サービスとホスピタリティの マーケティング マーケティングの広がり
マーケティング小史 19世紀から20世紀初頭にかけてのマーケティングは「モノ」を大量に生産し、大量に販売していくことが課題 「生産志向のマーケティング」から「販売指向のマーケティング」へと移行したが、「生産」「販売」に関心
4Pマーケティング 1960年にマッカーシーがPで始まる4つの用語でマーケティング活動を整理 Product (製品) Price (価格) Place (流通) Promotion (プロモーション) 顧客を想定し4つの要素を組み合わせていくというフレームを提示
IMCと4C シュルツらがマーケティング活動全体が顧客へのコミュニケーション活動であるととらえ「統合されたマーケティングコミュニケーション(IMC)」という考え方を提起 IMCをベースに4Cという考え方を提示 4Pは企業サイドからの活動分類 4Cは4Pを顧客サイドからみた分類
4Pと4C → 価値 対価 利便性 Customer Value Product Customer Cost Price 製品 → Customer Value 価値 Price 価格 Customer Cost 対価 Place 流通 Convenience 利便性 Promotion プロモーション Communication 双方向のコミュニケーション
1969年の大事件 コトラーとレヴィによる「マーケティングのコンセプトを拡張して適用すべきという主張の論文が発表」 モノを中心とした従来の考え方を広げ、サービス(無形の財)、アイデア、人、土地などへも応用が可能であることを主張 論争ののち、コトラーらの主張に基づき実践と理論が展開される
製品概念の拡張 マーケティング・コンセプトの拡張において重要な意味をもったのは製品概念の拡張 主体別に製品を提示 教会 幸福 教会 幸福 警察 人々を守るサービス 慈善団体 人々の幸福感 大学 教育 博物館 文化の理解 政治家 誠実な政治
「無形財」のマーケティング ここでは「無形財」の意味での「サービス」 サービス(無形財)の特徴 無形性 同時性(不可分性) 変動制 消滅性
無形性 本質的に無形 購入前には五感で感じることはできない 購入する前にサービス自体の評価は不可能 顧客に対して不確か
同時性 非分離性ともいう 生産と消費が時間的・空間的に分離不可能 提供している間は享受され続ける サービス財の生産には提供者と享受者が必要 http://www.dd.iij4u.or.jp/~mogami/ 同時性 非分離性ともいう 生産と消費が時間的・空間的に分離不可能 提供している間は享受され続ける サービス財の生産には提供者と享受者が必要 相互作用により内容やレベルに影響
変動性 生産においてレベルに差が生じる 状況によって提供するサービスが異なる 変動性は信頼を失う可能性「大」 均質化と標準化が重要 http://www.dd.iij4u.or.jp/~mogami/ 変動性 生産においてレベルに差が生じる 状況によって提供するサービスが異なる 変動性は信頼を失う可能性「大」 均質化と標準化が重要
消滅性 貯蔵・在庫することができない 需要が季節変動するときに問題 オフシーズンに割引などで顧客を分散 ピーク時にパートで対応 http://www.dd.iij4u.or.jp/~mogami/ 消滅性 貯蔵・在庫することができない 需要が季節変動するときに問題 オフシーズンに割引などで顧客を分散 ピーク時にパートで対応
サーブカル ServiceとQualityからなる造語 顧客がサービスに対して持っている期待と実際に受けたサービスとのギャップを測定し、そのサービス品質の改善に役立てるもの Reliability 信頼性 Assurance 保証 Tangibles 有形の部分 Empathy 共感 Responsiveness 対応
サーバクション・システム ServiceとProductionをつなげた造語 サービスがどのように提供されるかを示したもの
サーバクション・ミックス 組織と システム 顧客B 顧客A 内装・店舗・雰囲気など 場を取り巻く環境 店員・ウェイターなど 目に見えない部分 目に見える部分 顧客B 組織と システム 内装・店舗・雰囲気など 場を取り巻く環境 顧客A 店員・ウェイターなど サービスを提供する接遇員 ベネフィットの束
見えない部分の重要性 接遇員は決定的に重要な存在 サービスの質に関連する接遇員の要素 したがって、接遇員に対する内的マーケティングが必要 対応の親切さ丁寧さ 商品知識の深さ 仕事への愛情や熱意 満足感 したがって、接遇員に対する内的マーケティングが必要 内的マーケティングや店舗運営を支えるシステムは「見えない部分」であるが重要
サービスが生産される「場」 接遇員 接遇員と相対する場である店内の雰囲気 「見える部分」を支えている「見えない部分」 来店している他の客 それらの相互作用が作り出す「場」がサービスが生産される「場」
経験価値マーケティング 消費の場やプロセスを重視するもの 消費者は単なるモノの消費をしているのではない 消費のプロセスの中で商品の価値が実現 動的でプロセス的な認識に立つ考え方
消費の場における5つの要素 Sense 感覚的経験価値(五感) Feel 情緒的経験価値(心) Think 認知的経験価値(思考) Act 肉体的経験価値(活動) Relate 準拠集団や文化との関連付け
ホスピタリティ・マーケティング ホスピタリティ製品とは観光やレストランなどの業界とそれらに関連する業界において提供 ホテル事業とレストラン事業を中心にし、観光事業がこのホスピタリティ事業と旅行事業とから構成されるとしている つまり、旅行・ホテル・レストランがホスピタリティ・ビジネス
ホスピタリティ商品とは 食事を例 旅を例 おいしいのは当然 楽しい食事 かけがえのない人との楽しい語らいのひと時 楽しい旅 未知の人との出会い くつろぎの時間 素敵な思い出
ホスピタリティ商品の特徴 無形財としてのサービスと同じ商品特性を持つ 顧客とともに価値を作っていくという「共創」の側面を持つ 「消費の場・消費のプロセスにおいてその商品価値を実現する」形のない商品 単なるサービス財の提供とは異なる 顧客との相互作用関係を創造