1 地理情報システムを活用した地域エネルギー 消費構造の評価に関する研究. 2 本研究の目的・位置づけ 地域エネルギーを推計する研究報告の中で、地理情報システム( GIS )を 活用した研究事例が 1 、 2 例と少ないのが現状で、東北地方においては皆無 である。 東北地方は暖房を中心とするエネルギー消費量の削減が重要な課題とされ.

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目次 1. 序章 1.1 研究の背景と意義 1.2 研究の目的と構成 研究の目的 論文の構成と研究のフロー 研究の方法 2. ソウル市について 2.1 ソウル市の沿革 2.2 ソウル市の概況 3. 現地調査 3.1 調査の方法 3.2 調査地点の抽出 3.3 調査事項.
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1 地理情報システムを活用した地域エネルギー 消費構造の評価に関する研究

2 本研究の目的・位置づけ 地域エネルギーを推計する研究報告の中で、地理情報システム( GIS )を 活用した研究事例が 1 、 2 例と少ないのが現状で、東北地方においては皆無 である。 東北地方は暖房を中心とするエネルギー消費量の削減が重要な課題とされ ている。 「地域の特性や構造を定量的および視覚的な視点から 理解することが重要な課題である。」 本研究では、東北地方県庁所在都市の各駅周辺地域を対象に、 ① GIS 建物情報データベースの構築 ②地域エネルギー消費量の推計 ③地域冷暖房システム( DHC )の導入可能性地域の選定 を行うものである。

3 時系列における建物エネルギー消費原単位の作 成 ①月別エネルギー消費原単位 東北6県別、エネルギー使用用途4種類別(電力・給湯・ 冷房・ 暖房)の月別原単位を作成 ②時刻別エネルギー消費原単位 東京版原単位の変動割合を用いることによって東北6県別の 時刻別原単位を作成

4 東北地方における建物用途別総エネルギー消費月別原単 位

5 東北地方における建物用途別暖房エネルギー消費時刻別原単 位

6 東北地方における建物用途別冷房エネルギー消費時刻別原単 位

7 GIS 建物情報データベースの構築の概 要 電子・住宅地図を用いたベースマップ(基図) の作成 電子地図 ベクトルデータ 住宅地図 ベクトルデータラスターデータ

8 基本属性・基本項目の設定

9 GIS 建物情報データベースの構築に伴う建物属性調 査 建物規模の大きい場合には用途が複合 されている場合が多い。このようの場 合は、建物1フロアを最小単位として 用途を割り振っている。 ①調査地域 東北地方県庁所在都市 6 地域 ②対象エリア 東西 3km. 南北 2km. (駅周辺地 域) ③調査件数 青森駅周辺地域: 732/1672 件 秋田駅周辺地域: 963/1346 件 山形駅周辺地域: 900/1360 件 盛岡駅周辺地域: 767/1376 件 仙台駅周辺地域: 225/7543 件 福島駅周辺地域: 098/1363 件

10 東北地方 6 地域における地域エネルギー消費特性の評価 年間総エネルギー消費分布およびメッシュ数( 1 メッシュは250m × 250m)

11 総エネルギー消費の月別変動分布

12 暖房エネルギー消費の時刻別変動分布

13 冷房エネルギー消費の時刻別変動分布

14 東北地方 6 地域における地域エネルギー消費構造の分 析 各地域の高・中・低密度メッシュにおける用途別延床面積 割合 ①高密度地域は事務所・用途混在型である。 ②中・低密度地域は住居中心型である。 メッシュ毎の年間総エネルギー消費分布より、低密度; 0 ~ 5000 ( GJ/Mesh )、中密度; 5000 ~ ( GJ/Mesh )、高密度; 以上 ( GJ/Mesh )に設定

15 本システムを利用した DHC 導入可能性の評価 暖房における各地域のメッシュ毎の負荷率と熱負荷密度の関係

16 冷房における各地域のメッシュ毎の負荷率と熱負荷密度の関係

17 ゾーン毎の用途構成分析とエネルギー消費パター ン 暖房における各地域のゾーン毎用途別延床面積の割合

18 冷房における各地域のゾーン毎用途別延床面積の割合

19 まとめ 地域冷暖房システム( DHC )導入可能性地域の選定を行い、可能性が高い 地域や低い地域での特性や構造の分析を行った結果、 ①メッシュ毎の負荷率と熱負荷密度の関係から、各駅周辺地域に共通して 熱負荷密度が低く負荷率が高いという特性があることが分かった。 可能性が高い地域での用途構成は、 ②青森駅周辺地域が事務所・店舗型 ③秋田駅周辺地域が用途混在型 ④山形駅周辺地域が事務所・病院型 ⑤盛岡・仙台駅周辺地域が事務所・用途混在型 ⑥福島駅周辺地域が事務所・住居型