日本語教育概論Ⅲ 日本語の語彙と意味 語彙とは? – 彙:集める、なかま – 語: word, 単語、一定の意味を持ち文を組み 立てる最小の独立した単位 – 語彙: vocabulary, 単語の集まり
語の数 日本語の語の数はどのくらいか? 『広辞苑』: 23 万語 『新明解国語辞典』: 7 万 5 千語 成人が使用している語彙量: 4 万から 5 万 語
理解語彙と使用語彙 理解語彙:見聞きして意味が分かる言葉 の集まり 使用語彙:使うことのできる語彙
語の単位 型紙どおりに裁断して外出着を作りま した。
語の単位 型紙 どおり に 裁断 し て 外出 着 を 作り まし た 文法的な機能、意味、形式
異なり語数と延べ後数 春 が 来 た 春 が 来 た どこ に 来 た 山 に 来 た 里 に 来 た 野 に も 来 た
異なり語数と延べ語数 春が来た 春が来たどこに来た 山に来た里に来た野にも来た 延べ語数 25 異なり語数 10
使用率 順位順位 頻度 単語 使用率 1 6 来る 24 % 1 6 た 3 4 に 16 % 4 2 春 8 % 4 2 が 6 1 どこ 4 % 6 1 山 6 1 里 6 1 野 6 1 も 25 6÷25
語彙調査の事例 国立国語研究所:「現代雑誌九十種の用 語用字」( 1956 年)
語彙調査における高頻度語
話しことばの語彙
日本語学習者のための語彙 日本留学を目指す日本語学習者のために 必要な語彙をどのように選定すればいい か。 日本で生活する人のために必要な語彙を どのように選定すればいいか。
基本語彙 語彙調査を行って、使用率が高い語を選 ぶ – 「留学生教育のための基本語彙表」:高校の 教科書の語彙調査から高頻度語を中心に 1803 語選ぶ – 客観的な調査に基づいているが、様々な領域 の語彙を収集することができない
基礎語彙 日常生活に必要な最小限の語を一定の数 だけ主観的な判断によって体系的に選ぶ –C.K. オグデンらによって提唱された Basic English の考えに基づく 個人の主観に偏るおそれ
日本語学習者のための語彙 語彙調査の結果を基礎とし、そこに主観 的な判断で選んだ語を補いながら選択す る – 『日本語教育のための語彙調査』( 1984 )国 立国語研究所