地球内部物理学 Physics of the Earth’s Interior

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地球内部物理学 Physics of the Earth’s Interior 北海道大学理学院 Hokkaido Univ. 地球惑星ダイナミクス講座 Earth and Planetary Dynamics 日置 幸介 Kosuke Heki へ き こうすけ heki@sci.hokudai.ac.jp

地球内部物理学 (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass 地球内部物理学          (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass   公転・ケプラー運動 Orbital motion 2. 剛体としての地球の力学 Earth as a rigid body   地球の慣性モーメントと自転 MOI and rotation 3. 極運動と自転速度変動 Polar motion and DLOD   チャンドラー運動、地球ー月の力学進化 Chandler Wobble, Earth-Moon system

4. 流体としての地球 Earth as a fluid 地球の形、地球楕円体、ジオイド   地球の形、地球楕円体、ジオイド Shape, ellipsoid, Geoid 5. 弾性体としての地球 Earth as an elastic body   地球潮汐、分潮、ラブ数 Earth tide, tidal components, Love number 6. 地球の重力とその変動 Earth’s gravity   重力異常、アイソスタシー Gravity anomaly, isostasy   

7. 現実的な地球・地球熱学 Realistic earth 粘弾性、マントル対流、プレート運動   粘弾性、マントル対流、プレート運動 viscoelasticity, mantle convection, plate motion 8. 固体地球の中の波動と振動 Wave & oscillation   地震、地球自由振動 Earthquake, Free oscillation 9. 固体地球の電磁気学 Electromagnetics   地球磁場 Geomagnetism

前回のポイント:地球の自転 自転の速度(一日の長さ) 自転軸の向き(極の位置) 地球回転変動 Today’s points : Earth rotation   自転軸の向き(極の位置) Spin axis direction (pole position)   自転の速度(一日の長さ) Spin rate (length-of-day)   地球回転変動 Changes in the Earth’s rotation

Period of ~26 kyr : one of the Milankovitch cycles ベガ Vega 北極星 Polaris 歳差 Precession 14850 2004 周期約26,000 年 Period of ~26 kyr : one of the Milankovitch cycles

回転の運動方程式 Equation of motion L= H (H=Iw) . . H 傾いたコマの歳差運動 L 傾いたコマにはHと直交するLが生じる

18.6 years component has the maximum amplitude 潮汐力の周期的変動と章動 Periodic fluctuation of tidal torque causes nutation 白道面の運動による18.6年周期が最大  18.6 years component has the maximum amplitude 回転軸が傾く向きとの幾何学的関係で半年周章動 Semi-annual nutation 太陽と地球の距離変化によって年周変動 annual nutation 同じ理屈で半月周期と一ヶ月周期 half-monthly + monthly nutation

Change in rotation /orbital motion and climate change 自転・公転の変動と気候変動 Change in rotation /orbital motion and climate change ミランコビッチ周期 Milankovitch cycles

氷河期:氷期と間氷期の繰り返し (氷河期は何千万年、氷期は何万年) Glacial age: alternation of glacials/interglacials (氷河期は何千万年、氷期は何万年) Glacial age ~ tens of Ma, glacials ~ tens of thousands years

・二万年前に最終氷期が終わり温暖化の途中 ・現在の地球はどちらかと言えば涼しい時期 ・三~四千万年前から現在に至る氷河期 ・二万年前に最終氷期が終わり温暖化の途中 ・現在の地球はどちらかと言えば涼しい時期 十度くらい? ・Glacial age since 30 - 40Ma still continues ・Current interglacial started ~20 kyr ago ・Current earth is cooler than the average

Period of ~40 kyr : One of the Milankovitch cycles 傾斜角の振動 Oscillation of the obliquity 22.5~24.5o 約4万年周期:ミランコビッチ周期の一つ Period of ~40 kyr : One of the Milankovitch cycles

Period of ~100 kyr : another Milankovitch cycle 離心率の周期的変化 Periodic change of the eccentricity 約10万年周期:ミランコビッチ周期の一つ Period of ~100 kyr : another Milankovitch cycle

Period of ~26 kyr : one of the Milankovitch cycles ベガ Vega 北極星 Polaris 歳差 Precession 14850 2004 周期約26,000 年: ミランコビッチ周期の一つ Period of ~26 kyr : one of the Milankovitch cycles

Three kinds of earth rotation variation 三種類の地球回転変動 Three kinds of earth rotation variation 1.歳差・章動 precession nutation 天の極の動き Motion of celestial pole 2.極運動 Polar motion 地球の極の動き Motion of terrestrial pole 3.自転速度変動 Spin rate change 一日の長さの変化 Change in LOD

Earth, a wonder planet 2003年制作 2004年5月TV放映 科学技術映像祭 文部科学大臣賞 TEPIAハイテクビデオコンクール 最優秀作品賞・日本経済団体連合会会長賞 日本産業映画ビデオコンクール 文部科学大臣賞

キネマ旬報 平成十六年七月上旬号

通常の状態:AとBで星の高さは同じ A B A B 半日後

歳差・章動:AとBで星の高さは同じだけ変化 半日後 歳差の発見:Hipparchus [BC150] 章動の発見:Bradley [1728]

極運動:AとBで星の高さの変化は異なる (緯度変化) 半日後 極運動の予言: Euler [1756] 極運動の発見: Küstner & Chandler [late 19C]

チャンドラー極運動と年周極運動

運動方程式 Equation of motion 歳差章動と極運動の違い: Difference between precession/nutation and polar motion 運動方程式 Equation of motion L= H (H=Iw) . 歳差章動 Precession, nutation Lがωを変える Actual L makes changes in w 極運動 Polar motion   Lなし. Iの変化がωを変える No L. Changes in I change w  

L = H . L = H - Hxw 地球固定座標で見ると Fix the coordinates to the Earth 遠心力やコリオリ力が入る Centrifugal/Coriolis's forces 回転の運動方程式 (慣性系) Equation of motion (inertial) Eulerの運動方程式 (地球固定座標) Euler’s equation of motion (earth-fixed coord.) L = H - Hxw . L = H 見かけのトルク(遠心力トルク) 見かけのトルクで見かけの軸の動きが起こる

極運動 Polar motion . L=H- Hxw . H=Hxw H x w = I w x w 外力トルク(L)ゼロだと みかけの遠心力トルクが地球に対して角運動量を変える 遠心力トルクは角運動量と角速度の外積 角速度ベクトルが行列Iの固有ベクトルならゼロ H x w = I w x w

Because the Earth is an oblate spheroid Moment of inertia (tensor) Diagonal components only by taking the principal axes 対角成分が慣性モーメント Diagonal components are the MOI C A 0 0 I = 0 B 0 0 0 C A B 地球は扁平だから Because the Earth is an oblate spheroid A = B < C

角速度ベクトル w ほぼz成分から成る wx w = wy w wz w wz wx wy Angular velocity vector wx  0, wy  0 wz wx w = wy wz z y x w w wz wx wy wy wx

H x w (= I w x w)はどんな時にゼロでないか? (角運動量と角速度の向きはどんな時にずれるか?) 自転軸が主軸に一致してたらH x wはゼロ w = 0 wz I w = 0 Cwz A 0 0 I = 0 B 0 0 0 C 自転軸が主軸からずれてたらH x wは有限 wx w = wy wz Awx I w = Bwy Cwz

動くのは角速度ベクトルではなく地球の主軸 H x w (= I w x w)はどんな時にゼロでなくなるか? 遠心力トルクはゼロ 自転軸が傾いて遠心力トルクが生じる w w これは実際にはあり得ない 動くのは角速度ベクトルではなく地球の主軸

地球上の質量移動が極運動を励起 遠心力トルクはゼロ 遠心力トルクが生じて極運動始まる w w 質量移動後の地球の主軸

極運動の研究の意義 大気海洋の動態 質量項と運動項 2. 未知の励起源 地震、陸水、GIA 3. Chandler運動の周期やQ GRACEに押され気味

Polar wander in geological timescales Add mass to mid-latitude 地質学的な時間スケールでの極移動 Polar wander in geological timescales

真の極移動 (True Polar Wander) 大陸毎の古地磁気極の軌跡 Trace of paleomagnetic poles from individual continents

Three kinds of earth rotation variation 三種類の地球回転変動 Three kinds of earth rotation variation 1.歳差・章動 precession nutation 天の極の動き Motion of celestial pole 2.極運動 Polar motion 地球の極の動き Motion of terrestrial pole 3.自転速度変動 Spin rate change 一日の長さの変化 Change in LOD

F = p p = mv p p m減少によるv増加 これはあり得ないが、慣性モーメントは減少できる

L = H LがゼロならHは一定 (角運動量保存則) H = Iw I小だからw大 I大だからw小

地球の回転変動  3. 自転速度変動 Change in earth rotation Spin rate change

k 風 wind 「不思議の星地球」より

どの部分が風と角運動量を交換しているのか? Which part exchanges angular momentum with atmosphere? 外核 Outer core (流体)(Fluid) 内核 inner core 地殻 crust マントル mantle 流体核が参加しているか否かで外核の粘性 Behavior of the outer core reflects the outer core viscosity

潮汐力と海洋潮汐 Tidal force and ocean tide

Delay of ocean tide and evolution of the Earth-Moon system 潮汐の遅れと地球ー月系の進化 Delay of ocean tide and evolution of the Earth-Moon system

自転を止めてみた潮汐(理想) Movement w.r.t. the Earth (ideal) 海は、月について行くのが大変 Ocean have to chase the Moon

自転を止めてみた潮汐(現実) Movement w.r.t. the Earth (real) 海が月に追いつけなくて遅れる Ocean cannot catch up with the Moon (delayed)

Tidal friction and the Earth-Moon system 潮汐摩擦と地球ー月系の進化 Tidal friction and the Earth-Moon system 理想 ideal 角運動量保存のため 月が遠ざかる The Moon goes away to conserve angular momentum 現実 realistic トルクが自転を減速 Torque brakes the spin

Acceleration in the orbit 軌道での加速とその結果 Acceleration in the orbit

月レーザ測距 (Lunar Laser Ranging) 月が毎年4 cm 程、遠ざかることが確認されている LLR showed that the Moon is getting farther by 4 cm/year 地球からのレーザパルスの往復時間を観測 Measure the round-trip time of a laser pulse アポロ計画で月面に設置された反射板 Reflectors on the Moon

Earth-moon distance was 1/20 45億年前の潮汐は今の8000倍 (自転の遠心力は25倍) 4.5 byr ago: Tide ~8000 times stronger Centrifugal force ~25 times stronger 過去(~ 45 億年前) Past (4.5 byr ago)   現在 Now 1 day = 24 hours 1 day = 5 hours 20,000 km 380,000 km 月ー地球の距離は1/20 Earth-moon distance was 1/20

潮の干満 Ocean tide

分離・飛び出し(親子説:片親)Daughter 月はどうしてできた? How was the Moon formed? 一緒に育つ(兄弟説)Brother 巨大衝突 (親子説:両親)Giant impact  捕獲 Stranger (他人説) 分離・飛び出し(親子説:片親)Daughter

Moon: Too large for the Earth ~10,000 km ~2,700 km 重さ 80 : 1 (mass) 月:大きすぎる衛星 Moon: Too large for the Earth

重さ 80 : 1 重さ 50000000 : 1 重さ 4000 : 1 地球 The Earth 火星 Mars 月 The Moon 重さ 80 : 1 mass 火星 Mars フォボス、ダイモス Two moons of Mars 重さ 50000000 : 1 mass タイタン Titan (太陽系最大級) 重さ 4000 : 1 mass

そうだったのか地球の形 The Shape of the Earth This is it ! !

地球内部物理学 (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass 地球内部物理学          (宇宙測地学研究室 日置) 1. 質点としての地球の力学 Earth as a point mass   公転・ケプラー運動 Orbital motion 2. 剛体としての地球の力学 Earth as a rigid body   地球の慣性モーメントと自転 MOI and rotation 3. 極運動と自転速度変動 Polar motion and DLOD   チャンドラー運動、地球ー月の力学進化 Chandler Wobble, Earth-Moon system

4. 流体としての地球 Earth as a fluid 地球の形、地球楕円体、ジオイド   地球の形、地球楕円体、ジオイド Shape, ellipsoid, Geoid 5. 弾性体としての地球 Earth as an elastic body   地球潮汐、分潮、ラブ数 Earth tide, tidal components, Love number 6. 地球の重力とその変動 Earth’s gravity   重力異常、アイソスタシー Gravity anomaly, isostasy   

7. 現実的な地球・地球熱学 Realistic earth 粘弾性、マントル対流、プレート運動   粘弾性、マントル対流、プレート運動 viscoelasticity, mantle convection, plate motion 8. 固体地球の中の波動と振動 Wave and oscillation   地震、地球自由振動 Earthquake, Free oscillation 9. 固体地球の電磁気学 Electromagnetics   地球磁場 Geomagnetism

どうしてですか? そもそも地球の形って何ですか?

等ポテンシャル面の一つを地球や月の形として定義 (表面だけでなく内面も反映した「形」) ジオイド (Geoid) = 地球のようなもの セレノイド (Selenoid) = 月のようなもの 水を張った時の水面の形 (地球では海面の形) 参考:アンドロイド = 人のようなもの

地球や月の形 1. 大局的な形 Overall shape 2. 不規則な凹凸 Random undulations 球 sphere shape of the Earth and the Moon 1. 大局的な形 Overall shape 球 sphere 金星 venus 地球 the earth 回転楕円体 ellipsoid 三軸不等楕円体 triaxial ellipsoid 月 the moon 2. 不規則な凹凸 Random undulations 大きな天体で小さい smaller for larger body

朝日選書 1260円 ジオイド高の分布

日本列島のジオイド Geoid in Japan From Modern Geodesy, GSJ (1994) From Is the Earth really round?, GSJ (2004)

月の方がでこぼこ 月の等ポテンシャル面 Selenoid (SGM100h) 地球の等ポテンシャル面 Geoid (GRACE 360次) Selenoid is more irregular

大きいほど丸い A large body is rounder Itokawa Gaspra Eros Vesta ~250 km 0.5 km long Gaspra 19 x 12 x 11 km Eros 30 km long Ida 56 km long

どれくらい小さい星まで丸い? The smallest “round” body

Itokawa 0.5 km 234 km Ida 265 km 50 km Vesta (一番小さな丸い星?)