共同利用自転車の利用促進に着目した交通手段選択モデル

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共同利用自転車の利用促進に着目した交通手段選択モデル M1 荒木正登 石川瞬 王雅楠 川杉尚之 耿爽

背景と目的① 今日,市街地での交通渋滞が問題となっている 自動車の分担率を減らしたい! そのためには… 自動車の利用抑制 図-1 平日の交通手段分担率 今日,市街地での交通渋滞が問題となっている  自動車の分担率を減らしたい! そのためには… 自動車の利用抑制 例)課金政策⇒自動車利用者の抵抗 鉄道などの公共交通機関の利用促進 例)運賃値下げ⇒限界がある ここで…  平日に比べ,休日の自動車に対する鉄道分担率が小さい事がわかる 図-2 休日の交通手段分担率

背景と目的② 休日の自由トリップが多い ⇒通勤や業務のある平日に比べ,時間の制約が少ない 手段変更が行いやすい そこで…  休日のトリップ目的に着目  休日の自由トリップが多い ⇒通勤や業務のある平日に比べ,時間の制約が少ない  手段変更が行いやすい  そこで…  鉄道のアクセス・イグレス時間を短縮させる事が考えられる  ライド&バイクの導入 図-3 平日の目的トリップ別分布  図-4 休日の目的トリップ別分布 

背景と目的③ ヨコチャリ ライド&バイクの促進のために… 共同利用自転車の利用促進   共同利用自転車の利用促進 現在,行われている共同利用自転車として,ハマチャリというものが存在する しかし… 観光目的⇒ステーションが少ないため,鉄道とのアクセスが… 利用料金が高い(実質料金一日800円) ⇒ ライド&バイクには向いてない 最近,名古屋では名チャリという社会実験が行われていた 豊富なステーション数により,鉄道とのアクセスがよい 利用料金が安い(一ヶ月1000円) 出典:ハマスポ.com ヨコチャリ ハマチャリならぬ,

基礎集計 ※ 休日の鉄道への転換が可能な自動車利用者のデータを使用 ※ 休日の鉄道への転換が可能な自動車利用者のデータを使用 図-5 出発地ゾーン毎の目的トリップ別分布 図-6 到着地ゾーン毎の目的トリップ別分布 トリップ数 トリップ数 トリップ数が多い神奈川区、西区、中区(対象ゾーン)にステーションを配置する

モデルの定式化 効用関数 選択確率 徒歩 バス 鉄道 自動車 自転車

推定結果 使用データ… 休日データのうち、出発地、または到着地に対象ゾーンが含まれる 鉄道に代替可能 帰宅トリップを除く 帰宅トリップを除く         鉄道の定数項が有意でない  ⇒徒歩で行くのと同じ感覚で鉄道を使う傾向にある 料金の推定値が正である  ⇒多少運賃がかかっても、あまり気にせずに気軽に鉄道を使う傾向にある ゾーン内自宅ダミーが正に有意  ⇒自宅がゾーン内にある人は自家用車を使いやすい傾向にある 表-1 モデルの推定結果 変数 推定値 t値 定数項(鉄道) -0.316 -0.4 定数項(バス) -2.70 -3.4 * 定数項(自動車) -3.17 -3.6 定数項(自転車) -1.04 -2.7 所要時間(100分) -0.106 -4.4 料金(1000円) 0.00482 1.9 アクセス・イグレス時間 -0.162 -3.9 ゾーン内自宅ダミー 1.90 2.5 サンプル数 99 決定係数 0.323 修正済み決定係数 0.279 5%有意(1.98)

政策分析 対象ゾーンにヨコチャリを導入 アクセス・イグレス距離 5km/h(徒歩) ⇒ 12㎞/h(自転車)  アクセス・イグレス距離 5km/h(徒歩) ⇒ 12㎞/h(自転車) 図-7 横チャリ導入による交通手段分担率の変化  鉄道の分担率が増加し、自動車の分担率が減少

課題 ヨコチャリの利用料金を変化させて分析することも試みたが、交通手段選択モデルの料金の推定値が正になってしまい、うまく分析することができなかったため、利用料金を取らない仮定で分析した 本来ならヨコチャリを代表交通手段が自転車であるトリップにも使用できるように分析する必要がある 鉄道の分担率のみが増加して、ほかの交通手段の分担率が減少しているため、できるだけ自動車の分担率のみを減少させられるようなモデルを構築する必要がある