サービス管理責任者等研修テキスト 講  義    「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者> 平成29年12月7日.

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1.現 状 ○ 発達障害は、人口に占める割合は高いにもかかわらず、法制度もなく、制 度の谷間になっており、従来の施策では十分な対応がなされていない ○ 発達障害に関する専門家は少なく、地域における関係者の連携も不十分で 支援体制が整っていない ○ 家族は、地域での支援がなく大きな不安を抱えている 2.発達障害者支援法のねらい.
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サービス管理責任者等研修テキスト 講  義    「アセスメントと        支援提供の基本姿勢」 <児童発達支援管理責任者> 平成29年12月7日

1.児童発達支援管理管責任者に係る 事業概要 1.児童発達支援管理管責任者に係る 事業概要     厚生労働省 社会援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室

(1)研修目標の確認  児童発達支援管理責任者の役割を理解する。   ・アセスメント(ニーズの把握)と課題の整理   ・個別支援計画の作成とプロセス管理(モニタリング、 計画修正)   ・終了後を意識した取り組み(関係機関との連携)等について演習を行いながら理解するとともに、 「模擬支援会議」等を通じて、会議運営や児童の支援に従 事する職員に対する指導・助言等についても理解する。

(2)児童発達支援管理責任者の役割 発達状況、心理状態を踏まえた上で、的確にニーズを把握する。 アセスメント全体を把握した上で、最終ゴールを想定することが重要。 情報が少ない場合こそ、あらゆる可能性を視野に入れることが重要。 障害のある子どもや家族が、まだ具体化できていないニーズを推測する。(真の ニーズを把握することが重要。) 利用者の真のニーズを含めた個別支援計画を策定し、支援プロセスの全体を 管理する。 個別支援計画の策定に当たっては、訓練担当職員、保育士等のチームで取り 組むよう、支援会議を開催し意見調整の上、方針の統一を図る。 地域の社会資源を理解し関係機関と連携調整を行う。 以上の支援全般に渡って、児童の支援に従事する職員に対し、適宜、指導・助 言を行う。

(3)児童発達支援管理責任者研修のポイント 【児童福祉法に関する知識】 ○ 平成24年4月以降の児童分野の制度改革について認識を深め、障害種別の一元化への対応の他、保育所等訪問支援などの地域生活支援、障害児相談支援事業との連携について認識を深める。 【アセスメント、支援等に関する知識】 ○ 適切な発達支援を行うために必要な発達評価(成育歴を含む)について認識を深める必要がある。 また、増加する発達障害児の療育ニーズに対応できるよう発達障害のアセスメント、支援等につい て、事例を通じながら認識を深める必要がある。  → 発達の評価方法、活用等について理解を 深める。 【発達支援・家族支援・地域支援】 ○ 療育は、子どもの発達支援だけでなく家族支援、地域(生活)支援も重要である。障害受容等保護者の心情に寄り添ったサポート、子どもや家庭のある地域資源へ支援について認識を深める必要がある。  → 障害受容など家族の心理機制について学習するとともに、家族のエンパワメント支援について理解を深める。また、地域支援の支援も押さえる。の3視点を押さえる。 【関係機関との連携】 ○ 児童期は、短期間でライフステージが交代し、関係機関も多岐にわたる。切れ目のない継続的な支援を行うためには、相談支援専門員をはじめ医療・保健・教育などの多くの関係機関との連携が必要である。  → 切れ目のない継続した支援の必要について、理解を深める。また、連携のカギとなる個別支援会議(移行会議等)の開催・運営について認識を深める。また、地域の発達支援システム構築について検討する自立支援協議会への参画の重要性について認識を深める。 ○ 必要に応じて、児童相談所との連携が必要である。 → 被虐待児童の支援に当たって共通認識を持って児童の権利擁護を図ることの重要性について理解を深める。

障害児支援の強化~児童福祉法改正のポイント~ (4)障害児支援の概要・最近の動向 障害児支援の強化~児童福祉法改正のポイント~ ○ 障害のある児童が身近な地域で適切な支援が受けられるようにするとともに、併せて、年齢や障害特性に   応じた専門的な支援が提供されるよう質の確保を図る。 ■障害児施設の一元化 障害種別で分かれている現行の障害児施設を、通所による支援を「障害児通所支援(児童発達支援等)」、入所による支援を「障害児入所支援(障害児入所施設)」にそれぞれ一元化 ■障害児通所支援の実施主体を市町村へ移行 通所サービスの実施主体は身近な市町村に変更。これにより障害者自立支援法の居宅サービスと通所サービスの一体的な提供が可能。 ■放課後等デイサービス、保育所等訪問支援の創設 学齢児を対象としたサービスを創設し、放課後支援を充実。また、障害があっても保育所等の利用ができるよう訪問サービスを創設。 ■在園期間の延長措置の見直し 18歳以上の障害児施設入所者に対し障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを提供し、年齢に応じた適切な支援を提供。               *現に入所していた者が退所させられないようにする。

平成24年度の児童福祉法改正による障害児施設・事業の一元化  障害児支援の制度  平成24年度の児童福祉法改正による障害児施設・事業の一元化  ○  障害児支援の強化を図るため、従来の障害種別で分かれていた施設体系について、通所・入所の利用形態の別により一元化。 << 障害者自立支援法 >> 【市町村】 【市町村】 << 児童福祉法 >>    児童デイサービス 障害児通所支援    ・児童発達支援    ・医療型児童発達支援    ・放課後等デイサービス    ・保育所等訪問支援 << 児童福祉法 >>  【都道府県】 通所サービス    知的障害児通園施設    難聴幼児通園施設    肢体不自由児通園施設(医) 重症心身障害児(者)通園事業(補助事業)    知的障害児施設    第一種自閉症児施設(医)    第二種自閉症児施設  【都道府県】 入所サービス  障害児入所支援     ・福祉型障害児入所施設     ・医療型障害児入所施設    盲児施設    ろうあ児施設    肢体不自由児施設(医)    肢体不自由児療護施設    重症心身障害児施設(医) (医)とあるのは医療の提供を行っているもの

障害児が利用可能な支援の体系 サービス名 障害者総合支援法 利用児童数 9,267 19,324 2,627 7,242 1,521 9      障害児が利用可能な支援の体系 (注)利用者数及び施設・事業所数は平成28年3月現在の国保連データ サービス名 障害者総合支援法 利用児童数 施設・事業所数 9,267 19,324 2,627 7,242 1,521 9 4,174 156 6,063 訪 問 系 居宅介護(ホームヘルプ) 自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う 同行援護  重度の視覚障害のある人が外出する時、必要な情報提供や介護を行う 行動援護 自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行う 重度障害者等包括支援 介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行う 活動系 日中   短期入所(ショートステイ) 自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う 児童発達支援 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を行う。 児童福祉法 83,678 3,931 2,611 99 2,358 1,731 2,118 412 190 186 120,052 7,835 障害児通所系 医療型児童発達支援 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、 集団生活への適応訓練などの支援及び治療を行う。 放課後等デイサービス 授業の終了後又は休校日に、児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力向上のための必要な訓練、社会との交流促進などの支援を行う 保育所等訪問支援 保育所等を訪問し、障害児に対して、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援などを行う。 障害児入所系 福祉型障害児入所施設 施設に入所している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与を行う。 医療型障害児入所施設 施設に入所又は指定医療機関に入院している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与並びに治療を行う。 計画相談支援 【サービス利用支援】  ・サービス申請に係る支給決定前にサービス等利用計画案を作成  ・支給決定後、事業者等と連絡調整等を行い、サービス等利用計画を作成 【継続利用支援】  ・サービス等の利用状況等の検証(モニタリング)  ・事業所等と連絡調整、必要に応じて新たな支給決定等に係る申請の勧奨 児福法 36,503 1,047 3,381 6,966 支援法 相談支援系 障害児相談支援 【障害児利用援助】  ・障害児通所支援の申請に係る給付決定の前に利用計画案を作成  ・給付決定後、事業者等と連絡調整等を行うとともに利用計画を作成 【継続障害児支援利用援助】

障害児支援の体系①~児童発達支援~ 児童発達 支援センター 医療機能 ○事業の概要 ○ 対象児童 ○ 提供するサービス ・ 日常生活の基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行う(通所) ・ 事業の担い手   ①児童発達支援センター(児童福祉法第43条)     通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行うとともに、その有する専門機能を活かし、地域の障害児やそ    の家族の相談支援、障害児を預かる施設への援助・助言を行う。(地域の中核的な支援施設)   ②それ以外の事業所     もっぱら、通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行う。 ○ 対象児童  集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる未就学の障害児 ○ 提供するサービス 児童発達 支援センター                        身近な地域における通所支援   通所利用障害児への療育やその家族 に対する支援 ◇ センターは3障害に総合的に対応することが望ましいが、専門機能に特化したものも可   例 知的障害、難聴、肢体       不自由、重症心身障害、       発達障害等 保育所等訪問支援などの実施 相談支援   障害児支援利用計画の作成 児童発達支援 地域支援 【ワンストップ対応】 医療機能 利用者の利便性を考慮  ◆ センターで行う地域支援(相談    支援等)は3障害対応を基本  ◆対応困難な場合は、適切な機    関等を紹介・あっせん 児童発達 支援事業 ※医療型の場合

障害児支援の体系②~放課後等デイサービス~ ○ 事業の概要 ・ 学校通学中の障害児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上の ための訓練等を継続的に提供することにより、学校教育と相まって障害児の自立を促進するとと もに、放課後等の居場所づくりを推進。 ○ 対象児童 ○ 利用定員   学校教育法に規定する学校(幼稚園、大学を除く)に就学している障害児     (*引き続き、放課後等デイサービスを受けなければその福祉を損なうおそれが        あると認めるときは満20歳に達するまで利用することが可能)  10人以上 D特別支援学校 A特別支援学校 ○ 提供するサービス ◆  学校授業終了後又は休業日において、生活 能力の向上のために必要な訓練、社会との交   流の促進等      ①自立した日常生活を営むために必要な訓練         ②創作的活動、作業活動      ③地域交流の機会の提供 ④余暇の提供 ◆ 学校との連携・協働による支援(学校と放課後等デイサービスのサービスの一貫性) 放課後等デイサービス 事業所 ◎放課後利用 ◎夏休み等の長期休暇利用  ・ 午前・午後クラスなど、プロ    グラムの工夫 ◎学校と事業所間の送迎 C中学校 B小学校

障害児支援の体系③~保育所等訪問支援~ ・ 保育所等を現在利用中の障害児、又は今後利用する予定の障害児が、保育所等における集 ○ 事業の概要 ・ 保育所等を現在利用中の障害児、又は今後利用する予定の障害児が、保育所等における集 団生活の適応のための専門的な支援を必要とする場合に、訪問支援を実施することにより、保育所等の安定した利用を促進。 ○ 対象児童   保育所や、児童が集団生活を営む施設に通う障害児         *「集団生活への適応度」から支援の必要性を判断               *発達障害児、その他の気になる児童を対象       相談支援事業や、スタッフ支援を行う障害児等療育支援事業等の役割が重要 ○ 訪問先の範囲 A幼稚園 ・ 保育所、幼稚園、認定こども園 ・ 小学校、特別支援学校 ・ その他児童が集団生活を営む施設として、地方自治体が認めたもの 集団生活への 適応支援 集団生活への 適応支援 A保育所 児童発達支援センター           事業 集団生活への 適応支援 保育所等訪問支援 B幼稚園 B保育所 集団生活への 適応支援 ○ 提供するサービス ◆ 障害児が集団生活を営む施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な 支援等                   ①障害児本人に対する支援(集団生活適応のための訓練等)                                   ②訪問先施設のスタッフに対する支援(支援方法等の指導等) ◆ 支援は2週に1回程度を目安。障害児の状況、時期によって頻度は変化。 ◆ 訪問支援員は、障害児施設で障害児に対する指導経験のある児童指導員・保育士(障害の特性に応じ専門的な支援が 必要な場合は、専門職)を想定。

障害児支援の体系④~障害児入所支援~ 1.対象者 2.様々な障害や重複障害等に対応 3.18歳以上の障害児施設入所者への対応 ○ 平成23年度まで各障害別に分かれていた障害児入所施設については、平成24年度から「障害児入所 施設」として一元化し、重複障害等への対応の強化を図るとともに、自立に向けた計画的な支援を提供。 ○ 従来の事業形態等を踏まえて、①福祉型障害児入所施設、②医療を併せて提供する医療型障害児入所  施設の2類型。 1.対象者 ・ 身体に障害のある児童、知的障害のある児童又は精神に障害のある児童(発達障害児を含む)     *手帳の有無は問わず、児童相談所、医師等により療育の必要性が認められた児童も対象     *3障害対応を原則とするが、障害の特性に応じた支援の提供も可能(ただし、医療型の対象は、知的障害児、肢体不自由児、重症心身障害児) 2.様々な障害や重複障害等に対応 ・ 「障害児入所施設」として一元化される前の障害種別の施設と同等の支援を確保するとともに、主たる対象とする障害児  以外の障害児を受け入れた場合に、その障害に応じた適切な支援を提供。 ・ 18歳以上の障害児施設入所者は、障害者施策(障害者総合支援法の障害福祉サービス)で対応することを踏まえ、自  立(地域生活への移行等)を目指した支援を提供。 3.18歳以上の障害児施設入所者への対応 ・  障害者総合支援法の障害福祉サービスにより年齢に応じた適切な支援を提供。    *引き続き、入所支援を受けなければその福祉を損なうおそれがあると認めるときは、満20歳に達するまで利用することが可能。

            平成26年7月16日 障害児支援の在り方に関する検討会    今後の障害児支援の在り方について   ~「発達支援」が必要な子どもの支援はどうあるべきか~              (報告書のポイント) 基本理念 ○ 地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進と合理的配慮 ○ 障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するため    の後方支援としての専門的役割の発揮 障害児本人の最善の利益の保障 家族支援の重視 地 域 に お け る 「縦 横 連 携」 の 推 進 ○ ライフステージに応じた切れ目の無い支援(縦の連携) ○ 保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等とも連携した地域支援体制   の確立(横の連携) 相談支援の推進 支援に関する 情報の共有化 児童相談所等との 連携 支援者の専門性の向上等 

地域における「縦横連携」のイメージ 「気づきの段階」からの支援 関係者間の共通理解・情報共有 → 途切れない支援の調整 本人   (家族) 本人    (家族) 本人   (家族) 計画相談    支援 医療 就労 支援 地域保健 障害福祉                職場・地域生活 成年期 卒業 障害児 相談支援 本人 ・    家族 社会的 養 護 医療 障害児 支 援 学校保健 後方支援             学校等 学齢期 入学 本人 ・    家族 障害児 相談支援 社会的 養 護 医療 障害児 支 援 母子保健              保育所等 後方支援 乳幼児期 「気づきの段階」からの支援

<報告書提言の主な内容(1)> ① 地域における「縦横連携」を進めるための体制づくり ① 地域における「縦横連携」を進めるための体制づくり 〇 児童発達支援センターを中心とした重層的な支援体制(各センターによる   保育所等訪問支援・障害児相談支援の実施等) ○ 保育所等訪問支援等の充実、入所施設への有期・有目的入所の検討 〇 障害児相談支援の役割の拡充、ワンストップ対応を目指した   子ども・子育て支援新制度の「利用者支援事業」との連携 〇 (自立支援)協議会の活性化、支援に関する情報の共有化を目的とした   「サポートファイル」の活用 〇 障害福祉計画における障害児支援の記載義務の法定化 ② 「縦横連携」によるライフステージごとの個別の支援の充実 ○ ライフステージごとの支援(乳幼児期、小学校入学前、学齢期、卒業後) 〇 保護者の「気づき」の段階からの支援、保育所等での丁寧なフォローによる   専門的な支援へのつなぎ、障害児等療育支援事業等の活用 〇 教育支援委員会や学校等との連携、卒業後を見据えた就労移行支援事業   所等との連携

各地域の実情に応じて、関係機関の役割分担を明確にし、重層的な支援体制を構築する必要。 障害児の地域支援体制の整備の方向性のイメージ 各地域の実情に応じて、関係機関の役割分担を明確にし、重層的な支援体制を構築する必要。 都道府県 拠点病院 (子どもの心の診療ネットワーク等) ・高度な専門的支援・   バックアップ ・(自立支援)協議会 発達障害者 支援センター 児童相談所 *都道府県  指定都市  児相設置市 *都道府県  指定都市 障害保健福祉圏域 ・関係機関等と連携  協力による支援  機能の強化 ・障害児への入所  支援を提供 ・(自立支援)協議会 医療機関 ※一定程度高度な対応が可能なところ 障害児入所施設 *人口規模等に応じて各圏域   に複数の拠点が必要 保健所 児童発達支援       センター (*医療型含む) 障害児支援等の利用援助 その他の支援 集団生活への 適応等を支援 (アウトリーチ) 保育所等 訪問支援 障害児 相談支援等 市町村 域 ・障害児への通所 支援を提供 ・地域支援の提供    (保育所等訪問支援、   障害児相談支援等) ・(自立支援)協議会 直接支援 児童発達 支援事業 保育所等 障害福祉サービス 障害児・家族 学校 市町村保健センター、地域の医療機関 等 放課後等デイサービス

児童福祉法等の改正による教育と福祉の連携の一層の推進について(概要) (平成24年4月18日付厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課連名通知) ◆ 趣旨  学校と障害児通所支援を提供する事業所や障害児入所施設、居宅サービスを提供する事業所(以下「障害児通所支援事業所等」という。)が緊密な連携を図るとともに、学校等で作成する個別の教育支援計画及び個別の指導計画(以下「個別の教育支援計画等」という。)と障害児相談支援事業所で作成する障害児支援利用計画及び障害児通所支援事業所等で作成する個別支援計画(以下「障害児支援利用計画等」という。)が、個人情報に留意しつつ連携していくことが望ましい。 ◆ 留意事項 1 相談支援  障害児支援利用計画等の作成を担当する相談支援事業所と個別の教育支援計画等の作成を担当する学校等が密接に連絡調整を行い、就学前の福祉サービス利用から就学への移行、学齢期に利用する福祉サービスとの連携、さらには学校卒業に当たって地域生活に向けた福祉サービス利用への移行が円滑に進むよう、保護者の了解を得つつ、特段の配慮をお願いする。 2 障害児支援の強化 (1) 保育所等訪問支援の創設 このサービスが効果的に行われるためには、保育所等訪問支援の訪問先施設の理解と協力が不可欠であり、該当する障害児の状況の把握や支援方法等について、訪問先施設と保育所等訪問支援事業所、保護者との間で情報共有するとともに、十分調整した上で、必要な対応がなされるよう配慮をお願いする。 (2) 個別支援計画の作成     障害児通所支援事業所等の児童発達支援管理責任者と教員等が連携し、障害児通所支援等における個別支援計画と学校における個別の教育支援計画等との連携を保護者の了解を得つつ確保し、相乗的な効果が得られるよう、必要な配慮をお願いする。

障害児に対する支援に係る教育機関との連携について 事務連絡 平成2 5 年1 0 月1 8 日 各               障害児支援担当課 御中 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 障害児・発達障害者支援室障害児支援係 障害児に対する支援に係る教育機関との連携について    平素より、障害保健福祉行政の推進に、格段の御高配を賜り厚く御礼を申し上げます。    10月4日付で各都道府県・指定都市教育委員会委員長、都道府県知事等宛てに、文部科学省   初等中等教育局長通知「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について」が   通知されております。    また、同省のホームページでは「教育支援資料~障害のある子供の就学手続と早期からの一貫   した支援の充実~」が公表されております。これらの資料は、主に障害児の就学手続等について   記載されておりますが、福祉などとの連携について、その重要性に触れられている部分も多く記載   されております。    つきましては、貴都道府県市の障害児支援担当課におかれましても、これらの内容についてご  了知いただき、教育部局と連携をしながら障害児支援の施策をさらに進めていただきますよう、よろ  しくお願いいたします。    また、各都道府県におかれましては、貴管内市町村の障害児支援担当課にも周知いただきます  ようご配慮願います。   <参考:教育支援資料掲載ページ(文部科学省)>        http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250.htm    添付資料(以下略) 都道府県 指定都市 児童相談所設置市

<報告書提言の主な内容(2)> ③ 特別に配慮された支援が必要な障害児のための医療・福祉の連携 ③ 特別に配慮された支援が必要な障害児のための医療・福祉の連携 〇 福祉の専門家だけでは適切に対応できないことを念頭に置いた医療・福祉   の連携、医療機関や入所施設の専門性を活用した研修の実施 ○ 強度行動障害支援者養成研修の推進、重症心身障害児者の地域支援の   コーディネート機能を持つ中核機関の整備に向けた検討 ④ 家族支援の充実 〇 ペアレント・トレーニングの推進、精神面のケア、ケアを一時的に代行する支援、保護者の就労のための支援、家族の活動、障害児のきょうだい支援  ⑤ 個々のサービスの質のさらなる確保 〇 一元化を踏まえた職員配置等の検討、放課後等デイサービス等の障害児支   援に関するガイドラインの策定 ○ 児童養護施設等の対応を踏まえた障害児入所施設の環境改善及び措置入   所を含めた障害児入所支援の在り方の検討 → 子ども・子育て支援及び障害児支援の計画的進展のための関連部門の連携

「放課後等デイサービスガイドライン」の概要 ◆ ガイドラインの趣旨 ◆ 放課後等デイサービスの基本的役割     子どもの最善の利益の保障/共生社会の実現に向けた後方支援/保護者支援 ◆ 放課後等デイサービスの提供に当たっての基本的姿勢と基本活動     基本活動: 自立支援と日常生活の充実のための活動/創作活動/地域交流/余暇の提供 等 ◆ 事業所が適切な放課後等デイサービスを提供するために必要な組織運営管理 総則 設置者・管理者向け ガイドライン 児童発達支援管理責任者 向けガイドライン 従業者向け ガイドライン ◆ 子どものニーズに応じた適切な支援の提供と支援の質の向上 環境・体制整備/PDCAサイクルによる適切な事業所の管理 従業者等の知識・技術の向上/関係機関・団体や保護者との連携 等 ◆ 子どもと保護者に対する説明責任等 運営規程の周知/子どもと保護者に対する支援利用申込時の説明/保護者に対する相談支援等 苦情解決対応/適切な情報伝達手段の確保/地域に開かれた事業運営 等 ◆ 緊急時の対応と法令遵守等 緊急時対応/非常災害・防犯対策/虐待防止/身体拘束への対応 衛生・健康管理/安全確保/秘密保持等 等

放課後等デイサービスガイドラインに基づく自己評価等 「事業所は、本ガイドラインに基づく自己評価を実施し、その結果を事業運営に反映させ、自己評価結果については公表するよう努めるものとする。」 ○ そのためのチェックリストが必要との意見 ○ ユーザー評価にも使えるように、との意見 「事業者向け放課後等デイサービス自己評価表」と、より簡素な「保護者等向け放課後等デイサービス評価表」を作成  想定される自己評価の流れ ① 保護者へのアンケート調査 ② 事業所職員による自己評価 ③ 事業所全体としての自己評価 ④ 自己評価結果の公表 ⑤ 保護者のアンケート調査結果のフィードバック 【厚生労働省ホームページ】   トップページの分野別施策「福祉・介護 障害者福祉」→障害者福祉の「施策情報 障害児支援施策」→障害児支援施策の「3.放課後等デイサービスガイドライン」

障害者総合支援法施行3年後の見直しについて(障害児支援関係) ~社会保障審議会 障害者部会 報告書~(平成27年12月14日) (1)現状・課題 (障害児支援の現状と課題)  ○ 障害児支援については、平成24 年児童福祉法改正において、障害児や家族にとって身近な地域で必要な発達支援を受けられるよ   う、障害種別ごとに分かれていた障害児の給付体系が通所・入所の利用形態別に一元化されるとともに、放課後等デイサービスや   保育所等訪問支援が創設された。  ○ 保育所や放課後児童クラブにおける障害児の受入れについては、例えば、障害児を受け入れる放課後児童クラブに対して、専門   的知識等を有する放課後児童支援員等を配置するために必要な経費について補助を行うことなどにより、年々着実に進んでおり   (約2万8千人(平成26 年5月))、また、乳児院や児童養護施設等の児童福祉施設に入所する障害児数が増加するなど、一般   施策等における対応が拡大している。  ○ 乳児院や児童養護施設等の児童福祉施設に虐待等により入所している障害児や、重度の障害や疾病等により外出が困難であるた   めに在宅で生活する障害児に対する発達支援については、必ずしも十分に届いていない状況にあるとの指摘がある。  ○ 在宅で生活している障害児の支援については、保育等の他制度との連携や、入所支援の機能の活用についても留意する必要がある。 (医療的ケア児への支援)  ○ 医療技術の進歩等を背景として、NICU 等に長期間入院した後、人工呼吸器等を使用し、たんの吸引などの医療的ケアが必要な障   害児(医療的ケア児)が増加している。    このような医療的ケア児が在宅生活を継続していこうとする場合、障害児に関する制度の中で医療的ケア児の位置付けが明確では   ないこと等から、必要な福祉サービスが受けにくいほか、医療、福祉、教育等の関係機関との連携が十分ではないこと等から、家   庭に大きな負担がかかっているとの指摘がある。 (適切なサービスの確保と質の向上)  ○ 放課後等デイサービスについては、量的な拡大が著しく、その費用額は1,024 億円(平成26 年度)で対前年比5割近くの伸び、   その事業所数及び利用者数は対前年比で3割近くの伸びとなっており、特に営利法人が数多く参入している。    さらに、単なる居場所となっている事例や、発達支援の技術が十分ではない事業所が軽度の障害児を集めている事例があるとの指   摘がある。  ○ 障害福祉計画については、障害児支援に関するサービスの必要量の見込み等について記載するよう努めることとされている。

(2)今後の取組 (基本的な考え方)  ○ ライフステージに応じた切れ目の無い支援と保健、医療、福祉、保育、教育、就労支援等と連携した地域支援体制の構築を図る   観点から、個々の障害児やその家族の状況及びニーズに応じて、気づきの段階からきめ細かく対応するとともに、障害児支援のう   ち特に放課後等デイサービスなどの障害児通所支援の質の向上を図るため、以下のような取組を実施すべきである。 (発達支援のきめ細かな提供)  ○ 乳児院や児童養護施設等に入所している障害児に対して必要な支援を提供するため、乳児院や児童養護施設等を訪問して実施す   る発達支援を推進する方策を講じるべきである。  ○ 重度の障害等のために外出が困難な障害児に対して必要な支援を提供するため、自宅を訪問して発達支援を実施する方策を講じ   るべきである。 (医療的ケア児への支援)  ○ 重症心身障害児に当たらない医療的ケア児について、障害児に関する制度の中で明確に位置付け、必要な支援を推進すべきである。  ○ 医療的ケア児等について、医療・福祉の連携が求められる重症心身障害児等の地域支援に関するモデル事業の実施状況等も踏まえ、   その家族の負担も勘案し、医療、福祉、教育等の必要な支援を円滑に受けることができるよう、都道府県・市町村や関係機関の連   携に向けた方策や、相談支援事業所等の相談支援に早期につなげる方策を講じるべきである。 (適切なサービスの確保と質の向上)  ○ 障害児の放課後等の支援については、子ども・子育て支援施策である放課後児童クラブや教育施策である放課後子供教室等におけ   る受入れを引き続き推進すべきである。その際、保育所等訪問支援などを活用して、必要に応じて専門的なバックアップを行うべ   きである。  ○ 放課後等デイサービスなどの障害児通所支援については、発達支援を必要とする障害児のニーズに的確に対応するため、質の向上   と支援内容の適正化を図る観点から、放課後等デイサービスガイドラインの活用を徹底するとともに、発達支援等の子どもに関す   る支援の専門的な知識・経験を有する者の配置を求めるほか、障害児本人の発達支援のためのサービス提供を徹底するなど、制度   面・運用面の見直しを行うべきである。  ○ 障害児のニーズに的確に応える観点から、障害福祉サービスと同様に、都道府県・市町村において、障害児支援のニーズ等の把   握・分析等を踏まえ、障害児支援に関するサービスの必要量の見込み等について、計画に記載すべきである。

○ 放課後等デイサービス等の適切なサービスの提供について ○ 放課後等デイサービス等の適切なサービスの提供について ○ 放課後等デイサービスについては、社会保障審議会障害者部会等において、単なる居場所となっている    事例や発達支援の技術が十分ではない事業所が軽度の障害児だけを集めている事例など障害児本人に  とって適切な支援がされていないケースがあるとの指摘がある。 ○ このため、放課後等デイサービス等の障害児通所支援について、質の向上と支援内容の適正化を図る観点  から、平成28年3月に、自治体に対し、以下の留意事項通知を発出   (参考)適切とはいえない事業所の例      ・テレビを見せているだけ、ゲーム等を渡して遊ばせているだけ。      ・送迎に時間をかけ、営業時間のほとんどを車内で過ごさせる。      ・利益を上げるために必要以上の頻度で通わせる(支給決定日数の多い自治体を探して参入している)。      ・重度の障害児の受入れを実質的に拒否している(支援の不十分さを伝え保護者側から断らせる等)。      ・指導員が支援経験の無い(乏しい)バイト(非常勤職員)のみ。 「障害児通所支援の質の向上及び障害児通所給付費等の通所給付決定に係る留意事項について」   (平成28年3月7日障障発0307第1号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知) 1.障害児通所支援の質の向上に向けた留意事項について  (1)指定障害児通所支援事業者の指導の徹底について     指定障害児通所支援事業者の指導に当たっては、法及び児童福祉法に基づく指定通所支援の事業所等の人員、設備及び運営に関する      基準(平成24年厚生労働省令第15号。以下「基準省令」という。)等により行われているが、障害児通所支援のより一層の支援の質の向上    を図るため、指定障害児通所支援事業者の指定、指導監査、会議等の情報伝達の場など、あらゆる機会を通じて、特に以下の法令の規定    について指導の徹底を図られたい。    ① 指定障害児事業者等は、その提供する障害児通所支援の質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、障害児通所支援の質     の向上に努めなければならない。 (法第21条の5の17第2項)

   ② 指定児童発達支援事業者は、正当な理由がなく、指定児童発達支援の提供を拒んではならない。      (基準省令第14条。第54条の5(基準該当児童発達支援)、第64条(指定医療型発達支援)、第71条(指定放課後等デイサービス)、第71         条の4(基準該当放課後等デイサービス)及び第79条(指定保育所等訪問支援)の規定により準用する場合を含む。)    ③ 指定児童発達支援事業者は、その提供する指定児童発達支援の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。      (基準省令第26条第3項。第54条の5、第64条、第71条、第71条の4及び第79条の規定により準用する場合を含む。)  (2)放課後等デイサービスガイドラインの活用の徹底等について     指定放課後等デイサービス事業者の支援の質の向上と支援内容の適正化を図るため、以下により、放課後等デイサービスガイドライン        (以下「ガイドライン」という。)の活用の徹底等を図られたい。    ① 指定放課後等デイサービス事業者の指定、指導監査、会議等の情報伝達の場などのあらゆる機会を通じて、指定放課後等デイサービ ス事業者に対し、ガイドラインの周知徹底を図ること。その際、指定放課後等デイサービス事業者がガイドライン別添の自己評価表を活用 して適切に自己評価を行うこと、改善目標に沿って支援内容を改善すること、自己評価結果を公表すること等を促すように努めること。 ② 指定放課後等デイサービス事業者によるガイドラインの自己評価結果の公表状況の把握に努めること。 ③ 指定放課後等デイサービス事業者への指導・助言にあたっては、ガイドラインを活用すること。 2.障害児通所給付費等の通所給付決定の留意事項について 市町村による障害児通所給付費等の通所給付決定については、障害児通所給付費等の通所給付決定等について(平成24年3月30日障 発0330第14厚生労働省障害保健福祉部長通知)においてその取扱いを示しているところであるが、障害児本人の発達支援のためのサービ ス提供を徹底するため、以下のとおり平成28年4月1日以降分の障害児通所給付費等の通所給付決定における留意事項をまとめたので、適 切な運用に努めていただきたい。 ① 障害児通所支援は、障害児の心身の状況に応じ、障害児の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、適切な技術をもって指導、訓練 等を行うものである。障害児通所給付費等の通所給付決定にあたっては、障害児本人の最善の利益を図り、その健全な発達のために必 要な支援を適切に提供する観点から、支給の要否及び必要な支給量について適切に判断し、決定すること。 ② 主として障害児の家族の就労支援又は障害児を日常的に介護している家族の一時的な休息を目的とする場合には、地域生活支援事業 の日中一時支援等を活用すること。 支給量は、通所給付決定を行おうとする者の勘案事項を踏まえて、適切な一月当たりの利用必要日数を定めることとしているが、原則と して、各月の日数から8日を控除した日数(以下「原則の日数」という。)を上限とすること。ただし、障害児の状態等に鑑み、市町村が必要 と判断した場合には、原則の日数を超えて利用することができるものとするが、その場合には支給決定前にその支援の必要性(支援の内 容とそれに要する時間等)について申請者、事業所等に十分確認した上で、必要な日数を決定すること。 ③ 障害児についても、保育所、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)等の一般施策を利用(併行利用を含む。)する機会が確保さ れるよう、例えば保育所等訪問支援の活用など、適切な配慮及び環境整備に努めること。

○ 放課後等デイサービスの質の確保のため、平成27年4月に「放課後等デイサービスガイドライン」を策定・ [通知の趣旨] ○ 放課後等デイサービスの質の確保のため、平成27年4月に「放課後等デイサービスガイドライン」を策定・  公表したところであり、各自治体においては、事業者の指定、指導監督、会議等の情報伝達の場などのあら  ゆる機会を通じてガイドラインの周知を図り、事業所に活用をしていただくよう努めていただきたい。 ○ 平成28年4月1日以降分の障害児通所給付費等の通所給付決定において、①保育所などの一般施策も   含め、障害児本人にとって最良のサービスを利用する機会が確保されるよう、適切な配慮及び環境整備を 図ること、②障害児通所支援について支給決定日数の目安を示すことにより、地方自治体において障害児 支援利用計画案に示された支援内容の必要性を確認することや、事業所において支援内容の見直しの契機 とすることを促すものである。 ○ なお、支給日数の目安については、例えば集中的にまとまった期間、発達支援が必要となる状況にある場   合等についてまで支給量を制限する趣旨ではなく、障害児本人の発達支援に必要な支給量を制限する趣旨で  はなく、障害児本人の発達支援に必要な支給量については確保される必要がある。 (参考)自治体における確認等の例      ・保育所や放課後児童クラブ等の一般施策の利用の可能性を確認し、支給量に反映させる。 (市町村の障害児支援部局と子育て支援部局で十分な連携を図る。)      ・障害児支援利用計画案を作成した障害児相談事業者等に利用予定の事業所、事業所における専門職種等の       人員配置や支援内容とその効果を確認し、障害児本人の発達に必要な支援かどうかを判断した上で支給決定       する。 (発達支援に必要のないものは支給決定しない。)      ・発達支援の技術が不十分な事業所に漫然と通うことがないよう、支援の質や効果が担保されると判断した場合       に支給決定する。        (発達支援ではなく単なる預かりである場合は日中一時支援を活用する。)

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の 一部を改正する法律(概要)  趣 旨  障害者が自らの望む地域生活を営むことができるよう、「生活」と「就労」に対する支援の一層の充実や高齢障害者による介護保険サー ビスの円滑な利用を促進するための見直しを行うとともに、障害児支援のニーズの多様化にきめ細かく対応するための支援の拡充を図るほ か、サービスの質の確保・向上を図るための環境整備等を行う。  概 要 1.障害者の望む地域生活の支援 (1) 施設入所支援や共同生活援助を利用していた者等を対象として、定期的な巡回訪問や随時の対応により、円滑な地域生活に向けた相談・助言等を行うサービスを新設する(自立生活援助) (2) 就業に伴う生活面の課題に対応できるよう、事業所・家族との連絡調整等の支援を行うサービスを新設する(就労定着支援) (3) 重度訪問介護について、医療機関への入院時も一定の支援を可能とする (4) 65歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた低所得の高齢障害者が引き続き障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合に、障害者の所得の状況や障害の程度等の事情を勘案し、当該介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度により軽減(償還)できる仕組みを設ける 2.障害児支援のニーズの多様化へのきめ細かな対応 (1) 重度の障害等により外出が著しく困難な障害児に対し、居宅を訪問して発達支援を提供するサービスを新設する (2) 保育所等の障害児に発達支援を提供する保育所等訪問支援について、乳児院・児童養護施設の障害児に対象を拡大する (3) 医療的ケアを要する障害児が適切な支援を受けられるよう、自治体において保健・医療・福祉等の連携促進に努めるものとする (4) 障害児のサービスに係る提供体制の計画的な構築を推進するため、自治体において障害児福祉計画を策定するものとする 3.サービスの質の確保・向上に向けた環境整備 (1) 補装具費について、成長に伴い短期間で取り替える必要のある障害児の場合等に貸与の活用も可能とする (2) 都道府県がサービス事業所の事業内容等の情報を公表する制度を設けるとともに、自治体の事務の効率化を図るため、所要の規定を整備する  施行期日  平成30年4月1日(2.(3)については平成28年6月3日施行)

居宅訪問により児童発達支援を提供するサービスの創設 ○ 障害児支援については、一般的には複数の児童が集まる通所による支援が成長にとって望ましいと考えられるため、これまで通所支援の充実を図ってきたが、現状では、重度の障害等のために外出が著しく困難な障害児に発達支援を受ける機会が提供されていない。 ○ このため、重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に発達支援が提供できるよう、障害児の居宅を訪問して発達支援を行うサービスを新たに創設する(「居宅訪問型児童発達支援」)。 対象者 訪問教育 ○ 重症心身障害児などの重度の障害児等であって、児童発達支援等の障害児通所支援を受けるために外出することが著しく困難な障害児 児童発達支援センター 等  居宅訪問型 児童発達支援(新設) 居宅訪問型保育 支援内容 訪問診療・訪問看護 ○ 障害児の居宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与等の支援を実施   【具体的な支援内容の例】   ・手先の感覚と脳の認識のずれを埋めるための活動   ・絵カードや写真を利用した言葉の理解のための活動 居宅 ・在宅の障害児の発達支援の機会の確保 ・訪問支援から通所支援への社会生活の移行を推進

保育所等訪問支援の支援対象の拡大 ○ 乳児院や児童養護施設の入所者に占める障害児の割合は3割程度となっており、職員による支援に加えて、発達支援に関する専門的な支援が求められている。(乳児院:28.2%、児童養護施設:28.5%/平成24年度) ○ このため、保育所等訪問支援の対象を乳児院や児童養護施設に入所している障害児に拡大し、障害児本人に対して他の児童との集団生活への適応のための専門的な支援を行うとともに、当該施設の職員に対して障害児の特性に応じた支援内容や関わり方についての助言等を行うことができることとする。 対象者の拡大 訪問先 ○ 乳児院、児童養護施設に入所している障害児を対象者として追加   ※現在の対象者は、以下の施設に通う障害児    ・保育所、幼稚園、小学校 等    ・その他児童が集団生活を営む施設として、地方自治体が認めるもの     (例:放課後児童クラブ) 保育所・幼稚園 保育所等訪問支援 放課後児童クラブ 小学校 児童発達支援 センター等 支援内容 訪問対象の拡大 ○ 児童が集団生活を営む施設を訪問し、他の児童との集団生活への適応のための専門的な支援等を行う。 ①障害児本人に対する支援(集団生活適応のための訓練等) ②訪問先施設のスタッフに対する支援(支援方法等の指導等) 集団生活への適応のための支援   等 改正後 乳児院 児童養護施設

医療的ケアを要する障害児に対する支援 福祉 連携 医療 ○ 医療技術の進歩等を背景として、NICU等に長期間入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な障害児(医療的ケア児)が増加している。 ○ このため、医療的ケア児が、地域において必要な支援を円滑に受けることができるよう、地方公共団体は保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備について必要な措置を講ずるよう努めることとする。   ※ 施策例: 都道府県や市町村による関係機関の連携の場の設置、技術・知識の共有等を通じた医療・福祉等の連携体制の構築 ◆ 特別支援学校及び小中学校における   医療的ケアが必要な幼児児童生徒数  ◆ 在宅人工呼吸指導管理料算定件数   (0~19歳)の推移 ◆ 育児や療育、在宅での生活等の全般に   関する相談先 (人) (件) 相談先 人 % 医療機関の職員(医師、看護師、MSW等) 692 77.4 訪問看護事業所等の職員(看護師等) 405 45.3 福祉サービス事業所等の職員 292 32.7 行政機関の職員(保健師等) 216 24.2 学校・保育所等の職員 317 35.5 知人・友人 412 46.1 患者団体・支援団体 46 5.1 その他 32 3.6 相談先がない・分からない 31 3.5 8,750 出典:文部科学省「特別支援学校等の医療的ケアに関する      調査結果」(※小中学校は平成24年度から調査) 出典:社会医療診療行為別調査 平成27年度厚生労働省社会・援護局委託事業「在宅医療 ケアが必要な子どもに関する調査」速報値 関係機関による連携イメージ図 (N=797(複数回答) 福祉 児童発達支援 センター等 障害福祉サービス事業所 教育 相談支援事業所 連携  ・特別支援学校    ・訪問教育 自治体 担当課 (自立支援)協議会 子ども関係の専門部会等 医療 訪問看護 ステーション 保健 小児科診療所 在宅療養支援診療所 地域中核病院 地域小児科センター  ・保健所    ・保健センター

障害児のサービス提供体制の計画的な構築 ○ 児童福祉法に基づく障害児通所・入所支援などについて、サービスの提供体制を計画的に確保するため、都道府県及び市町村において障害児福祉計画を策定する等の見直しを行う。   ※ 現在、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスについては、サービスの提供体制を計画的に確保するため、都道府県及び市町村が障害福祉計画を策定し、サービスの種類ごとの必要な量の見込みや提供体制の確保に係る目標等を策定。 具体的内容 【基本指針】   ○ 厚生労働大臣は、障害児通所・入所支援、障害児相談支援の提供体制の整備や円滑な実施を確保するための基本的な指針を定める。  【障害児福祉計画】 ○ 市町村・都道府県は、基本指針に即して、障害児福祉計画を策定する。   (市町村障害児福祉計画)    ・障害児通所支援や障害児相談支援の提供体制の確保に係る目標に関する事項    ・各年度の自治体が指定する障害児通所支援や障害児相談支援の種類ごとの必要な量の見込み   (都道府県障害児福祉計画)    ・障害児通所・入所支援、障害児相談支援の提供体制の確保に係る目標に関する事項    ・都道府県が定める区域ごとに、当該区域における各年度の自治体が指定する障害児通所支援や障害児相談支援の種類ごとの必要な量の見込み    ・各年度の障害児入所施設の必要入所定員総数   ※上記の基本指針、市町村障害児福祉計画、都道府県障害児福祉計画は、障害者総合支援法に基づく基本指針、市町村障害福祉計画、都道府県障害福祉計画と一体のものとして策定することができる。   ○ 放課後等デイサービス等の障害児通所支援や障害児入所支援については、都道府県障害児福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがあると認めるとき(計画に定めるサービスの必要な量に達している場合等)、都道府県は事業所等の指定をしないことができる。

○ 概要: 障害児を入所させて、適切な医療及び日常生活の指導等を提供 重症心身障害児者に対する支援① ● 重症心身障害とは  「重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複」(児童福祉法第7条第2項)し、発達期に発症し、医療的ケアの必要な児者。  ◇重症心身障害児者の推計値は、全国でおよそ43,000人。(うち、入所14,000人  在宅29,000人)    ※ 岡田喜篤氏(元川崎医療福祉大学学長)の推計(2012年4月1日現在)。 ○ 重症心身障害施策の目的   生命を守り、ひとりひとりのライフステージに応じた支援の提供 施設における支援 (障害児(原則として18歳未満)の場合) ◆ 障害児入所支援(医療型)(児童福祉法)  ○ 概要: 障害児を入所させて、適切な医療及び日常生活の指導等を提供  ○ 実施機関: 医療型障害児入所施設、指定発達支援医療機関      ・医療型障害児入所施設: H24.4児童福祉法改正により障害種別を一元化し、重症心身障害児施設等を再編・統                        合した施設(都道府県が指定する病院)          ・指定発達支援医療機関:国が指定する国立病院に重症児病棟を設置 (障害者(18歳以上)の場合) ◆ 療養介護(障害者総合支援法)  ○ 概要: 著しく重度の18歳以上の障害者に対し、適切な医療及び常時の介護を提供                  重症心身障害児施設等に入所する重症心身障害者や筋ジストロフィー患者等を対象  ○ 実施機関: 都道府県の指定を受けた病院

重症心身障害児者に対する支援② 在宅における支援 ◆ 通所系サービス ◆ 短期入所 ○ 短期入所(障害者総合支援法) ◆ 訪問系サービス ◆ 通所系サービス  (障害児(原則として18歳未満)の場合)   ○ 児童発達支援事業等(児童福祉法)       ・重症心身障害児(者)通園事業(H1.4~補助事業として開始)       ・児童福祉法への法定化(義務的経費化)、障害種別の一元化により重症児に対応できる事業所の拡大        ・療養通所介護事業所(介護保険)において重症児の受入れ(H24.4~)  (障害者(18歳以上)の場合)  ○ 生活介護等(障害者総合支援法) ◆ 短期入所   ○ 短期入所(障害者総合支援法)       ・医療型短期入所の報酬単価の増額及び日帰り型の創設(H21.4~)        ・医療ニーズの高い児者に対する特別重度支援加算を設定(H24.4~)        ・緊急短期入所受入加算を増額(H27.4~) ◆ 訪問系サービス   ○ 訪問看護等(医療保険)、居宅介護等(障害者総合支援法) ◆ その他   ○ 介護職員等によるたんの吸引等の医療的ケアの実施      ・H24.4~ 社会福祉士及び介護福祉士法の改正

医療等関係機関との連携(重症心身障害児者の地域生活モデル事業の概要) ○ 重症心身障害児者及びその家族が地域で安心・安全に生活できるようにするため、医療型障害児入所施設等を中核として関係する分野との協働による支援体制を構築すること等による総合的な地域生活支援の実現を目指し、モデル事業を実施。 ○ 平成24年度から平成26年度に採択された14団体が取り組んだ実例の報告をもとに、重症心身障害児者の地域生活を支援する体制をつくる上で特に留意すべき点をまとめると以下の通りである。 現状等の共有 幅広い分野にわたる協働体制の構築 具体的な支援の取組:好事例集 ① 地域の現状と課題の   把握 ・地域の重症心身障害児者の実  情を把握                        ・利用できる地域資源の把握 ・地域の資源マップの作成 ➜ 課題の明確化 ②  協議の場の設定 ・目的に沿って有効な支援を図ることができる  構成員を選定〈当事者、行政、医療、福祉、   教育等関係機関等〉 ・検討内容は、実情把握、地域資源の評価、  必要な支援体制の構築、運営、評価、改善 ・多様な形態(障害者総合支援法に基づく協議  会の専門部会、ショートステイ連絡協議等) 重症心身障害児者や家族等に対する支援 ・「アセスメント」「計画支援」「モニタリング」 ★ツール1 ・保護者の学びの場の提供〈家族介護教室等〉 ・重症心身障害児者のきょうだい支援〈きょうだいキャンプ〉 ・家族のレスパイト支援〈ショートステイ〉 ・重症心身障害児者のケアホーム利用 ・地域の既存資源の再資源化 ・中山間地域の支援〈ICTの活用、巡回相談〉 ・ライフステージに応じた支援          ★ツール2 ・病院からの退院支援              ★ツール3  <退院後の生活に関する病院と家族の意識の違いを埋める> ・病院退院後のニーズと支援<退院後の訪問看護等ニーズに対応> ・医療機関に対する医療型短期入所の新規開設支援 ・併行保育に向けた支援  ★ツール4            ③  コーディネートする者の配置 ・福祉と医療に知見のある者を配置(相談支援   専門員と看護師がペアを組む、相談支援専門  員に看護師を置く等) 〈平成24年度〉 ・北海道療育園 ・下志津病院 ・全国重症心身障害児(者)  を守る会 ・甲山福祉センター ・久留米市介護福祉サービス  事業者協議会 〈平成25年度〉 ・びわこ学園障害者支援セン   ター ・大阪発達総合療育センター  フェニックス ・重症児・者福祉医療施設  鈴が峰 ・南愛媛療育センター ④ 協働体制を強化する工夫 ・支援の届かない地域の施設等との相互交換   研修や出前研修の実施〈実技研修が有効〉 ・地域の相談支援事業所の後方支援〈相談支  援専門員等に向けたセミナーの開催、調査  等〉  支援ツールの例 ★1『重症心身障害児者のアセスメントシート』 ★2『重症心身障害児者のライフサイクル別検討シート』 ★3『NICUから地域移行に向けての支援ガイド』 ★4『重症心身障害児の並行保育に向けたガイドライン』    (★1~3は平成24年度、★4は平成26年度の報告書に掲載) ⑤ 地域住民への啓発 ・重症心身障害児者の生活を知ってもらうた   めに、講演会やドキュメンタリー映画の上  映会の開催 ・重症心身障害児者や家族のエンパワメント   を視野に入れたイベントの開催 〈平成26年度〉 ・ 南京都病院  ・ あきやまケアルーム ・ 長良医療センター  ・ 浜松市発達医療総合福祉センター  ・ あすか山訪問看護ステーション

重症心身障害児者等コーディネーター養成研修等※市町村事業(必要に応じ複数市町村による共同実施) 重症心身障害児者等コーディネーター養成研修等※市町村事業(必要に応じ複数市町村による共同実施)  (項)障害保健福祉費  (目)地域生活支援事業費補助金            平成28年度予算案:464億円の内数 目  的 ○ 重症心身障害児者や人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児(以  下「重症心身障害児者等」という。)が地域で安心して暮らしていけるよう、重症心身障害児者等に対する支援が適切に行  える人材を養成するとともに、重症心身障害児者等の支援に携わる福祉、医療、保健、教育等の関係機関等の連携体制を構  築することにより、重症心身障害児者等の地域生活支援の向上を図ることを目的とする。  事業内容 1.重症心身障害児者等を支援する人材の養成   地域の障害児通所支援事業所や保育所等において重症心身障害児者等への支援に従事できる者を養成するための研修や、重症心身障害児者等の支援を総合調整する者(コーディネーター)を養成するための研修を実施する。 2.支援体制の整備   地域において重症心身障害児者等の支援に携わる福祉、医療、保健、教育等の各分野の関係機関及び当事者団体等から構成される協議の場を設置し、支援にあたっての現状把握・分析、連絡調整、支援内容の協議等を行うとともに重症心身障害児者等の支援を行う施設の確保等を行う。 【重症児支援者】 児童発達支援センター等の職員等に対する研修を行い、重症心身障害児者等を支援する者の育成の推進を行う 市町村 支援体制の整備 ・現状把握・分析 ・支援の連携 ・資源の開拓 ・地域住民への情報提供         など 育成 育成 保健 センター 相談支援事業所 特別支援学校 ・学校 児童発達支援 センター等 障害福祉 サービス 事業所 コーディネーター 障害児 入所施設 訪問看護 ステーション 地域中核病院 ・地域小児科センター 救命救急センター・ 小児専門病院 小児科診療所 ・在宅療養支援 診療所

重症心身障害支援者育成研修プログラム 在宅重症心身障害児者を支援していく者を増やしていくために、重症心身障害児者支援と多職種連携について基礎的知識の習得を目指す人材育成プログラム。プログラム内容は、重症心身障害児者支援に関する医療的ケアや福祉に関する知識と、関係機関との連携ついて学習できるものとなっている。 科目名 時間数 内容 1 総論 1 支援の目的 支援者としての視座 誰のための支援であるべきか 家族を理解するための視点 家族の発達段階・役割理論 セルフケア理論 支援者の主観で家族をとらえないことへの理解 2 医療 3 障害のある子どもの成長と発達 の特徴 疾患の特徴 生理 日常生活における支援 急変・緊急時の対応・突然死 在宅医療、訪問看護 リハビリ・歯科・薬剤 3 福祉 支援の基本的枠組み 制度 遊び、子どもらしさ、保育 児童虐待 家族を理解する視点 重症児の親になるということ 親になることへの支援 4 連携 2 連携と協働の基本的概念 連携と協働の目的 あくまで子育て支援であること 子どもと家族の強みを支援する 5 ライフステージにおける支援 3 ライフステージごとの支援について NICUから移行支援 児童期における支援 学童期における支援 成人期における支援 医療的ケアの必要性が高い子どもへの支援 平成26年度厚生労働省障害者総合福祉推進事業「在宅重症心身障害児者を支援するための人材育成プログラム開発事業」公益社団法人日本重症心身障害福祉協会/平成27年度厚生労働科学研究費補助金「重症心身障害児者の支援者・コーディネーター育成研修プログラムと普及に関する研究」において開発

重症心身障害児者等コーディネーター育成研修プログラム  在宅重症心身障害児者を支援していく者を増やしていくために、重症心身障害児者支援の基礎的知識の習得を目指すとともに、多職種間連携を円滑にできるための人材育成プログラム。プログラム内容は、重症心身障害児者支援に関する医療的ケアや福祉に関する知識と、関係機関との連携や重症心身障害児者等のためのサービス等利用計画作成について具体的手法を習得できるものとなっている。 科目名 時間 内容 概要説明 15分 研修の概要(目的、期待する成果等)を説明 総論 2時間 コーディネーターのあり方、役割等 アドボカシー、エンパワメントの視点 多職種との連携、ネットワーク作り、資源の開発等 ケアマネージメントの手法 子育て支援としての相談支援 重症心身障害医学総論、地域の医療連携など 重症心身障害医療の特徴、代表的な疾患の経過・特性、地域の医療資源、医療連携の概略等 医療的ケアの実際 1時間 重症心身障害児(者)に必要な具体的な医療的ケア ライフステージにおける支援の要点 NICUからの移行や、学童期、成人期それぞれの支援の要点 福祉制度・福祉資源 重症心身障害児(者)の計画相談に必要な福祉制度・福祉資源、特にその地域特有の制度など 在宅支援関連施設の理解 (関連施設見学) 2時間 訪問看護 介護事業所 在宅支援診療所等 医療機関 生活介護 重症心身障害施設、NICUなど 医療・福祉・教育の連携(チーム作り) 1時間 地域の中で、どのような医療・福祉・教育の資源が存在し、連携をどう構築していくか 本人・家族の思い、ニーズ、QOL 当事者の思い、ニーズ、また本人・家族のQOLをどのようにとらえるか 重症心身障害児(者)の意思決定支援 重症心身障害児(者)のコミュニケーションの特徴、意思伝達装置について どのように意思決定支援を行うか。具体的な取り組みなど 重症心身障害児(者)における計画作成のポイント 計画作成のポイントを学ぶ。演習に向けて 演習 計画作成 7時間 事例をもとにした計画作成の演習。実際自分たちで計画を作成。また模擬担当者会議により、当事者の意向を反映し、また支援者間の調整を行う 演習 事例検討 7時間 事例をもとに、意見交換・スーパーバイザーによる計画作成の指導を行う 平成27年度厚生労働科学研究費補助金末光班「重症心身障害児者の支援者・コーディネーター育成研修プログラムと普及に関する研究」において開発

発達障害者支援法の一部を改正する法律 概要 発達障害者支援法の一部を改正する法律 概要 障害者をめぐる国内外の動向…障害者権利条約の署名(平成19年)・批准(平成26年)                               障害者基本法の改正(平成23年)等 発達障害者支援法の施行の状況…平成17年の施行後、約10年が経過 発達障害者の支援の一層の充実を図るため、 法律の全般にわたって改正 第1 総則 第2 発達障害者の支援のための施策 第3 発達障害者支援センター等 ⑴ 目的(第1条)  切れ目ない支援の重要性に鑑み、障害者基本法の理念にのっとり、共生社会の実現に資することを目的に規定 ⑵ 発達障害者の定義(第2条)  発達障害がある者であって発達障害及び「社会的障壁」により日常生活・社会生活に制限を受けるもの ※ 社会的障壁:発達障害がある者にとって日常生活・社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの ⑶ 基本理念(第2条の2)  発達障害者の支援は  ①社会参加の機会の確保、地域社会において他の人々と共生することを妨げられない  ②社会的障壁の除去に資する  ③個々の発達障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、関係機関等の緊密な連携の下に、意思決定の支援に配慮しつつ、切れ目なく行う ⑷ 国及び地方公共団体の責務(第3条)  相談に総合的に応じられるよう、関係機関等との有機的な連携の下に必要な相談体制を整備 ⑸ 国民の責務(第4条)  個々の発達障害の特性等に関する理解を深め、発達障害者の自立及び社会参加に協力するよう努める ⑴ 発達障害の疑いがある場合の支援(第5条)  発達障害の疑いのある児童の保護者への継続的な相談、情報提供及び助言 ⑵ 教育(第8条)  発達障害児が発達障害児でない児童と共に教育を受けられるよう配慮  個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成の推進、いじめの防止等の対策の推進 ⑶ 情報の共有の促進(第9条の2)  個人情報の保護に十分配慮しつつ、支援に資する情報共有の促進のため必要な措置を講じる ⑷ 就労の支援(第10条)  主体に国を規定、就労定着の支援を規定、事業主は雇用の機会の確保、雇用の安定に努める ⑸ 地域での生活支援(第11条)  性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じた地域での生活支援 ⑹ 権利利益の擁護(第12条)  差別の解消、いじめの防止等及び虐待の防止等のための対策推進、成年後見制度が適切に行われ又は広く利用されるようにすること ⑺ 司法手続における配慮(第12条の2)  司法手続において個々の発達障害者の特性に応じた意思疎通の手段の確保等の適切な配慮 ⑻ 発達障害者の家族等への支援(第13条)  家族その他の関係者に対し、情報提供、家族が互いに支え合うための活動の支援等 ⑴ センター等による支援に関する配慮(第14条)  センター等の業務を行うに当たり、可能な限り身近な場所で必要な支援が受けられるよう配慮 ⑵ 発達障害者支援地域協議会(第19条の2)  支援体制の課題共有・連携緊密化・体制整備協議のため都道府県・指定都市に設置 第4 補則 ⑴ 国民に対する普及及び啓発(第21条)  学校、地域、家庭、職域等を通じた啓発活動 ⑵ 専門的知識を有する人材の確保等(第23条)  専門的知識を有する人材の確保・養成・資質の向上を図るため、個々の発達障害の特性等に関する理解を深めるための研修等を実施 ⑶ 調査研究(第24条)  性別、年齢等を考慮しつつ、発達障害者の実態の把握に努めるとともに、個々の発達障害の原因の究明等に関する調査研究 第5 その他 ⑴ 施行期日(附則第1項)  公布日から3月内の政令で定める日 ⑵ 検討(附則第2項)  国際的動向等を勘案し、知的発達の疑いがある者等について実態調査を行い、支援の在り方について検討等

発達障害者支援法の改正内容の概要(1) 目的・基本理念(1条、2条の2) 定義(2条) 国民・事業主等 ○【個人としての尊厳に相応しい日常生活・社会生活を営むことができるように】(新)発達障害の早期発見と発達支援を行い、   【支援が切れ目なく行われる】(新)ことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかにする。       ○発達障害者の自立及び社会参加のための生活全般にわたる支援を図り、【障害の有無によって分け隔てられること無く(社会的   障壁の除去)】(新) 、【相互に人格と個性を尊重(意思決定の支援に配慮)しながら共生する社会の実現に資する。】(新) 定義(2条) 発達障害者とは、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害)がある者であって、発達障害及び【社会的障壁により】(新)日常生活または社会生活に制限を受けるもの 国民・事業主等 ○国民は、【個々の発達障害の特性】(新)等に対する理解を深め、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努める。 (国民の責務 4条) ○【事業主は、発達障害者の能力を正当に評価し、適切な雇用機会の確保、個々の発達障害者の特性に応じた雇用管理を行 うことにより雇用の安定を図るよう努める。】(新) (就労の支援 10条) ○大学及び高等専門学校は、【個々の発達障害者の特性】(新)に応じ、適切な教育上の配慮をする。(教育 8条) ※(新)は、「発達障害者支援法の一部を改正する法律」による主な改正事項

発達障害者支援法の改正内容の概要(2) 国及び地方公共団体 ※(新)は、「発達障害者支援法の一部を改正する法律」による主な改正事項