広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに-

Slides:



Advertisements
Similar presentations
情報科指導法Ⅰ 第 15 回 模擬授業と総括. 自由利用マーク 文化庁 2003 年~ プライバシーマーク.
Advertisements

1.情報教育について 2 情報教育. 情報教育とは 児童生徒が自ら考え、 主体的に判断・表現・行動 児童生徒は主体的に学ぶ 「情報活用能力」を育成する教育.
CMU2005 海外エンジニアリングワークショップ参加報告書 1 「真の要求を見極めろ!」: teamB 要求定義をどう捉えるか ● 要求定義とは何か? 製品には、顧客の望むことを正しく反映させる必要がある。 そのために必要なものが要求仕様である。 すなわち、要求仕様とは、顧客と製品を結ぶものであり、これを作ることが要求定義である。
メディア論 第 14 回 ドキュメンタリーとは何 か ( ) 担当:野原仁. 最終課題 提出期限: 2 月 16 日 ( 月 ) 17時 提出期限: 2 月 16 日 ( 月 ) 17時 提出場所:研究室前ボックス 提出場所:研究室前ボックス.
広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに- 第3回 ブランド論の基礎 ( ) 担当:野原仁(地域科学部)
第8章 プロモーション政策 担当 M04-701 阿部 祥太 Text book for KBS:Marketing Strategy.
入門B・ミクロ基礎 (第4回) 第2章 2014年10月13日 2014/10/13.
ゲーム理論・ゲーム理論Ⅰ(第2回) 第2章 戦略形ゲームの基礎
コミュニケーションと広告.
第12回 CMCと仮想社会 担当:野原仁(地域科学部)
Anthony and Govindarajan Management Control Systems
広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに-
入門 計量経済学 第02回 ―本日の講義― ・マクロ経済理論(消費関数を中心として) ・経済データの取得(分析準備) ・消費関数の推定
メディア論 第13回 テレビと政治 ( ) 担当:野原仁.
パワーポイントを使った資料の作成法 2005年6月 首都 大
Assumption high-school
メ デ ィ ア ・ リ テ ラ シ ー.
M.E.ポーターの競争戦略論 M.E.ポーターの競争戦略論は、「競争優位」に関する理論的フレームワークを提示した基本的理論である。SCPパラダイムという考えをもとに持続的な競争優位を確立するための戦略である。 SCPとは、市場構造(structure)、企業行動(conduct)、業績(performance)の略語であり、市場構造と企業行動が業績を決めるという考えである。
オムニチャネル、グローバルリスク対応 R&Dコンサルティングのご提案 オムニチャネル、グローバルリスク対応
      特別支援学校 高等部学習指導要領 聴覚障害教育について.
研修の目的(教材の狙い) 現場の負担軽減を図る 放射線の専門家になる必要はない 気持ちの負担に配慮
第4回(10月30日) 豊澄智己 講義:エコビジネス論 第4回(10月30日) 豊澄智己
ジャーナリズム論 第7回 事実と真実 担当:野原仁.
グループ研究1班 第一章 経営戦略とは何か 雨森 彩 大嶋 健夫 小沢 博之.
子どもたちが発達段階に応じて獲得することが望ましい事柄
第3回 説得コミュニケーション& プロパガンダほか ( ) 担当:野原仁
教師教育を担うのは誰か? 日本教育学会第70回大会ラウンドテーブル 2011年8月24日 千葉大学 2108教室
第三章 会社のグループを形成する.
第2回 ジャーナリズムとは何か ( ) 担当:野原仁(地域構造講座)
プロモーション戦略.
マーケティング概念.
スポーツ経営学 第4回目 スポーツ経営学の特徴.
マーケティングの歴史と定義の変遷 マーケティングとは
人間性豊かな人材の養成を通じて、科学技術と人間社会の調和的発展に寄与する
ヘルスプロモーションのための ヘルスリテラシーと 聖路加看護大学『看護ネット』
経営情報論A(2・3・4年生) 第10回企業の統治(4章5節) 長期利益の獲得(p.108) 長期利益の獲得
パワーポイントを使った資料の作成法 2005年6月 首都 大
1.情報文化の枠組み 情報と文化 情報 文化 情報文化.
経営情報論B ⑬ 情報技術と社会(第11章).
●校内研修(自立型研修)での活用 自立型研修での活用について紹介します。 研修の中でも最も身近なものとして、校内研修があげられます。
日本学術会議の 新しいビジョンと変革 日本学術会議
1.報道の意義 2.ニュースと現実の関係 3.マス・メディアと民主主義
経営学I.
国家構築の際におけるタイの「標準化」、 国民の統一化
LCI フォーワード 戦略プラン: 2015~16年度から2019~20年度.
日本医療政策機構 個人賛助会員募集のご案内
顧客関係性マネジメント.
2019年G20大阪サミットに向けた主なスケジュール案
高級ブランドメーカーの 広告戦略 経営学部 経営学科  中山 航.
第4回目「これからの生涯学習推進の方向を探る」
日韓比較労使関係論 2 労使関係論.
心理科学・保健医療行動科学の視点に基づく
マーケティング・ミックス.
エコアクション21で企業価値を高めることができます
情報文化の枠組み 情報と文化 情報 文化 情報文化.
地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインの概要
資料10-1 エコアクション21  事業概要.
「農地中間管理機構」広報業務委託提案書 参考 イメージ 平成30年○月 (株)○○○○企画.
理論研究:言語文化研究 担当:細川英雄.
自治体の構造改革への道 総合政策3年 高橋 理志 大平 貴久.
広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに-
CSR 5 すぅ.
マーケティング.
社会情報学系 研究室ごとの履修モデル (履修推奨科目).
図15-1 教師になる人が学ぶべき知識 子どもについての知識 教授方法についての知識 教材内容についての知識.
内部統制とは何か.
情報処理の概念 #0 概説 / 2002 (秋) 一般教育研究センター 安田豊.
広告会社で働く自分が 考えていること・考えてきたこと
マーケティング・チャンネル戦略.
サービスとホスピタリティの マーケティング
Presentation transcript:

広報・PR論入門 -岐阜大学をケーススタディに- 第2回 広報・PRの基礎理論 (2011.4.18) 担当:野原仁(地域科学部)

本日の内容 広報・PRの基本用語・基礎理論を学ぶ

一般的な「広報」のイメージは? 会社などの宣伝をすること 自治体などが、住民に情報を伝えること その他

広報の定義① 政府・自治体・企業・諸団体・個人が、自らと利害関係者(ステークホルダー)や包括的概念としての市民社会との間で、双方向のコミュニケーションをはかり、相互理解に努めることによって、良好な関係を構築する活動の総過程である

広報の定義② 日常生活では、「広(く)報」じるという情報伝達活動のみを意味することが多いが、学問上は「広(く)聴」くという情報受容活動も含むことに注意する必要がある。 広報の最終的な目的は、ステークホルダーに情報を伝達することではなく、相互の信頼関係を築くことである。

学説の主流は、広報=PR(PRの訳語が広報)という捉え方である。 広報とPRの関係 学説の主流は、広報=PR(PRの訳語が広報)という捉え方である。 後述する宣伝とPRは異なる概念である。 PRとは、Public Relationsの略である。

広告の定義 政府・自治体・企業・諸団体・個人が、不特定多数の対象者に、利潤の獲得を目的として、自らが関与するサービス・製品・主張などを伝達し、説得する活動およびそのための表現物である。 Advertising, Advertisementの訳語である。

宣伝の定義 実生活上は、広告や広報・PRと同義で用いられることが多い。 学説上は、Propagandaの訳語であり、特定の政治目的に従って、個人・集団の態度と考え方に影響を与えて、自分の意図した方向に導く説得コミュニケーション活動である。

これは広報or広告or宣伝①

これは広報or広告or宣伝②

これは広報or広告or宣伝③

これは広報or広告or宣伝④

パブリシティの定義 政府・自治体・企業・諸団体・個人が、ニュースとしてマスメディアに取り上げてもらうことを目的に、自らが関与するサービス・製品などの情報を提供する活動である。 広告が有料&主体的な決定が可能なのに対して、無料&主体的な決定が不可能、などの点で異なる。

広報(PR)・広告・宣伝の関係①

広報(PR)・広告・宣伝の関係② 概念上は相互に異なるものとして規定できるが、実生活上ではそれぞれの違いが曖昧なことが多く、先述したように同義のものとして扱われることもある。 例)「原子力発電は安全です」→概念上は宣伝であるが、政府が発表する場合には「広報」の側面を持ち、また電力会社や原発関連メーカーなどにとっては、「広告」の側面を有する。

ブランドの定義 ある売り手が提供する財・サービスを、他の売り手のものと区別するための言葉・デザイン・シンボルおよびその他の特徴のこと。また、結果として消費者の中で形成される、財・サービスについてのイメージの総体

広報(PR)とブランドとの関係 広報の最大の目的=ステークホルダーとの間に良好な信頼関係を築くこと 信頼関係が構築されるために必要な前提条件=①ステークホルダーに対して、自らに関する正確で詳細な情報を伝達すること、②ステークホルダーに自らのブランドについて正確なイメージを抱いてもらうとともに、ブランドに対してより高い価値を認めてもらうこと

広報(PR)の分類①理論面 次の4つの視点から分類されることが多い。 ステークホルダー別 テーマ別 戦略・活動別 活動主体別

広報主体によってステークホルダーは異なるので、例えば岐阜大学の場合は? ステークホルダー別 広報主体によってステークホルダーは異なるので、例えば岐阜大学の場合は? 考えてみよう!

テーマ別 これも広報主体によって異なるので、たとえば岐阜大学の場合には… 入試広報 研究教育(主体・活動)広報 在学生(活動)広報 危機(リスク)広報:主体が発生させたり、抱えたりするリスクに関するもの その他(財務広報・行事広報など)

戦略・活動別 ブランドイメージ構築・向上 パブリック・アクセプタンス(広報主体の施策・行動を社会的に認めてもらうための戦略・活動) メディア対応 ロビーング(広報主体の施策・活動を普及・促進するための政治家・官僚などへの働きかけ)

主体別 政府公報 自治体広報 業界団体広報 企業広報 宗教広報 大学広報  など

広報(PR)の分類②実践面 コーポレート(事業体)PR:ブランドイメージ構築・向上、パブリック・アクセプタンス、メディア対応などの諸活動によって、事業体そのものをPRすること マーケティング(財・サービス)PR:上記の諸活動によって、事業体が提供する財・サービスをPRすること

マーケティングPRの手法 メディア・リレーションズ:メディア事業者との良好な関係を確立し、パブリシティを行うこと インベスター・リレーションズ(IR):株主・投資家に経営財務情報を適切に提供すること コミュニティ・リレーションズ:地域住民との間に良好な信頼関係を築くこと インターナル・リレーションズ:事業体構成員の満足度を高めること

クライシス・コミュニケーションズ:不祥事や災害などにおける対応と事前準備 PRイベント:セミナー・シンポジウムなどイベントの企画実施 各種PR道具の制作:HP・広報誌・ポスターなどの制作・公表

次回のテーマ ブランド論について