1 公債政策の推移② -バブル経済崩壊後から現在まで-
2 ( 第 18 講の再説 ) 公債政策の推移 … 資料 18-2 ,資料 18-3 ,資料 18-4 1947 年の財政法制定 =国債の発行に厳しい制約 財政法制定~ 1965 年度当初予算 ⇒国債発行禁止規定 ( 財政法第 4 条 ) の堅守 1965 年度補正予算 ⇒赤字国債の発行 1966 年度当初予算~ 1975 年度当初予算 ⇒建設国債の発行
3 1975 年度補正予算~ ⇒建設国債+赤字国債発行 1980 年~財政再建路線 (1)1984 年度赤字国債発行ゼロを目標 ⇒目標達成を断念 (2)1990 年度赤字国債発行ゼロを目標 →( 予想外の ) 大幅な税収増 ⇒目標達成 (1990 年度当初予算 )
4 公債政策の推移 -バブル経済崩壊後から現在まで-
5 バブル経済崩壊後 (1990 年代前半 ) → 景気対策 ①公共事業費を中心に財政支出拡大 ②減税 +景気後退による大幅な税収減 … 資料 16-1 cf. 阪神・淡路大震災 (1995 年 1 月 ) → 復旧・復興対策の財政支出拡大
6 橋本内閣の財政構造改革 (1997 年~ ) 『財政構造改革法』 (1997 年 11 月 ) 財政健全化目標の設定 ①財政赤字 ( 国+地方 ) の対 GDP 比 →2003 年度までに 3 %以下 ②赤字国債発行 →2003 年度までにゼロ 財政支出削減
7 ※財政支出削減 (← 財政構造改革 ) +金融システム不安 (← 銀行の不良債権急増 ) → 景気後退 ⇒景気対策>財政構造改革 『財政構造改革法改正法』 (1998 年 5 月 ) 財政健全化目標 ( ①② ) →2005 年度に延期
8 『財政構造改革法停止法』 (1998 年 12 月 ) ※橋本内閣 → 小渕内閣 (1998 年 7 月 ) 『財政構造改革法』の施行 →( 期間を定めず ) 当分の間停止 → 公共事業費を中心に財政支出拡大+減税
9 小泉内閣の財政構造改革 (2001 年~ ) 『経済・財政運営の基本方針』 (2001 年 6 月 ) =骨太の方針 2001 財政健全化目標の設定 ① 2001 年度, 2002 年度の国債発行 →30 兆円の枠内 ②プライマリー・バランス ( 国+地方 ) →2010 年代初頭に均衡 財政支出削減
10 ※財政支出削減 (← 財政構造改革 ) → 景気後退 → 税収減 … 資料 16-1 ※その後の景気回復 → 税収増 … 資料 16-1 ⇒ 2004 年度以降 : ①国債発行減少 … 資料 16-2 ②プライマリー・バランス ( 国+地方 ) 赤字縮小 … 資料 16-7
11 『経済・財政運営の基本方針』 (2006 年 6 月 ) =骨太の方針 2006 ⇒歳出・歳入一体改革 財政健全化目標の設定 プライマリー・バランス ( 国+地方 ) →2011 年度黒字化 要対応額 :16.5 兆円 → ①財政支出削減 :14.3 兆円~ 11.4 兆円 … 資料 19-1 ②増税 :2.2 兆円~ 5.1 兆円
12 ※骨太の方針 2008(2008 年 6 月末決定 ) ⇒財政健全化目標の達成は可能か?? ①財政支出削減 → 社会保障,教育,途上国援助等への 財政支出拡大要求 ⇒「努力目標」に後退? ②増税 → 消費税増税に対する野党の反対 ⇒「目標時期」を設定せず?
13 財政赤字削減策の評価 1980 年代の日本の財政再建 (← 第 18 講 ) バブル経済につながる好景気 →( 予想外の ) 大幅な税収増 ⇒財政赤字縮小 1990 年代後半以降の日本の財政構造改革 バブル経済崩壊後の景気後退 → 税収減+景気対策としての財政支出拡大 ⇒財政赤字拡大
年代の主要先進国の財政健全化 (← 第 17 講 ) 景気拡大 → 税収増 ⇒財政赤字縮小 ⇒財政赤字削減策 → まずは景気拡大が必要? = (1) 景気拡大 → 税収増 (2) 財政赤字削減策=財政支出削減+増税 ⇒財政赤字縮小
15 第 20 講の予定 6. 社会保障財政 (1) 公的年金① 社会保険における年金 年金の財政方式 日本の公的年金制度
16 参考資料の出典等 資料 16-1… 財務省理財局 [2008] 『債務管理レポート 2008 』 資料 16-2… 財務省理財局 [2008] 『債務管理レポート 2008 』 資料 16-7… 財務省 [2006] 『日本の財政を考える ( パンフレット ) 』 資料 18-2… 財務省 [2007] 『日本の財政を考える ( パンフレット ) 』 資料 18-3… 財務省理財局 [2008] 『債務管理レポート 2008 』 資料 18-4… 財務省 [2008] 『財政関係諸資料』 資料 19-1… 財務省 [2007] 『日本の財政を考える ( パンフレット ) 』