―台湾人日本語学習者の習得状況 と日本人の評価を中心に―

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―台湾人日本語学習者の習得状況 と日本人の評価を中心に― 台湾人日本語学習者と日本人の 「断り表現」の比較研究 ―台湾人日本語学習者の習得状況 と日本人の評価を中心に― 名前:魏妙旬 番号:MA0E0105 指導教官:陳亭希 先生

目次 第一章 序論 1.1研究背景・動機 1.2研究目的 1.3研究流れ

目次 第二章 先行研究 2.1台湾人・中国人日本語学習者・日本語使用者の断り表現に関する研究 2.2外国人日本語学習者の断り表現に関する研究 2.3日・台の断り表現の対照研究 2.4先行研究のまとめ 2.5意味公式の分類とまとめ

目次 第三章 研究方法 3.1調査期間 3.2調査対象 3.3調査方法及び分析の手順 3.4調査内容 3.5調査票修正を専門家に依頼 3.6分析方法 3.6.1意味公式の分類 3.6.2ポライトネス軸の評価基準

目次 第四章 誘い・依頼に対する「断り表現」に関する調査 4.1意味公式の使用個数の比較 4.2日本人(JNS)の場合 4.2.7日本人(JNS)のまとめ 4.3台湾人(TNS)の場合 4.3.7台湾人(TNS)のまとめ 4.4滞日経験のない台湾人日本語学習者(TJ0)の場合 4.4.7滞日経験のない台湾人日本語学習者(TJ0)のまとめ 4.5まとめ 4.6今後の課題

1.1研究背景・動機 近年、日本語学習者 「断り」に関する研究が多い これまでの研究では 滞日経験の有無、長短などによって、「断り表現」にも相違がある 滞日経験ない学習者の習得状況が「断り」にどのような影響を与 えるか 滞日経験ない学習者とある学習者の断りと日本人の断りの相違点 日本人は台湾人日本語学習者の断りに対するの評価

1.2本研究の目的 1.日本人と台湾人及び台湾人日本語学習者の「断り表現」を明らかにする 2.学習者の学習年数、滞日経験の長短など →「断り」に何の影響を与えるのかも分析 3.日本人は初級・中級・上級学習者と滞日一年・二年・三年学習者の「断り 表現」にどう評価するのかを調査、分析 今回発表の内容 先行研究を整理、検討。研究方法の説明、 日本人、台湾人、滞日経験ない日本語学習者の「断り」を比較

1.3研究流れ 研究動機と目的 先行研究とその問題点 断りの意味公式の分類 アンケート作成 アンケート回収 データの統計 データ分析 まとめと結論

2.先行研究 2.1台湾人・中国人日本語学習者の断り表現に関する研究 調査対象 場面設定 呉(2007) 1.日本人―社会人 2.台湾人―社会人 3.台湾人日本語学習者―社会人、院生を対象とし、2グループに分ける a.滞日経験のない対象 b.滞日経験ある対象 1.親しくない部下が飲み会に誘ってくれる。 2.親しい友人が映画を見に誘ってくれる。 3.親しい学生がコンサートに誘ってくれる。 4.親しくない友人からバイトの依頼と頼まれる。 5.親しい上司から案内の依頼と頼まれる。 6.親しくない先輩は新年会に誘う。 調査結果 滞日経験のない日本語学習者は母語から日本語へのプラグマティック・トラスファーの現象がよく見られることが分かった。

2.2外国人日本語学習者の断り表現に関する研究 先行研究 調査対象 場面設定 藤原(2009) 1.日本人―大学生 2.インドネシア人―大学生  台湾人―大学生 3.インドネシア人日本語学習者 ―大学生 4.台湾人日本語学習者―大学生 ※日本語学習者の日本語レベルは日本語能力試験3級以上とする。 3例の「誘い」に対する断り場面を設定し、断る相手の地位が上、同等、下の人に限定される。 1.目上の場合 2.同位者の場合 3.目下の場合 調査結果 両国の日本語学習者は日本語の場合に母語の様式をそのまま持ち込まれるのではなく、直接的断りの減少、間接的ストラテジーの増加などが見られると挙げられた。「断り」に対して、上下関係が影響を与えることが分かった

2.3日・台の断り表現の対照研究 先行研究 調査対象 場面設定 施(2005) 1.日本人―大学生、大学院生 2.台湾人―大学生、大学院生 友人から「自分の代わりに自分の男友達と一緒に国立国語研究所に行って実験に参加してほしい」と頼まれる。 調査結果 台湾人と日本人の「断り表現」にほぼ同じ特徴が見られることが分かった。「断り成立まで」の段階において、「回避」をはじめ、「直接的な断り」、「理由説明」などの使用が見られている。「断り成立後」の段階において、日本人と台湾人ともに「謝罪」の使用が集中している傾向がある。

2.4まとめ 先行研究から 日本語学習者の習得状況 →どのような「断り表現」が見られるのか明らかにされていない 学習年数と学習レベル  →どのような「断り表現」が見られるのか明らかにされていない 学習年数と学習レベル  →「断り表現」に与える影響、この点に言及していない 滞日の長短も調査項目に入れる必要がある

2.4まとめ 日本人の評価について →日本人の評価、不快度に影響を与える原因は他にもあるので はないか  →日本人の評価、不快度に影響を与える原因は他にもあるので はないか 学習者の滞日経験の有無、滞日の長短を分析項目とする

2.5意味公式の分類のまとめ 多くの研究において、意味公式の分類をまとめるが、意味公式の分類に は不適切な部分がある。例えば、  多くの研究において、意味公式の分類をまとめるが、意味公式の分類に は不適切な部分がある。例えば、 伊藤(2002,2009)と蒙(2008,2010)では{代案}の意味機能を「相手との関係 を維持したい旨の積極的な働きかけ」、「実際的な問題解決を指向する」 と定義。しかし、実際に{代案}の使用には具体的な問題解決の方法を提 示しない可能性がある→その機能を補足すべき 伊藤では⑧{情報}を「相手の発話内容を確認」と定義。しかし、意味公式 の名称が意味機能とつながられないが、蒙ではこの意味公式を⑨{確認} と名付け。本研究ではこれを採用することにする

2.5意味公式の分類のまとめ 伊藤と蒙では{承諾}を「明確な承諾」と定義、{承諾}の名称から見ると、「 断り表現」とつながられないため→補足、修正する必要 伊藤では「ちょっと、あのう、えーと」の用例を⑪{その他}に分けている が、しかし「ちょっと」がよく見られる言語表現である→もう一つの分類 として立てるべき 「ちょっと」は「相手の意向に添えない旨を言わず、自分の心情を相手に 察してもらう」機能があるので、本研究では蒙の研究を採用することに し、{言いさし}の意味公式に分ける

2.5意味公式の分類のまとめ 「あのう、えーと」は「ためらいのポーズで断りを予感させる」機能を担 っているので、{ためらい・相づち}の意味公式に分け 鈴木(2010)では {確認}、{間投詞的表出}、{非難}、{賞賛}の意味公式に 欠けるが、それらの意味公式を補足する必要 本研究はまず、鈴木(2010)の分類に基づいて意味公式の分類を補足し、 採用することにした。そして、伊藤(2002,2009)、蒙(2008,2010)の意 味公式の分類を修正、補足

3.研究方法 3.1調査期間 調査期間ー2013年2月~2013年4月 3.2調査対象 調査対象者 母語 使用言語 回答数 日本人 日本語 18 台湾人 中国語 22 初級学習者 14 中級学習者 上級学習者 16 滞日一年以内の学習者 10 滞日二年以内の学習者 滞日三年以上の学習者

3.3調査方法と手順 断り表現の調査について 調査方法はDCTを採用、調査対象に意味公式の分類リストを提供 調査票を直接に配布、電子メールとネットで調査 ポライトネス度に関する調査について SPSS19.0を使用、分析。SPSSの分散分析(ANOVA)と多重比較を 採用、有意差判定を行った 意味公式の整理と分類 ポライトネスの軸を設定 調査票の作成 調査票を修正 アンケート調査を行う

3.4調査内容 上下関係を目上、同等、目下に分け、同様な地位の相手を 親しい相手と親しくない相手に分けられる 対話の相手 場面 1.親しい先輩 飲み会の誘う 2.親しくない先輩 3.親しい同級生 4.親しくない同級生 5.親しい後輩 6.親しくない後輩 対話の相手 場面 7.親しい先輩 英訳のバイトを頼まれる 8.親しくない先輩 9.親しい同級生 10.親しくない同級生 11.親しい後輩 12.親しくない後輩

3.5調査票修正を専門家に依頼 3.6分析方法 3.6.1意味公式の分類 李金泉 副教授 統計専門 南台科技大学 師資培育 センター 呂金河 南台科技大学 師資培育 センター 呂金河 教授 南台科技大学 企業管理学科 3.6分析方法 3.6.1意味公式の分類 依頼・勧誘に対する「断り」の意味公式を17種類に分類

3.6分析方法 意味公式の分類 意味公式 例 ①{結論} 行けない/だめだ/無理だ/行きたくない/できない ②{理由} 用事がある/都合が悪い/やることがある ③{詫び} すみません/ごめん/申し訳ございません ④{代案} 別の日はどうでしょうか/OOさんを探したほうがいい/他の人を誘ったほうがいいと思う ⑤{関係維持} また誘ってください/また今度誘ってくれ ⑥{共感} 行きたいですけど/せっかくですけど、残念です ⑦{感謝} 誘ってくれてありがとう ⑧{確認} あの店ですか/今晩ですね ⑨{態度の保留} 時間があれば、行きます/ちょっと考えます ⑩{承諾後の断り} 分かった。でも行けない/やります。しかし、最近時間がなくて

3.6分析方法 意味公式 例 ⑪{間投詞的表出} うそ!/まじかよ!/それは大変ですね。/困ったなあ~ ⑫{ためらい・相づち} あの/あのう/いや/ああ/ああそう/ええ/あ/そう/そうですね/そうか/ほう/おや/ん/うん…/えーと ⑬{言いさし} ちょっと…/明日は少し…/それはちょっと…/でも… ⑭{呼称}: 課長/Aさん ⑮{非難}   私を殺す気ですか?/早めに言ってくれればいいのに ⑯{賞賛} 僕よりも君のほうが英語ができるぞ/君ならきっと大丈夫だよ ⑰{その他} ハハ/へへハハ/へへ/いつがいいですか/いいですね/力になれなくて/お役に立てず/もし急いでるなら/よろしくお願いします/次回はいつ/英語できないの知っているだろう/どうしましょうか/みんなで楽しんでね/英語なら無理/私よりOOさんのほうが上手だよ

3.6分析方法 意味公式の分析について 複文、繰り返し場合は一つの意味公式とする 例えば 例1 すみません、今晩ちょっと用事があるので、行けないです。      詫び       理由          結論 例2 他の人に頼んでみたらどう? Oさんは暇だし、私より英語がいい。        代案        代案の理由1   代案の理由2 例3 レポートがいっぱいあるので、それに来週に全てを提出するんだよ。         理由の説明1           理由の説明2 例4 すみません、最近忙しいから、無理です。本当にすみません。    詫び1     理由     結論     詫び2

3.6.2ポライトネス軸の評価基準 5つの「ポライトネス軸」でそれぞれの評定数値を「配慮度」、「間接   3.6.2ポライトネス軸の評価基準 5つの「ポライトネス軸」でそれぞれの評定数値を「配慮度」、「間接 度」、「親近度」、「距離度」、「改まり度」とする 配慮の軸 最も配慮する態度で断ることを5、最も配慮しない態度で断ることを1とする。 間接性の軸 最も間接的態度で断ることを5、最も直接的態度で断ることを1とする。 親近感の軸 最も親近感を示す態度で断ることを5、最も親近感を示さない態度で断ることを1とする。 距離の軸 最も距離を置く態度で断ることを5 とし、最も距離を置かない態度で断ることを1とする。 改まりの軸 最も改まった態度で断ることを5 とし、最も改まっていない態度で断ることを1とする。

3.6.2ポライトネス軸の評価基準 調査対象間の平均値に有意差が見られるか、有意差検定を行った。 思 あ ど 少 思 わ ま ち し う  思  あ  ど  少  思  わ  ま  ち  し  う  な  り  ら  思    い  思  と  う     わ  も      な  言      い  え        な       い 相手の面子を傷つけないように最も配慮する態度で断る 1 2 3 4 5 断る意思を最も間接的に伝える態度で断る 最も親近感を示す態度で断る 最も距離を置く態度で断る 最も改まった態度で断る

4.誘い・依頼に対する「断り表現」に関する調査 4.1.2 意味公式の使用個数の比較 意味公式の使用個数の調査結果 場面1-場面6 JNS(日本人)は親しくない同級生と親しい後輩の場合、意味公式の個数が多い TNS(台湾人)は親しい先輩と親しくない先輩の場合、意味公式の個数が多い TJ0(滞日経験ない学習者)にもTNSと同様な結果が見られる 場面7-場面12 JNSは親しい先輩と親しくない同級生の場合、意味公式の個数が多い TNSは親しくない先輩と親しくない同級生の場合、意味公式の個数が多い TJ0は親しい先輩と親しくない先輩の場合、意味公式の使用個数が多い 4.誘い・依頼に対する「断り表現」に関する調査 4.1.2 意味公式の使用個数の比較

4.1.2 意味公式の使用個数の比較 3つのグループは依頼に対する「断り場面」より誘いに対する「断 り場面」のほうでは意味公式が多い 全12場面においては、JNSはTNSとTJ0より使用個数の平均が 高い JNSの標準偏差に比べ、TNS、TJ0の標準偏差が大きい結果か ら、意味公式の使用個数について、個人差が大きい

4.2.7JNS(日本人の場合) 場面における意味公式の選択 場面1 場面2 {理由}>{詫び}>{関係維持} {理由}>{詫び}>{結論} 場面3 場面4 場面5 場面6 {理由}>{詫び>{結論}={関係維持} {理由}>{詫び>{結論}

4.2.7JNS(日本人の場合) 誘いに対する「断り場面」 に比べ、{代案}の使用頻度 →著しい増加 誘いに対する「断り場面」において、不明確な理由で断る 依頼に対する「断り場面」では明確な理由で断る傾向がある 場面における意味公式の選択 場面7 場面8 {理由}>{詫び}>{結論} {詫び}>{理由}>{結論} 場面9 場面10 {理由}>{詫び}={代案} {理由}={詫び}>{代案} 場面11 場面12 {詫び}>{理由}>{結論}={代案}

4.2.7JNS(日本人の場合) 場面 順位 意味公式の組み合わせ 1 2 3 {詫び}+{理由}+{結論} {詫び}+{理由}+{関係維持} {共感}+{理由}+{関係維持} {詫び}+{理由}、 {詫び}+{理由}+{結論}+{関係維持} {詫び}+{理由}+{結論}、 {理由}+{結論}+{詫び} 4 {ためらい・相づち}+{詫び}+{理由}+{関係維持}、 {ためらい・相づち}+{共感}+{理由}+{関係維持} 場面 順位 意味公式の組み合わせ 5 1 2 3 {詫び}+{理由}+{結論} {詫び}+{理由}+{関係維持} {ためらい・相づち}+{理由}+{関係維持}、 {ためらい・相づち}+{詫び}+{理由}+{関係維持} 6 {詫び}+{結論} {ためらい・相づち}+{共感}+{理由}+{関係維持}、 {ためらい・相づち}+{感謝}+{理由}+{関係維持} 前の4場面、JNSには親疎の差異がない 親しくない同級生、親しい後輩、親しくない後輩 「ためらい・相づち先行型」が多い →断りにくいので、使用が頻繁になる

4.2.JNS(日本人の場合) 場面 順位 意味公式の組み合わせ 7 1 2 {詫び}+{理由}+{結論}、 {詫び}+{理由}+{代案} 「詫び先行型」 8 3 {詫び}+{理由}+{結論} 9 「理由先行型」 10 {理由}+{代案} 場面 順位 意味公式の組み合わせ 11 1 2 3 {詫び}+{理由}+{結論} {詫び}+{理由}+{代案} 「結論先行型」 12 {詫び}+{理由}+{代案}、 {詫び}+{結論}+{代案} 誘い場面に比べ、{詫び}+{理由}+{代案}の使用が頻繁 全6例の依頼に対する「断り場面」においても、定式表現に近い傾向がある 場面7、場面8、場面9、場面10には、意味公式の組み合わせの差異が明らかに見られていない。

4.3.7TNS(台湾人の場合) 場面における意味公式の選択 場面1 場面2 {理由}>{詫び}>{結論} 場面3と場面5では、{関係維持}の使用も多く見られる →親しい同級生と親しい後輩のほうが友人関係を消極的に維持したい 誘いに対する「断り場面」では、JNSに比べ、TNSはより明確的な理由で断る傾向が見られる 場面における意味公式の選択 場面1 場面2 {理由}>{詫び}>{結論} {理由}>{詫び}>{感謝} 場面3 場面4 {理由}>{結論}={関係維持} {詫び}>{理由}>{結論} 場面5 場面6 {理由}>{関係維持}>{詫び}

4.3.7TNS(台湾人の場合) 場面における意味公式の選択 場面7 場面8 {詫び}>{理由}>{賞賛} {理由}>{詫び}>{ためらい・相づち} 場面9 場面10 {賞賛}>{その他}>{結論}={理由}={詫び} {詫び}>{理由}>{結論}={ためらい・相づち} 場面11 場面12 {詫び}>{理由}>{結論} JNSと比較、{賞賛}の使用頻度はより{代案}増加 依頼に対する「断り場面」では、TNSとJNSは明確的な理由で相手を断る傾向

4.3.7TNS(台湾人の場合) 順位 意味公式の組み合わせ 場面5 1 2 {理由}+{関係維持}、 {詫び}+{理由}+{代案} 「理由先行型」 場面6 {詫び}+{理由}、{詫び}+{理由}+{結論} 「詫び先行型」、「理由先行型」、 「言いさし先行型」 順位 意味公式の組み合わせ 場面1 1 2 3 {詫び}+{理由} {結論}+{理由}+{詫び} 「詫び先行型」 場面2 {詫び}+{理由}+{感謝} 場面3 {理由}+{結論} {確認}+{態度の保留}+{その他}、{態度の保留} 場面4 {詫び}+{理由}、 {詫び}+{理由}+{結論}、 {理由}+{詫び} TNSにも定式表現が見られる 場面3、{態度の保留}の組み合わせが増える →親しい同級生を断りたくないため、折衷的な表現で断る {詫び}の組み合わせが少ない→親しい同級生に対する配慮が高くない

4.3.7TNS(台湾人の場合) 場面 順位 意味公式の組み合わせ 11 1 2 {理由}+{詫び}、{承諾後の断り}+{詫び}、{その他}+{賞賛} 「間投詞的表出先行型」 12 {理由}+{代案}、{詫び}+{結論}、{詫び}+{理由} 「結論先行型」、「詫び先行型」、「言いさし先行型」 場面 順位 意味公式の組み合わせ 7 1 2 3 {賞賛}+{その他} 「詫び先行型」 「理由先行型」 8 {詫び}+{理由} {理由}+{詫び}、{理由} 9 {賞賛} 10 「ためらい・相づち先行型」 「詫び先行型」、「言いさし先行型」 場面10と場面11、{ためらい・相づち}、{言いさし}を用い、自分の悩みやためらいを相手に察してもらう →親しくない同級生と親しくない後輩を断りにくい対象とするため 親しい相手を断る時、{賞賛}の組み合わせが頻繁 →親しい相手との友人関係を保つ、良いイメージを与えるために、{賞賛} を選択する

4.4.7滞日経験のない学習者(TJ0)の場合 場面1-場面6 意味公式の選択  場面1-場面6 意味公式の選択 =TJ01とTJ02及びTJ03のみならず、JNSとTNSにも{理由}と{詫び} を多用 国籍、対象を問わず→{理由}と{詫び}を優先的選択とする TJ01は{感謝}と{間投詞的表出} TJ02とTJ03では、共に{結論}と{関係維持}で断る傾向がある。

4.4.7滞日経験のない学習者(TJ0)の場合 場面7-場面12 意味公式の選択 場面7-場面12 意味公式の選択 依頼に対する「断り場面」、最も多くのは{詫び}で、次いでは{理由} 場面7、場面9、場面10、TJ01には{結論}が多い 場面8、場面9及び場面11では、TJ02は{代案}の使用が多い TJ03には{結論}の使用が多い

4.4.7滞日経験のない学習者(TJ0)の場合 場面1-場面6 意味公式の組み合わせ 場面1-場面6 意味公式の組み合わせ TJ01では、最も用いるのは「詫び先行型」、次に、「間投詞的表出先行 型」と「ためらい・相づち先行型」もよく使われる TJ02では、「理由先行型」と「詫び先行型」の傾向が最もよくある。次に、 {詫び}+{理由}+{結論}の使用もよく見られる。 TJ03では、最多数の組み合わせは「詫び先行型」であるが、次いでは「 理由先行型」である。

4.4.7滞日経験のない学習者(TJ0)の場合 場面7-場面12 意味公式の組み合わせ TJ01とTJ02及びTJ03では、「詫び先行型」の使用頻度が最も高い、次に、 TJ01とTJ02は「ためらい・相づち先行型」をよく用いる TJ03は{詫び}+{理由}+{代案}の使用も少なくない

4.6まとめ 意味公式の選択について、場面1から場面6まで、JNSとTNS及びTJ0(TJ01、 TJ02、TJ03)は同じく{理由}を最も多用。次に、{詫び} →JNSとTNS及び TJ0は共に{理由}と{詫び}を優先的選択 理由の使用状況について、JNSに比べ、TNSはより明確的な理由で断る TJ01、TJ02、TJ03共に不明確な理由で断る→JNSと似ている表現

4.6まとめ 意味公式の選択について、場面7から場面12まで、JNSは{理由}、次に、 {詫び}を用いて断る TNSとTJOでは、最も多くのは{詫び} 、次いでは{理由} 誘いに対する「断り場面」に比べ、JNSとTJ02は{代案}の使用が多いし かし、TJ01とTJ03では、共に{代案}の使用頻度が増えていない

4.6まとめ 理由の使用状況について、誘いに対する「断り場面」、JNSとTJ01、TJ02、 TJ03は不明確な理由で断る依頼に対する「断り場面」、明確な理由で断る 場面1-場面6 意味公式の組み合わせ TJ01、TJ02、TJ03では、「詫び先行型」を多用→人間関係の亀裂を減少する  場面3と場面6、TJ01では「確認先行型」と「理由先行型」の使用もTNSの組み合 わせと一致

4.6まとめ 場面3、場面4及び場面6、TJ02とJNS及びTNSは同じく{詫び}+{理 由}+{結論}を用いる 場面1、場面2、場面4では、TJ03は同じく{詫び}+{理由}+{結論}をよ く使用→TJ02とTJ03は{詫び}+{理由}+{結論}の組み合わせが使いこな せる

4.6まとめ 場面7-場面8 意味公式の組み合わせ TJ01、TJ02、TJ03ではJNSと近似している表現は「詫び先行型」 場面7-場面8 意味公式の組み合わせ TJ01、TJ02、TJ03ではJNSと近似している表現は「詫び先行型」 場面7では、TJ02は「賞賛先行型」の使用がTNSの{賞賛}+{その他}と類 似 場面9では、TJ01とTJ02及びTJ03 は{非難}の組み合わせで相手を断る →親しい同級生に対する配慮が少ない

4.6まとめ 場面8と場面11では、TJ03とJNSは同じく{詫び}+{理由}+{代案}で断る傾向 がある JNSと比較、TJ01とTJ02及びTJ03では、最もよく用いる意味公式には大きな 違いはない 組み合わせについて、TJ01よりTJ02とTJ03の日本語能力がやや高いので  →日本人の「断り表現」と少し似ている TJ01の中で、「断り表現」を学習した人と「断り表現」が分からない人は同じ く約4割を占めたので→ TJ01の「断り表現」はTNSに近くなる

5.今後の課題 滞日経験ある学習者の意味公式の使用個数と「断り表現」を分析、 比較 SPSSの分散分析と多重比較を通して、「勧誘・依頼場面」に対する 「断り」のポライトネス度調査を分析、比較 日本語学習者の「断り表現」に対して日本人の評価を調査、分析 参考文献の整理

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