ポートフォリオ・マネジメントに ついて 中央学院大学商学部 野村證券提供講座 平成17年5月18日 投資情報部 東原好之
1 投資家が保有する有価証券の集合体、もしくは 個々の投資家が保有している金融資産の集合体のことを指す。 もともとは紙ばさみを意味する言葉であったが、 有価証券は紙ばさみに挟んで保管されることが多かったため、 この言葉が保有証券を意味するようになった。 ポートフォリオとは
2 卵は一つに盛るよりも分散するほうが危険が小さい 分散投資の利点
3 【注意】 カテゴリーとは「株式」、「債 券」等の商品を指す ■ カテゴリ -の分散 資金 土地 等 債券 株 現金 資産分散にはどのよう なものがあるのか ■ 同じカテゴリー内で の地域の分散 アジア 等 米国 日本 欧州 資金 …… ■ 同じカテゴリ-内で の発行体等の分散 B社株 A社株 C社株 資金
4 <各資産の年率平均利回り> (出所)野村證券投資情報部 期間: 1965 年末から 2002 年末までの 37 年間 出所:「株式」: TOPIX( 東証株価指数 ) 「債券」: NOMURA-BPI 総合指数 ( 野村證券金融研 究所 ) 「土地」:全国市街地価格指数 ( 日本不動産研究所 ) 「郵便貯金」定額貯金 1 年以上 ( 日 本銀行 ) 「物価」:消費者物価指数 ( 全国 ) 持家の帰属家賃を除く総合(総務省統計局) 各資産ごとのリターン
5 各年限の国債利回り 分散投資の効果 (注) 2004 年 3 月 24 日時点。 (出所)ブルームバーグ社より野村證券投資情報部作成 年5年 10 年 15 年 20 年 30 年 残存年数(年)
6 格付け別利回り ~ 残存年数 1 年もの % 2004 年 3 月 19 日現在 分散投資の効果 ( 注 ) 株式会社格付投資情報センターが格付した、残存期間 1 年の債券の格付分布を表わしている。社団法人日本証券業協会調べ (出所)日経公社債情報( No.1430)
7 分散投資の効果 主要国の国債イールドカーブ (出所)ブルンバーグ社資料より野村證券投資情報部作成( 2004 年 4 月 14 日現在) 日本 イギリス オーストラリア ドイツ 米国 (%) 年1年 2年2年 3年3年 4年4年 5年5年 6年6年 7年7年 8年8年 9年9年 10 年 残存年数 利回り
8 各商品における分散投資 分散投資の効果 債券の分散 残存年数、クレジット(信用)、通貨 など 株式の分散 業種、スタイル、インデックスなど 通貨の分散 米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドルな ど 投資信託の分散 日本株式投信、海外株式投信、 海外債券投信 など
9 分散投資の効果 分散投資と相関 ~業種別株価指数の比較 (注) 株価指数は東証の業種別指数を採用、 1994 年末を 100 として指数化したもの。合成は、それぞれに等金を投資したと仮定した際のパフォーマンス推移。 (出所) 東京証券取引所資料より野村證券投資情報部作成 (年 ) 電気 ( 電力)・ガス業 電気機器 合成 '95'96'97'98'99'00'01'02'03 '04 '95'96'97'98'99'00'01'02'03 ' 小売業 電気機器 合成
10 A 株の リター ン B 株の リター ン A 株のリターンが増加 (減少) B 株のリターンは減少 (増加) 相関係数が-1に近い A 株の リター ン B 株の リター ン A 株のリターンが増加 (減少) B 株のリターンには関係な し 相関係数が0に近い A 株のリターンが増加 (減少) A 株の リター ン B 株の リター ン B 株のリターンも増加 (減少) 相関係数が+1に近い 相関係数の概念図 分散投資の効果
11 銘柄間の相関係数による、 リスク・リターンの分布の違い 相関係数の大きさによるリスクとリターンの関係の違い A:B= 1:0 A:B= 0:1 小 ← リスク → 大 相関係数が+1に近い場合 A:B=1: 0 A:B= 0:1 小 ← リスク → 大 相関係数が0に近い場合 A:B= 1:0 A:B=0: 1 小 ← リスク → 大 相関係数が-1に近い場合
12 相関係数一覧(月ベース) 分散投資 - Nomura21 相関係数- (注)計算基準は、直近 60 ヶ月( 5 年)の月末ベース(但し 2004 年 3 月は 19 日時点)の月間騰落率より算出(修正株価を使用) 。但し、新日鉱 ホールディングスは 18 ヶ月、セイコーエプソンは 9 ヶ月、三菱東京フィナンシャル・グループは 35 ヶ月より算出。 (出所)野村證券投資情報部作成
13 流動性資産安定性資産収益性資産 商品特性と配分比率 目的別の 3 つの資産タイプ 国債、一般社債、 公社債型投資信託、 定期預金、 定額貯金 など 株式、転換社債、 株式型投資信託、 外国債券、外貨建MM F、 外貨預金 など 収益性 : 小 価格変動性 : 小 換金性 : 大 ローリスク・ローリター ン 収益性 : 中 価格変動性 : 中 換金性 : 大~中 ミドルリスク・ミドルリ ターン 収益性 : 大 価格変動性 : 大 換金性 : 大~小 ハイリスク・ハイリ ターン 特色は 例えば こんな目的 で 生活費 病気・災害の備え な ど 子供の教育費 子供の結婚資金 住宅取得資金 など (現役世代にとっての) 退職後の生活費 など 金融商品 では MMF、 短期公社債投資信託、 普通預金、貯蓄預金、 通常貯金、貯蓄貯金 な ど
14 年代別の資産配分例 年代 20 代 30 代~ 40 代前 半 40 代後半~ 50 代 60 代~ ・就職 ・結婚 ・子供の誕生 ・車の購入 な ど ・子供の誕生 ・住宅取得 ・子供の入学 など ・子供の進学 ・子供の就職 ・子供の結婚 な ど ・退職 ・子供の結婚 ・住宅増改築 ・孫の誕生 な ど 資金配分例 (あくまでも一 例) ・将来に備えた計画 的な資産管理を開 始する時期 ・運用期間を長くと れ るので、収益性資 産に重点を置くこ と が可能 ・子供の教育費や住 宅取得のための安 定性資産(ローン の頭金等)と、将来 に備えた収益性資 産をバランスよく組 み合わせる ・子供の教育費と住 宅 ローンの返済等で、 支出の大きくなる時 期なので、資産の流 動性に配慮 ・退職後に備えた資 金 の本格的な準備 ・収入の拡大は見込 みにくいため、資 産 の安定性を重視 ・余裕がある場合に は、収益性資金の 割合を高めること も 一般的な ライフイベ ント 資産管理 の視点 流動性資産 安定性資産 収益性資産 流動性資産 安定性資産 収益性資産 流動性資産 安定性資産 収益性資産 流動性資産 安定性資産 収益性資産 商品特性と配分比率
15 リスクとリターンの関係 証券 A の予想収益率 - % 1 年後の予想収益率
16 証券 A のリスク・リターンの計 算 リスクとリターンの関係
17 証券 A と証券 B の予想収益率 1 年後の予想収益率 - % リスクとリターンの関係
18 証券 B のリスクとリターン リスクとリターンの関係
19 ●B●B ●A●A % % リスク(標準偏 差) 証券 A と証券 B のリスクとリターンの関係 リターン (期待収益 率) リスクとリターンの関係
20 証券 A と証券 B によるポートフォリオのリスクとリ ターン リスクとリターンの関係
21 ●B●B ●A●A ● 23 ポートフォリ オ % % リターン (期待収益 率) リスク(標準偏 差) ポートフォリオ効果 リスクとリターンの関係