~明日の勝者~ 名古屋市立大学 森田ゼミ
・スマートフォンの普及 ・ SNS 市場の拡大 ・ CM ・ニュースなどで大きく注目され ている トップを争う DeNA 社、 GREE 社!! 今後の SNS 市場を展開していくの はどちらなのだろうか?
目次 SNS 市場と各企業の概説 財務分析 DeNA と GREE の比較 今後の展開 まとめ
SNS の全体の現状 SNS とは? 人と人のつながりを促進 ・コミュニケーションを円滑にする手段や場所を提 供 ・新たな人間関係を構築 日本における SNS の特徴 ・ PC より携帯での利用者が多い ・ 収益性が極めて高い
収益構成 有料課金収入 広告メディア収入
GREEDeNA 課金売上が収益の大半を占める 各社決算 資料より 作成
GREE の成り立ち 2004 年 12 月 GREE の運営を目的としたグリー株式会 社を設立 2007 年 5 月初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★ スタ」をリリース 2010 年 8 月スマートフォン向け GREE をリリース 同年 12 月 GREE Platform をオープン化
DeNA の成り立ち 1999 年 3 月有限会社ディー・エヌ・エーを設立 同年 11 月オークションサイト「ビッダーズ」を開始 2004 年 3 月ケータイオークションサイト「モバオク」を 開始 2006 年 2 月「モバゲータウン」を開始 2009 年 8 月「モバゲータウン」のオープン化を決定
代表作 (GREE) 2007 年 釣り★スタ 日本の携帯ソーシャルゲームの草分け的存在 ゲームと相性の良い「釣り」に着目 2010 年 ドラゴンコレクション コナミをパートナーに大ヒット TGC 要素を持つゲーム
代表作( DeNA ) 2009 年 怪盗ロワイヤル ユーザー数 1000 万人超 一人で遊ぶゲームからソーシャルゲームへ 2011 年 シンデレラガールズ パッケージゲームでもともと人気シリーズ アイテム課金と相性のいいゲーム
財務分析による比較 ~総合力・収益率~ DeNAGREE ROA 47 % 49 % ROE 41 % 57 % 売上高総利益 84 % 92 % 売上高営業利益 50 % 52 % 売上高経常利益 50 % 52 % 売上高当期純利益 30 % 各社決算資料より作成
財務分析による比較② ~成長率~ DeNAGREE 売上高成長率 22 % 59 % 総資産成長率 20 % 62 % 各社決算資料より作成
財務分析による比較③ ~安全性~ DeNAGREE 株主資本比率 69 % 50 % 流動比率 178 % 166 % 当座比率 163 % 136 % 固定比率 67 % 59 % 固定長期適合率 67 % 52 % 手元流動性 各社決算資料より作成
分析についての考察 成長率・収益率に関しては GREE が優 れている。 安全性に関しては DeNA が優れてい る。 財務分析によると今の成長率が高いのは GREE であ る なぜ DeNA が勝つのだろうか??
ARPU 一人当たり課金額 プラットホーム OS やハードウェなど、コンピューター を動作させる際の基本的な環境や設定 オープン化 API の規格を標準化し公開すること コンプガチャ 一定のシリーズのアイテムをコンプ リートすると、レアアイテムを取得する ことができるガチャガチャ商法
戦略の違い DeNA 会員数増を目標 PC 上のプラット ホームは Yahoo! と提携 外製ゲーム中心 GREE ARPU 増加を目標 PC 上のプラット ホームは独自で 展開 内製ゲーム中心
売り上げ推移 1 2
①について DeNA オープン化の成功 → 売上増加 Yahoo! と提携 → 会員数増加 内製ゲームの不調 → 伸び悩み GREE 遅れてオープン化 → 追いかける形に コンプガチャ先行 導入 → 売上の急上昇
②について DeNA コンプガチャを遅 れて導入 → 伸び悩みから脱 却 コンプガチャ規制 → 多少のダメージ を受けるも、課金 人数増加により売 上は維持 GREE コンプガチャ規制 → コンプガチャに よるゲームが大半 を占め、重課金 ユーザーが主な収 益源のため大ダ メージ
考察 会員増加により多数からバランス良く 課金される仕組みを構築した DeNA の 戦略が市場の変化に対応することがで き、再逆転の結果となった。 今後も激しい変化を遂げる市場である から、強固な地盤を持つ DeNA がこの 先の戦いを制する公算が高い。
国内ソー シャルゲー ム市場予測 (売上) ソーシャルゲームの正体を探る (Ⅳ)より作成 2012 年から成長は鈍 化し、安定成長に 今後の展開
今後の展開 国内ソーシャルゲーム市場は伸びしろ が小さくなっていく 今後は国内ソーシャルゲーム市場以外 のセグメントでの事業展開も考え始め なければならない
多角化 GREE 広告事業 DeNA EC 事業旅行代理業務球団
関連企業売上( DeNA ) EC 事業(モバオク・ペイジェント)旅行代理事業(エアーリンク) EDINET DeNA 決算資料より作成 単位:百万 円
海外展開 DeNAGREE プラットフォーム統一地域ごとに調整 対応力硬直的柔軟性あり コスト低い高い 戦略 ARPU の向上を主軸 に置いている 知名度の上昇させ会 員数の増加を主軸に 置いている
今後の課題(海外進出) どちらも海外売上は日本の1割未 満。まだ初期投資段階であり、成 否が出るのはまだ先 スタートは GREE 優位だ が、長期的には強固な地盤 を築ける DeNA が優位 ただし
まとめ① 高い収益性と成長率で GREE は、 DeNA と並ぶ企業規模になった。 しかし、 GREE は重課金者に頼っ た不安定な収益構造 また、現在は SNS 事業以外への投 資が少なく資源を活用できていな い
まとめ② DeNA は SNS 事業では一つの層に よらない収益構造で基盤が安定 DeNA は今後まだ成長の余地が十 分に残されている また、多角化分野が好調であり多 角化のメリットを享受できている
ARPU 比較 各社決算資料より作成
会員数の推移 (万人)
両社特徴まとめ GREE 一発の勢いあり、影響受けや すく波が大きい DeNA 安定した事業基盤により外 部要因に強く波が小さい 継続的な発展を考えると
現状では DeNA が優勢 Mobage アイドルマスター シンデレラガールズより 出演
参考文献 EDINET( GREE( DeNA( まつもとあつし『ソーシャルゲームのすご い仕組み』アスキー新書 荒木正人『ソーシャルゲームの正体を探 る』