ソーシャルワークアセスメン ト に心を込める 国際医療福祉大学 佐原 まち子 東京都医療社会事業協会 2011 ・ 10 ・ 7 夜間講座
本日の内容 ソーシャルワークアセスメントを理解する アセスメントとプランニングの違いを明確に する ソーシャルワークアセスメントに有効なエコ マップを理解する アセスメントに自信を持つために何ができる かを考え、明日からチャレンジ
アセスメント定義 アセスメントとは、主要な情報を収集し、 分析し、統合して、クライエントの持つ問 題の性質、クライエントと主要な関与者の 機能、クライエントの問題への動機づけ、 問題に影響を及ぼしている環境要因、クラ イエントの問題を改善するための社会資源 といった多角的な項目を関わらせて系統立 てていく過程である ヘップワースとラーソン( Direct Social Work Practice.1986)
SW アセスメント過程 1. クライエントの発達段階に即した課題( ex. 親か らの分離)及び人生の転機での適応に伴うスト レッサ ― を考慮に入れたうえでの問題の特徴 2. クライエント及びクライエントにとって重要な 役割を果たす家族などの強さ、技術、性格、限 界、欠陥などを含むコーピングの力 3. クライエントの問題に関連しているシステム( ex. コミュニティ)とクライエントの間で互恵的関 係の特徴 4. 問題の解決や緩和に必要かつ現存している資源 5. 問題を解決しようというクライエントの動機づ け ヘップワースとラーソン1993 この5つの局面を包括するもの
アセスメントの前に必要なこと ① 面接技術の向上 面接によりアセスメントに有効な 情報が得られなければ何も始まら ない だらだらと面接をすればいいわけ ではない。短時間でクライエント を疲れさせず、必要な情報を教え てもらう技術 ( ex.SFA の質問法)
面接の前に必要な事 面接技術を向上させるためには、コミュ ニケーションのスキルに着目すること コミュニケーションの 3 つ 言語・非言語・準言語に関心とスキル を磨く 傾聴の姿勢
面接の前に必要なこと クライエントはすでに十分努力をしてき ているということ 解決の方法を知っているのはクライエン トだということ クライエントは自分の抱える問題の専門 家であること 専門家である私が解決してあげなくちゃーなどと 不遜な態度はとらないでね
アセスメントの前に必要なこと ② 得た情報の整理と俯瞰能力 ジェノグラム エコマップの活用
医療ソーシャルワーク 57 号 P39 事例 エコマップの例
アセスメントの前に必要なこと ③ 第一段階 フェルトニーズを聞く クライエントが感じている、表現しているニーズを 十分聞く 第 2 段階 ノーマティブニーズを探る クライエントの抱えている課題をどのようにアセス メントし、 どの様な支援が必要かを探る 第 3 段階 リアルニーズを見極める 現実に支援を必要とするニーズや課題・目標などを利 用者 と共に共有し特定する 関西学院大学小西加保留氏資料より
アセスメントに必要な情報 クライエントのリアルニーズは聞けている か? 解決したい課題の優先順位は聞いてある? 今回より大変だった人生の出来事はなにか? それはどのように解決してきたか? 物事の決め方のルール、家族の誰が決めるの か? すでに何はして、何はしてないかを丁寧に聞 いたか? すでにしたことは、どのようにしてできたの か
アセスメントに必要な情報 その時に誰かが協力してくれたか クライエントが継続できていることはど うやって維持しているか、その工夫は? 極意は? これまでの生活で大事にしてきたことは 何か(価値観) この課題解決に力を貸してくれる人や物 はなにか クライエントの強さ、しなやかさ、賢さ はなに
ソーシャルワークを 勘違いしてませんか? 介護サービスを考えたり、資源をあてが う解決策に走ってないか? 思うように動いてくれない患者家族を 「理解の悪い患者・理解の悪い家族」と 思ってない? 「患者家族の意見が食い違って、退院支 援が進まない」、とつぶやいてない? ミニドクター、ミニ薬剤師になってませ んか
答えは一つ 私たちは医療の中の社会福祉の専門家で す。医学知識が不足することはあります。 でも ソーシャルワークの技術が不足すること は いただけません。 ソーシャルワークアセスメントに基づいた ソーシャルワーク支援ができればいいのです
これからのソーシャルワーカー へ 世界を広く見る視野を保ってください SW マニュアル人間にならないでください、 人に寄り添うことがあっての SW です。 目先の保健医療の世界に没頭しすぎず、 違う福祉の世界とも付き合う工夫をして ほしいです。 医療の世界は異常です。医療の中の福祉 の専門家であり続けるためにも、職能団 体との連携を意識してください。