「土質・基礎構造」 14回目の授業 地震被害と 表層地盤の増幅特性 令和元年 7月15日(月) 今岡 克也
1944年東南海地震の震度分布 1944年12月 7日 午後 1時35分 M 7.9 h = 30 km 最大震度 6 震度 5 ×
1944年東南海地震の住宅全壊率 太田川流域等 で住宅全壊率 20%以上の地域 静岡県で 6,970戸の 住宅が全壊
1944年東南海地震の人的被害 死者(含・行方不明者) 1251人中、静岡県が 317人
1944年東南海地震の建物被害 戦争で空襲が始まる直前の昼過ぎに起きた → 防災体制は整う、改造した軍需工場が倒壊 死者1251人(愛知・静岡・三重が約1/3ずつ) 沖積地や埋立地で住宅被害率が高い 津波が発生し、三重県・和歌山県に被害 工場の被害は基礎の不同沈下によるもの 液状化が原因?
津波の伝播時間(分) 錦 2分 死者64人
三重県錦地区の状況
津波の被害前の錦町
津波の被害後の錦町
倒壊した袋井市の店舗
倒壊した袋井市の農家
倒壊した袋井市の小学校
将棋倒しで倒壊した店舗
1-1 地震と断層 (1)断層 岩盤の物理的特徴:力を加えれば変形し (歪み),限度を超えるとせん断破壊する 1-1 地震と断層 (1)断層 岩盤の物理的特徴:力を加えれば変形し (歪み),限度を超えるとせん断破壊する 地震とは:断層間の岩盤の歪が限度を超え, せん断破壊してずれ,エネルギを放出する 地震動とは:断層のせん断破壊による衝撃 が地震波として四方八方に伝わる
地震の震源・震央と断層 :地震でずれた断層
1995年阪神大震災の地表断層 淡路島の北淡町
断層のタイプ <縦ずれ断層> 地震でのずれが上下方向に発生したもの 逆断層:両側が近づく方向の縦ずれ断層 地震でのずれが上下方向に発生したもの 逆断層:両側が近づく方向の縦ずれ断層 正断層:両側が遠ざかる方向の縦ずれ断層 <横ずれ断層> 地震でのずれが水平方向に発生したもの 右横ずれ断層:向かって右側にずれた断層 左横ずれ断層:向かって左側にずれた断層
断層のタイプ
(2)断層モデル 断層モデル:地震での断層運動を単純化 断層パラメータ:9つ 長さ:L と 幅: W (km) ,平均変位:D0 (m) 傾斜角:δ, 走向:φ, 食い違い方向:λ° 岩盤のせん断弾性係数:μ (kN/m2) 断層の破壊伝播速度: Vr≒3.0 (km/s) 立ち上がり時間:τ(s)
断層パラメータ 断層の上面
マグニチュード(M):地震規模の尺度 気象庁マグニチュード(M j): 震源からある距離での特定地震計で記録された振幅の常用対数 マグニチュード(M):地震規模の尺度 気象庁マグニチュード(M j): 震源からある距離での特定地震計で記録された振幅の常用対数 モーメントマグニチュード(Mw): 物理的意味が明快な地震モーメントから算定 Log M0 = 1.5 Mw + 16.1 地震モーメント(M0): 岩盤のせん断弾性係数×変位量×断層面積 M0 = μ × D0 × L × W (dyn・cm)
2011年東北地方太平洋沖地震の断層モデル φ=195-180=15° λ=13°低角逆断層 最大変位 Dmax:23m 平均変位 D0:12m
2011年東北地方太平洋沖地震の モーメントマグニチュードの算定 地震モーメント:Mo ←地震によるエネルギー Mo = μ×D×L×W = 3.86 ×1029 (dyn・cm) μ:岩石のせん断弾性定数:3×1011 (dyn/cm2) D:平均すべり量:12×102 (cm) L,W:長さと幅:510×105 (cm) , 210×105 (cm) モーメントマグニチュード: Mw Mw =( log10 Mo -16.1 )/1.5 = 9.0
地盤による地震波の増幅
SRC造建物の地震観測波形 地下から地震波が上昇し 約1.0秒の周期成が増幅されている
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性
1層地盤の増幅特性 f1 = 100 / 4*20 = 1.25 (Hz) 1/α1 = 1 / 0.2 = 5.0 倍 ▽
2層地盤の増幅特性
2層地盤の増幅特性
2層地盤の増幅特性
2層地盤の増幅特性 2.1(Hz) 4.3倍 ▽
Kik-net 浜松のPS検層図 C C 防災科学技術研究所のHPから
Kik-net 浜松の増幅特性 3層地盤 Vs (m/s) 2.5~5倍に増幅 GL 0 C 100 - 5 C 200 -10 C 290 -30 (m) 510 2.5(Hz)から5(Hz)の範囲