中国初、中学校向け第二外国語教育用 日本語教材『好朋友」全5巻の誕生
『好朋友』の構成
漫画の主人公たちとの出会い 日本語を学ぶ世界6ヶ国の中学生との出会い 教材をとおして登場
中国語を学ぶ日本の中学生との出会い このなかの2名の日本の中学生が教材をとおして登場
5巻の流れ:グラビア(見開き頁)のコンセプト 1 日本語を学ぶと日本語話者とコミュニケーションできるようになる。日本語話者は日本人だけではない 日本語話者=日本語人との出会いの広がり 日本の中学生も中国語を学んでいる=互いに学ぼう 2 個文化の異同への着目:世界の同世代を知る 3 国や地域や年代による文化の異同への着目 4 日本で活躍する中国人 中国で活躍する日本人 日中のつながり 世界に広がる将来の活躍の場 5 世界のつながり 地球共同体の認識 これからの世界をつくる私たち
5巻の流れ:漫画のストーリー 1 主人公二人の出会い(横浜/星からきた美佳) 学校:美佳が主人公5人の学校に転校してくる 2 学校:転校してきた日の昼食と午後の授業 3 美佳の家:6人で誕生会を開く 4 大連の街:6人で買い物に行く・外食する 男子3人のサッカーの試合を応援をする 5 6人で金州に旅行する 美佳の帰国
5巻の流れ:漫画の主人公たちが 友だちになっていく過程 1 美佳と王志鵬の星海公園での出会い 美佳と王の再会+4人の仲間との出会い 2 6人が知り合っていく過程 3 6人が仲良くなっていく過程 4 6人はすっかり朋友に 5 好朋友になった6人
⇒日本だけでなく世界に目を向け、さまざまな背景をもつ人びととつきあっていく力を育てる 5巻の流れ:6カ国の中学生との出会い 1 アメリカ、オーストラリア、韓国、モンゴル、ロシア、日本の2人、計7人の中学生 グラビアに登場 7人の好きなこと、得意なことなどを知る 2 7人の学校生活、家族のことなどを知る 3 7人の日常生活(衣食住)を理解する 日本の2人の生活を理解する 4 日本の2人の生活を理解する 5人が大連にやってくる 5 7人とともに21世紀の未来を担う ⇒日本だけでなく世界に目を向け、さまざまな背景をもつ人びととつきあっていく力を育てる
5巻の流れ:主題場面・主題/トピック 漫画の物語の展開に沿って主題が広がる 1 新朋友との出会い・未知のことばとの出会い 自己紹介、学校生活 2 学校:時間割、一日の生活、家族、食 3 家庭:誘う、訪問する、贈る、招待する、ほめる、遊ぶ、自分を発見する・気持ちを表す 4 大連市内:約束、買い物、外食、応援 5 金州:旅行の計画 帰国:お土産、記念、別れ、夢
各課の構成:教育方法のポイント 主 題: 漫画の場面から、自然に学習内容を導入 主 題: 漫画の場面から、自然に学習内容を導入 中学生の興味関心を踏まえつつ、 ↓ それを豊かに広げていく内容を重視する 学習目標: 中学生が日本語を使って何ができるよう になるか、各課の明確な学習目標を設定 学習活動: 学習目標を達成するための方法を提示 ①学習者参加型のコミュニケーション活動中心 ②表現:学習活動に自然に日本語の表現を導入 ③語 彙:学習活動に自然に日本語の語彙を導入 教育方法の転換: 従来の、文法・語彙を記憶することが目標となってきた学習方法から脱し、 実際のコミュニケーションができるようになることを目標として、そのために 表現・語彙を学習する方法を提示している
課程標準・日本語課程の目標の枠組みとも合致
明確な目標を設定する 明確なコミュニケーション能力 (総合的言語運用能力)を 学習到達目標として設定する 日本語を使って現実場面で 何ができるようになるといいのか?
コミュニケーション能力中心の学習目標の例 日本語を使って ☆自己紹介ができるようになりたい ☆いっしょに漫画とかスポーツとか、 好きなことについて話したいなあ! ☆電話番号やメールアドレスを交換したいな
文法・語彙中心の学習目標の例 ~です、~ですか、がわかるようになりたい 助詞の「は」と「が」の違いがわかるようになりたい ~が好きという表現を勉強したい 数字の数え方がわかるようになりたい
コミュニケーション中心の学習の場合の 表現・語彙の位置づけ 自己紹介をするために、 「王です。どうぞよろしく」 を覚えなきゃ 好きなことについて話すときに、 「サッカーが好き。サッカーが好き?」 とやりとりすればいいんだ 電話番号を交換するために数字を勉強しておこう
第16課の場合:学習目標 (日本語を使って何ができるようになるのかを提示) 表p13 ≪学習活動≫ 1 だれに、いつ、どんなものを、なぜ贈ったか考えることができる。 2 友達へのプレゼントについて、相手の好みなどを考えながら、 相談して決めることができる。 3 決まり文句を使ってカード(バースデーカード,教師節のカード、 母の日父の日のカードなど)を書くことができる。 4 もらったカードを読むことができる。 5 (相手の好みなどを考えて選んだ)贈り物やカードを、言葉を 添えて渡すことができる。
を達成するために、学習活動で語彙や表現を学ぶ コミュニケーション能力目標 *贈り物やカードを、言葉を添えて渡すことができる。 を達成するために、学習活動で語彙や表現を学ぶ *誕生日、プレゼント、おめでとう、とか覚えればいいんだね。 *どうぞ、お誕生日おめでとう、いつもありがとう という言い方を練習すればいいんだね。 ☆仲良くなった友だちに、早速プレゼント贈れるなあ☆ ニコニコ (o^∇^o)ノ
第16課の文化の学習目標 風呂敷の包み方を理解し、プレゼントを包むことが ≪コラム(文化理解)≫ 第16課の文化の学習目標 ≪コラム(文化理解)≫ 新年を祝う日中韓の行事を比較しながら、行事の形 態や時期が異なっても、人間としての気持ちや行事 の機能には共通性があることに気づく。 ≪日本語広場≫ 風呂敷の包み方を理解し、プレゼントを包むことが できる。
文化の学びのプロセスと視点 文化事象とのであい 関心・観察・気づき 自他の文化の比較 共通性・相違性の発見、自己の発見 関心・観察・気づき 自他の文化の比較 共通性・相違性の発見、自己の発見 共通性・相違性の要因の考察 文化の多様性・可変性の気づき 共感性、関係性の発見 判断基準・準拠枠の広がり 異文化間の調整
文化理解の方法 ◆比較対象は多様 固定的にとらえない 日本と中国だけではない 日本のなかの多様性、中国のなかの多様性 文化理解の方法 ◆比較対象は多様 固定的にとらえない 日本と中国だけではない 日本のなかの多様性、中国のなかの多様性 グローバルカルチャー (地域化) 個文化とサブカルチャー(地域、家族、性別、年代ほか) ◆文化の視点を獲得する 文化は変化する 文化は多様である ◆伝統と現代のバランスをとる つながりを考える ◆固有性(エキゾチズム)や相違性を過度に強調しない 共通性・共有性も同時に紹介する