平成23年12月22日(木) No.9 東京工科大学 担当:亀田弘之

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数理統計学 西 山. 前回のポイント<ルート N の法則> 1. データ(サンプル)の合計値 正規分布をあてはめる ルート N をかけて標準偏差を求める 2. データ(サンプル)の平均値 正規分布を当てはめる 定理8がポイント ルート N で割って標準偏差を求める.
統計解析第 11 回 第 15 章 有意性検定. 今日学ぶこと 仮説の設定 – 帰無仮説、対立仮説 検定 – 棄却域、有意水準 – 片側検定、両側検定 過誤 – 第 1 種の過誤、第 2 種の過誤、検出力.
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数理統計学 西 山. 推定には手順がある 信頼係数を決める 標準誤差を求める ← 定理8 標準値の何倍の誤差を考慮するか  95 %信頼区間なら、概ね ±2 以内  68 %信頼区間なら、標準誤差以 内 教科書: 151 ~ 156 ペー ジ.
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市場調査の手順 問題の設定 調査方法の決定 データ収集方法の決定 データ収集の実行 データ分析と解釈 データ入力 データ分析 報告書の作成.
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繰り返しのない二元配置の分散分析 データの値は,それぞれ偶然誤差による変動と処理の効果による変動とが重なってできている.
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平成23年12月22日(木) No.9 東京工科大学 担当:亀田弘之 確率と統計 平成23年12月22日(木) No.9 東京工科大学 担当:亀田弘之

このあたりの話は、とにかく“習うより慣れよ”です。 一に練習、二に練習です。 いろいろな検定 今日は、前回の知識を元に幾つかの代表的かつ 実用的な検定方法を紹介します。 覚えて、どんどん使ってみましょう! このあたりの話は、とにかく“習うより慣れよ”です。 一に練習、二に練習です。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) その前に確認事項等を少々... 本講義は試験をしません(確認事項)。 レポート課題で採点をします(確認事項)。 レポート課題は既に3つ出されています。 後1回レポートを予定しています。 次回は1月16日です。 補講は1月18日(水)の1限と2限(KE403)です。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 適合性の検定 問題:メンデルの遺伝法則によれば、ある交配の結果は赤、黒、白の割合が 9:3:4 になるという。実験でそれぞれの色が70個、36個、38個得られたとする。この実験結果は、メンデルの遺伝法則に当てはまっているか? Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) χ2検定 適用分野:適合性の検定 方法: 仮説H0の設定 有意水準の設定 (以下の話しでは5%とする) 自由度φの計算 (φ = n-1 ) χ2分布の表からχ20を求める。 χ2=Σ{ (測定値 - 理論値)2/ 理論値 } を計算 χ2 > χ20 ならば、仮説をH0棄却する。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) χ2検定 適用分野:適合性の検定 方法: 仮説H0の設定 有意水準の設定 (以下の話しでは5%とする) 自由度φの計算 (φ = n-1 ) χ2分布の表(教科書298頁)からχ20を求める。 χ2=Σ{ (測定値 - 理論値)2/ 理論値 } を計算 χ2 > χ20 ならば、仮説をH0棄却する。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) もっと分かりやすい例での説明 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) サイコロの例 問題:1つのサイコロを60回振った結果が、以下のようになった。このサイコロは正しく作られているか? 目 1 2 3 4 5 6 計 実験値 15 7 11 17 60 理論値 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) サイコロの例 問題:1つのサイコロを60回振った結果が、以下のようになった。このサイコロは正しく作られているか? 仮説H0:各目の出る確率は1/6 目 1 2 3 4 5 6 計 実験値 15 7 11 17 60 理論値 10 自由度φ= 6 – 1 = 5 有意水準5% Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) χ2分布表の見方 いま、 したがって、…(黒板で説明) χ20 = 11.07 自由度φ= 6 – 1 = 5 有意水準5% Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) (参考資料) χ2分布の数表 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) χ2 = (15-10)2/10 + (7-10)2/10 + (4-10)2/10 + (11-10)2/10 + (6-10)2/10 + (17-10)2/10 = 13.6 目 1 2 3 4 5 6 計 実験値 15 7 11 17 60 理論値 10 χ2 = 13.6 > 11.07 => 仮説は棄却する。結論: 正しく作られていない。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 同じ考えでやってみよう! 検定対象: メンデルの法則は本当に成り立つのか? Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 適合度の検定(再) 問題:メンデル( Gregor Johann Mendel )の遺伝法則によれば、ある交配の結果は赤、黒、白の割合が 9:3:4 になるという。実験でそれぞれの色が70個、36個、38個得られたとする。 さて、この実験結果は、メンデルの遺伝法則に当てはまっているか? Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) データの整理・分析 赤 黒 白 合計 理論値比 9 3 4 16 測定値x 70 36 38 144 理論値e 144 *9/16 =81 144*3 / 16 =27 144*4 / 16 =36 (X-e)2 / e 121 / 81 81 / 27 4 / 36 4.60 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 自由度φ=3 ー 1=2 有意水準5% χ2分布の表(教科書p.298)より、 χ2=4.60 < χ20= 5.99   (注)自由度と有意水準とからχ20値を調べる。 結論:仮説は棄却されない。 (メンデルの法則が成り立たつことを  疑う理由はない。) Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) ここまで、何か 質問ありますか? Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 統計の例(これを検定してみよう!) タバコと肺がん        肺がん患者    正 常 喫煙者    60         32 非喫煙者   3          11 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) データの整理・分析 肺ガン患者 正常 合計 喫煙者 60 32 92 非喫煙者 3 11 14 63 43 106 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 肺ガン患者 正常 合計 喫煙者 60 63*92/106 32 43*92/106 92 非喫煙者 3 63*14/106 11 43*14/106 14 63 43 106 測定値 理論値 2×2の表の場合には自由度は常にφ=1 χ20 = 3.84 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 肺カン患者 正常 合計 喫煙者 A (A+C)*(A+B)/F B (B+D)*(A+B)/F A+B 非喫煙者 C (A+C)*(C+D)/F D (B+D)*(C+D)/F C+D A+C B+D A+B+C+D =F Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) χ2 = (A ー(A+C)*(A+B)/F)2 / {(A+C)*(A+B)/F)} + … χ2 =9.66 > χ20 = 3.84 => 結果:棄却 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 他の測定値 検定してみよう! 重度の  非喫煙者 喫煙者 合計 患者 非患者  30      70  54     246 100 300  84     316 400 以上の表の解析は、分割表の検定ともいう Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)

Probability and Statistics (Tokyo University of Technology) 注意事項 今回の統計的検定だけから拙速に結論を出してはいけません。さまざまな検討が必要です。 Probability and Statistics (Tokyo University of Technology)