1 第 2 次世界大戦後の世界経済システム パクス・アメリカーナの成立・動揺・ 再編 Pax Americana : Establishment, Decline, Restructuring.

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マクロ金融論 ポートフォリオ・アプローチ. マクロ金融論 ポートフォリオ・アプローチの 特徴 内外資産が不完全代替( ← 為替リス ク) 分散投資(ポートフォリオ)によって リスクを軽減可能。 経常収支黒字累積 → 外国資産流入 → 国 際ポートフォリオ → 為替相場.
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経常収支とは?  一国の国際収支を評価する基準の一つ。  この 4 つのうち、 1 つが赤字であっても他で賄え ていれば経常収支は黒字となる。 貿易収支 モノの輸出入の 差 所得収支 海外投資の収益 サービス収支 サービス取引額 経常移転収支 対価を伴わない 他国への援助額 これらを合わせたものが経常収支.
『マクロ金融特論』 ( 2 ) 一橋大学大学院商学研究科 小川英治 マクロ金融特論
1 国際金融市場 伝統的金融市場 オフショア市場 ユーロ市場 デリバティブ市場. 2 国際金融市場の意義 資金過剰部門から資金不足部門への, 国際的な資金の調達や運用が行われる 場 個別経済次元 ①再生産に関わる資本 の節約や有給貨幣資本の動員 ②ヘッ ジ,投機,裁定のための取引 ③手数 料稼ぎ 国民経済次元.
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15 パクス・アメリカーナの時代 1 アメリカの戦後構想とIMF体制 2 IMF体制の成立と発展,ドル危機 3 固定相場制の崩壊と変動相場制
1. Departamento de Consultoria e Assessoria
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(出所)小峰隆夫(2003)『最新日本経済入門[第2版]』、日本評論社、p.186。
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1 第 2 次世界大戦後の世界経済システム パクス・アメリカーナの成立・動揺・ 再編 Pax Americana : Establishment, Decline, Restructuring

2 1. 1 パクス・アメリカーナの成 立 定義:アメリカの力による世界秩序の維 持 経済力・軍事力・政治力;ソフトパワー 貿易: GATT (貿易・関税に関する一般協定) 通貨: IMF ( International Monetary Fund 国際通貨基 金) 援助:世界銀行 ( International Bank for Reconstruction and Development) , 2 国間援助 軍事: NATO, 日米安全保障条約,etc

3 1.2 国際通貨体制 IMF(国際通貨基金) 1930 年代:為替切り下げ競争, 貿易ブロッ ク 1944 年 7 月ブレトン・ウッズ協定 固定為替相場制:為替安定による国際貿 易 金ドル交換:通貨価値安定の保証 国際収支赤字国の責任で経済調整 IMFによる短期融資 経済安定化義務 づけ 経常勘定の自由化促進.資本勘定規制O K.

4 1.3 経済援助・軍事援助 1941 年 武器貸与法 ( Lend- Lease Act) 480 億ドル 1945 年 米英金融協定 37 億ドル 1947 年 マーシャル・プラン (ヨーロッパ復興計 画) 日本 米軍による単独占領 賠償支払い緩和 アメリカによる対日援助 1951 年サンフランシスコ条約 講和 日米安全保障条約

5 2.1 パクス・アメリカーナの動揺①ドル 危機 アメリカ経常収支赤字拡大によるドル体 制の危機 信認・調整・流動性 ①貿易黒字の縮小 1971 年赤字化 ②アメリカ多国籍企業の海外投資,銀 行・証 券の対外投資 ③海外軍事支出 ベトナム戦争

6 2.2 パクス・アメリカーナの動揺 ②ニクソン・ ショック 新経済政策 ①金・ドル交換停止 → 国内景気対策優先 ② 10 %の輸入課徴金 → 貿易相手国切上げ ③賃金・物価の 90 日間凍結 ④個人所得税減税の 1 年繰り上げ実施 ⑤自動車消費税の廃止 ・ スミソニアン合意 ①ドルの切り下げ, 西欧,日本の通貨切上げ ②主要国通貨の変動相場制への移行

7 2.3 パクス・アメリカーナの動揺 ③石油ショックとスタグフレーション,SSE の台頭 ベトナム戦争敗北 石油ショック → 物価高騰, 不況,財政赤字, 貿易収支赤字 スタグフレーション stagnation+inflation ケインズ主義政策と福祉国家政策の後退 ・サプライサイド・エコノミクス(SSE, 供給重視の経済学)の台頭, マネタリスト に勢い

8 3.1 レーガノミクスと国際競争力問題 ①レーガノミクス レーガン大統領の経済政策 1981 年 2 月 : 「強いアメリカ, 小さな政府」 vs「悪魔の 帝国ソ連」 ①軍事費以外の政府支出の削減 ②個人・法人税の大幅減税 ( ラッファ・カーブ ) ③政府規制の緩和・撤廃 deregulation ④インフレ抑制のための安定的な金融政策 ・SDI(Space Defence Ini tiative)構想 ・高金利 + ドル高 → 米貿易赤字拡大,途上国債務問 題

9 3.2 レーガノミクスと国際競争力問題 ②国際競争力強化に向けて 産業競争力委員会『ヤング・レポート』 1985 国際競争力:国民の生活水準と財・サー ビスの輸出能力をリンクする力 自由かつ公 正な環境 製造業 の国際 競争力低下:生産性上昇率鈍 化 企業側要因:時代遅れの経営戦略,短期収益指向,設計 と製造の乖離, 人的資源, 労使関係 政府要因:財赤資本コスト,軍事優先R&D,政府規制, 不十分な輸出振興策

レーガノミクスと国際競争力問題 ③ 国際競争力強化のための通商政策 プラザ合意 ドル高是正・円高 / マルク高誘導,協調利下げ → 日本は円高不況をおそれ, 超低金利政策へ → バブル 新通商政策 9.23 外国不公正貿易の除去と損害を被った業界 / 労働者の救 済 1974 年通商改革法 301 条にもとづく報復をちらつかせ て市場開放を要求

IT革命・グローバリゼーションと 21 世紀アメリカ 経済 ①IT革命と 20 世紀末の繁栄 1990 年代アメリカ製造業の再生 IT革命: PCの普及, 商用インターネット 開始による通信, 商取引, 企業経営の劇的変化 東 西冷戦終結 IT設備投資による生産性の上昇 企業組織の変革とサプライ・チェーン・マネ ジメントの効率化 ・「ニューエコノミー」論 生産性の持続的な上昇 + 高雇用 + 賃金 / 物価の安定 ・株式ブーム

IT革命・グローバリゼーションと 21 世紀アメリカ 経済 ②アメリカン・ヘゲモニーの復活 アメリカ型グローバリゼーションの進展 新自由主義イデオロギー,金融グローバ ル化 「ワシントン・コンセンサス」 「小さな政府」, 国営企業の民営化, 貿易 自由化,国際会計基準導入, M&Aの促進, 外資導入の促進, 労働市場の柔軟化 アメリカ標準の世界標準化 global standard

IT革命・グローバリゼーションと 21 世紀アメリカ 経済 ③問われるアメリカ型資本主義 アメリカン・ドリーム=格差社会 長期にわたる実質賃金の停滞,賃金格差の拡大,雇用・ 医療など社会セーフティネットの弱さ ・ 「証券資本主義」「株主資本主義」 株主価値の最大化(エンロン,ライブドア) ・「新帝国循環」: 世界中からマネーを集め, 株価を 引上げ, その儲けで世界に投資をする