ジカウイルスとは? 2016 年 01 月 26 日
ジカウイルス:基本情報 デングウイルス、チクングニヤウイルスと同様に、ネッタイシマカ( Aedes aegypti ) によって媒介される、蚊媒介ウイルス。 1947 年にアフリカ、ウガンダの Zika 森林で発見され、以降アジアとアフリカでは比較 的よく見られるウイルスである。 感染症の症状は主に軽症であると考えられてきた。感染するとその 1/5 程度が発症す るといわれており、その症状は主に発熱、発疹、関節痛そして赤眼である。入院す るケースはまれ。 ほかの地域でこれまで流行が見られたことはなく、ほとんどの人が免疫防御能を 持っていないと考えられる。 診断法は PCR による遺伝子診断。抗体検査ではしばしば デング熱や黄熱と交 差反応するため、今のところ鑑別診断が難しい。 2013 - 2014 年フレンチポリネシアで推定 人が感染したとされるアウトブレー クがあった。このとき神経系あるいは事故免疫系疾患を呈した人は 74 人でそのう ち 42 人が GBS (ギランバレー症候群)であった。 CDC Zika virus PAHO/WHO Zika virus infection
ジカウイルス: 2015 年冬に何が変わったか 2015 年 7 月ブラジルで、ジカウイルス感染歴がある人のうち、 76 人で神経系症状が見 られたとする報告があった。 その 55 %( 42 人)は GBS であった。 2015 年 10 月、ブラジル IHR-NFP が小頭症の異常な増加を報告した。 2016 年第 1 週までに 国内で 3,530 人の小頭症が報告(うち 46 人死亡)。 年の平均は年間 163 人。 図 1 : 平均(左) と、 2015 年における小頭症患者 数の比較 WHO/PAHO 年 12 月 1 日 PAHO は疫 学的警報( epidemiological alert) を発令 oc_view&Itemid=270&gid=32405&lang=en
CDC ジカウイルス診断アルゴリズム Interim Guidelines for Pregnant Women During a Zika Virus Outbreak — United States, 2016 MMWR Weekly / January 22, 2016 / 65(2);30–33 Zika ウイルス流行地域への 旅行歴のある妊婦 旅行中もしくは帰国 2 週間以内に Zika ウイルスに関連すると見られ る症状なし 胎児超音波診断で小頭症や脳内 石灰化の有無を検査 旅行中もしくは帰国 2 週間以内に Zika ウイルスに関連すると見られ る症状あり Zika ウイルス感染診断 陽性 陰性 胎児超音波診断で小頭症や 脳内石灰化の有無を検査 いずれかの所見あ り 胎児超音波診断で小頭症や 脳内石灰化の有無を検査 所見なし いずれかの所見あ り 所見なし 羊水穿刺を提案羊水穿刺を考える Zika ウイルス感染診断 羊水穿刺を考える 再度の胎児超音波診断 を考える 小頭症や脳内石灰 化の所見あり