第4章:資産価格とそのバブル P.115~137 08bc134k 畑 優花
現在価値と資産価格 (P116~) 現在価値とは 将来時点での購買力と等価であるとみなされる現在時点での購買力の大きさ 例:満期までの残存期間3年、利子率2%の3年後の1万円の現在価値 ⇒10000 / 1.02×1.02 ×1.02 ≒ 9423円 複利計算
現在価値と資産価格 (P116~) -Q1- -A1- こういった収入の現在価値の合計を 「ファンダメンタル価値」あるいは「理論価格」という ある資産を保有していると 1年後に C1 2年後に C2……… n年後に Cn の収入が得られるとする。 この資産の現在価値は? -Q1- ※前提※ ①n+1年後からは何も得られない ②収入は国債の様な債務不履行のない確実なもの こういった収入の現在価値の合計を 「ファンダメンタル価値」あるいは「理論価格」という 1年目の収入の現在価値 N年目の収入の現在価値 2年目 -A1- P= + + ………
現在価値と資産価格 (P116~) ある資産の「ファンダメンタル価値<市場価値」 ある資産の「ファンダメンタル価値>市場価値」 その資産の需要は減少し、市場価格に下落圧力 その資産の需要は増加し、市場価格に上昇圧力 このように裁定が行われ、結果・・・・・ 資産の市場価値とファンダメンタル価値は一致! これについては 後ほど・・・・ 乖離する状態を「バブル」
キャッシュフローが不確実な場合 (P120~) 「確実性等価(certainty equivalent)」を使う P= + + ……… 次に先ほどの前提とは違い、 収入の大きさが不確実なリスクを伴う場合について考える! 分子を修正する方法 「確実性等価(certainty equivalent)」を使う 変動する可能性のある不確実な収入の大きさと同じ満足度を投資家に与える確立した収入の事。 そしてこの2つの差が、「リスク・プレミアム」! P= + + ……… 分母を修正する方法 しかしこの方法は、投資家のリスク許容度によって違いが出てしまう…
キャッシュフローが不確実な場合 (P120~) -Q2- -A2- P= + + ……… 分子を修正する方法 分子には不確実なキャッシュフローの期待値(平均値)を使い、 分子の利子率に相当する割引率として、 利子率にリスク・プレミアムを加えた 「必要収益率(required rate of return)」 を使う P= + + ……… ある資産を保有していると 1年後に C1 2年後に C2……… n年後に Cn の収入が得られるとする。 -Q2- この資産の現在価値は? 「必要収益率(required rate of return)」 ※前提※ ただしCは確率変数(リスクあり) P= + + ……… -A2-
債権価格と株式価格 (P123~) つまりこの部分で何が言いたいかというと・・・・ 株価 PER 長期低金利政策 必要収益率 成長期待 成長期待 リスクプレミアム 利益の大きさに変化はなくても、資産価格は上昇する!
根拠なき熱狂 (P126~) 効率市場仮説(efficient market hypothesis) バブルとは、前述のように・・ ファンダメンタル価値の評価が上振れした状態 資産の市場価値とファンダメンタル価値が乖離する状態 流通市場が発達していて、活発な裁定行動がみられる状況においては、 資産の市場価値はその資産のファンダメンタル価値に一致するはずである。 効率市場仮説(efficient market hypothesis)
根拠なき熱狂 (P126~) また、「これがバブルである」と判断するのは難しい・・・ 何らかの理由で投資家が将来に対して過度に楽観的になって、リスク・プレミアムが低下する その時点で十分な根拠があった これはバブルではない 極めて強気の成長期待 根拠なき熱狂(ユーフォリア)により起きたもの これはバブル ではなぜこういった社会心理現象を起こし得るのか? 資産価格の高騰
日本の経験 (P130) 日本では1986年頃からバブルの兆しが見え始める… ①長期間継続した金融緩和政策 バブルにはこうした「もっともらしい」 物語がつきもの! ①長期間継続した金融緩和政策 プラザ合意後の円高不況に対応するため長期で緩和政策 ②国民の自信 著しく先進国化し「日本は高い国際競争力を持っている」という認識が広がった 日本では1986年頃からバブルの兆しが見え始める… 日経株価の推移 地価の推移 遅行する形で・・・ 強気な期待による ユーフォリア! なぜこのような状況に陥ったのか?
資産市場の情報発信機能 (P134~) 3つの過剰 「失われた10年」 といわれる 長期低迷へ・・・・・ バブル発生のメカニズム 根拠のない 資産価格の上昇 企業・家計へ 誤ったシグナル 過大な 実物投資 実体経済での 歪み 「失われた10年」 といわれる 長期低迷へ・・・・・ 過剰設備 過剰債務 過剰雇用 3つの過剰
資産市場の情報発信機能 (P134~) 筆者の考え 資産市場で最も重要な機能は「情報発信機能」! 資産価格が出来るだけ正確でないと、企業や家計の経済的意思決定に歪みが生じてしまう。 「市場で形成される価格=ファンダメンタル価値」な 「効率的市場」を目指して努力するべき
金融政策において、 資産価格は考慮に入れるべきか 論点 金融政策において、 資産価格は考慮に入れるべきか