臓器提供意思表示を チームグリーン ~記入率向上のためのグリーンシステム~ 田邉 健一郎 五月女 智仁 荻原 徹子 髙島 未帆 田中 大地 日本大学経済学部 三井泉ゼミナール 臓器提供意思表示を ~記入率向上のためのグリーンシステム~ チームグリーン 田邉 健一郎 五月女 智仁 荻原 徹子 髙島 未帆 田中 大地 野口 哲郎 これから、日本大学経済学部、チームグリーンの発表をはじめます。 発表はわたくし、荻原徹子と五月女智仁。 パワーポイントは田中大地でお送りします。 よろしくお願いします。
ご存じですか? 臓器移植カード ポスター(think transplant) みなさん、このカード、そしてポスターをご存じですか?
見覚えありませんか? これは臓器移植カードと、「think transplant」というタイトルで、臓器移植について考えようというポスターです。 このような、臓器移植についてのカードやポスターは、大学や街中(なか)にあるため、見たことがあり馴染みがあると思います。
臓器移植法改正 をご存じですか? しかし、そんな臓器移植に関わる法改正が今年7月17日に行われたのをご存じでしょうか?
本人が拒否していない場合、家族の承認で承諾できる 臓器移植法改正 本人が拒否していない場合、家族の承認で承諾できる 15歳未満からの脳死下提供が可能 この法改正により、生前の意思表示がなくても本人が拒否していない場合、家族の了承で臓器提供できることになり、脳死になった人の家族は選択を迫られることになります。 脳死になった家族は選択を迫られる
多くの国民にとって、 臓器移植は人ごとではなくなるのです あなたが脳死になった場合 家族は移植の決断を できるでしょうか 家族は移植の決断を できるでしょうか 家族が脳死になった場合、 あなたは臓器移植の決断をできるでしょうか? もし、あなたの家族が脳死になった場合、 あなたは臓器移植の決断をできるでしょうか? また、あなたが脳死になったとき、家族は臓器移植の決断を下すことができるでしょうか? そう、多くの国民にとって、臓器移植は他人ごとではなくなるのです。 多くの国民にとって、 臓器移植は人ごとではなくなるのです
臓器移植法改正についての認知度調査 42% 58% 約4割もの人が法改正について知らない 臓器移植について研究 出所:読売新聞 6月30日付 にもかかわらず、6月30日付の読売新聞によると、約4割もの人がこの法改正について知りませんでした。 この事態に危機感を抱き、わたしたちは臓器移植をテーマに研究をしていくことにしました。 出所:読売新聞 6月30日付 臓器移植について研究 約4割もの人が法改正について知らない
プレゼンテーションの概要 日本の臓器移植の現状・問題点 問題解決のプラン これからの展望 概要はこのようになっております。 ①日本の臓器移植の現状・問題点 ②問題解決のプラン ③これからの展望 これからの展望
臓器提供意思表示 提供したい人 増加 提供したくない人 減少 提供しようと考える人が増えてきている まずは、日本における臓器移植の現状と問題点についてです。 ここ10年間の臓器提供意思に関する調査によると、43.5%の人が脳死後に臓器提供をしたいと考えていて、逆にしたくない人は24.5%という結果となっています。 提供したいという意思を持つ人の割合は増加していて、逆に提供したくない人の数が減少しています。 少しずつ、臓器提供しようと考える人が増えていることが分かります。 出所:内閣府『移植に関する世論調査・平成20年9月調査』 提供しようと考える人が増えてきている
意思表示カード所持率・記入率 所持率が低い 記入率が低い 出所:内閣府『移植に関する世論調査・平成20年9月調査』 しかし、日本における意思表示カードの所持率と記入率をみた場合、カードの所持率は8.4%、そして記入率においては、そのうちの半分の4.2%と、カードを所持している人も、記入している人も、かなり少ないことが分かります。 出所:内閣府『移植に関する世論調査・平成20年9月調査』
臓器提供したい人は増えている 記入率が伸びないのはなぜ? 臓器提供したいと考える人が増えている一方で、意思表示カードに記入しようとする人の割合が伸びない理由は何なのでしょうか?
原因① 臓器移植に関する情報不足 Q,臓器移植に関する情報を 十分に得ていますか? 安全性 11.2 8 80.8 医療情報 原因① 臓器移植に関する情報不足 Q,臓器移植に関する情報を 十分に得ていますか? 安全性 11.2 8 医療情報 80.8 そう思わない そう思う わからない この原因の1つとして、臓器移植に関する知識を十分に得られていないことがあげられます。 内閣府による世論調査では、臓器移植に関する情報を十分に得ているかという問いに対して約8割の人がそう思ってないという結果でした。 さらに詳しく見てみると、どのような情報がほしいかという問いに対しては、安全性と医療情報、要する費用等、臓器移植全般に情報が足りていないことが分かります。 出所:内閣府『移植に関する世論調査・平成20年9月調査』 臓器移植全般の情報が足りていない
現状は・・・ 知らない人が多い 提供しない 意思表示は出来る? 《1.2.3. いずれかの番号を○で囲んでください。》 1. 私は、脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植の為に 臓器を提供します。 2. 私は、心臓が停止した死後に限り、移植の為に臓器を提供します。 3. 私は、臓器を提供しません。 《 1 又は 2 を選んだ方で、提供したくない臓器があれば、×をつけてください。》 【 心臓 ・ 肺 ・ 肝臓 ・ 腎臓 ・ 膵臓 ・ 小腸 ・ 眼球 】 〔特記欄: 〕 署名 年 月 日 : 年 月 日 本人署名(自筆) :_______________________________ 家族署名(自筆) :_____________ また、意思表示に関しても、「提供する」意思だけでなく、「提供しない」という意思表示の仕方があることを知らない人も多いことなど。 知らない人が多い
伝わっていない! ・臓器移植の安全性 ・臓器移植に要する費用 ・臓器移植の実施状況 ・政府の支援 ・患者の選定の仕方 ・体験された方の情報 臓器提供の意思を示す人が必要としている知識をきちんと得られていないという問題が挙げられます。 伝わっていない!
原因② 人々の意識の低さ ◆レシピエント◆ 臓器移植を受ける人 自分自身がいつレシピエントに なるかわからないという考え方 原因② 人々の意識の低さ 日本臓器移植ネットワーク 朝居さんの意見 ◆レシピエント◆ 臓器移植を受ける人 臓器提供に対して 自分には関係ない・他人事 といった考え。 原因の2つ目としては、臓器提供に対する人々の意識の低さが挙げられます。 実際、日本臓器移植ネットワークでお話しを伺ったところ、移植コーディネーターの朝居さんから、日本で意思表示が進まないのには、自分には関係ない・他人事といった考えをもっている人が多い。 自分自身がいつレシピエントになるかわからないという、考え方をもたせることが必要。といった意見をいただきました。 自分自身がいつレシピエントに なるかわからないという考え方
178 197 記入するまでの意識はもっていない 20~40代 男女250名にアンケート Q,意思表示 していますか? Q,法改正を 20~40代 男女250名にアンケート Q,意思表示 していますか? Q,法改正を ご存じですか? 53 72 178 197 実際、わたしたちが行ったアンケート調査によると、約1割の人しか、臓器提供の意思表示を記入しておらず、法改正などは知っていても、行動に移すまでの高い意識を持っている人は少なかったといえます。 記入するまでの意識はもっていない
問題① グリーン システム ・臓器移植に関する 必要な情報が伝わってない 問題② ・臓器移植に関する意識が低い 必要な情報が伝わってない 問題② そこで、これら2つの問題を解決するために、グリーンシステムを提案します。 ・臓器移植に関する意識が低い
グリーンシステム ドナー 意思表示の記入率を 伸ばすという目標の実現 臓器移植 ドナー の家族 レシピエント 伸ばすという目標の実現 臓器移植 臓器移植医療の当事者である、ドナー・家族・レシピエント、この3つの視点から臓器移植を考えており、 これにより、意思表示の記入率を伸ばすという目標を実現していきます。 ドナー の家族 レシピエント
プラン概要 意思表示キットについて 共済について プランの概要はこのようになっております。 フィールドリサーチ
意思表示キットについて 意思表示キットに登録 臓器提供の理解 臓器提供の意思表示 共済への加入 まず、私たちの提案するプランには2つのステップがあり、1つ目のステップとして、意思表示キットというものに登録してもらいます。 共済への加入
意思表示キットについて 意思表示キット 既存のリーフレット ・臓器提供意思表示カード ・実体験に基づく声 ・臓器提供意思表示カード ・実体験に基づく声 ・意思表示の理由を書く手紙 ・共済についての説明書 ・臓器提供についての情報 臓器移植の安全性、ドナーとレシピエントの選定方法 臓器移植の費用、最新の医療技術、政府の支援など 意思表示キット ・臓器移植について ・脳死について ・親族優先提供について ・記入方法 ・臓器提供の流れ ・臓器意欲に関するQ&A 既存のリーフレット このキットの中身はこのようになっており、現在のカード付きリーフレットの内容とはこのように異なっています。 また、このキットには意思表示の理由をかける手紙が入っている点が特徴といえます。
意思表示キット 意思表示する人 情報不足の解決 必要としている情報 情報 このキットにより、臓器提供の意思を示す人が必要としている情報をきちんと与えていくことができるため、情報の不足という問題を解決することができます。 必要としている情報 情報不足の解決
意思表示キットについて 意思表示キット 既存のリーフレット ・臓器提供意思表示カード ・実体験に基づく声 ・臓器提供意思表示カード ・実体験に基づく声 ・意思表示の理由を書く手紙 ・共済についての説明書 ・臓器提供についての情報 臓器移植の安全性、ドナーとレシピエントの選定方法 臓器移植の費用、最新の医療技術、政府の支援など ・臓器移植について ・脳死について ・親族優先提供について ・記入方法 ・臓器提供の流れ ・臓器意欲に関するQ&A 既存のリーフレット また、このキットには意思表示の理由をかける手紙が入っている点が特徴といえます。
家族の心理的負担軽減 スムーズな臓器提供 意思表示理由 残された家族 脳死判定を受けた家族 レシピエント 承認 実際に、家族が脳死判定を受けた場合、本人の意思表示の理由が分かれば、家族の心理的負担が軽減されます。 また、レシピエントへのスムーズな臓器提供につながります。 承認 家族の心理的負担軽減 スムーズな臓器提供
意思表示キットについて 意思表示キットに登録 臓器提供の理解 臓器提供の意思表示 共済への加入 1つめの ステップ終了 ステップ終了 このような、手続きを済ませることで、臓器提供について知ってもらい、そして、意思表示を記入してもらいます。 ここで、1つめのステップが終了します。 次に、2つめのステップとして、共済についての説明を受け、加入するかを考えてもらいます。 共済への加入
共済について 臓器移植 表裏一体 臓器移植は他人事 明日は我が身の考え方へ! 自分への先行投資 第3者の善意の医療 手術の際に申請するもの 共済を考えた理由としては、現在の臓器移植は、第3者の善意による医療といった考えがあります。 また、自分が病気になったときにはじめて、臓器移植について考える姿勢。 そして、移植手術するときにだけ臓器提供を受けたいと申請すれば良いという考えもあります。 しかし、わたしたちは、自分自身もいつレシピエントになるか分からないので、ドナーとレシピエントは表裏一体である。 自分への先行投資という考え方をしておくことが大切であると考えました。 このことから、共済の相互扶助の考えに基づくことで、多くの人が意思表示をすることにつながるのではないかと考えました。 これにより、臓器移植は他人事といった考え方を、明日は我が身といった考え方へと変えていきます。 臓器移植は他人事 明日は我が身の考え方へ!
共済について 意思表示キットに登録 臓器提供の理解 臓器提供の意思表示 ステップ 2が終了 共済への加入 移植費用の軽減 心臓移植の場合 約50~150万円 これら、意思表示キットの登録、共済への加入をしてもらうことで、臓器移植手術に必要となる金額の自己負担分を万が一の際、軽減することができるのです。 ちなみに、心臓移植を例にあげた場合、たとえ民間の保険が適用されても、レシピエント側は 飛行機のチャーター、移植コーディネーターへの経費などで 約50~150万円を自己負担することになります。 これで2つめのステップが終了します。 ステップ 2が終了 共済への加入
フィールドリサーチ 実現性の検証 全労済 代々木公園 日本臓器移植 ネットワーク 実際に、わたしたちはプランへの需要・実現性を探るために、フィールドリサーチを行ってきました。 日本臓器移植 ネットワーク 全労済 代々木公園 実現性の検証
全国労働者共済生活協同組合連合会 ニーズが増えてくれば 実現性も増してくる 臓器移植への考えを 相互扶助で変える点が斬新的 まず、全労済にプランを見てもらったところ、 「共済の基本にある、相互扶助の原理に基づき、臓器移植への考えを変えていくという着眼点は斬新的である。今後、さらに臓器移植の件数が増えていくことで、ニーズが増えてくれば実現性も増してくる。」といった貴重なご意見をいただくことができました。 ニーズが増えてくれば 実現性も増してくる 臓器移植への考えを 相互扶助で変える点が斬新的
プランへのアンケート調査 6割の方が意思表示キットが必要 6割の方が共済を利用したい 20~40代 男女 250名 代々木公園にて プランへのアンケート調査 20~40代 男女 250名 代々木公園にて そこで、20代から40代までの方、約250名の方にアンケート調査を行ったところ、 意思表示キットのような、臓器提供に関する情報・意思表示の行えるものがあれば利用してみたいという方が、約6割。 そして、移植手術を受ける際に必要となる、金額を軽減してくれる共済があれば加入したいという方も6割と、多くの方に賛成意見をいただけました。 6割の方が意思表示キットが必要 6割の方が共済を利用したい
日本臓器移植ネットワーク 経営学の視点から臓器移植を 広めていくのは面白い また、日本臓器移植ネットワークに行ったところ、 「医療界の常識は世間の非常識といわれており、経営学という畑ちがいの視点から臓器移植を広めていくのは非常に面白い。」といったご意見をいただきました。 経営学の視点から臓器移植を 広めていくのは面白い
グリーンシステム ドナー 臓器移植に関する知識を深める 臓器移植に対する考えの変化 意思を理由とともに 医療費の負担が軽減 伝えられる ドナーの家族 レシピエント 意思を理由とともに 伝えられる 今回、われわれの提案するグリーンプランによって、臓器移植に関する知識を深められ、臓器移植に対する考えが変わるだけでなく、 臓器移植に関わる3者にとっても ドナーは手紙により自分の意思を理由とともに、家族へ伝えられる点。 ドナーの家族は、本人の意思を反映した臓器提供の決断ができる点。 レシピエントは、医療費の負担が軽減される点。 において、必要とされます。 医療費の負担が軽減 本人の意思を反映した 臓器提供の決断ができる
意思表示記入率を伸ばす という目標への第一歩 また、このプランによって意思表示の記入率を伸ばすという目標への第一歩につながると考えています。
参考文献 内閣府ホームページ http://www.cao.go.jp/ (7月21日参照) 日本臓器移植ネットワーク 内閣府ホームページ http://www.cao.go.jp/ (7月21日参照) 日本臓器移植ネットワーク http://www.jotnw.or.jp/donation/donorcard.html (7月21日参照) 厚生労働省ホームページ http://www.mhlw.go.jp/ 全国労働者共済生活協同組合連合会 http://www.zenrosai.coop/ 読売新聞 2010年6月30日付 中日新聞 2010年7月20日付 『共済は保険を越えられるか』 庭田範秋 社団法人共済保険研究会 昭和62年8月30日 『競争時代の保険・共済』 庭田範秋 慶應通信株式会社 昭和61年 図解わかる年金 国民年金厚生年金保険共済組合 中尾幸村著1997年 『脳死・臓器移植と法』 中山研一著 成文堂 1989年 『脳死と臓器移植』 日本人の選択 水野肇著 紀伊国屋書店 1927年 参考文献はこのようになっております。
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