6章 7章 インセンティブ
モラルハザード よくある誤解(誤訳):倫理の欠如 私の好きな意訳:倫理の落とし穴 よくある定義 情報の非対称性があり、代理人の 行動が観察できない がゆ えに、代理人が 依頼人の意に即した行動を取らず 、自ら の利得を最大化する問題。 例:保険、負債を背負った経営者
モラルハザードが起きるメカニ ズム 前提:情報の非対称性、特に行動が観察不可 能 プラスして以下の二条件のどちらかが満たさ れること 1. 代理人がリスク回避的 2. 代理人が有限責任(破産制約あり)
不確実な成果の源泉 1. 成果が従業員の努力とは別のところで決ま る 2. 業績の測定そのものにノイズや主観が入り、 ゆがむ 3. 従業員の能力が外的要因で変化する
最適報酬の原理 1. インフォーマティブ原理 ◦ 努力水準の推定が難しくなると、インセンティブ を与えるのが難しくなる 2. インセンティブ強度原理 ◦ インセンティブの強度は限界収益や測定精度、リ スクの増加関数となっていないといけない 3. モニタリング強度原理 ◦ 強いインセンティブを与えるときはモニタイング も必要 4. 均等報酬原理 ◦ 努力の限界収益は同じでないといけない
モラルハザードの例 1. 保険 2. 預金保険と金融機関 3. 過剰な買収 4. 負債契約
モラルハザードを防ぐ方法 1. モニタリング 2. インセンティブ契約 ◦ ただし、リスク負担とのトレードオフ 3. 補償金