マクロ金融論 ニュースの理論
マクロ金融論 為替相場はニュースに反応 為替相場は、ニュース(新しい情報) に対して反応する。市場参加者がこれ までに知らなかった情報が流れると、 為替相場は変化する。 逆に、新しくない情報には、為替相場 は反応しない(「市場の織込済み」 etc. )。 市場参加者がすでに知っている情報が 流れても、為替相場は変化しない。
マクロ金融論 ニュース=新しい情報
マクロ金融論 効率的市場( efficient market) 効率的市場=すべての関係する情報に 即座に完全に価格が反応する。 合理的な市場参加者であれば、過去に 価格に反映したが、取り入れられな かった情報は、次回からは取り入れて 行動する。(⇒合理的予想)
マクロ金融論 予想値としての先物相場 危険中立的な市場参加者を想定。 先物投機⇒先物相場=予想直物相場 但し、 :t時点の情報を利 用して、t+1時点の直物相場を予想 した値。(条件付期待値)
マクロ金融論 合理的予想( rational expectation) 将来の直物相場を合理的に予想する。 「合理的」の意味:予想の誤りを修正す る。 ⇒①予想の誤差には、バイアスがない。 ②予想の誤差には、過去との相関がな い。
マクロ金融論 予想誤差にバイアスがない。 証明
マクロ金融論 直物相場と先物相場の関係 (1) ・ (2) 式より、 直物相場=先物相場+予想誤差 直物変化率=先物プレミアム+予想誤 差
マクロ金融論 予想誤差=ニュース+攪乱項 予想誤差をニュースと攪乱項に分解。 但し、 :t時点からt+1時 点までに獲得した新しい情報 :t+1時点における攪乱 項。攪乱項の期待値=0 ( )
マクロ金融論 直物相場とニュースとの関係 (4) ・ (5) 式より、 t+1時点の為替相場は、①先物相場 あるいは予想直物相場、②ニュース、 ③攪乱項によって説明できる。
マクロ金融論 伸縮価格マネタリー・モデル 下におけるニュース 合理的予想を仮定。 為替相場が伸縮価格マネタリー・モデルに よって決定されることを市場参加者は知って いると仮定。 伸縮価格マネタリー・モデル下における為替 相場決定要因(貨幣供給量、所得、金利な ど)の将来動向に関する情報が獲得されると、 市場参加者はその将来動向に基づいて、将来 為替相場を「合理的に」予想する。
マクロ金融論 伸縮価格マネタリー・モデル 但し、 :攪乱項(貨幣需要、貨幣 供給、購買力平価の攪乱項)
マクロ金融論 伸縮価格マネタリー・モデル下 における先物相場と予想直物相 場 (7) 式に従って、将来為替相場を予想。
マクロ金融論 伸縮価格マネタリー・モデル下 における直物相場 (4) ・ (8) 式より、
マクロ金融論 伸縮価格マネタリー・モデル下 におけるニュース (6a) 式と (9) 式を比較すると、
マクロ金融論 貨幣供給量のニュース⇒為替相場 ニュースとは、為替相場決定要因に関 する新しい情報を意味する。 為替相場は為替相場決定要因のニュー スに反応する。 例えば、伸縮価格マネタリー・モデル の下では、貨幣供給量のニュースに為 替相場は反応する。逆に、「織込済み の」貨幣供給量の変化には、為替相場は 反応しない。