかなり重複が見られる 2
製造原価の分類 テキスト外
原価 原価計算では、製造原価を対象とする 分類 以下は製造原価には含まない 発生形態による分類 製品との関係による分類 操業度による分類 長期操業を休止している機械の減価償却費 営業費、管理費 支払利息など財務費用 特別損失に該当する損失 分類 発生形態による分類 製品との関係による分類 操業度による分類 4
発生形態による分類 材料費 労務費 製造経費 材料の消費高 工場で発生する人件費 工場で発生する、材料費労務費以外の原価要素 素材費、買入部品費、燃料費(大量のエネルギーを消費する場合)など 労務費 工場で発生する人件費 賃金(工員に支払われる給与)、雑給 製造経費 工場で発生する、材料費労務費以外の原価要素 外注加工費、減価償却費、電力料、修繕費、旅費など
製品との関連による分類 直接費 間接費 特定の製品の製造のために直接集計できる原価 さまざまな製品の製造に共通に消費される原価 材料費の多く、直接工の労務費、特定の製品のための外注加工費 間接費 さまざまな製品の製造に共通に消費される原価 間接材料費、工場管理業務担当の労務費、経費の多く 間接費はまとめられ、製造間接費として関係する製品に配賦される
操業度との関連による分類 操業度 変動費 固定費 操業度の変動に比例して発生する製造原価 操業度にかかわりなく発生する製造原価 生産設備の利用度、作業時間や機械運転時間などであらわす 休日出勤や長時間の残業をすれば操業度100%以上となる 変動費 操業度の変動に比例して発生する製造原価 例:直接材料費、出来高払いの賃金 固定費 操業度にかかわりなく発生する製造原価 例:減価償却費、建物の賃借料、固定資産税、保険料
原価計算の目的 テキスト外
原価計算の目的 財務諸表に載せる棚卸資産の価額や売上原価を計算する 製造現場の効率を評価する 製品価格を定める基準とする 原価計算は財務会計の一部でもある 製造現場の効率を評価する 原価管理 製品価格を定める基準とする 投資戦略にかかる意思決定のためのシミュレーションを行うための情報を提供する 9
原価計算の対象と財務諸表 テキスト外
製造活動と財務諸表 貸借対照表 棚卸資産 製品 仕掛品 原材料 損益計算書 売上高 売上原価 売上総利益 労務費 製造経費 11
製造活動と価値 製造品 の価値 労働その他 価値の投入 製品 仕掛品 原材料 時間 12
原価計算 その他製造の ための価値の消費 工場従業員の労働 製品製造原価 直接材料費 の計算 原材料 の投入 製品製造原価 直接労務費 直接経費 間接労務費 間接経費 (製造間接費) 配賦 賦課 製品製造原価 の計算 (製品1単位あたり の原価の計算) 直接材料費 賦課 原材料 の投入 製品製造原価 13 (間接材料費が発生することもある)
原価計算の対象 販売価格 営業利益 販売費 営業費 一般管理費 間接材料費 製造間接費 間接労務費 総原価 間接経費 製造原価 直接材料費 直接労務費 製造直接費 直接経費 14
原価計算の種類 テキスト外
生産形態による相違 個別原価計算 総合原価計算 大型の製品ひとつずつに原価を集計する 同じ製品を大量に製造する場合、まとめて原価を集計する 造船業、航空機製造業、大型の機械製造業 製造指図書が原価集計の単位 総合原価計算 同じ製品を大量に製造する場合、まとめて原価を集計する 製品製造原価を製造した製品数で割って製品1個あたりの原価を求める 期間(通常は1ヶ月)が原価集計の単位
生産形態による相違(続き) 個別原価計算 単純工程別総合原価計算 等級別(工程別)総合原価計算 総合原価計算 組別(工程別)総合原価計算 17
目的による相違 実際原価計算 標準原価計算 実際に消費した原価を集計する 効率的とされる原価を事前に標準原価とする 実際に消費した数量 実際の単価または予定単価 標準原価計算 効率的とされる原価を事前に標準原価とする 効率的に製造できた場合に消費する数量 目標とする単価 実際原価の集計も行い、標準原価と比較する 製造上の不効率を原価面から追求する
実際原価計算の手続 費目別計算 部門別計算 製品別計算 工業簿記:仕訳と元帳転記 原価計算:振替価額の計算 材料費A 製造部門費P 製品X 材料費B 補助材料費 製品Y 製造部門費Q 直接労務費 間接労務費 製造間接費 製造部門費R 製品Z 減価償却費 工業簿記:仕訳と元帳転記 原価計算:振替価額の計算 など 19
標準原価計算 生産量に対して目標とする原価(標準原価)を計算し、実際発生額と比較する仕組みを組み込んだ会計制度 原価差異(標準原価と実際原価の差額)を分析して効率を管理 工程A 工程B 工程C 工程Cの生産量 に対し計算される 標準原価 工程Aの生産量に対し 計算される標準原価 工程Bの生産量に対し 計算される標準原価 工程Aで発生した 実際原価 原価差異 原価差異 原価差異 工程Cで発生した 実際原価 工程Bで発生した 実際原価 20
集計する原価の範囲による相違 全部原価計算 部分原価計算 製品製造にかけたすべての原価が対象 制度的に行われる原価計算の大半が該当 製造原価の一部分を対象とする 直接原価計算 変動費のみを原価計算の対象とする
直接原価計算 変動費だけで原価を計算する 変動費:売上に比例して発生する原価 損益分岐点分析の基礎情報となる 直接原価計算による 管理用損益計算書 売上高 7,600,000 売上原価(変動費のみ) 4,180,000 製造マージン 3,420,000 販売費(変動費のみ) 1,444,000 貢献利益 1,976,000 製造費用(固定費) 870,000 販売費管理費(固定費) 550,000 営業利益 556,000 22
損益分岐点分析 費用 費用(固定費+変動費) 固定費 売上高 損益 分岐点 売上高 23
pp.254-277は対象外 原価の費目別計算 原価の部門別計算 原価の製品別計算 個別原価計算 総合原価計算 標準原価計算 24